ダグラス - みる会図書館


検索対象: トム・ソーヤーの冒険 下
15件見つかりました。

1. トム・ソーヤーの冒険 下

おかあさんは、きみがぶじなら、それでいいんだもの。それにきっと、ダグラスおばさんの こと考えつけば、おかあさんだって、きっとそう言ったよ。ばく、わかってるんだ。」 みばうじん トムの説きつけるのとい ダグラス未亡人のすばらしいもてなしは、心をひいた。それが、 っしょになって、まもなく勝ちを占めた。そこで、その晩の計画は、だれにも話さないとい 、つことに〉請がきまった。 ノクがやって来て合図するかもしれないという考えが、トムの心 まもなく、今夜こそ、 に浮かんだ。そう考えると、今夜の予定のたのしみが、だいぶうすらいだ。けれど、ダグラ ス未亡人のところでたのしむということも、トムにはあきらめきれなかった。それに、なぜ ばん あきらめなくちゃいけないんだ ? と、トムは理くつをつけたーーー前の晩だって、合図がなか ったんだもの、今夜の方が来そうだなんてことがあるもんか。今夜、たしかにちょうだいで たからもの きるごちそうのほうが、たしかでない宝物よりもだいじだった。そこで、少年らしく、トム は気の向く方へなびくことにきめて、もうその日は、金の箱のことなど考えないことにした。 しげ じようきせん 町から三マイルほど川下で、蒸気船は、木の茂ったくぼ地の入口にとまって、つながれた。 子どもたちは、かたまって陸にあがり、まもなく、遠い森や、岩のでこばこ出ている小山な みばうじん 139

2. トム・ソーヤーの冒険 下

しいように、陸軍士官学校に入学し、そのあとで、 判事さんは、トムがそのどっちになっても、 くんれん 国じゅうで一ばんいい 法律学校で訓練されるよう、心がけるつもりだと言った。 まダグラス未亡人に保 ノク・フィンは、あの財産を持っているというためと、また、い とい、つよりもそこへ引きずりこ 護されているという事情のために、社交界に迎えられた まれ、そこへ放りこまれた。そして、ハックは、ほとんどがまんできないほど苦しんだ。ダ めしつか 、ツクをきれい、さつばりにしておき、くしでとかし、 グラス未亡人の召使いたちは、いつもノ フラシをかけ、しかも毎晩、ハックが胸を押しつけて、なっかしむことのできるようなよご よそよそしいシ 1 ツをかけたべッドに寝かせた。ハックは、ナイフと れなどは一つもない、 さら フォ 1 クで、ごはんをたべなければならなかった。ナプキンを使い、コップやお皿を使わな ければならなかった。本を習い、教会へゆかなければならなかった。また、ちゃんとしたこ とばを使わなければならなかったので、話はロのなかで気がぬけた。どっちへ向いても、文 。ゝ、、ツクをとじこめ、その手足をしばった。 明の格子と手かせ足かせカノ ハックは勇敢にも、この苦しみを三週間がまんしてから、ある日、 未亡人は、たいへんかなしんで、二日の間、残るところなくハックをさがさせた。世間の みばうじん こうし ゅうかん まいばん むねお むか みほうじん 234

3. トム・ソーヤーの冒険 下

だぜ。メアリは、きみのよそゆきを用意するし、みんなで、どうしたんだろうって、じりじ りしてたんだ。へえ、この服にくつついてるの、ロウソクと土じゃないか ? 」 だいえんかい 「おい、シッド君、大きなおせわですよ。とにかく、この大宴会は、なんなんだね ? 」 1 ティーさ。きようのは、この間の晩、あぶな 「いつもダグラスおばさんがやるようなハ 1 ンズさんとむすこさんたちへお礼に開いたんオ いところをたすけてもらったから、ジョ それから、ええと こと話してやってもも 、いけどな。」 きみたち、知りたけりや、ばく、い、 「え、なにさ。」 「あの、ジョ ーンズのおじさんがね、今夜、ここでみんなを一つ、あっと言わせるつもり でいるんだけどね、でも、ばく、きよう、あの人が、ポリーおばさんにないしょだっていっ て、話すの聞いちゃったんだ。だけど、もうあんまりないしょでもないさ、と、ぼくは思う ダグラスおばさんだってさ。一生けんめい、知らな んだ。みんな、知ってるんだもの。 ンズさんは、ど、つしても 、ツクを呼ぶというんだ クカも しふりしてるけど。、ンヨ ノ なきや、そのすばらしいないしょ話が、うまくいかないんだよ ! 」 「なんのないしょ話だ、シッド ? 」 ばん 225

4. トム・ソーヤーの冒険 下

これはもうたしかにひっくりかえる、と思いながら立っていた。自分のいる場所がどこか、 みばうじんじしょ ( ックにはわか「ていた。そこは、ダグラス未亡人の地所にはいる踏み段所の境 0 柵のと一 ) ろ 段があるカら、五歩とはなれてはいなか「た。よし、あいつら、そこ ~ うめるがいも 、ツクは思った。そこなら、見つけるのもやさしいことだった。 インジャン・ジョ 1 の声だった。 そのとき、声が・ーー非常に低い声がした こんなにおそく、あかりがついてる。」 「ちきしようめ、客がいるんだな 「おれにや見えねえ。」 むね これは、あの知らない男のーーばけ物屋敷で見た、知らない男の声だった。ハックは、胸 に ふくしゅう そこ の底までひやっとしたーーーでは、これが復讐なのだな ! 逃げよう、と、まず、ハックは思 みばうじん った。が、すぐまた、ダグラス未亡人が、何度も自分に親切にしてくれたことを思いだした。 ことによると、この男たちは、夫人を殺すのかもしれない。ハックは、勇気をだして、未亡 人に知らしてやりたいものだと思った。が、そんな勇気などないことは、わかっていた 男たちに、つかまっちまうだろう。これだけのことを、そして、もっとたくさんのことを、 しゅんかん 、ツクは、その男のことばとインジャン・ジョ 1 のつぎのことばの間の、短い瞬間に考えた。 やしき だん 146

5. トム・ソーヤーの冒険 下

ック、ダグラス未亡人を救う・ ほらあな 0 トムとべッキ 1 、洞穴に残る・ 3 望みも絶えて 3 「起きろ、起きろ ! 見つかった ! 」 ・ジョーの最期・ 引インジャン こがね 黄金の山 : 3 5 紳士ハック、山賊になる・ 3 おわり・ 訳者あとがき・ しんし さんぞく みばうじん さし絵・・ウィリアムズ カバー絵ノーマン・ロックウエル 245 243 231 224 202 194 173 1 ラ 2 136

6. トム・ソーヤーの冒険 下

た方かいいでしようね。」 「じゃ、あたし、スージ 1 ・ ーのところに泊まるわ。」 「そんなら、そうなさい。 よく気をつけて、ごめんどうかけないようにするんですよ。」 まもなく、足どり軽く急ぎながら、トムはべッキ 1 に言っていた。 こ、つしよ、つよ。、ンヨ 「ねえ 1 の家へいかないで、山をのばって、ダグラス さんのおばさんのところへ泊まろうよ。アイスクリームをごちそうしてくれるよ ! たいて い毎日、つくるんだもの うんとさ。そして、ばくたちがいけば、とても喜ぶよ。」 「まあ、おもしろそうね ! 」 それから、べッキーはちょっと考えて、言った。 「でも、おかあさん、なんて言うかしら ? 」 「おかあさんにどうしてわかるのさ。」 べッキーは心のなかで、そのことを考えてみて、不承不承言った。 「あたし、悪いことだと思うけどーーーでもーーー」 「なんだい ! おかあさんにわかりやしないよ。だから、何も悪いことないじゃないか。 ノ ふしようぶしよう 138

7. トム・ソーヤーの冒険 下

「古金です。」と、トムは言った。 ものや ふるかね 「そうだと思った。この町の子どもたちは、六、七セントの古金を鋳物屋に売るのに、ひど ほね く骨をおり、時間をかけるが、まともな仕事をすれば、そのてまと時間で倍の金がとれるの だがなあ。だが、それが人間というものだ さあ、いそげ、いそげ ! 」 少年たちは、、つこ、、 も / もなんのために、そんなにいそぐのか、知りたいと思った。 「そんなことは、どうでもよろし。ダグラスさんのところへゆけば、わかるのだ。」 、ツクは、すこしし配そ、つに一一 = ロった というのは、いつもぬれぎぬを着せられるのにな れていたからだ。 ーンズさん、おらたちゃ、なんにもしたんじゃねえ。」 老人は笑った。 「さあ、わしはわからんそ 。、、ツクや。その点は、わしにはわからない。おまえとタクラ スさんは、仲よしじゃないかな ? 」 「ああ、そりや、おくさんはいつだって、おらにや仲よくしてくれるけど。」 もいじゃないか ? なんで、そんなにこわがったりするんだね ? 」 ふるかね わら なか なか 221

8. トム・ソーヤーの冒険 下

「あのカ 1 ディフ山の、ダグラスおくさんちの裏の古い木の下、やつつけようと思うん 「そいつは、、いだろな。だけど、おくさんが、おらたちの宝物、取りあげやしねえか ? じしょ あすこは、おくさんちの地所だもん。」 「おくさんが取りあげる ? そりや、一度は取りあげたがるかもしれないさ。だけど、う じしょ まってた宝物は、見つけた人の物になるんだぜ。どの人の地所だってかまやしないんだ。」 これは満足のいく説明だった。仕事はつづいた。やがて クカ一一 = ロった。 「ちえつ、また、まちがってたんだな。」 「とてもおかしいな、ハツ。 ' クおれにや、わかんないや。だけど、時によると、魔女がじ やますることもあるんだぜ。きっと、これもそうなんだ。」 「なんでえ、魔女は、ひるま、何もできやしねえよ。」 「うん、そうだな。そのことは考えなかった。ああ、なぜだか、わかった ! おれたち、 えだかげ まったくぬけてたなあ ! 夜なかに、その枝の影の落ちるとこをさがして、そこ、掘らなく ちゃいけなかったんだよ ! 」 ミ ) 0 たからもの まじよ うら たからもの まじよ

9. トム・ソーヤーの冒険 下

ンズさんは、こ 「ハックが、おばさんの家まで、どろばうのあとつけたって話さ。ジョ のないしょ話で、みんなをあっと言わせて、おもしろがるつもりなんだろうけど、ばく、き っと、まるで気がぬけたみたいな話になっちゃうだろうと思うんだ。」 わら シッドは、さも満足そうにくすくす笑った。 「シッド、それしゃべったの、おまえか ? 」 、じゃないか。つまり、だれかがしゃべったんだ。そ 、し、し 「ふん、だれがしゃべったって、 れだけの話さ。」 「シッド、この町で、そんなひきようなことのできるやつは、ひとりつきりいないぞ。そ ゝ、、ツクみたいなめにあったら、こっそり山 れで、そいつは、おまえなんだ。おまえなんカノ おりてって、だれにもどろばうのこと、だまってるよ。おまえは、ひきようなことっきり、 、ことしてほめられるのを見てられ できやしないんだ。そいで、おまえは、ほかの人が、しし ダグラスおばさんじゃないけど、お礼はいりませんよだ。」そして、ト ないんだ。ほら ムは、シッドの耳をひつばたくと、ぼんぽんけって、シッドを外へつきだした。「さあ、おば さんに言いつけるんなら、言いつけてみろ。あした、ひどいぞ。」 226

10. トム・ソーヤーの冒険 下

かんし の監視にたったが、あかるくなったら、すぐ保安官が一隊をつれ、森を捜索することになっ ている。せがれどもも、まもなく、それに参加する予定だ。やつらの人相がわかるといいの だがーーーそうすれば、たいへん役にたつのでな。しかし、ぼうず、暗かったから、おまえは やつらのようすは、わからなかったろうな ? 」 「ううん、おら、わかってた。町で見て、あとつけて来たんだから。」 「そりゃうま、 ようすを話してくれーー話してくれ、ばうず。」 「ひとりは、一、二度ここいら歩いてた、ロのきけねえスペイン人で、もひとりは、いじ悪 い顔した、ばろのーー・」 「それで、もうよし ! あいつらなら、わかってるー いっかダグラスさんの裏の森で会 に ったことがある。やつら、そのときは、こそこそ、逃げてゆきおったわ。おい、おまえら、 すぐいって、保安官に話せーーーおまえたちの朝めしは、あすの朝だ ! 」 ウェ 1 ルズ人のむすこたちは、すぐ出かけた。ふたりが家を出るとき って、さけんだ。 「ああ、どうか、あいつらのことしゃべったな、おらだって、話さねえでくだせえ、どう 、、ツクはとひあが そうさく 155