十一月五日 - みる会図書館


検索対象: とびらをあけるメアリー・ポピンズ
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1. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

十一月五日 2 トイグリ 1 さんの願いごと 3 王さまを見たネコ ィ大理石の少年 5 ペ。 ミントの馬 6 高潮 もくじ 228 139 186

2. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

この物語を書いたのは、イギリスの・・トラヴァース女史ですが、経歴のことや、また、 さくねん 昨年日本へ来たときの日本の子どもさんがた ~ のあいさつなどは、前の本にのせてありますか くわ さんこう ら、ここでは触れません。ただ、この本を読むのに参考になることを、いくつか付け加えてお き年 ( しよ、つ。 ポピンズ」の第一のお話は、「十一月五日」という題ですが、こ 「とびらをあけるメアリ 1 ・ とくべっ トラヴァースさん自身が注をつけて の日は、イギリスでは特別な日なのです。これについて、 いますから、それをここにいれておきます。 カイ・フォークス祭りの日です。平和のときには、広 十一月五日は、イギリスでは、。 場にかがり火をたいたり、公園で花火をあげたり、〈ガイ〉をかついで街をねりあるいた ひょうばん りして、この日を祝うのです。〈ガイ〉というのは、評判のわるい人たちに似せてつくっ た、詰めものをしたわら人形で、町じゅうの人に見せてまわったあと、だいかっさいの すみ うちに、かがり火に投げこんで焼いてしまいます。子どもたちは、顔に墨をぬって、こ ふくそう つけいな服装をして、ガイのために一ペニーめぐんでくださいといって、頼んでまわり ます。このうえないけちんばだけがことわるのですがそういう人は、いつも、たいへ じよし けいれき まち たの っ 364

3. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

ふうん んな不運にみまわれるのです。 もともと、ガイ・フォークスという人は、火薬陰謀事件に加担したひとなのです。こ こっかいぎじどう の事件は、王様のジ = イムズ一世と国会議事堂を、「六〇五年の十一月五日に爆破しょ いんぼう そんがい はつか ' 、 うという陰謀だったのです。しかし、陰謀は発覚して、なにも損害はありませんでした。 ぎじどう けつか なが ただ、その結果、ジ = イムズ王と議事堂は生命を永らえましたが、ガイ・フォークスは、 しよけい 処刑されてしまいまし あわれにも、そうでなかったのです。ほかの仲間といっしょに、 げんざい おぼ わす た。ところが、現在まで覚えられているのはガイ・フォ 1 クスで、ジェイムズ王は忘れ られてしまいました。その時から、十一月五日はイギリスでは、アメリカの七月四日の ように、花火を打上げる日ということになっているのです。一六〇五年から一九三九年 、刀、刀わイ火 . 一が / 「カ まで、どの州の、どの村の広場にも、ガイ・フォークス祭りの日には、 : ゝ れました。わたくしの住んでいたサセックスの村では、牧師館の裏庭で、かがり火をた めうし きました。そして、毎年、火が燃えはじめると、きまって牧師さんのところの牝牛が、 おど おど 踊りはじめるのです。炎が天をこがすほどに燃えあがっている間じゅう踊っていて、灰 が黒く冷たくなるまで踊っているのです。そして次の朝ーーこのこともいつも同じなの くし めうし あさごはんぎゅうにゆう ですがーーー牧師さんの朝御飯に牛乳がないということになるのです。ただの牝牛が、そ じけん いんう しゅう なかま かやくいんぼうじけんかたん ばくしかん ぼくし 365

4. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

みました。 それにしても、メアリー・ポビンズが、どうあってほしいと田 5 っているのか、だれにもわか りませんでした。メアリ 1 ・ポピンズは、みんなが知っているように、だれにも、なんにも話 さなかったからです : ・ ( 1 ) 十一月五日ーー イギリスのガイ・フォ 1 クス祭りの日。作者のつけた注を訳者あとがきに入れてあります・ ( 2 ) ホッテントット 南アフリカに住む原住民。 ドミイー、アメリカ・ヨーロツ・ハで広く行われている室内遊戯。一一十八個の牌 ( ポ 1 ン ) を用いて行なう。 んじゅ 5 みん やくしゃ

5. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

舗道に絵を描きはじめました。そして、子どもたちが、いそぎ足で門を通りぬけたとき、楽し そうにうなずいてあいさっしました。 えんとっそうじ 「さて、さて、これで、」と、煙突掃除がおおぎようにい、 しました。「芝生のちょっと開けた ところさえあればー・ーーー」 「そうはいくまいよ ! 」と、みんなのうしろで声がしました。「公園は五時半に閉めるから どう タやみのなかから、公園の番人が出てきました。ひどくけんか腰です。 「だって、きようはガイ・フォ 1 クスのお祭りよーーー十一月五日じゃない ! 」子どもたちは、 すぐ答えました。 きそくきそく 「規則は規則 ! 」と、公園番がやりかえしました。「どの日もわしには同じこった。」 「じゃ、どこで花火やれるの ? 」と、マイケルが、じれったそうにききました。 公園番が、急に、ものほしそうな目つきになりました。 「花火をもってるのかね ? 」と、とびつきそうな声でいいました。「じゃ、なぜ早くそういわ えんとっそうじ マ ん ! 」そして、煙突掃除の手から包みをひったくると、ひもをときだしました。「マッチ こうふん ッチがいるぞ ! 」と、興奮で息をきらしながら、 いいたしました。 ごし しばふ

6. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

どくりつぎねんび この注のなかで、アメリカの七月四日というのは、アメリカの独立記念日で、一七七六年に どくりっせんげんしよめし きねん がっしゅうこくこくさいび 独立宣言の署名された日を記念して、アメリカ合衆国の国祭日になっているということは、知 じせかいたいせん っている人も多いでしよう。また、第二次世界大戦のはじまったのが一九三九年で、この注の 書かれたのは一九四三年、つまり、戦争の終った一九四五年の二年まえだということは、注意 んなに何年もまえに議会のたすかったことを、そんなに心からよろこぶということは、 考えてもふしぎなことです。 ところで、一九三九年以来、村の広場には、ぜんぜん、かがり火がみられなくなりま した。あかりを消した公園では、花火のかがやきもありませんし、街も暗くて静かです。 えいきゅうつづ しかし、この暗さも、永久に続くことはないでしよう。、 もつの日か十一月五日がやって きてー・ーあるいは、ほかの日でもかまいませんが イギリスの果から果まで、かがり 火が明るくつらなって燃えるようになるでしよう。子どもたちは、まえのように、火の まわりを、踊ったりはねたりするでしよう。手をとりあって、打上げ花火のはじけるの を見たあとは、歌をうたいながら、あかりのいつばいついたお家へもどるようになるこ とでしよう・・ おど ぎ力い せんそう まち 366

7. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

亜十一月五日 その朝は、わびしく、冷え冷えとしていて、冬の近いことを思わせる、そういう朝の一つで さくらまちどお かげ した。 > 桜町通りは、しずかにひっそりとしていました。もやが、影のように公園にたれこめて います。家は、どの家も灰色の霧につつまれて、まったく同じようにみえました。てつべんに ぼうえんぎよう ていとく 望遠鏡のついた、プ 1 ム提督のところの旗ざおも、まるで見えませんでした。 ぎゅうにゆうはいたっ 牛乳配達が、角をまわって通りにやってきましたが、さつばり行く先がわかりません。 みよう ぎゅうにゆう ていとく 「牛乳、下におきまーす ! 」と、提督の戸口の前で呼びました。そして、その声が妙にうつ ろにひびいたのでひどくぎよっとしました。 きり どこ歩一 「霧がはれるまで、家へ帰っていよう。」と、ひとりごとをいいました。「ヒャー とっん かたっ いてんだ ! 」もやのなかから、突然、人の姿が浮かびあがって肩に突きあたったので、つづけ ていいました。 「バブプ、プププ、プルルン。」おだやかな、くもった声がいも ぎゅうにゆうはいたっ 「ああ、あんたかい ! 」と、牛乳配達は、ほっとしたようにい、 かど ひ はいいろきり び はた すがたう よ 、ました。 ました。

8. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

とびらをあけるメアリー・ポビンズ 1995 年 6 月 5 日第 30 刷発行 1975 年 7 月 10 日第 1 刷発行 発行者 訳者 955 印刷・精興社カバー・錦印刷製本・田中製本 とびらをあけるメアリー P. L. トラヴァース作 林容吉訳 岩波書店 1975 ・ポビンズ 368 p ・ 18 cm ( 岩波少年文庫 2032 ) 小学上級以上 P. L. Travers : Mary Poppins Opens the Door, 1943 林 はやし 岩波少年文庫 2032 容 安江良 介 〒 101 ー 02 東京都千代田区ーツ橋 2 ー 5 ー 5 会社岩波書店 発行所 電話案内 03 ー 5210 ー 4000 定価はカノヾーに表示してあります Printed in Japan ISBN 4 ー 00 ー 112032 ー 1

9. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

やもってねちゃいけないの ? 」 メアリ 1 ・ポビンズは、返事のかわりに、マイケルのべッドにいそぎながら、ふりかえって、 肩ごしに、氷のようなつめたい目つきで、にらみつけただけでした。 「プタをください ! 」と、メアリー・ポビンズが、きびしく命じました。そして、マイケル あつがみ ッシーおばさんからもらった、ちいさな、金色にぬった厚紙のプタに、 がクリスマスにフロ 手を差しのべました。 からっぽです。大きな フタには、はじめ、チョコレ 1 ト がつまっていたのですが、もま あな 穴が、からだのうしろで、ロをあけていました。ちょうど、しっぽのあったところです。しつ ぼは、クリスマスの日に、マイケルが、どうやってついているのかみようと田 5 って、もぎとっ だんろ フタのほ、つは、しつほな てしまったのです。それ以来、暖炉のうえに、のせてありましたが、・ しだったのです。 りよううで マイケルは、金色のプタを、両腕に、しつかりだきしめました。 「いや、メアリ 1 ・ポビンズ ! 」と、マイケルは、勇敢に、 ん ! ぼく、いるんだ ! 」 「わたしが、なんと、 かた さ もいましたか ? 」と、メアリ 1 ・ポピンズが、ききました。そして、そ ゅうかん もいました。「ばくのブタだも 275

10. とびらをあけるメアリー・ポピンズ

ケストナー少年文学全集黯巻 〈小学 3 ・ 4 年以上〉 エーリヒ・ケストナー作 / 高橋健ニ訳 ナチスにより著書を焼かれーエーミールと探偵たち 執筆を禁止されながらも、 2 エーミールと三人のふたご 次代を担う子どもたちに期 待をかけ、ひたすら子ども 3 占子ちゃんとアントン のための小説を書き続けた 4 飛ぶ教室 ケストナーの、日本で唯一 の完全訳全集。ューモアに 5 五月三十五日 あふれた話の中にも、涙を さそう悲しい物語の底にも、 6 ふたりのロッテ 人生の真実が輝いています。 7 わたしが子どもだったころ イ品の風格を伝えるトリヤ ーとレムケのさし絵つき。 8 動物会議 判変型上製・平均二二二頁 別サーカスの小びと