リー・ポピンスは、まゝにしたよ、つに、、ました。 「だれかが、どこに住んでるか、きいていたにちがいないよ。たしかに、アンドリュ 1 は 」マイケルは、、 きおいこんではじめました。 「おや、知っているんなら、わたしにきくことはないでしよう ! 」と、メアリー・ じしょ は、みじかく息をすっていいました。「わたしは、辞書じゃありませんよ。」 、ました。「そんないいかたをしたら、ぜったいにい 「だめ、マイケル。」と、ジ = インがいも ねが ってくれないわ。ねえ、メアリー・ ポピンズ、お願いだから教えてちょうだい。アンドリュ は、なんていっていたの ? 」 「マイケルに、きいたらいいでしよ。知っているんだからーーーね、もの知りやさん ! 」と、 メアリー・ポビンズは、マイケルのほ、つへ、あごをしやくっていいました。 「知らない、知らない。ほんとに知らないんだもん。メアリ 1 ・ポビンズ、教えてよう。」 うばぐるま 「三時半。お茶の時間です。」メアリー・ポピンズはそういうと、乳母車をまわして、戸を たてたようにびったり口をとざしてしまいました。そして、帰る道じゅう、ひとことも、もの をいいませんでした。 ジェインとマイケルは、おくれてついてゆきました。 ア ポビンズ
「シンデレラに会った ? 」と、ジェインはいいました。 「シンデレラですって ? まさか。」と、メアリ 1 いました。「シンデレラだなんて ! 」 「じゃ、ロビンソン・クルーソ 1 は ? 」と、マイケルがききました。 「ロビンソン・クルーソ 1 ? ー・ポビンズは、ぶつきらば とんでもない。」と、メアリ p いました。 「そんなら、どうしておとぎの国なの ? ばくたちのおとぎの国じゃ、ありつこないや ! 」 メアリ 1 ・ポピンズは、見さげはてたとい、つよ、つに、フンと鼻をならしました。 「知らないんですか ? 」と、あわれむようにいいました。「だれだって、じぶんだけのおと ぎの国があるんですよ ! 」 そういって、もう一ど、鼻をならすと、白い手袋を ぬいで、かさをおきに二階へあがっていきました。 てぶくろ ポピンスよ、まゝゝし、とい、つよ、つ
した。 「気をもんでなんかいないよ。どんなかしらと思っただけだよ。」と、マイケルが、いいな おしました。そして、いつもの二ばいのはやさで、テープルの。ハンくずをはらっていたメアリ ・ポビンズにききました。「知ってる ? 」 「もうひとことでも、きいたらーーーすぐさま、ねかしますよ ! 」そういうと、メアリー・ ピンズは子ども部屋をかたづけはじめましたが、あまりせわしく立ちはたらくので、人間とい うよりも、まるで、白い帽子とエプロンをつけた、つむじ風みたいに見えました。 「なにもきかないほ、つがいいわよ」と、ジェインかい 、ました。「なんでも知ってるけど、 けっしていわないんだから。」 「だれにもいわないんだったら、知ってたって、なんになるもんか ! 」と、マイケルは、不 服そうにつぶやきましたが、メアリ ・ポピンズにきかれないように、小さなひそひそ声で ふく それでも、ふたりには、もう、まえほどごきげんがわるくないことがわかりました。 「だけど、」と、マイケルがいし 、ました。「夜になって、みんなうちへ帰っちゃうと、動物園 は、どんななんだろうな ? 」 「よけいなことに、気をもむんじゃありません。」と、メアリー・ポピンズが、きめつけま ぼうし 203
「この、スズメっ子 ! 」と、メアリー・ポビンズはさけんで、そのハトにむかって、こうも りがさをふりあげました。ハトは、ひどく腹をたてて、鳥のおばさんのところへ飛びかえると、 ばうし メア丿ー・ポピンズに面あてをするように、そのバラの花を、おばさんの帽子のリンにつけ ました。 や よ」と、メアリー・ . し、し 「肉。ハイにして焼いてやるからーーーおまえさんには、ちょうど、 ピンズは、ひどくおこっていいました。そして、ジェインとマイケルにむかって、 わか 「いきますよ。」というと、別れぎわに、そのハトをきっとにらみました。しかし、、トは、 せせら笑うと、しつぼをびくびくさせて、背をむけてしまいました。 「さよなら。」と、マイケルは、鳥のおばさんにい、 ました。 「えさま、ゝゞ。 カカ」と、鳥のおばさんは、ほほえみながら、へんじのかわりにいいました。 「さよなら。」と、ジェインも、 いました。 ふくろ 「一袋二ペンス ! 」と、鳥のおばさんはいって、手をふりました。 り・ようがわ ふたりは、鳥のおばさんに別れて、メアリー・ポピンズの両側を歩いてゆきました。 「みんな ぼくたちみたいにかえっちゃったら、後はどうなるんだろう ? 」と、マイケル がジェインにききました。 わら わか 145
しようにん ス夫人は、子どもたちのことをみてくれるこんどの人は、たい ~ ん新式で、保証人のことなど 気にしない人だとい「て、だれにでも自慢できるので、よろこんでいました。プリルばあやと エレンは、一日じゅう、台所でこいお茶をのんでいられるのと、子ども部屋で、ごはんのせわ トソン・アイは、ま をしなくてすむようになったのが、ありがたいと思っていました。ロ。 ・ポビンズが、一足しかくつをもたず、しかも、それをじぶんでみがくというの がうれしかったわけです。 ポピンスま、、つこ、、。 とういう気もちだったか、それは、だれにも けれども、メアリ 1 ・ ポピンズは、だれにも、なんにも、いわなかったのです・ わかりませんでした。メアリー・ ふじん きんゅうちゅうしんちく ロンドンの商業・金融の中心地区。 ( 1 ) シティー ドミノーーアメリカ、ヨーロツ。ハで広く行われている遊び。二十八個の牌 ( ポーン ) を用いて行う。 じまん
6 わるい火曜日 それから、 いくらもたたないころでした。ある朝、マイケルが目をさましてみると、ふしぎ な気ぶんがしていました。マイケルは、目があいたときから、なにかおかしいと思ったのです が、なんだか、はっきりはわかりませんでした。 もうふ ポピンズ ? 」と、マイケルは、かけていた毛布をおしやりな 「きようは何曜日、メアリー・ がら、ききました。 、、ゝ、、ました。そして、マイケル冫 こ起きるよ、つす 「火曜日です。」と、メアリー・ポピンズカも 、、、こしました。 がみえないので、「いって、おふろのお湯をおだしなさい。はやく ! 」と もうふ マイケルは、ねがえりをうって、毛布を頭のうえまで、びつばりあげました。すると、ますま すふしぎな気ぶんがつよくなってきました。 「きこえないんですか ? 」と、メアリー・ポビンズが、つめたい、はっきりした声でいいま け・いカ、 した。それはいつも、警戒をようすることなのです。 いまやマイケルし ~ こま、じぶんにどういうことがおこるのか、わかりました。いけない子にな 109
ドで、ボタンが二つあって、とても気のきいたくつでした。 ジェインとマイケルは、メアリー・ / し ポビンズのあとをくつついて歩きながら、 つになったら買い物の書きつけが終わるんだろうと思っていました。けれども、メアリー・ ピンズの顔つきを見ると、きくわけにもゆきませんでした。 メアリー・ポピンズは、通りの左右をじっと見て、思案しているふうでしたが、やがて、き ゅ、つに決、いがついたよ、つに、ぶつきらぼ、つに、、ました 0 うばぐるま 「魚屋 ! 」そして、乳母車をまわして、肉屋さんのとなりの店にはいりました。 ( 3 ) 「ドーヴァ・カレイ一つ、ヒラメ一ポンド半、クルマエビ一。ハイント、イセェビを一つ、 ださい」と、メアリー・ ました。たいへんはやくちで、こんな注文になれて いる人ででもなければ、ききとれないくらいでした。 魚屋さんは、肉屋さんとちがって、せいの高いやせた人でした。あんまりやせているので、 りようがわ まるで両側だけあって、はばがないみたいでした。それに、たいへん悲しそうな顔をしていて、 たったいままで泣いていたか、それとも、 、まにも泣きだすのかと思われるほどでした。ジ = わか インのいうところでは、それはなにか人にいえない悲しいことがあって、若いころからなやん でいるせいだということでした。マイケルの考えでは、魚屋さんが子どものころに、おかあさ ポピンズは、、 しあん 151
ま、、つらめしそ、つに、、 「ばくのだよ。」と、マイケル ~ ました。 、ました。「わたしが、はじめに見つ ポピンズがも 「いえ、わたしのです。」と、メアリー・ けたんです。」 「でも、ばくがひろったんだもの。」と、マイケルはいって、メアリー・ポビンズの手から、 それをとろうとしました。しかし、メアリー・ポピンズにするどい目でにらまれて、マイケル は手をひっこめました。 メアリー・ポビンズは、そのまるいものを、あちこちとかしげました。すると、日の光のふ りそそぐなかで、箱のなかの、字をかいた円盤が、グルグルとくるったような動きかたをしま 「それ、なにするもの ? 」と、ジ = インがききました。 、ました。 ポビンズがて 「これで、世界をまわるんです。」と、メアリー・ ひこうぎ 「へーえ ! 」と、マイケルがいい ました。「世界をまわるのは、船か飛行機にのるんだよ。 ばく知ってるもん。こんな、箱みたいなもので、世界がまわれつこないよ。」 リー・ポピンズよ、、まし 「おや、そうですか まわれつこないでしようか ? 」と、メア ひょうじよう たが、その顔には、わたしのほうが知ってますよ、といった、ふしぎな表情をうかべていまし えんばん 119
さんは、まじめで、正直な、仕事にせいだす人です。だから、おじさんのことをいうなら、ち きつぶ ころ ゃんとしたことをいっていただきます。そして、 ハスの切符は、かまないでください ! げまわるなんて、ほんとに なんということでしよう ! 」 りようがわ マイケルとジェインは、メアリー・ ポピンズの両側から、顔を見あわせて、だまってしまい 丿ー・ポビンズとはぎろんをしないほうがいい ました。どんなにふにおちないことでも、メアー ということを、ふたりとも、よく知っていたからです。 しかし、ふたりのあいだのまなざしは、こういっていました。「ほんとかしら、どうかし ら ? ウィッグさんのこと。メアリー・ポピンズとわたしたちと、どっちがほんとなんでしょ う ? 」 それでも、だれも、正しいこたえをしてくれる人はいませんでした。 メアリ 1 ・ポビンズは、ふたりのあいだにすわって、ふきげんそうにだまっていました。ふ りようがわ たりはやがて、つかれがでて、だんだんメアリー・ポピンズによりそってくると、両側からよ りかかって、ねむってしまいました。まだ、どっちかしらと考えながら :
「もし ! 」と、メアリー・ポビンズは、やさしくよびかけ ました。 ノナナのまだらのところと、 マッチ売りは、手をとめずに、ヾ かみ エリザベス女王のカールした髪を、茶色にぬっていました。 「オ、ホン ! 」と、メアリ 1 ・ポビンズは、こんどは品よ くせきばらいをしました。 マッチ売りは、びつくりしてふりむくと、 「メアリー ! 」と、大きな声をだしました。そのいいカた ま、メアリー・ ポピンズがマッチ売りにとって、どんなにた いせつな人であるか、だれにもわかるようないいかたでした。 メアリー・ポビンズは、下をむいて 、くつのさきを二どか ほどう 三ど、舗道にすりつけていましたが、それから、くつを見た ままにつこりしました。しかし、くつにむかってにつこりし たわけではないということは、くつにもよくわかりました。 ポピンズ ト。」と、メアリー・ 「きようがお休みよ、 ノ 1 4