ウェディング - みる会図書館


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1. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「モ・ ( ~ ~ くナ 5 、ム 「きえええ いつ、去れ去れつ、亜平ーーーーーー・・つ ! 」 「ふーっふつふつふー いまこそ情熱のトロピカル・ウェディング ! 愛の高波に呑まれて、 ともに海の底へと沈むのさつ」 「チュチュ その夜。 風がやんだので、『プライム・エンペラー号』は帆をたたんでの夜間航海。 「明日は、景色のよい沿岸付近を航行いたします。美しい小島もあるようですので、よろしけ やればマリンスポーツなどをお楽しみください」 みかど つるぎ すざく レ 帝との丸一日デートを終了した剣は、日が暮れたあとになって朱雀たちと合流。 「なあなあ、朱雀う。ごりよーじ先輩とトカゲ先輩がやってるアレも、マリンスポーツ ? 」 「ある意味そーだろ」

2. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

150 とうやら無理だったみたいだ。こうなったら朝ま 稼いで借金が返せないものかと頑張ったが、・ でのあいだ、せめて彼らをもてなそう。怖いはつかりの島だったなんて、オレは言われたくな いからな」 オレたちの島しゃあないか、と〃お頭みが言えは、逞しいダイバー一同が声をそろえての男 泣き。 ほどなく火が焚かれて、捕れたて魚介類がジュージューと美味しそうな音をたてて焼けはじ めた。 この島、すんごく新鮮でウマい島だぞ 「ひやーっ ! 魚だ、魚だ ! ん 「むう。確かに美味なのだ」 ばんさん 「ふつふつふ。もしかしてコレが、最後の晩餐にして、僕たちの華麗なるウェディング・ディ ナーかい ? 」 焼きたての魚に、剣はもちろん、御霊寺と伊集院までが大喜びである。 悪のシンジケートと人質とがいっしょになっての、即席シーフード・ ダイバーたちは時おり涙を拭きながらの大食いで、 「〃お頭みあ、美味いですっ」 「〃お頭〃の捕った魚は、やつばり最高だ ! 」

3. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

ふたたびこちらは、捕らわれの身の三人。 「あ〉、腹減っちゃったなあ なか つるぎ 海水一気飲みもなんのそので、剣は早くもお腹をすかせていた。 はず いじゅういんなわしば 伊集院は縄で縛られながらも、なにやらウキウキと心弾ませる様子で、 「ふつふつふ ! 見張られながらのウェディングも、なかなかオッなものなのさ。縛り縛られ さんさんくど リッジ・プルーもどこへやらー て、一一人の愛は最高潮ー衆人環視の三三九度に、マ ′」りよ , つじ すき 隙あらばケッコン、と、となりの御霊寺に向かって繰り返しアピール。 みけんたてじわ そのアピールを眉間の縦皺ではねのける御霊寺は、先ほどから式神ネズミと小声でのやりと りりを繰り返している。 たくま ダ「むう。なるはど、小屋の外の見張りは三人。いすれも逞しい体つきに、隙のない身のこなし バーは : : : むむ、そうか。では、わたしの縄にひきつづ に、厳しい目つき。そのほかにダイ かじ きさ、りぞ、 盟き、如月くんの縄も適度なところまで齧っておいてくれたまえ。ああ、残るアレについては、 しきがみ

4. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

176 「ロープの用意はいいか ? グルグルまわしてヒュウと投げろー 「むうつ。あれが『邪頭』本部の船つ」 「 : : : 来たはいーけど面倒くせー」 「〃お頭みあああああっー 「しかし、まさか犯罪シンジケートに、まともに体当たりをかける羽目になるとは」 「ふーっふつふつふ ! 聞くところによれは相手は〃美青年の敵〃だとか。というコトは、僕 ひそか とマイ・ディア・密のウェディング・プランを阻止する、悪の海ボウズ ? 」 しいつ、〃お頭みあああ」 「待っていてください、 「チュ そう 〃オレたち島みを出た彼らは、三艘のポートに分乗して海の上。 帝のモーターポートに剣たち。残り一一艘を、ダイバー一行が目にもとまらぬオールさはきで 曲日ぎに曲日いでいた。 目指す丘マクドナルドの船まで、あと少しの距離。 ポートを操縦しながら、帝貴人は呆れ声である。 「キミたちは、なんという無茶をするんだ」 その肩につかまって、剣は「朝ご飯、朝ご飯、魚、魚」と大ハシャギ。 すぎく となりから、ばそっ、と朱雀が、 こ いま助けますうう」 あき

5. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

飛はされる運命。 「ふふ : : : ふーっふつふつふ ! 魅惑の洋上ウェディングを挙げる予定が、疑惑のシンジケー ほかく いちれんたくしよう トに捕獲されるコトに ? やつばり僕とモナム 5 ルとは、一蓮托生の腐れ縁 ! 」 だったら 「えへへ。〃セレプな大金持ちみってゆーのは、ミカド先輩みたいな人のコトか ? 売り飛ばされても、一生ウマいもんには困らない ? 」 「むう 。やはり隙を見て逃げ出すしかないのだ ! グズグズしていて は、帝前会長にも余計なご心配をおかけすることになるつ」 じゅもん 出でよ式神 ! と見張りに気づかれないように呪文を唱えるのは、御霊寺。 ちそうづ 剣は〃大金持ち〃のお屋敷に売られて一生ご馳走尽くしの夢に、舌なめすりをしかけたが、 「うーんと : ・・ : でも、そしたら、朱雀にはもう会えない ? 」 ケンカももうできないのか ? と、気づいて、べロリと出していた舌を引っ込めるようであ ろ こちらを睨む見張りダイバーたちは、手に手に尖ったモリ。 や 武道の心得のある御霊寺でも、下手に逃げようとするのはキケンであろうとの判断で、 か ダ「むむむ ! 我が式神つ、とにかくこの手を縛る縄を噛み切っておいてくれたまえつ」 「チュチューツ」 る。 しきがみ にら

6. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

きつけられて、言われるまま歩きだす羽目に。 「ねえねえ、ごりよーじ先輩。コレってゆーのも、マリンスポーツか ? 」 そーいえばお弁当食わないで来ちゃったぞと、海水でふくれたお腹を抱えながら、剣は御霊 寺に質問である。 ゅうかい 「うむ ! 残念ながら、おそらく違うのだ、如月くん。我々は誘拐されたと考えるのが適当と 田 5 、つ」 さいやく まが これこそ紛うコトなき一大災厄、と。 たてじわ みけん せいとうかい 眉間に深い縦皺を刻む青桃会会長が、秩序正しく回答した。 海で遊んでいたところを、いきなり取り囲まれた。 見るからに怪しげなダイバーたちに、よってたかってグルグル巻きに。 ともしび こうして得体の知れない島まで連れてこられて、もしかしたなら三人の命は風前の灯火かも しれない : ゆりがら そう聞かされて、百合柄水着に百合柄ハットの伊集院がようやく驚くそぶり。 「なんとつ、ユーカイ ? つまり、密、僕とキミとは記念すべきウェディングのまえに、デン ジャラスな寄り道をするコトに ? 」 もしかしてこれがハネムーン ? と喜びのポーズだ。 黒ダイバーたちに前後を固められ、歩いていくのは島の上。 0

7. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

残された剣は、半裸の格好。 魚捕り網を手に、ポツンと海の真ん中で、 「あれつ ? なあなあ、朱雀う、キスってどこらへん ? うひや、寝ちゃうのか ? に遊ぶの楽しみにしてたのに。あっ、あっ、あそこに魚っ ! 」 見れば、青い水のなかに銀色に光る魚の群れ。 見つけるやいなや、脱げかけマリンルックのままですっくとポートの上に立ち上がる。 塩焼きがいーかなー。そ 「えへへつ、魚つかまえてきたら、あとでおまえとバーベキュー ? れともムニエル ? 踊り食いとかでもウマいかなー」 とな 刺し身も美味しそう、と舌なめすりで唱えつつ、せえの、で、ジャポン ! と勢いよく海に 飛び込んだ。 そのころ、伊集院チームはといえば。 なんたる不届きつ。なんたる不純つ。何をするのだ、篁ー ろ「む ちつじよ すみやかに思い止まり、秩序正しく如月くんを放したまえっ や「ふつふつふ ! モナムール、その望遠鏡はナニを隠そう僕のものなのさ。一一人の記念すべき かっさい なこうど レハッピー・ウェディングのお仲人、および、拍手喝采を贈ってくれる観客を募集するための、 大事な小道具だよ」 せいとういん 「いけないつ、逃げたまえつ、如月くん ! 不純同級生交遊は、もとより青桃院学園における とど っしょ

8. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

内をしてくれた、帝家のお迎えである。 快適にお過ごしですか、と訊かれて、百合柄アロハの伊集院が、 「メルシー、ムッシュウ・黒服。プールの浸かり心地はなかなかなのさ。欲を一一一口えば、タイル が白百合柄でないのが少々残念。飲み物の飾りも百合の花だと、よりデリシャス。モナム 5 ル との洋上ウェディングのために、あとで船内スパとやらも試すつもり」 聞いた雅は、プールサイド・カフェのウェイターにすぐさまなにやら耳打ちをする。はどな く新しいドリンクが、百合の花付きで運ばれてきた。 フールデッキのタイルをすぐさま敷き 「お申しつけくだされは、これくらいのことはすぐに。。 ・ : こちらは、十九世紀末に建てられた邸宅のタイル 直すわけには、さすがにまいりませんが : を移してきたものなのですよ」 ゆいしょ グリル・カフェは、。、 リの由緒あるカフェテリアを一部移築させたもの。 ろプリッジの外装デザインはアルフォンス・ミュシャの : : : と、そこまで言いかけて雅が、 「失礼。こんなことを申し上げては、また貴人さまにお叱りを受けてしまいます」 や上品に苦笑する彼に向かって、朱雀が訊いた。 レ「帝先輩が、如月のコトどーする気なのか、知ってますか ? , なんとも単刀直入なその問いに、黒服のお世話係は目を丸くして驚き、そのあとクスクスと 笑いだす。 しか

9. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

シェフから四つの大型バスケットを渡されて、剣はいますぐにもフォークを握りそうな勢い 「えへへつ ! 楽しみだなー。スペシャル弁当付きで大冒険 ! でつかいサメとか出るのか な ? やつばし海っていったら、大ダコとかお化けイカ ? タコとかイカだと、刺し身にした らウマいかな ? 」 そう 下ろされるポートは一一艘。 剣と朱雀が片方に乗り込み、もう片方のポートには、 ふふふふふふつ ! とうとう愛しのモナムールと、海の真ん中で結ばれるの うらしまたろう さ。浦島太郎もピックリで、タイやヒラメも大騒ぎ。寄せては返す大波小波に、一一人の愛はも はや満潮 ! 」 「むむむつ。よく聞きたまえ、如月くん。ポート遊びのあいだも、決して勉学のことを忘れて はいけないのだ。今日の強化科目は『美顔術』。よって、戻ってくるまでにこの問題集を解く よ、つにー・」 うるわ ゆりがら 海上ウェディングも魅力的さ、とポート上で麗しターンを決める、百合柄水着に百合柄ハッ トの伊集院。 ひたいたてじわごりようじ かたや、額に縦皺の御霊寺が問題集を手に、剣に対する監督強化だ。 やがてポートが青い海に下ろされ、剣たちは、いざ〃海の冒険〃へと大出発。

10. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「いじゅうう ) つつじ 青桃会副会長、伊集院躑躅。 剣たち一行、および、『プライム・エンペラー号』クルー一同が、固唾を呑んで見守るなか、 御霊寺のお祓いが効いてか効かすか、百合柄パラシュートがバサッと五本マストのうちの真ん 中に見事に引っ掛かった。 っふつふつふ ! ポンソワ ル、諸君。待たせたようで済まない おと ね。けれど、僕が来たからには、もう安心。伊集院家のイカダには少々劣るけれど、ファンタ スティックでエキサイティングなクルーズ・ライフは約束されたのさつ。おや、そこで如月く んを抱き締めているのは、〃青桃院のアイドルみの僕をさしおいてク青桃院のカリスマみなど と呼び習わされる、ムッシュウ・帝 ? ああ、ところでこの船のチャベルはどこ ? なぜな ら、僕と密は航海中に、めでたく船上ウェディングを決める予定」 あぜん 突然の美しき密航者に、一同は唖然とマストの上を見上げるばかりだ。 なかで一人だけ落ち着き払った帝が、 「雅。伊集院くんのために、キャビンを一つ余計に整えさせてくれたまえ」 くつろ そろそろ日も暮れる。夕食の時間まで客人はそれぞれに寛いでくれたまえ、と言い置いてか ら、朱雀の近くへとわざわざ寄っていき、 「抜け駆けはなしだよ、番犬くん」 つ。色魔 ! 」