人間 - みる会図書館


検索対象: トム・ソーヤーの冒険 下
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1. トム・ソーヤーの冒険 下

だけど、金曜日は、そうでねえ。」 「どんなばかだって、そんなことは知「てるよ。おまえがはじめて発見したんじゃないだ 「うん、おらが発見したって、言ったか ? それに、金曜日「てばかりでなくな、おら、 ゅめみ ゅうべ、とても夢見が、わりかったよーー・ネズミの夢よ。」 「ほんとか ! そりや、たしかに悪いことが起こる前知らせだ。ネズミ、けんかしたか ? 」 「いや、しねえ。」 、、ツク。けんかしなけりや、悪いことが近くにあるってだけのこと 「そんなら、 . し、し なんだから。だから、おれたちゃ、うんと用心して、そんなことになんないようにすればい いんだ。きようは、この仕事やめて、あそぼう。おまえ、ロビン・フッド知ってるか ? 」 「知らねえ。ロビン・フッドって、だれだ ? 」 ままで生まれたイギリス人なかで、一ばんえらいくらいの人間なんだーーそ 「あのな、い して、一ばんいい人間なんだ。盗賊さ。」 「へえ。おらもなりたかったな。だれのもの盗んだんだ ? 」 よ とうぞく ぬす 104

2. トム・ソーヤーの冒険 下

マーク・トウェイン 7835 ー 7970 アメリカの作家本名サミュエル・ラン グホーン・クレメンズ . ミズーリ州フロ リダに生まれるが , 幼いときにミシシッ ピラ聨のハンニヴァルに移り , 少年期を そこで過ごす . 12 歳で父を失しン印刷工 となって方々を渡り歩き , やがてミシシ ッピ川の水先案内人となる . 南北戦争に 2 週間ほど従軍したのち , 1862 年に新聞 記者になり , 文筆の道に進む . 第トム・ソ ーヤーの冒険』と『ハックルべリ・フィン の冒険』は , 自然への賛歌とフロンティ ア精神にあふれており , とくに後者はヘ ミングウェイか絶賛した乍 . しかし晩 年には , 事業に失敗し , 矣をつぎつぎに 失って , 暗いペシミズムにとらえられた . 人間とは何か』には , 悲観的な人間観 が色濃くあらわれている .

3. トム・ソーヤーの冒険 下

そうじよう 「郡長だの、僧正だの、金もちだの、王さまだの、そういう人のものばかり盗んだんだ。 びんばうにん だけど、貧乏人にはち「とも手えつけなか「たんだよ。貧乏人はかわいが「たんだ。ロ、ビ ン・フッドよ、 貧乏人といつもきちんと山わけにしたのさ。」 「ふうん、そりや央男子だ。」 、、こ。、亠まま、そん 「そうなんだ、ハック。ああ、世界じゅうで一ばんりつばな男だったんオし かたて な人間はいないぜ。おれ、うけあ「てもいいや。ロビンは、片手、うしろにしば「てた「て、 イギリスじ。うのどんな人間だ「て、や「つけちゃうんだ。それからイチイ (Éしの弓で、 一マイル半もあるところから、十セント銀貨、いつもうまくあてちゃうんだ。」 「イチイの弓って、なんだ ? 」 「知らないよ。もちろん、弓の種類さ。それで、その銀貨もな、はじの方にあてれば、ロ ビン・フッドはすわりこんで、泣いて , ーー・くやしがって、あくたいつくんだ。おれたち、ロ ビン・フッドごっこしよ、つよ とてもおもしろいぜ。おしえてやるよ。」 「さんせえだ。」 そこで、ふたりは、午後はず「とロビン・フッドご「こをして遊んだ。そして、時どき、 ゆみ かいだんし ゆみ な ぬす ゆみ 105

4. トム・ソーヤーの冒険 下

りは、進んでいった。二十歩先で、道 ぜっぺき は絶壁になっておわっていた。トムは、 ひざをつくと、下の方へ手をのばして みた。それから、下の穴の壁のまわり を、手のとどくかぎり遠くまでさぐっ てみた。そして、もうすこし右の方へ 手をのばそうとしたときだった。二十 ャードとはなれない岩のかげから、ロ ウソクを持った人間の手があらわれ トムが、わっという喜びの声を あげたとたん、つぎにあらわれたのは、 その手の持ち主ーーインジャン・ 1 であったー トムは、全身がしびれ しゅんかん た。動けなかった。が、つぎの瞬間、 191

5. トム・ソーヤーの冒険 下

「古金です。」と、トムは言った。 ものや ふるかね 「そうだと思った。この町の子どもたちは、六、七セントの古金を鋳物屋に売るのに、ひど ほね く骨をおり、時間をかけるが、まともな仕事をすれば、そのてまと時間で倍の金がとれるの だがなあ。だが、それが人間というものだ さあ、いそげ、いそげ ! 」 少年たちは、、つこ、、 も / もなんのために、そんなにいそぐのか、知りたいと思った。 「そんなことは、どうでもよろし。ダグラスさんのところへゆけば、わかるのだ。」 、ツクは、すこしし配そ、つに一一 = ロった というのは、いつもぬれぎぬを着せられるのにな れていたからだ。 ーンズさん、おらたちゃ、なんにもしたんじゃねえ。」 老人は笑った。 「さあ、わしはわからんそ 。、、ツクや。その点は、わしにはわからない。おまえとタクラ スさんは、仲よしじゃないかな ? 」 「ああ、そりや、おくさんはいつだって、おらにや仲よくしてくれるけど。」 もいじゃないか ? なんで、そんなにこわがったりするんだね ? 」 ふるかね わら なか なか 221

6. トム・ソーヤーの冒険 下

あわれんで、わたしたちにかなしい思いをさせまいと考えることはできないのさ。」 「おばさん、ぼく、、 まになれば、わるいことだってわかるよ。だけど、あのときは、わ るいつもりでやったんじゃないよ。ほんとにそんなつもりじゃないよ。それに、あの晩だっ わら て、おばさんたちのこと、笑おうと思って来たんじゃないんだ。」 「じゃ、何しに来たんだね ? 」 「ばくたち、川で死んだんじゃないから、心配しないようにつて、話そうと思ったんだ。」 「トムや、トムや、おまえにそれほど感心な心がけがあるとわかれば、世界じゅうにわた しくらいうれしい人間はいないよ。だけど、おまえがそんなこと考えてなかったってことは、 おまえにやわかってるんだ・ーー・それから、わたしにもわかってるよ、トムや。」 「ほんとに、んとに、ぼく、考えたんだよ、おばさんーーーぼくがそんなこと考えなかった っていうんなら、ばく、死んでもいい」 「ああ、トムや、うそをつくんじゃない と、物事は百倍もわるくなるんだ。」 「うそじゃないよ。おばさん、ほんとなんだよ。ばく、おばさんがかなしがらないよう うそはつくもんじゃありませんよ。うそっく ばん

7. トム・ソーヤーの冒険 下

をのこのこ歩きまわるようなことはなかった。あわれなハックもまた、トムとおなじ、みじ こうはん ばんべんごし めなありさまだった。というのは、トムは、晴れの公判の日の前の晩、弁護士に何もかも話 が逃げだしたために、、ツクは法廷で証人に立 してしまっていたので、インジャン・ジョ いっかは、この事件に関係のあることが、あかるみに たなくてもよかったとはいうものの 出されはしまいかと、大びくびくだったのである。 ひみつ べんごし この気のどくな子は、弁護士に秘密を守るという約束をしてもらった。けれども、それが ムが良心の呵責に耐えられなくなって、夜、追いたてられるように どうだというのだ ? ト おそ 弁護士の家をたずね、あれほど物すごい、恐ろ ちか しい誓いをして、封じてあった事がらをしゃべ ってしまってからは、人間というものに対する しんらい ハックの信頼は、ほとんど失われたと言っても 毎日、マフ・ポッターの感謝するのを見るに つけ、自分はしゃべってよかったと、トムは ぎ、ス かしやくた やくそく ふう ほう・てい

8. トム・ソーヤーの冒険 下

検事は言った。 「証人にきくことはありませんか。」 べんごし 「質問はありません。」ポッターの弁護士は答えた。 三ばんめの証人は、ポッタ 1 がそのナイフを持っているところを、何度も見たことがある せいごん と誓言した。 「証人にきくことはありませんか。」 べんごし もらいらした ポッタ 1 の弁護士は、この証人に質問することも辞退した。傍聴人たちは、、 ほねお 色を見せはじめた。この弁護士は、ひと骨折りもせずに、自分にまかされた人間の生命を投 げだすつもりなのだろうか ? いく人かの証人が、ポッターが現場につれてこられたときの、やましいところのありそう じんもん な行動について証言した。証人たちは、なんの反対訊問もされずに、証人席から退いた。 あの夜、墓場で起こった、ポッタ 1 にとって不利な、すべての状況は、そこに来ている者 しんらい ならみな、じつによくおぼえていることだった。そして、それが信頼できる証人たちによっ じんもん べんごし て、証言されたのであるが、ポッターの弁護士は、そのうちのひとりにも、反対訊問をしな はかば ばうちょうにん

9. トム・ソーヤーの冒険 下

「おらがしゃべる ? なんでえ、おらあ、あのあいの子に川へぶちこまれて、殺されたく なったら、しゃべるべえさ。そんでもなけりや、しゃべらねえ。」 「ああ、そんなら、、、 ー ~ んだ。きっとだまってさえいりや、おれたちゃ、だいじようぶな やくそく んだ。だけど、とにかく、もう一度、約束しよう。その方がたしかだからな。」 「さんせえだ。」 ちか そこで、ふたりは、おそろしい儀式をいくつかして誓った。 「みんな、どんな話してる、 ソク ? おれは、うんと聞いたぜ。」 「話 ? うん、どこへ いっても、マフ・ポッタ 1 、マフ・ポッタ 1 で持ちきりさ。おらあ、 しよっちゅう汗かいて、どっかへかくれたくなるんだ。」 「おれもそのとおりさ。もうきっとあいつは、のがれつこないな。時どき、かわいそうに なんないかい ? 」 「しよっちゅうだーーーしよっちゅうだよ。つまんねえ人間だけどもな、だれにも悪いこと なんかしなかったもんな。酒のみたくて、ちよくちよくこそどろやったりーーずいぶん、う ろうろしたりしたけどよ、だけど、そんなこた、おらたち、みんなやってらあーーまあ、た あせ ぎしき

10. トム・ソーヤーの冒険 下

んなことしたら、悪いよ。それにな、ああいうことは、もうすこししてれば、すきになれる んだよ。」 ト 1 ブの上へ長いことすわってれば、さぞストープが、す 「すきになる ? うん、熱いス きになるべえよ。だめだ、トム。おら、金もちにゃなんねえし、あのくそいまいましい、 のつまるような家にや住まねえ。おら、山や川やたるがすきなんだ。おら、いつまでも、こ ほらあな しつらといっしょにいる。ちきしようめ。ちょうど、鉄砲だの、洞穴だの、山賊になるのに つよ、つ′」 いようなもんが見つかったところで、こんなばかくせえことがおつばじまって、 みんなだいなしとございだ ! 」 トムは、そこへつけこんだ ソク、金もちになったって、おれは山賊はやめないぞ。」 ノ 「やめねえ ? おめえ、ほんとに本気か ? 」 クおまえがちゃんとした人間にならなくちゃ、仲間 「ああ、本気だとも。だけど、、ツ、 にいれられないんだがなあ。」 、ツクよ、しょヂ・た。 さんぞく てつばう さんぞく なかま 239