ヘンタイ - みる会図書館


検索対象: ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録
38件見つかりました。

1. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「こんなに育っては売り物にならないからと、匸マクドナルドに返品されて、帰るあてもな く、仕方なしにこの島に暮らすことになりました。島に住めなくなったら、オレたちはおしま いですっ」 「アアッ、〃お頭みあああああああっ。帰ってきてください どこへ行ったんですか ! と彼らの悲痛な叫び。 話を聞いた剣は、グスグスともらい泣きで、 「な、なんだか、かわいそーな話だな。こんな美味しい島に住めなくなったら、すんごく悲し いだろーな」 あわ 「むむ ! 聞けば、哀れな物語なのだ。我々も学園を失ったらと思うと、いささかの同情を禁 じ得ない」 「チュー」 ろ 「アアッ、それに : : : 大きな声では一一一一口えないが、匸マクドナルドはヘンタイなんだっ。もし も、〃お頭みが一人で乗り込んでいったんなら、いまごろ口にできないような仕打ちをアレコ や レとっ」 而えられないっ ! オレたちの〃お頭みが、あんな目やこんな目に ! 」 ダ「イヤだっ、す 「くそうッ ! 〃お頭みのしなやかなカラダや、キレイな顔が、あのヘンタイ・マクドナルド の汚い手につ ! 」 163 お

2. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「いまごろ丘マクドナルドのヘンタイ船に捕らえられてるに決まってる」 「捕らえられて、想像もできないような目に遭わされてるに違いないっ ! 」 こうしてはいられないぞと、ひとかたまりになって走りだした。 ゞ、、ツト & 帽子ターンをクルリヒラリと決めつつ、 それを聞いて伊集院カノ 「おやつ。想像もできないようなアレコレと聞いたからには、ますます見過ごしにはできない のさつ」 たてじわ みけん ついで御霊寺も、眉間に深い縦皺を刻む。 はじめは非道な手段で連れてこられたとはいえ、彼らの団結、彼らの秩序には、相 「むう 当の敬意を払ってしかるべき ! 」 お弁当ポックスを抱え込んだ剣は、真夜中の腹ごしらえに夢中だが、 からあ でもって、〃お頭み この特大唐揚げ、すんごくジューシー 「ん ! ん ! んーまいっー は美味しい魚食わせてくれた人だもん。ついでに朝ご飯の魚も食っていきたいな。ってゆーコ トは、ヘンタイ・マクドナルドの船までケンカしに行くってゆーコトか ? 」 まゆ や 聞いた帝が、さすがに少々眉をひそめた。 ダ「待ちたまえ、キミたち。いったい何を : : : 」 ようやく無事に助け出されるというところで、いったい何を言いだすのだと、帝前青桃会会 長は不審顔である。 169

3. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

せいとういん 「えへへ、青桃院学園ってゆートコロです」 「学園 ? というコトは学校か。いいなあ」 「ご飯は美味しいけど、ヘンタイもいます。オカシナ授業もたくさんです」 かしら 「授業、か。オレたちにいろいろ教えてくれるのは、〃お頭〃だ」 「うーんと、〃お頭々ってゆーのは、お ~ 果子の仲間 ? 」 「〃お頭みは、賢くって、強くって、オレたちにはもったいないくらいの、島でただ一人の美 青年なんだ。〃お頭〃を守るためなら、オレたちはなんだってする」 こぶし 一人がそう拳を握ると、残りの一一人も「なんだってするぞ ! 」と同意見。 逞しいダイバーが三人して、 「〃お頭みはやさしい」 「〃お頭みは頼もしい」 は ろ 「まるで掃きだめにツルだ」 「オレたちと比べれば、月とスッポンだ」 うれ や 「〃お頭みが喜べは、オレたちは嬉しくて」 ダ「〃お頭みが悲しむと、オレたちも悲劇のどん底まで真っ逆さま」 「いままで〃お頭みとオレたちとで、仲良くこの島で暮らしてきたんだ : 彼らによれば、どうやら島には〃お頭みなる人物がいるらしい。すいぶんとダイバーたちか 123

4. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

びより 絶好のクルーズ日和。 「うしろからこうして支えていてあげよう。いちばん先まで行って、海の色と風の心地良さを 味わってみたまえ」 「ひやー、気持ちいいつ。なんだか海賊になった気分だな ! 」 「みじかい旅のあいだに、キミをわたしのものにするつもりだよ。タンポポくん」 「えっ ? うーんと、風がビュウビュウいっててよく聞こえない ? クキミを、わたしのものにするつもりみ。 船首ギリギリに立ってはしゃぐ剣の背後に、帝貴人。 出航と同時の大胆宣言は、剣の耳には海風のせいで届かないようである。 一一人の姿を、斜めうしろから朱雀と御霊寺がそれぞれ見つめていた。 「むむう。秩序正しい青桃院の名にかけて、すべての課題をしおおせてもらうのだ。如月く 「 : : : 船はゴーカだけど、如月のやつは渡さねー」 おも むじやき そんな彼らの想いなど知らぬげに、無邪気に剣が振り返って、 たけなか ししがたに 「えへへつ、スペクタクルって感じだぞ ! 竹中とか鹿ヶ谷とかも来れるといーのにな。そー いえは、トカゲ先輩は夏休みどーすんだ ? やつばしフツーに実家に帰ったりすんのかな ? それともイカダでヘンタイ・クルーズすんのかな ? 」 ん」

5. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

200 ぶあいそう ありがとーございます、と無愛想顔の朱雀がしぶしぶ礼を言った。 みやげ つるぎ なか とちゅうお腹が減らないようにと、剣は特製大型ランチボックスを六つもお土産にもらって かしら 「なあなあ、〃お頭。たち、すうっと幸せに暮らせるとい 5 な。でもって、捕れた魚は宅配便 で学校に送ってくれるといーのにな」 「むむむ。帝前会長の特別のお計らいによって、悪徳シンジケートは壊滅されたのだ。 ざいばっ マクドナルドとやらが重役をつとめていた企業の株を、またたく間に帝財閥が買い占め、即日 吸収合併。追放された彼は、もはや単なるヘンタイ犯罪者になったとか。島はもとのとおりの 静けさを取り戻し、〃お頭みはじめダイバーたちも、これからは誰に気兼ねすることなく得意 の漁業に精を出して暮らすことだろう」 ひそか 「おやおやつ。というコトは、密、やつばり僕とキミとはあの島でアダムとイプに ? 」 丘マクドナルドは当局に捕らえられ、悪のシンジケートのポスとして裁かれるコトに。 クお頭〃は事情聴取に呼ばれるが、政府筋からの要請で、二日はどで島に帰れるとの話だっ 剣たち四人と一匹は、『プライム・エンペラー号』が予定していた寄港地に着くまえに、下 船である。最寄りの港から、最寄りの空港へ。そこからは帝家の自家用ジェットで学園へ。 ちそう ランチボックスを抱えた剣は、もっとご馳走食べたかったぞと、少々残念顔だ。 かいめつ ミスター

6. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「なんとつ、勝負っ ? 「ええ、勝負です」 うれ デッキチェアに立ち上がった伊集院が、嬉しい声を上げていた。 ゆりがら 百合柄アロハに百合柄バミューダ・パンツ。フワフワ巻き毛を海風に靡かせる彼が、超絶美 貌を期待に輝かせる。 「エキサイティング ! その話に間違いはないね、篁。キミとムッシュウ・帝が、如月くんを 争っての、めくるめく大勝負。僕とモナムールのカンケイには及ばないながらも、アッくてキ ケンな恋のトライアングルが、ただいまこの船で炎上中 ? 」 「 : : : ま、そんな感じです」 プールから上がった朱雀は、水着のままでデッキチェアに寝転び中。 伊集院からしつこく「如月くんはどこへ ? ーと訊かれて、しぶしぶ帝との勝負について話し ろて聞かせたところだった。 三杯目のトロピカル・ドリンクを手に、デッキチェア上で驚きターンを決めた伊集院が、ウ やキウキと、 レ 「ムッシュウ・帝といえば、とうてい僕には及はないながらも、学園の人気者である上級生な のさ。青桃会会長在任中には、あっちの美少年こっちの下級生と、はうばうを早足で渡り歩い たという、もつばらの導」

7. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「 : : : わかってます」 マストから下ろされる伊集院を見上げて、セーラーカラーを海風にはためかせながら、剣ば かりがウキウキとはしゃいでいる。 「えへへつ。なんだかイイコトありそ 5 だな。コイとかフナとか、たくさん釣れるとい かわら でもって、みんなで河原でバーベキュー。あれつ ? ここって海だっけ ? 」

8. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

「あっ、あっ、思い出したぞっ。ミカド先輩のゴーカなオフネで、タイとかヒラメとかが食い 放題だ ! 」 すでに決まっている夏のスケジュール。 夏休み早々、旅行の予定。 行く先は、前青桃会会長帝貴人のプライベート・シップ。 うらや 先に催された『美少年コンテスト』で特別賞を受賞した剣への、それは、誰もが羨むであろ ほうび うご褒美だったのだ。 「であるから、つまり、如月くんに篁。わたしもキミたちの目付役として同行することにした のだ。帝前会長のお誘いによるバカンスを、成績不振だからなどという理由で断るのはもって のほかー となれば、これらの課題を持ってお船に乗り込むよりほかに手だてはない。が、 しかし、キミたちだけをバカンスに行かせては、とうてい課題を済ませてくるとも思えない おもも そこでわたしも同行させてもらえるよう、やむなく頼み込んだのだと、沈痛な面持ちで御霊 寺が一言う。 さち 剣はすでに、海の幸のあれやこれやに期待満々で、 「えへへ 。だったら、ごりよーじ先輩もいっしょにタコとかイカの踊り食い ? でもって、ミ カド先輩のオフネってゆーのは、どんな感じ ? トカゲ先輩ん家のインチキ・イカダよりはだ

9. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

ってるんじゃないですか、その勝負」 「本気でそう思っているかい ? 番大くん」 ーえ。ケンカ勝負なら、少しは分があると思ってます」 「こう見えてわたしは、ひととおりの武道とスポーツはこなすんだよ」 「つつっても、ケンカとスポーツとは別モンですから」 豪華なプライベート・シップのデッキで、真っ向から見合う一一人。 そうして向かい合うと、帝のほうが肩幅も広くて、背も高い にら けれども、相手を睨む目つきのキッさで、朱雀も負けてはいない 「で、どーゅー勝負をするつもりですか。先輩 . 「こういうのは、どうたろう」 ゆとりの笑みを浮かべつつ、帝が提案だ。 じゃま ろ「僕とキミとで一日ずつ、誰にも邪魔されない彼との時間を持っことにする。その持ち時間の うちに、より彼との関係をすすめたほうを、勝者とするわけだ」 や〃カンケイ〃をよりすすめたほうを勝者に、と大胆プランを提示されて、朱雀はしばし沈黙 「 : : : どーでもいーですけど、先輩。それって、オレが如月のやっと、ちっともススんでない コトを前提にしてませんか ?

10. ミダレりゃいいだろ! : 青桃院学園風紀録

とっくに〃ススんだカンケイみだったらどーすんですか、と。 訊かれて、ことさら大人びた微笑を浮かべる帝貴人である。 「そういうことは見ていればわかるものだよ、番大くん。タンポポくんはいまごろ満腹だろう が、キミはこうしてお腹をすかせた顔をしている。この顔で〃ススんだカンケイ〃なのだとし たら、よはどの欲張りだ」 スッと朱雀の頬に手をやって、帝は余裕の顔色。 朱雀はその手を避けながら、「気に入らねー」と相手を目のまえにして行儀の悪い文句を吐 と、そこに、 つ、、フまかった 「うひや ーさまでした ! 」 マリンルックの剣が早くも、ひょい、と顔を出す。 ロのまわりとセーラーカラーの端っこが、ソースと油ジミとですでにべタベタ。お腹いつば いだぞ、とクタンポポ・ルーム〃から飛んで出て、 「えへへ、ナニからナニまですんごくウマかったー なあなあ、朱雀。おまえもいっしょに食 えば良かったのに。あれつ、ミカド先輩とナニして遊んでるんだ ? あっ、ケンカ ? ケンカ だったら、オレも混せて」 なか ごちそ