ドレス - みる会図書館


検索対象: キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録
61件見つかりました。

1. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

186 、「ああっ、かわいらしいモナムール ! すばらしいプレゼ・ントをありがとうつ。実にうれし い。あまりのうれしさに耐えかねて、お礼にこうしてキミを迎えにきてあげたのさつ。さあ、 ともに披露宴へと出かけよう ! 」 「ひついひろうえんうわっ : : : うわっ : ・い・オレじゃないつ。きっと、オレじゃないっ 9 燕 いたずら 尾服隠してドレスの箱置いちゃうなんて、そんな悪戯しないって ! あっ、あっ、トカゲ先 輩、どーするつもりつ ! た、助けろ つ、朱雀 じごうじとく 「、 : ・ : 自業自得ってやつだよな」 部屋に踊り込んできた伊集院は、剣が贈った真っ白なウェディング・ドレス姿。 びぼう まぶしい美貌そのままに、やわらかい巻き毛がふわふわと風にそよいで、繊細な仕立てのレ ースが似合うといえば、壮絶なまでによく似合う。 、顔を真っ赤にして硬直した竹千代は、喜びに目を潤ませている。 ちょう 白い蝶タイを締め直しながら、朱雀はさっさと出かける支度だ。 剣は、 「うわあああああああああ あろうことか赤いドレスそのままの姿で、白ドレスの伊集院に横抱きにされてしまった。 そのままの格好で部屋を出て、 三条寮玄関を出て、 うる せんさい

2. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

186 、「ああっ、かわいらしいモナムール ! すばらしいプレゼ・ントをありがとうつ。実にうれし いあまりのうれしさに耐えかねて、お礼にこうしてキミを迎えにきてあげたのさつ。さあ、 ともに披露宴へと出かけよう ! 「ひついひろうえんにうわっ : : : うわっ : ・い・オレじゃないつ。きっと、オレじゃないっ 9 燕 いたずら 尾服隠してドレスの箱置いちゃうなんて、そんな悪戯しないって ! あっ、あっ、トカゲ先 輩、どーするつもりつ ! た、助けろ つ、朱雀 じごうじとく 「、 : ・ : 自業自得ってやつだよな」 部屋に踊り込んできた伊集院は、剣が贈った真っ白なウェディング、・ドレス姿。 びぼう まぶしい美貌そのままに、やわらかい巻き毛がふわふわと風にそよいで、繊細な仕立てのレ ースが似合うといえば、壮絶なまでによく似合う。 、顔を真っ赤にして硬直した竹千代は、喜びに目を潤ませている。 ちょう 白い蝶タイを締め直しながら、朱雀はさっさと出かける支度だ。 剣は、 「うわあああああああああ あろうことか赤いドレスそのままの姿で、白ドレスの伊集院に横抱きにされてしまった。 そのままの格好で部屋を出て、 三条寮玄関を出て、 うる せんさい

3. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

しようてん 「 " 燃えるカラダが限界なんだ〃かよ。これが本物だったら、即昇天だつつーの」 とりこ 「さあ、篁。白状したまえ ! ロ 女月くんをいかにして愛の虜にしたかっ かんべん 「 : : : 秘密です。それより先輩、約束どおりオレと如月のドレスは勘弁してください。オレは ともかく、あいつにドレスなんて着せたら目の毒です」 「ふふつ、わかっているよ。キミのかわいい如月くんには、真っ白なウェディングなんか着せ やしない。そんなことをしたら、キミのライ・ハルがさぞかし増えてしまうだろうからね。心中 いと 察するよ、篁。この僕だって、愛しい密のドレス姿を想像しただけで、危うく失神しそうにな るんだもの」 なにやら宙を見つめて想像に耽るらしい伊集院を放ったらかしにしておいて、朱雀はもう一 度手紙の丸文字に目をおとす。 しばしのあいだ考え込んだすえに、 「 : : : で、オレにもこうやって呼び出しがかかったってことは、鹿ヶ谷が欲しいのは、オレと い如月の " 決定的瞬間〃ってやつだよな。つつーことは、このラブレターにうまく引っかかって や みせたら、この際めでたく既成事実も作れて : : : 一石四鳥かよ」 ケ キ きせい ふけ

4. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

しようてん 「 " 燃えるカラダが限界なんだ〃かよ。これが本物だったら、即昇天だつつーの」 とりこ 如月くんをいかにして愛の舅にしたかっ」 「さあ、篁。白状したまえ ! かんべん 「 : : : 秘密です。それより先輩、約束どおりオレと如月のドレスは勘弁してください。オレは ともかく、あいつにドレスなんて着せたら目の毒です」 「ふふつ、わかっているよ。キミのかわいい如月くんには、真っ白なウェディングなんか着せ やしない。そんなことをしたら、キミのライ・ハルがさぞかし増えてしまうだろうからね。心中 いと 察するよ、篁。この僕だって、愛しい密のドレス姿を想像しただけで、危うく失神しそうにな るんだもの」 なにやら宙を見つめて想像に耽るらしい伊集院を放ったらかしにしておいて、朱雀はもう一 度手紙の丸文字に目をおとす。 しばしのあいだ考え込んだすえに、 「 : : : で、オレにもこうやって呼び出しがかかったってことは、鹿ヶ谷が欲しいのは、オレと い如月の " 決定的瞬間〃ってやつだよな。つつーことは、このラブレターにうまく引っかかって や : 一石四鳥かよ」 みせたら、この際めでたく既成事実も作れて : じ ン ケ キ きせい ふけ

5. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

しようてん 「 " 燃えるカラダが限界なんだ〃かよ。これが本物だったら、即昇天だつつーの」 とりこ 「さあ、篁。白状したまえ ! 如月くんをいかにして愛の虜にしたかっ」 かんべん 「・ : : 秘密です。それより先輩、約束どおりオレと如月のドレスは勘弁してください。オレは ともかく、あいつにドレスなんて着せたら目の毒です」 「ふふつ、わかっているよ。キミのかわいい如月くんには、真っ白なウェディングなんか着せ やしない。そんなことをしたら、キミのライ・ハルがさぞかし増えてしまうだろうからね。心中 いと 察するよ、篁。この僕だって、愛しい密のドレス姿を想像しただけで、危うく失神しそうにな るんだもの」 なにやら宙を見つめて想像に耽るらしい伊集院を放ったらかしにしておいて、朱雀はもう一 度手紙の丸文字に目をおとす。 しばしのあいだ考え込んだすえに、 「 : : : で、オレにもこうやって呼び出しがかかったってことは、鹿ヶ谷が欲しいのは、オレと な如月の " 決定的瞬間。ってやつだよな。つつーことは、このラブレターにうまく引っかかって きせい や じ みせたら、この際めでたく既成事実も作れて・ : 一石四鳥かよ」 ン ケ キ ふけ

6. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

192 白いドレス。 白いドレス。 白いドレスを着て、興奮に頬を染めた新委員たちだ。 彼らはまるで、来賓たちの黒い礼装のあいだに咲いた、初々しい白薔薇である。 「いやはや、今年のお披露目会はけっこうな演出だね。僕の在校中にも、青桃会がこんな素敵 な。ハーティーを開いてくれればよかったのに」 「まったくさ。いまから夜会のほうも楽しみだよ。しかし、彼らとダンスを楽しむためには競 争が激しそうだ」 「おお、御霊寺くん。すばらしいお披露目会に招いてもらえて光栄だねと、みなして話してい かたぶつ たところなんだよ。キミは一見堅物に見えるが、こうした楽しい趣向も思いつける柔軟さを持 ち合わせているんだね。いや、御霊寺家の跡取りとして実に頼もしい」 「む : : : こっ、これは、その : : : わたしではなく : : : い : : いっ : : ・伊っ : : : 」 もはや卒倒寸前という顔色の御霊寺が、客に向かって苦しい言い訳をしようと口を開きかけ るところへ、とどめを刺す一声が木立の奥から聞こえてきた。 「ひ そ 高らかな蹄の音。 しつく 疾駆する白馬。 ひづめ ほお ういうい

7. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

192 白いドレス。 白いドレス。 白いドレスを着て、興奮に頬を染めた新委員たちだ。 彼らはまるで、来賓たちの黒い礼装のあいだに咲いた、初々しい白薔薇である。 「いやはや、今年のお披露目会はけっこうな演出だね。僕の在校中にも、青桃会がこんな素敵 な。ハーティーを開いてくれればよかったのに」 「まったくさ。いまから夜会のほうも楽しみだよ。しかし、彼らとダンスを楽しむためには競 争が激しそうだ」 「おお、御霊寺くん。すばらしいお披露目会に招いてもらえて光栄だねと、みなして話してい かたぶつ たところなんだよ。キミは一見堅物に見えるが、こうした楽しい趣向も思いつける柔軟さを持 ち合わせているんだね。いや、御霊寺家の跡取りとして実に頼もしい」 : いっ : : : 伊っ : : : 」 「む・ : : ・こっ、これは、その : : : わたしではなく : : : い : もはや卒倒寸前という顔色の御霊寺が、客に向かって苦しい言い訳をしようと口を開きかけ るところへ、とどめを刺す一声が木立の奥から聞こえてきた。 「ひ そ 高らかな蹄の音。 しつく 疾駆する白馬。 ひづめ ほお ういうい

8. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

「朱雀 ? あ、そっか。そーだよな。オレより朱雀のほうが、きっとまだマシだよな。なあな あ、朱雀。、オレが着ていくの駄目っていうなら、おまえ試しに着てみてくんない ? 」 呆れて二の句がっげない朱雀の燕尾服を、剣はさっさと脱がしにかかる。竹千代も手伝いに 人って、たちまちシャッまで脱がされた朱雀の頭から、真っ赤なドレスが無理やり被せられ ( 0 「ちょっと腕上げろよ、朱雀。あっ、やつばしサイズ的に無理みたい。靴が丸見えだし。背中 が開きつばなしって「やつばしセクシーすぎ ? なあなあ、こっち向いて・ , 「た : ・ : た : : ・篁くんつ。なんていうか : : : キミのその格好、迫力を感じるよっ。赤は似合う けど、ドレ・スは : : : やつばり、如月のほうが無難かな : : : ぶぶつ ! 」 にら 、無一言でじろりとこちらを睨む朱雀から、剣は無理やりいったん着せたドレスを取り上げる。 い昨日から着たきりの制服を、その場でぼんぼんと脱ぎ捨てた。 「しょーがねーだろ、時間ないんだし。男のストリップなんて ) なんてことないない。なあ、 竹中、うしろとめてくれる ? ほら、朱雀、どお ? オレの〃カルメン〃」 ーキ 赤いドレスに身を包み、朱雀のまえでポーズをとってみせる剣だ。 あき かぶ

9. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

「朱雀 ? あ、そっか。そーだよな。オレより朱雀のほうが、きっとまだマシだよな。なあな あ、朱雀。オレが着ていくの駄目っていうなら、おまえ試しに着てみてくんない ? 」 あき 呆れて二の句がっげない朱雀の燕尾服を、剣はさっさと脱がしにかかる。竹千代も手伝いに 人って、たちまちシャッまで脱がされた朱雀の頭から、真っ赤なドレスが無理やり被せられ こ 0 「ちょ - っと腕上げろよ、朱雀。あっ、やつばしサイズ的に無理みたい。靴が丸見えだし。背中 が開きつばなしって、やつばしセクシーすぎ ? なあなあ、こっち向いて・ , ・ぶ 「た : ・た : ・・篁くんつ。なんていうか : : : キミのその格好、迫力を感じるよっ。 ' 赤は似合う けど、ドレ、スは : : : やつばり、如月のうが無難かな : : : ぶぶつ ! 」 、無言でじろりとこちらを睨む朱雀から、剣は無理やりいったん着せたドレスを取り上げる。 い昨日から着たきりの制服を、その場でぼんぽんと脱ぎ捨てた。 や 「しょーがねーだろ、時間ないんだし。男のストリップなんて、なんてことないない。なあ、 外竹中、うしろとめてくれる ? ほら、朱雀、どお ? オレの " カルメン仁 赤いドレスに身を包み、朱雀のまえでポーズをとってみせる剣だ。 にら かぶ

10. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

聞いてくれたまえ、と言いながら、伊集院がナイトウェアの裾からごそごそとなにかを引っ 張りだした。 「決め手となるのは、これさつ。『青桃院学園御用達通信販売カタログ』 ! 」 「なあなあ、朱雀。あのカタログ、どーやって隠してあったんだ ? 」 「さあ。注目すべきはこの 3 6 5 ページ、上段。商品番号への 6 6 6 の。〃キミのコスチュ ームプレイ・ライフにさらなるステージをリこれで意中のあの人も一発ノックアウト学超 豪華レース仕立てウェディング・ドレスいまならキュートなプーケ付き〃 ! 」 「いつ、いまからでも遅くないから、逃げようぜ。朱雀 「 : : : で、それをどーすんですか、先輩」 「ふつふつふつ、簡単なことさ。青桃会がこれから注文する新委員のための礼服のオーダー を、この魅力的なドレスにすべて取り替えてしまうんだよ ! むろん、キミたちふたりは気が えんび のらないならホワイトタイ、すなわち燕尾服のままでもかまわない。さあ、想像してごらん。 ろ いすばらしい夜会の光景をつ」 な や 震える声で言い募る伊集院である。 じ まと ン「上等の礼服を纏った理事、来賓、教員、そして選び抜かれた卒業生。加えて、青桃会執行部 キ メン・ハーと先輩委員たち。山ほどの花に飾り立てられた青桃館ダンス・ホールで : : : 真っ白な ドレス姿の新委員たちが : ・・彼らと仲睦じくワルツを踊るのさっ ! ああっ。これぞまさに、 つの らいひん なかむつま