ケンカ - みる会図書館


検索対象: キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録
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1. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

ーか」 。ハチン、と朱雀と手を叩き合ってから、剣はもう一度あらためて書類をめくりだした。 テープルの上に屈み込んで、朱雀にはちょうど背を向ける格好である。 つばの と、うしろで、ごく、と唾を呑み込む、やけに大きな音がした。 がまん 三悪いけど我慢切れだぜ、如月」 せりふ . ぼそっ、とそんな台詞がこぼされるのが、すぐ背後。 かと思うと、いきなり肩をつかまれる。 「えっ ひょいと抱え上げられて、剣はあっという間に仰向けにテープルの上に押し倒されてしまっ あわ ぶあいそう 慌てて見上げるすぐ上には、いつもどおりの朱雀の無愛想で、 「えっ ? えっ ? うわっ、朱雀っ ? 」 「 : : : 時間ねーから、ちょっとだけな 「つつーか、なに、これ。ケンカ ? にしたら、ずいぶん不意打ちじゃねーかつ。オレのこと テープルに乗っけて、どーするつもりつ ? 」 「 : 二 : ま、ケンカみたいなもん」 「あ、そ ? だったら買う買う。買っちゃう。でもなんでオレのボタンはずしてんの ? 」 かが あおむ

2. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

100 「 : : : ケンカのまえのご挨拶」 「ふうん。おまえって案外礼儀正しいのな」 見つけた注文票を手に握ったままで、剣は楕円テープルの上。 ケンカ、と聞かされるやいなや目を輝かせて注文票を放りだし、受けてたっぜと、すかさず 相手の上着の襟をつかんだのだったが、 「きゃああああ 突然そこへ金切り声が聞こえてきた。 朱雀の襟をつかんだまま、がばつ、と剣はテープルの上に起き上がる。 「うわ、すんごい悲鳴。だれつ ? 」 「 : : : 玄関ホールの彫刻が叫んでるんでなけりゃあ、だれかにのぞかれたってことだろ 「のぞき ? それってヤ・ハいじゃないつ」 : つつっても、まだヤ・ハいことしてねーけどな」 「ううん。オレたち、もうしちゃったも同然だぜ。ほら、あそこに注文票・ハラまいちゃってる し、おまえが部屋の鍵ぶつ壊してるし」 いったんテープルの向こうに放りだした注文票を、剣はすばやく拾いにいった。 そのあいだに朱雀が部屋のおもてを確かめにいく。 あいさっ

3. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

100 「 : : : ケンカのまえのご挨拶」 「ふうん。おまえって案外礼儀正しいのな」 見つけた注文票を手に握ったままで、剣は楕円テープルの上。 ケンカ、と聞かされるやいなや目を輝かせて注文票を放りだし、受けてたっぜと、すかさず 相手の上着の襟をつかんだのだったが、 「きゃああああ 突然そこへ金切り声が聞こえてきた。 朱雀の襟をつかんだまま、がばつ、と剣はテープルの上に起き上がる。 「うわ、すんごい悲鳴。だれつ ? 」 「 : : : 玄関ホールの彫刻が叫んでるんでなけりゃあ、だれかにのぞかれたってことだろー 「のぞき ? それってャパいじゃないっ : つつっても、まだヤ・ハいことしてねーけどな」 「ううん。オレたち、もうしちゃったも同然だぜ。ほら、あそこに注文票バラまいちゃってる し、おまえが部屋の鍵ぶつ壊してるし」 いったんテープルの向こうに放りだした注文票を、剣はすばやく拾いにいった。 そのあいだに朱雀が部屋のおもてを確かめにいく。 えり あいさっ

4. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

9 ーか」 。ハチン、と朱雀と手を叩き合ってから、剣はもう一度あらためて書類をめくりだした。 テープルの上に屈み込んで、朱雀にはちょうど背を向ける格好である。 つばの と、・うしろで、ごく、と唾を呑み込む、やけに大きな音がした。 がまん 「・、 : こ悪いけど我慢切れだぜ、如月」 せりふ . ぼそっ、とそんな台詞がこぼされるのが、すぐ背後。 かと思うと、いきなり肩をつかれる。 「えつ」 ひょいと抱え上げられて、剣はあっという間に仰向けにテープルの上に押し倒されてしまっ あわ ぶあいそう 慌てて見上げるすぐ上には、いつもどおりの朱雀の無愛想で、 「えっ ? えっ ? うわっ、朱雀っ ? 」 「 : : : 時間ねーから、ちょっとだけな 「つつーか、なに、これ。ケンカ ? にしたら、ずいぶん不意打ちじゃねーかつ。オレのこと テープルに乗っけて、どーするつもりつ ? 「 : 一・ : ま、ケンカみたいなもん」 「あ、そ ? だったら買う買う。買っちゃう。でもなんでオレのボタンはずしてんの ? 」 かが あおむ

5. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

かはどーでもよくって、とにかくあいっと仲良くすんので精一杯なんだよね」 「えつ、朱雀 ? 朱雀って、もしかして一年の篁くん ? キミといっしょに風紀委員に指名さ ふんいき れた ? 恐れ多くも躑躅先輩と同室の ? 雰囲気怖くてだれもマトモに声かけられないってい う、あの ? 」 「そ。愛想は全然ねーけど、いっしょに遊ぶとおもしろいやつでさ。ケンカなんかすると、す んごく気持ちいいの。なあなあ、おまえもいっぺん、いっしょにどう ? 鹿ヶ谷」 やばんげせん 「ケっ : : : ケンカ ? そんな野蛮で下賤なこと、とてもじゃないけど僕はつ」 「ここだけの話だけどさ。オレ、朱雀と勝負できるんなら、トカゲ先輩の変態趣味にも、ちょ こっとだけならっき合ったってかまわないって思うんだよね。ほら、いっしょに風紀委員やっ てたら、嫌でも顔つき合わせるだろ。朱雀のやっと」 「 : : : ということは、キミ、あくまでもやめるつもりはないんだね。風紀委員」 ごりようじ 「でもまあ、御霊寺生徒会長と、もういっぺんキスしろって言われたら、あっさりやめちゃう かもな、」 「たとえば、身に危険が迫ったりしたら ? 」 「あはは。危険っていったら、この学校じたい相当危険な感じだしな、」 「キミ、きっともう呪われてると思うんだよね。僕が思うに」 「そ、そ、。転校早々、霊能会長とトカゲ副会長に出くわしたときから、すでに呪われてる感

6. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

, こいい〃部類に人る外見。けれども、愛想というもののまるでない冷たい目つきが、その見た 自の良さをおおいに損ねている。 その朱雀がいかにも面倒くさげなそぶりで、着替えるとちゅうの剣に文句をつける。 対して剣は、少しもかまわずジーン」ズを脱ぎ、シャツを脱いで、なんともおおっぴらな着 ひろう 替えシーンの披露だ。 「なんだよ、いいじゃねーか、朱雀。 " 男同士で裸のつき合い〃なんて、全寮制ャロー校の醍 ごみ , 醐味なんじゃないの ? あれつ、ズボン後ろと前と逆にはいちゃった。ええっと : : : なあな あ、このタイ、どうやって結ぶわけ ? 」 「・ : : ・着替えんの手伝ってもらうついでに、襲われたいかよ」 「お、ケンカ ? 、いいぜ、いいぜ。オレ、そろそろ元気が余ってきてるもん。だって、ほら、 ここって基本的にお坊ちゃん学校だろ ? とんでもなく変な行事とか、とてつもなく妙な先輩 とかはそろってるけど、ふつうにケンカふつかけてきてくれるヤツがいないんだよね」 「 : : : それが不満かよ」、 「あれつ ? ボタンぜんぶ一個ずつズレちゃった。うわ、ついでにネクタイで首絞めちゃった ぜなあなあ、この校章って右の胸だっけ。それとも左 ? 」 : ついてりや、どっちでもいーんじゃねーの」 そもそも如月剣がこの青桃院に転校してきたのは、篁朱雀を追いかけてのことだ。 あいそ みよう だい

7. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

かはどーでもよくって、とにかくあいっと仲良くすんので精一杯なんだよね」 「えつ、朱雀 ? 朱雀って、もしかして一年の篁くん ? キミといっしょに風紀委員に指名さ ふんいき れた ? 恐れ多くも躑躅先輩と同室の ? 雰囲気怖くてだれもマトモに声かけられないってい う、あの ? 」 「そ。愛想は全然ねーけど、いっしょに遊ぶとおもしろいやつでさ。ケンカなんかすると、す んごく気持ちいいの。なあなあ、おまえもいっぺん、いっしょにどう ? 鹿ヶ谷ー やばんげせん 「ケっ : : : ケンカ ? そんな野蛮で下賤なこと、とてもじゃないけど僕はつ」 「ここだけの話だけどさ。オレ、朱雀と勝負できるんなら、トカゲ先輩の変態趣味にも、ちょ こっとだけならっき合ったってかまわないって思うんだよね。ほら、いっしょに風紀委員やっ てたら、嫌でも顔つき合わせるだろ。朱雀のやっと」 「 : : : ということは、キミ、あくまでもやめるつもりはないんだね。風紀委員」 ごりようじ 「でもまあ、御霊寺生徒会長と、もういっぺんキスしろって言われたら、あっさりやめちゃう か、も学な・、・ 「たとえば、身に危険が迫ったりしたら ? 」 「あはは。危険っていったら、この学校じたい相当危険な感じだしな、」 「キミ、きっともう呪われてると思うんだよね。僕が思うに」 「そ、そ、。転校早々、霊能会長とトカゲ副会長に出くわしたときから、すでに呪われてる感

8. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

105 キケンじゃないだろ ! のドア壊してなきゃあ、もうちょっとうまくごまかしてたぜ。注文票も手に人らないし。とに かく、あとでトカゲ先輩に報告。あ、あ、踏んだり蹴ったり。おまえともせつかくャレると思 ったのに惜しかったよなあ、ケンカ ! 」 青桃会室に残された鹿ヶ谷は、カメラを抱いたままひとりつぶやいている。 てんびん 「ふ : : : 二股だっ。あの如月っ : : : 恐れ多くも、伊集院先輩と篁朱雀を天秤にかけてるつ ! 」 ふたまた け

9. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

105 キケンじゃないだろ ! のドア壊してなきゃあ、もうちょっとうまくごまかしてたぜ。注文票も手に人らないし。とに かく、あとでトカゲ先輩に報告。あ、あ、踏んだり蹴ったり。おまえともせつかくャレると思 ったのに惜しかったよなあ、ケンカ ! 」 青桃会室に残された鹿ヶ谷は、カメラを抱いたままひとりつぶやいている。 てんびん 「ふ : : : 二股だっ。あの如月っ : : : 恐れ多くも、伊集院先輩と篁朱雀を天秤にかけてるつ ! 」 ふたまた け

10. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

絆創膏を貼った鼻の先を正体不明の落下物にかすめられて、思わずそこを手で押さえながら 飛びのいた。 「うわ : : : わっ」 「おい。ポケッとしてねえで、木の下人れよ」 「なになになにつ。もしかして、空から落とし物とかっ ? 」 「 : : : くそ面倒くせー」 見上げてみると、ちょうど真上は九重寮の階段ホールだ。 ステンドグラスで飾られた三階のあたりに、ちら、と人影が見えたような見えないような。 剣たちが木陰に逃げ込んでしまうと、ものが落ちてくるのもびたりとやんで、 「うひやあ。落とし物ってわけじゃないのかよ。しつかし、危ねえ、」 「だ、だ、大丈夫かい ? 如月」 うら 「だいじよぶ、だいじよぶ。それはそうと、竹中。おまえ、だれかに恨まれてんのか ? 」 「えっ ! ぼ、ぼ、ぼ、僕っ ? ううん。だって僕の家系は、血で血を洗うような争いは明治 ひいおじい までで終わったって、曾祖父さまが : 「んじゃ、朱雀かよ。あっ。おまえ、オレに内緒でだれかとケンカやらかしたんだろ。ずるい ぜ。そういうときは、ちゃんとオレも誘えよな」 「おい。それより、こいっ : めいじ