大きな - みる会図書館


検索対象: 帰ってきたメアリー・ポピンズ
91件見つかりました。

1. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

「でもなぜ ? 」と、ジェインが文句をいいました。「わたしも、コ メアリー ・ポビンズが、けわしい目を投げました。 「あなたは、いちばん年上だからです ! 」 また、これです。あの、にくらしいことば。ジェインは、テ 1 ブルの下でいすの足をけとばし て、ニスがはげればい、 もと思いました。そして、できるだけのろくさと、オートミールをたべま した。ロのなかで、なんどもぐるぐるまわして、なるべくすこしずつのみこみました。飢え死に でもしたら、 いきみだ。そしたら、みんなも、すまないと思うだろ ! ーンフレ 1 クスののこったのをさじであつめながら、 「きよう何曜日 ? 」と、マイケルは たのしそうにききました。 。。ゝ、、ました。「お皿の模様までたべないでくださ 「水曜日です。」と、メアリ 「じゃ、ラ 1 クおばさんとこへお茶にいくのきようだね ! 」 「あなたが、いい子だったらね。」と、メアリー・ポビンズは、とてもそんなことはあるまいと ちょうし もました。 いうような調子で、ふきげんにい、 けれどもマイケルは、こ、 オへんごきげんで、気にもとめませんでした。 「水曜日 ! 」と、スプーンでテー。フルをたたきながら、大きな声でいいました。「それはジ = イ ンフレ 1 クス ンの生まれた日。水曜の子どもは、なげきがいつば、。だから、ジ = インは、コ ー・ポビンスカも もんく さらもよう ンフレークスかいいわ。」

2. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

「両がわをよくみて ! 」ジェインが、ふたごを乗せた乳母車をおして、マイケルがタコをもっ て、みんなで門を出てゆくとき、おかあさんが大きな声でいいました。 みんなは、右をみました。なにもきません。 みんなは、左をみました。だれもきませんが、通りのはずれにアイスクリー らしていました。 ジェインがいそいでわたりました。マイケルもあとにつづきました。 「人生がいやになるよ ! 」マイケルは、じぶんのタコにいってきかせました。「なんでも、いっ もおかしくなっちゃうんだ、いつも。」 うばぐるま ジェインは、乳母車をおして、池のあるほうまでいきました。 「さあ、」と 、いいました。「アヒルをかして ! 」 かなぎ ふたごは金切り声をあげて、アヒルの両はじをにぎりしめました。ジ = インは、ふたりの指を ほどいてはなさせました。 「ごらん ! 」そういってジェインは、アヒルを池にうかべました。「ごらん、ほら ! インドへ いくのよ ! 」 アヒルは、ただよいながら水をわたってゆきました。ふたごは、それをみて、べそをかきまし ジェインは池をまわって、アヒルをつかまえると、またもとへおしやりました。 、」 0 うばぐるま すず ム屋さんが鈴をな

3. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

理のおじってだけだから。だが、あの子はー・ー」と、姪のほうを、うやまうように、あごでさし むすめ て、「あれは、いちばん上の娘で、直系の子孫なんだ。」 れいぎ ジ = インもマイケルも、なんのことだか、さつばりわかりませんでしたが、礼儀ただしくうな ずきました。 「さあ、」と、ネ リー・ルビナが、楽しそうに叫んで、つばのふたをねじりました。「だれが、 えら はじめに選ぶ ? 」 ジ = インが、手をいれて、ひらたくて、星の形をした、ちょっとペヾ ディーを、とりだしました。 さけ 「字が書いてあるわ ! 」と、ジェインが叫びました。 わら ルビナがきいき 、いって笑いました。「もちろん、そうよ ! 〈会話〉ですもん ! 読 んでごらんなさい。」 「〈あなたはわたしのお気にいり〉」と、ジェインが声をだして読みました。 わら すず 「とてもいいじゃない ! 」ネリー・ ルビナが、鈴をならすように笑って、つばをマイケルのほ うへ、おしやりました。マイケルは、貝がらの形をした、ビンクのキャンディーを一つ、ひきだ しました。 「〈ほくあなたすき。あなたばくすき ? 〉」と、マイケルが読みました。 わら 「オホホホ ! もいわね ! あなたすきですよ ! 」と、ネ リ 1 ・ルビナは、大きな声で笑って ちょっけいしそん さけ ノ ーミントのよ、つなキャン 305

4. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

公園の番人が、どなったりわめいたりしながら、ちいさな、サクラ色の風船に〈エフ・スミス〉 と書いたのをもって、みんなのあいだを縫ってゆきます。そして、手をふりながら、二ひきの犬 のほうへ動いてゆきましたーーー一びきはブルドッグで、その風船には〈キ、ー〉と書いてあり、も ータイン〉と名まえが書いてありました。 、つ一びきのフォックス・テリアのほうには〈アルヾ さもないと、あんたの番号をひかえて、とどけます 「わたしの犬を、ほっといてください ! こうしやくふじん きふじん よ ! 」と、〈メイフィールド公爵夫人〉と書いた風船をもった貴婦人が、叫びました。 しかし公園番は、へいきな顔をして、どなりながら、ゆれてゆきます。「犬は、ひもにつないで きそく ださい 公園で押しあわないで ! タバコはいけません ! 規則を守ってください ! 」と、 声をからして、叫んでいます。 0 「メアリー・ポビンズ、どこ ? 」マイ ジェインのほ、つに、よっていっ ケルが、 ていいました。 まっすぐまえ ! 」と、 「あすこよ ! 8 ジェインは答えて、公園じゅうで、いち ばん大きな風船をもってはずんでゆく、 きちんとととのった姿を指さしました。 ふたりは、あとを追って、うちへむかい / 雇 4 々 . お さけ さけ すがた 281

5. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

め息をつきました。 一ポンドの紙幣が、どんどん、なくなってゆくのが、わかりました。 「切手一枚分も、のこらないかもしれない。それくらいのこったって、おもしろかないわ。」と、 、ました。 ジェインかしも 「さあ、こんどは、お菓子屋 ! 」と、メアリー・ポビンズは、書きつけをしらべながらいうと、 とびら 黒くぬった扉の入り口に走りこみました。ウインドウから見ていると、アーモンド・クッキーの 山を指さして、売り子が、大きな袋づつみを渡すのが見えました。 「きっと、一ダースも買ったのね。」と、ジ = インが悲しそうにい、 ました。いつもだと、だれ かがア 1 モンド・クッキーを買っているのを見たら、大よろこびをするところなのですが、きょ うは、ふたりとも、この世にアーモンド・クッキーなんかなければい、 のにと、つくづく思いま かたあし 「こんどは、どこ ? 」と、マイケルがききました。片足ずつ、びよんびよんとんで歩きながら、 一ポンド紙幣がのこったかどうか、とても、知りたかったのです。とても、だめだろうと思って のぞ いましたが、 それでもーーー望みはもっていたのです。 「うちです。」と、メアリー・ ふたりは、がっかりしました。けつきよく、おつりはのこらなかったのです、一ペニーも。メ ポビンズが、つかってしまったにきまっています。けれども、メアリー・ポビンズが、 しへい まいぶん しへい かしゃ ゞ、、ました。 ポビンズカもも ふくろ わた 264

6. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

「もちろんですとも ごぞんじなかった しつれい んですか ? ですがーー・失礼、入り口の番を しなけりや。さきへすすんでください ! 」 子どもたちは、びくびくしながら、手をつ かたがわ ないで、さきへゆきました。片側には、段に なった座席が、ずっと上まで重なっていて、 えんぎじよう つな もう一方は、演技場とのあいだに、金の綱が えんぎじよう 一本、張ってありました。そして、演技場そ めずら のものには、じつに珍しい動物たちが、むら がりあつまっていて、みんな金のように、き つばさ らきら輝いていました。大きな金の翼のある 馬が、ひづめをぎらぎらさせて、跳ねてゆき さかな えんぎじよ ) ました。金色の魚が一びき、演技場のほこりくずを、ばたばた、ひれでたたいていました。三び きのちいさな子ャギが、四つ足でなくて、二本足で立って、むちゃくちゃにかけまわっていまし た。そして、ジ = インとマイケルには、こういう動物たちが、よくみると、みんな星でできてい つばさ るように思われました。馬の翼は、根でなくて、星でできていましたし、三びきの子ャギは、 さかな 鼻やしっぽに星をつけていて、魚は、きらきらした星のうろこでおおわれていました。 ざせき かがや だん 222

7. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

わす 「忘れやせん、きさきや ! 」と、王さまは、ふりかえって叫びました。「まるであべこべじゃ。 わしは、はじめて、じぶんというものに気がついておる ! 」 どうけ そういって、道をいそぐと、道化においついて抱きしめました。 「エセルヾ ト ! 」と、また、おきさきが呼びました。 王さまは、しらん顔をしています。 みずけ 雨はもうやんでいましたが、大気はまだ、水気をふくんだ輝きに満ちていました。すると、や がて、太陽から虹がふきだしてきて、大きな弧をえがいて、お城の道におりてきました。 どうけ 「この道をいこうかと、思っていたんですが。」と、道化が、指さしながらい 「なに ? 虹だと ? カたいのかね ? のってもだいじようぶか ? 」 「やってごらんなさい ! 」 にじ むらさぎあい 王さまは、虹と、そして、紫、藍、青、緑、黄、だいだい、赤の、ちらちらする光のしまをな どうけ がめると、道化のほうを、じっと見ました。 「よろしい、やってみよう ! 」と、王さまは、、、 しました。「さあいくぞ ! 」そして、色とりど りの道に足をかけました。 「だいじようぶだ ! 」と、王さまは、うれしそうに叫びました。そして、ガウンのすそをから にじ げて、いそいで、虹をかけあがりました。 「わしは、城の王さまだ ! 」と、かちほこってうたいました。 にじ しろ にじ こ さけ さけ かがや しろ み 、ました。 201

8. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

「わかったわ。」と、大きな声をだしました。「ビスケットよ。半分のが、暖炉のうえにあるわ。 マイケルが、お茶のあとで、おいてったの ! 」 しました。 「それだけ ? 」と、ムクドリが、悲しそうにい、 「そうよ、もちろんよ。」アナベルが、じれていいました。「まだ、たりないの ? おいしいビ スケットがあったら、うれしいんだろうと思ってたわ ! 」 はあわてていいました。「だがーーー」 「そうとも、そうとも ! 」と、ムクドリ まくら アナベルは、枕のうえに顔をふせて、目をとじました。 しいました。「わたし、ねむいの。」 「もう、おしゃべりしないで。」と、 ムクドリは、暖炉のほうを見やって、また、アナベルに目をおとしました。 いました。「あーあ 1 、アナベル、あ 1 あ ! 」 「ビスケットか ! 」と、頭をふりふり、 メアリ 1 ・ポビンズが、しずかにはいってきて、戸をしめました。 「目をさました ? 」と、ひそひそ声でいいました。 ムクドリは、、つなずきました。 「ほんの一分間。」と、悲しそうにい、 もました。「だが、たつぶり長かったよ。」 メアリ 1 ・ポビンズが、もの問いたげな目をむけました。 わす 「忘れちゃったよ。」と、ムクドリはのどにひっかかった、しやがれ声でいいました。「あの子 わす あ 1 あ、 いい子だったのに、な は、すっかり、忘れちゃったよ。そうとは、わかってたんだが。 だんろ だんろ 173

9. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

あな ているわけではなく、大きなお菓子のかけらを口にくわえて、いそいで穴のほうへもどってゆき ました。 メアリ 1 ・ポビンズは、飾り皿をひろいあげて、あらためてつつみにかかりました。 ぼうし そして、帽子をおなおしなさい。」と、てきはきいい 「ハンカチをひろってください 「さあ、それではーーー」メアリ 1 ・ポビンズは、こうもりがさをとって、新しい、ンドヾ を、こわきにかかえました。 「だって、まだ行くんじゃないんでしよ、メアリー・ポビンズ ? 」と、マイケルがいいました。 ばん 「あなたは、一晩じゅうそとにいるくせがあるかどうか知りませんが、わたしはちがいます。」 とメアリー・ポビンズはいって、マイケルを戸口のほうへおしやりました。 、、ゝ、、ましたが、ほんのおせじのようでした。 「ほんとに帰るのかい ? 」と、タ 1 ヴィーさん力 ミス・タートレットしか目にはいらないらしいのです。 あゆ しかし、タートレットさんのほうは、みんなのほうへ歩みよると、はれやかにほほえんで、カ 1 ルした頭をふりあげました。 あくしゅ 「どうぞ、またいらして。」と 、いって、みんなと握手しました。「ぜひどうぞ。ターヴィーさ んも、わたしも、」 「第二月曜には、かなら はにかんで伏目になると、顔を赤らめました ず家にいてお茶にしますわーーーね、アーサー ? 」 、ました。「出かけなけりや、うちだろうなーーーそりやた 「そうね、」と、ターヴィ 1 さんがいも かざざら ふしめ ました。 143

10. 帰ってきたメアリー・ポピンズ

くけとばしていたのは、メアリー・ポビンズの足でした。 「ああ ! 」と、ジェインはロごもりました。「あなただったの ! メアリー・ポビンズ ! きこ えないんだと思ってたわ ! しつまでも、あすこにとじこめられちゃうんだと思って : 「人によっては、」と、メアリ 1 ・ポビンズは、しずかにジェインをおろしていいました。「あ んまり思うことが多すぎます。まちがいなく。さあ、顔をおふきなさい ! 」 そして、ジ = インの手に、じぶんの青いハンカチを押しつけて、子ども部屋の夜のしたくにか かりました。 ジェインは、メアリ ー・ポビンズのほうを見ながら、なみだによごれた顔を、大きな青いハン カチでふきました。そして、よく知っている部屋のなかを、ぐるっとながめまわしました。ざら ・ポピンズのひじかけいすもあります。それを ざらなじゅうたんも、おもちゃ戸棚も、メアリー みると、ジェインは、安心して、心あたたかな、おちついた気もちになりました。メアリー ビンズが、せっせと仕事をすすめているききなれた音に耳をかたむけていると、ジ = インの恐れ うしお も消えてゆきました。幸福なおもいが、潮のようにジェインをひたしました。 「ふきげんだったのが、わたしだったなんて考えられない。」と、ジ = インはひとりごとをい ました。「だれかほかのひとだったにちがいないわ。」 そして、そこにすわりこみました。その、ほかのひとって、だれだったのかしらとおもいなが 7 ら : とだな お