子 - みる会図書館


検索対象: トム・ソーヤーの冒険 上
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1. トム・ソーヤーの冒険 上

っちゃって、わたしにやちっともぶてなくなるってことも知ってるんだ。わたしや、たしゝ にあの子の身のためになるような教育はしていない。そりや神かけてほんとの話だよ。聖書 に・もあるよ、つこ、 子どもがかわいけりや、ムチで育てろってね。わたしや、わたしたちふた りのために罪をおかして、ふたり分の罰をちょうだいしてるのさ。あの子のなかには悪魔が 住んでるんだが、ああ、あの子は、わたしの死んだ妹の子どもなんだ、かわいそうに。わた しにや、あの子がぶてない。あの子を許せば、わたしの気はすまぬし、あの子をぶてば、こ の老いの胸はうんといたむし、やれ、やれ、ほんとに、聖書にも、『おんなの産む者は、その かんなん 日すくなくして、艱難多し』とあるけれど、まったくそのとおりさね。あの子は、きようも、 ずる休みをきめこむだろうが・、わたしは、あしたまた、こらしめにあの子を働かせなくちゃ なるまいよ。ほかの子どもたちが遊んでるのに、あの子を働かせるということはむずかしい が、あの子は、仕事が何よりきらいなんだから、わたしはむりにもそうやって、すこしでも 義務をはたさなくちゃならないんだ。さもなけりや、わたしは、あの子をだいなしにしてし まうからね。」 案のじよう、トムはずる休みをして、たいへんおもしろくあそんだ。そして、夕方帰って むね ばっ あくま せいしょ

2. トム・ソーヤーの冒険 上

あのかわいそうな、ひどいめにあった子に、もう二度とーーー二度とこの世で会えないと思え そして、 ー夫人は、胸もつぶれそうにむせび泣いた。 「トム、いままでよりもしあわせになってると、 もいと思うなあ。」と、シッドが言った。 「だけど、もし、生きているうちに、も、つすこしーーー」 「シッド ! 」トムには見えなかったが、おばさんがぎろっと、シッドをにらんだというこ ひとこと とが感じられた。「もう死んだんだから、わたしのトムの悪口は、一言でもお言いでないー あの子は、神さまが見ていてくださるーーーーおまえが、自分でどうこう言うことはありません よ ! ああ、 もいやら ! ーのおくさん、わたしやどうしてあの子をあきらめたら、 ノ もいやら ! あの子は、年とったわたしを、いやというほ どうしてあの子をあきらめたら、 ど苦労させはしましたが、ほんとにわたしにとっちゃ、なぐさめだったんでね。」 たも みな けれど、つらいことでご 「主は与え、また取り去り給うーーー主の御名はほむべきかな ! ざいますーー・ああ、つろうございますよ。ついこの間の土曜日のことなんですが、うちのジ ョ ーが、わたしの鼻さきでかんしやくだまをはれっさせましたんでね、わたしは、あの子を しゅあた ノ はな むね 228

3. トム・ソーヤーの冒険 上

匪ま = 一亠 砲だったんでねえ。まるで、子馬みたいなもん で、分別もなにもあったもんじゃありませんよ。 あの子は、何も悪い気はありやしませんでした よ。まったくあんなに気のいい子は、ござんせ んでしたがねえ。」 といって、おばさんは位きだした。 「うちのジョ 1 も、まったくおなじでござい ましてね いつもあくたれてばかりいて、さ んざんいたずらはしましたけれど、わがままな ところは、これっぽっちもなくて、親切でござ いましたよーー・それなのに、わたしときたら、 あのクリ 1 ムがすつばくなったのを自分で捨て わす たこともすっかり忘れて、とったのだろうと言 って、あの子をぶったことを思えばーーーそれに、 227

4. トム・ソーヤーの冒険 上

ポリ 1 おばさんは、ちょ っとのま、あっけにとられ て立っていたが、すぐ静か に笑い出した。 「ほんとにあの子ときた 一ら。わたしも、何度やられ ても懲りないんだからね。 もういままで、さんざあの手で、わたしをだましてきたじゃないか。いいかげん、わたしも、 あの子のすることにや、ゆだんをなくなりそうなものなのに。でも、年と「たばかほど、 ばかなものはない「ていうからね ~ お、ばれ犬には、新しい芸は仕こめない「て、ことわざ にもあるじ ~ ないか。だけど、まとにあの子ときたら、二日とおんなじことをやる「てこ とはないんだから、このつぎに何をやり出すかなんてことは、まったく見当もっきやしない よ。どのくらい、じらしてれば、わたしがかんしやくをおこすか、あの子にはちゃんとわか ってるんだし、あと一分ごまかすか、わたしを笑わすかしてしまえば、それでおしまいにな / / 叫ル わら わら

5. トム・ソーヤーの冒険 上

少年は、逃げようとして、もがいただけだ「た。その子は、、たいというよりも、くやし さに位いていた。 なおもこぶしはつづいておちた。 「こ、つさんか ! 」 ついにこの少年は、おしつぶしたような「こうさん ! 」をはき出した。そこで、トムは、 その子を立たして、言った。 「さあ、これで思い知ったろう。こんどから人をばかにするときは、相手をよく見てから にするんだぞ。」 よそから来た少年は、服のほこりをはらいながら、すすりあげ、しやくりあげ、ときどき、 うしろをふりかえ「ては、頭をふり、「こんどっかまえたら」トムをひどいめにあわせるから おうしゅう と、おどしながら歩いてい「た。トムは、わいわいはやしたてて、それに応酬し、意気揚々 と出かけようとした。と、トムがうしろを見せるが早いか、よそから来た子は、石を拾「て、 うまくトムの背なかのまんなか目がけてぶつつけた。それから、くる「と向きなおり、カモ シカのように逃げてい「た。トムは裏切り者を家まで追いかけてい「て、その子の住みかを ちょうせん つきとめた。それから、門のところに陣ど「て、敵に出てこいと挑戦したが、敵はただ家の うらぎ じん いきようよう

6. トム・ソーヤーの冒険 上

こともない ほんのちょっとトムより大きい少年が、まえに立っていたのだ。セント・ビ ひんじゃく ータースヾ ーグのような貧弱な、小さい、みすぼらしい村では、年とか男女の区別なしに、 ノ こうきしん よそから来た者は、強い好奇心をそそるものである。 おまけに、その子は、、い服を着ていた。これは、まったくたまげたことだった。帽子は スホンも 優美なもので、きっちりボタンのついている青い上着は新しくて、しゃれていた。。。 そうだった。靴もはいていた きようは、金曜日だというのに。おまけに、その子ははで なリボンのネクタイさえしていた。その子の都会ふうなところが、ぐっとトムのかんにさわ みもの った。トムは、このりつばな、おどろくべき見物をまじまじとながめた。しかし、まじまじ とながめればながめるほど、そして、なんだ、そのおしゃれと、さもばかにしたような顔を ふうさい して見せれば見せるほど、トム自身の風采は、自分の目にも、だんだん、みすばらしく思え てくるのだった。どちらも、だまっていた。かたほうの子が動けば、かたほうも動いた が、うしろへはゆかず、横へ横へと円を描いてまわった。ふたりは、じっと顔と顔、目と目 を向けたままだった。 その、っち、とうとうトムが言った。 ゅうび くっ えが

7. トム・ソーヤーの冒険 上

部屋じゅうにくすくす笑いがおこったので、トムは、きまり悪がっているように見えたが、 すうはい ほんとうは、そのはじらいは、まだ知らない、崇拝する人をおそれあがめる気もちと、この まついた すばらしい幸運を大いに喜ぶ気もちからおこっているのであった。トムが松板のべンチのは しにかけると、女の子は、頭をつんとさせて、むこうのはしにいってしまった。部屋じゅう の者がつついたり、目くばせしたり、こそこそ言ったりした。が、トムは、その長い、ひく も机の上に手をおいて、じっとこしかけたまま、勉強しているようすだった。 そのうち、みんなの注意も、だんだんトムをはなれ、みんなのがやがや勉強する声がまた、 ぼやっとした空気のなかにひびきはじめた。まもなく、トムは、女の子の方へ横目をつかい はじめた。女の子もそれに気がっき、トムに「しかめつ面」をしてみせると、一分ばかり、 くるっと向こうをむいていた。その子が用心しながら、またこっちへ向いたとき、その子の 前には桃がのっていた。その子はそれをトムの方へ押しやった。トムは、そっと押しかえし た。その子は、また押しかえしたが、まえよりいやそうではなかった。トムは、しんばうづ よく、その桃をもとの場所までもどした。すると、女の子は、もう押しかえさなかった。ト つくえ わら 109

8. トム・ソーヤーの冒険 上

が ま た 村 じ ゅ っ の 子 ま ど も ノ、 ッ ク を 尊 敬こて し わがち か く れ て と あ そ び、 が り 解さ ッ ク の そ れ ッ ク な ま け で 世 の な か 0 ) お き に ず ロロ で 亜 で あ た カゝ ら だ 評 判 の 酔よ ば ら し、 の む す だ っ た 町 じ ゆ つ の 親 ツ ク を き ら お そ・ れ て た が ま も な く ト ム は 村 の 宿 な し , 少 年・ ノ、 ツ ク ノレ フ ン - に 出 あ ッ ク は 町 で た 英まと 雄穹 0 ) よ っ な て ど か へ 消 え て い ′つ た さ 除呈 装 ; 武ぶ て れ わ と み し お ' に も ど 子 の り と ひ つ も も ど れ た っ ロ や た 男 の 子 急 に 名 声 を 失と 墜し し お つ き が ひ と り も な く な っ た そ の 子 が か り し 心、 な も っ ぞ か ん な と く 吐は を ば つ た み ヤ ソ ム ト て せ 見 を 色 の 蔑 軽は い な も に そ の 演 技 を 見 物 し た そ で 指 を け が し た た め に み な の を ば い : 尊 敬 さ れ て と と な て し ま た ト ム の ま わ り に は ず し、 ぶ ん 大 ぜ も、 の 少 ろ ぞ ろ っ て 歩 し、 て ら め ず ら し い す て き な や り か た が 吐 け る と し、 っ の で へ て の 少 年 の 羨莞 望粤 の ま れ ど が あ れ ま オこ 楽 も き と っ て く る も 0 ) で あ る ト ム は ぬ け た 目リ 歯 0 ) 間 カゝ ふ に ト ム の 鼻 . さ き に っ き つ け た す る と 歯 は べ ッ ド の 柱 ぶ ら と ぶ ら さ っ た し る と の 方 の は し は の 柱 し ば り - つ け た そ れ ら お、 き、 を む と 96

9. トム・ソーヤーの冒険 上

たたきのめしちゃったんでございますよ。こんなに早く、こんなことが起ころうとは、まっ たく・ーーああ、もう一度、そういうことが起こってくれるんでしたら、わたしは、あの子を だいて、ほめたたえてやりますよ。」 「そうでござんすとも。そうでござんすとも。あなたがどんなお気もちか、わたしにやち ゃんと、わかっておりますよ。たったきのうの昼のことでしたがね、うちのトムが、ネコを ちんつうざい つかまえて、鎮痛剤を一ばいのましたところが、ネコのやっ、あばれましたのでね、わたし や、家をぶちこわされるところじゃないかと思ったんでござんすよ。それで、ああ、神さま、 お許しくださいまし、わたしや、ト ムの頭を、指ぬきでごっんとやったんでございます。お お、カわいそうに、かわいそうに、ト ムや。けれど、もうあの子は、、 しまじゃ、そんな苦労 もないところにいっておりますがね。そして、あの子は、最後に、わたしをうらむようなこ とばを残していったんでござんすよーー」 そして、その思い出は、おばさんにとってはあまりにも悲しいことだったので、おばさん 。か、にム」かーカ はよよとばかり泣きくずれた。これを聞くと、トムもすすりあげはじめた わいそうに思ったのは、だれよりも、自分のことだった。メアリも位き、時どきトムにつし 229

10. トム・ソーヤーの冒険 上

「ああ。」 「なんとなら、とっかえる ? 」 「きみ、なに持ってるんだい ? 」 かんぞう あま」草の根。子」もが ) すこしと釣り針。」 「甘草 ( お菓 「見せろ。」 トムはならべた。品物は満足のいくものだった。そこで、おたがいの財産は、交換された。 あかふだまい それからトムは、白いビー玉二つと赤札三枚をとりかえ、それから、ちょっとした物二つ三 あおふだ っと青札二枚をとりかえた。そのあとで、また、十分か十五分、ほかの男の子たちがくるの を待ちぶせて、いろいろな色の札を手に入れた。さて、それから、さつばりした、うるさい 子どもたちの群と一しょに、教会にはいり、自分の席につくと、一ばん近くの子どもとけん かをはじめた。まじめそうな顔をした、かなりの年の先生が、それをとめた。けれども、先 生がうしろを向いたとたんに、トムは、となりのべンチの少年の髪をひつばり、その子がふ むちゅう へつの子に「あいた 、、、こ。しかし、また、まもなく、、、 り向いたときには、夢中で本を読んてもオ 「 ! 」と言わせたくなって、ビンでチクリとやり、また先生からお目玉をいただいた。 かみ こうかん