風紀 - みる会図書館


検索対象: キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録
104件見つかりました。

1. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

じようじゅ 愛の成就を目指すのさ。知っているかい ? 週末には、素敵な夜会が開かれるんだ。新委員に 決まった一年生たちのお披露目を兼ねる、青桃会主催の夜会だよ」 「夜会 ? 」 「だから、篁。ともに頑張ろう。恋には忍耐と持久力も大切だけれど、ときには思いきって大 胆にふるまうことも必要なのさ ! 」 : ああ、そうだ。先輩」 「なんだい ? おや、篁。風紀委員の・ハッヂが一年の制服にとてもよく似合うね」 「その風紀委員って、いったいなにするもんなんです ? ー 風紀委員とは、なに。 たず そう朱雀に訊ねられて、伊集院躑躅は徴笑みつつピアノのそばへと歩み寄っていく。 花瓶に生けられていた白百合を一輪手にとって、その甘い香りをかぎながらピアノの白鍵を ひとつだけ軽く押す。 ろ だ い 思わせぶりに朱雀に流し目を送り、真っ白な花をさし出して、 な や「風紀委員。それはね、篁 : : : 由緒正しい青桃院学園の清らかな風紀を、僕が退屈しないよう ンに楽しくかき乱すために置かれた、かわいい僕たちさ ! 」 キ ひろめ ほほえ しもペ はつけん

2. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

じようじゅ 愛の成就を目指すのさ。知っているかい ? 週末には、素敵な夜会が開かれるんだ。新委員に 決まった一年生たちのお披露目を兼ねる、青桃会主催の夜会だよ」 「夜会 ? 」 「だから、篁。ともに頑張ろう。恋には忍耐と持久力も大切だけれど、ときには思いきって大 胆にふるまうことも必要なのさ ! 」 : ああ、そうだ。先輩」 「なんだい ? おや、篁。風紀委員の・ハッヂが一年の制服にとてもよく似合うね」 「その風紀委員って、いったいなにするもんなんです ? 風紀委員とは、なに。 たず そう朱雀に訊ねられて、伊集院躑躅は徴笑みつつピアノのそばへと歩み寄っていく。 花瓶に生けられていた白百合を一輪手にとって、その甘い香りをかぎながらピアノの白鍵を ひとつだけ軽く押す。 ろ だ い 思わせぶりに朱雀に流し目を送り、真っ白な花をさし出して、 な や「風紀委員。それはね、篁 : : ・由緒正しい青桃院学園の清らかな風紀を、僕が退屈しないよう ンに楽しくかき乱すために置かれた、かわいい僕たちさ ! 」 キ ひろめ ほほえ しもペ はつけん

3. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

人で分かち合おう」 「えっ ? 胸踊る秘密って、もしかして、朱雀のやってる " 大きな声では言えないようなこ 「ふふふつ。来てくれればわかるよ。真夜中を楽しみに」 採寸を終えての青桃会室からの帰り道である。 「なあなあ、朱雀。そういや、トカゲ先輩なんて言ってた ? そもそも風紀委員って、いった いなにする委員 ? オレとおまえに風紀守れってゆーんなら、笑うよな」 「・ : : ・まあな」 「真夜中に三人で集まって、採寸し合いっこだったらコワイよな」 「 : : : まあな 「で、なんだって ? 」 「 : : : 風紀乱すのが仕事だと」 「えつ、乱すほう ? へええ。だったら、むちゃくちゃ得意。おまえといっしよなら、いくら でも乱れちゃうぜ。なっ ! 」

4. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

人で分かち合おう」 「えっ ? 胸踊る秘密って、もしかして、朱雀のやってる〃大きな声では言えないようなこ 「ふふふつ。来てくれればわかるよ。真夜中を楽しみに」 採寸を終えての青桃会室からの帰り道である。 「なあなあ、朱雀。そういや、トカゲ先輩なんて言ってた ? そもそも風紀委員って、いった いなにする委員 ? オレとおまえに風紀守れってゆーんなら、笑うよな」 「・ : : ・まあな」 「真夜中に三人で集まって、採寸し合いっこだったらコワイよな」 「 : : : まあな」 「で、なんだって ? 」 「 : : : 風紀乱すのが仕事だと」 「えつ、乱すほう ? へええ。だったら、むちゃくちゃ得意。おまえといっしよなら、いくら でも乱れちゃうぜ。なっ ! 」

5. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

時計で時間を確かめる。 じゃま 目にかかって邪魔になる髪を、ひょい、と指先でつまんでみせながら、 「新しい制服も到着したし、ちょっとさつばりしよ、かなと思ってさ。竹中に訊いたら、九重 寮の別館ってとこに、いい店が人ってるからって」 予約を人れておいた時間がもうすぐなのだと、私服を突っ込んだ箱を抱え上げ、勝手に占領 していた朱雀のべッドから飛び降りた。 いじゅういん 「あ、そうだ ! なあ、朱雀。伊集院トカゲ委員長に、 " 風紀委員〃ってナニすんのって訊い といてくれない ? だいたい、中学んときからオレとおまえって、風紀乱すほうが得意だった だろ。この学校の風紀って言われても、いまいち理解に苦しむし : : : だいいち風紀委員長があ のトカゲ先輩だっていうところからして、理解できねー」 べッドの上で、面倒くせえ、とぼやいている相手に向かって、じゃ、とおかまいなしに手を 振ってみせる。五月編人の自分よりも一カ月も早く人寮したくせに、いまだに殺風景な朱雀の ろ い部屋から一歩そとへと踏み出した。 な や ン振り分けになっている個室のてまえのホール。 キ そこには、いつもどおりに、 「うつ : : : やつばりすんごい匂い ! 」 にお

6. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

時計で時間を確かめる。 じゃま 目にかかって邪魔になる髪を、ひょい、と指先でつまんでみせながら、 「新しい制服も到着したし、ちょっとさつばりしよ、かなと思ってさ。竹中に訊いたら、九重 寮の別館ってとこに、いい店が人ってるからって」 予約を人れておいた時間がもうすぐなのだと、私服を突っ込んだ箱を抱え上げ、勝手に占領 していた朱雀のべッドから飛び降りた。 「あ、そうだ ! なあ、朱雀。伊集院トカゲ委員長に、 " 風紀委員〃ってナニすんのって訊い といてくれない ? だいたい、中学んときからオレとおまえって、風紀乱すほうが得意だった だろ。この学校の風紀って言われても、いまいち理解に苦しむし : : : だいいち風紀委員長があ のトカゲ先輩だっていうところからして、理解できねー」 べッドの上で、面倒くせえ、とぼやいている相手に向かって、じゃ、とおかまいなしに手を 振ってみせる。五月編人の自分よりも一カ月も早く人寮したくせに、いまだに殺風景な朱雀の ろ い部屋から一歩そとへと踏み出した。 な じ 振り分けになっている個室のてまえのホール。 ケ キ そこには、いつもどおりに、 「うつ : : : やつばりすんごい匂い ! 」 にお いじゅういん

7. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

験で、学内報委員に指名されたんだ」 「学内報委員 : : : 」 「うん。だから、ほら、週末にお披露目の夜会があるだろう ? そのために今日は髪を整えに ね。キミは違うの ? 外部からの編人じゃあ知らないかもしれないけど、キミが指名された風 紀委員は、全新人生徒の憧れの的なんだよ」 「あ、憧れ ? 」 「そう。ことに伊集院躑躅先輩が風紀委員になられてからは、先輩に憧れて : : : 憧れてつ・ それこそ死ぬほど憧れるあまりに、風紀委員を目指す後輩が続出なんだ。本来定員一名の風紀 委員の、特別の二人目にマグレで指名されて、キミはものすごくラッキーなんだよ」 「憧れて、って : : : あのトカゲ、じゃなくって伊集院先輩に ? 」 こうご。う 「キミ、わからないのかい ? あの躑躅先輩の神々しいほどの美貌を、目の当たりにしたこと からだ があるだろう ? アポロンを思わせる、あのお身体 : : : ヴィーナスも恥じ人って木陰に隠れる ほどの、あの美しいお顔・ ・ : ミューズもかくやと言わんばかりの、あのお声。じっと見つめら れたりしたら、きっと僕は : : : そう、まるでゴルゴンに出会った村人のように固まってしまう さつ」 「 : ・ : ・悪い。ゴルゴンって、なに ? 」 へび 「怪物だよ。ギリシャ神話に出てくるんだ。髪の毛が蛇になってる恐ろしい化け物で、見つめ

8. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

験で、学内報委員に指名されたんだ」 「学内報委員 : 「うん。だから、ほら、週末にお披露目の夜会があるだろう ? そのために今日は髪を整えに ね。キミは違うの ? 外部からの編人じゃあ知らないかもしれないけど、キミが指名された風 紀委員は、全新人生徒の憧れの的なんだよ」 「あ、憧れ ? 」 「そう。ことに伊集院躑躅先輩が風紀委員になられてからは、先輩に憧れて : : : 憧れてつ : それこそ死ぬほど憧れるあまりに、風紀委員を目指す後輩が続出なんだ。本来定員一名の風紀 委員の、特別の二人目にマグレで指名されて、キミはものすごくラッキーなんだよ」 「憧れて、って : : : あのトカゲ、じゃなくって伊集院先輩に ? 」 「キミ、わからないのかい ? あの躑躅先輩の神々しいほどの美貌を、目の当たりにしたこと があるだろう ? アポロンを思わせる、あのお身体 : : : ヴィーナスも恥じ人って木陰に隠れる : ミューズもかくやと言わんばかりの、あのお声。じっと見つめら ほどの、あの美しいお顔・ れたりしたら、きっと僕は : : : そう、まるでゴルゴンに出会った村人のように固まってしまう さつ」 ・悪い。ゴルゴンって、なに ? 」 「怪物だよ。ギリシャ神話に出てくるんだ。髪の毛が蛇になってる恐ろしい化け物で、見つめ こうごう からだ へび

9. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

「え ? これ、トカゲ先輩が用意した、風紀委員用のコスチューム ? ふうん。黒いマント に、黒いアイマスクに、黒いプーツ。なんか、ぜんぶ革製みたい。 e ・ハックつつーか、 e フロ ントつつーか : : : やつばりオレ、制服でいーや。でも、せめてアイマスクだけしていこーか すざく な。えへへ、正体不明でかっこいいだろ。おまえ、マントとかどう ? 朱雀」 ばんそうこう 鼻の頭の絆創膏の上に、妖しげなアイマスク。あとはさっさといつもの制服に着替え終え 同じく制服姿の朱雀がもう窓際に立っている。 これからふたりして、新風紀委員としての初仕事だ 「しつかし、 " 風紀委員〃っていうから、オレ、すんごい真面目な委員なんだと思ってたけど さ。よくよく考えてみたら、委員長があのトカゲ先輩だっていうのに、真面目に仕事するわけ ないよなあ」 「まあな 「なんだか楽しみになってきたぜ。ほら、オレ、転校したてで、委員選抜試験ってやつでひど ひろめ い目に遭ったじゃない。だから、あれの仕返し兼ねて " お披露目夜会ぶち壊し作戦 % トカゲ 先輩、おもしろいコト考えてくれてサンキュー」 「 : : : そーゅーことかよ、如月」 ( 0 あや まじめ

10. キケンじゃないだろ! 青桃院学園風紀録

「え ? これ、トカゲ先輩が用意した、風紀委員用のコスチューム ? ふうん。黒いマント に、黒いアイマスクに、黒いプーツ。なんか、ぜんぶ革製みたい。 e バックつつーか、 e フロ ントつつーか : : : やつばりオレ、制服でいーや。でも、せめてアイマスクだけしていこーか すざく な。えへへ、正体不明でかっこいいだろ。おまえ、マントとかどう ? 朱雀」 ばんそうこう 鼻の頭の絆創膏の上に、妖しげなアイマスク。あとはさっさといつもの制服に着替え終え 同じく制服姿の朱雀がもう窓際に立っている。 これからふたりして、新風紀委員としての初仕事だ。 「しつかし、″風紀委員〃っていうから、オレ、すんごい真面目な委員なんだと思ってたけど さ。よくよく考えてみたら、委員長があのトカゲ先輩だっていうのに、真面目に仕事するわけ ないよなあ」 「まあな」 「なんだか楽しみになってきたぜ。ほら、オレ、転校したてで、委員選抜試験ってやつでひど ひろめ い目に遭ったじゃない。だから、あれの仕返し兼ねて " お披露目夜会ぶち壊し作戦 % トカゲ 先輩、おもしろいコト考えてくれてサンキュー」 「 : : : そーゅーことかよ、如月」 あや まじめ