人たち - みる会図書館


検索対象: 風にのってきたメアリー・ポピンズ
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1. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

グ、、 1 一よ 呱 . をな当 物三 = 年チ , 、ました。 ス、力も きゅう 「はあ、木のかげにおりましたので。」と、給 じにんせつめい 仕人は説明しました。 ポピ 「おかけになりません ? 」と、メアリ 1 ・ ンズは、あいそよく、 いました。 きゅうじにん 「おくさま。給仕人は、けっして腰をかけない のでございます。」と、その人はいいましたが、 すすめられたことは、うれしそうでした。 ぎゅうじにん 「だんなさま、貝をどうぞ ! 」と、給仕人は、 ニシ貝の一さらをマッチ売りのほうへすすめまし た。そして、「これがようじでございます。」とい かね、、、 いながら、金のようじをナプキンでふいて、マソ チ売りにわたしました。 こうして、ふたりは、午後のお茶にとりかかり ぎゅうじにん ました。そして給仕人は、そばに立っていて、な こし

2. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

えだ 枝をまげたり、かえしたりしている桜の木たちは、気でもちが「て、地面からおどりだすのか と思うようでした。 門のところへぶつかり 「おとうさんだよ。」と、マイケルはいきなり手をあげて、まるで ひとかげ そうにあらわれた人影を、指さしました。ジ = インは、うす暗がりをすかしてみて、 、、ました。 「おとうさんじゃないわ。ちがう人よ。」と ひとかげ そのとき、その人影は、風にゆすられて、身をかがめて、門のかけがねをあげました。そこ ばうし かたて で、それが女の人で、片手で頭の上の帽子をおさえ、片手でバッグをさげていることがわかり ました。そして、ジ = インとマイケルが見ていると、ふしぎなことが、おこりました。その人 いきなり、風で空中にもちあげられて、家のところまで、吹きつけられたよ がドをはいると、 うに見えました。ちょうど、風が、はじめに門のところまで運んできて、その人が門をあける げんかん クやなにかもいっしょに、玄関のところへ、ほうりつけた のをまって、またもちあげて、ヾツ、 ようなぐあいでした。見ていた子どもたちの耳に、ドシンという音がきこえ、その人が地面に ついたとき、家じゅうがゆれました。 、ました。 「おかしいね。あんなこと見たことないよ。」と、マイケルがい 「い「てみましよう。い「たい、だれでしよう。」と、ジ = インはい「て、マイケルの腕を さくら かたて うで

3. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

「うん、一生けんめいかいたんだよ、メアリー 。」と、マッチ売りはびかえめにい、 しかし、われながらよくできたと思って、ほんとうによろこんでいるようすが、ありありとみ えました。 ぎゅうじにん ちょうどそのとき一、まえを歩いていた給仕人が立ちどまりました。そこには、チョークのふ とい線でかいたような、大きな白い戸口がありました。 きゅうじにん 、ました。「お出口です。」 「さあ、まいりました ! 」と、給仕人がい 「さよなら。おせわさまでした。」と、メアリー・ポピンズはいって、給仕人と握手をしま した。 しつれい ぎゅうじにん 「失礼いたします、おくさま ! 」と、給仕入もあいさっして、頭がひざがしらにぶつかるほ ど、ていねいにおじぎをしました。 それから、こんどは、マッチ売りのほうへ頭をさげました。マッチ売りは、首をちょっとま きゅうじにん かため 1 トのさよならなのです。そこ げて、給仕人のほうへ片目をつぶってみせました。これが、バ でメアリー・ポピンズは、白い戸口のほうへ歩きだしました。マッチ売りも、すぐっづきま ところが、歩いてゆくにつれて、メアリー・ ポビンズの帽子から羽根がぬけおち、レイヨン ばうし きゅうじにんあくしゅ しました。

4. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

手をしました。 「ごきげんいかがですか、あのー ーこと、マイケルはいいかけて、この大きな女の人の名ま えは、どっちがどっちだろうと思いました。 マチのほうは、こ、し 、ました。「リュ 「ファニーがわたしです。」と、ひとりのほうがい てかわりません、きいてくだすってありカオ ( 、、、こ、ナど。」そのひとは、ひどく悲しそうなようす でいいました。まるで、こんな、ていちょうなあいさつは、しつけないようなふうでした。 ました。そ 「いい日和ですねーーー」と、ジ = インは、もうびとりの女の人にていねいにい、 の、ねえさんかいもうとさんかは、大きな手のなかに、もう一分間も、ジ = インの手をにぎつ たままでした。 ました。「そして、心 「わたしが、アニーです。」と、その人は、あわれな声でふたりにい、 がけのいい人は、顔だちもいいそうですとさ。」 ジェインとマイケルは、このふたりの女のきようだいは、もののいいカたが、とてもかわっ ていると田 5 いました。しかし、びつくりしているひまもないうちに、もうファニーさんとアニ うでうばぐるま ーさんのふたりは、長い腕を乳母車のほうへつきだしていました。めいめい、ふたごの手をび あくしゅ とつずっとって、もったいぶって握手をしましたが、ふたごのほうは、すっかりおどろいて、 しゅ ひょり 157

5. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

のペ ージです。字のほうは、アルファベットのからまでの二六ページで、それぞれ、四冊 のメアリー・ポピンズの本のなかの、いろいろな人や動物の出てくる話なのですが、どのペー ジも、その字ではじまる英語のことばが、たくさんはいっているのです。のページは、全部 で一六五のことばで書いてありますが、そのなかでではじまることばが六〇、 e のページは 一九六のうち、九一が e ではじまることば、といったぐあいです。たいへんおもしろいのです やく うしな が、ほかの国のことばに訳したのでは、そのおもしろさが、かなり失われてしまうと思います。 メアリー・ポピンズの五冊の本は、すべて、メアリー・シ ード (Mary Shepard) が、さ し絵をかいています。そのおとうさんは、アーネスト・ ード (Ernest H. Shepard) で、『たのしい川べ』や、『クマのプーさん』のさし絵をかいている人です。ふたりとも、子ど もの本のさし絵画家として、たいへん有名で、そういうすぐれた画家の絵によって、話のなか えいきゅう の人たちが、ほんとうに、、 きいきとした感じで、読む人の心のなかに、永久にすみつくこと になるのだと思います。 最後に、トラヴァースさんのいっていることばを、つけくわえておきましよ、つ。 「ーーーメアリー・ポビンズは、わたしをよろこばせるために、じぶんからわたしのところへ ばうけんあんない きてくれたのです。そして、いろいろな冒険に案内してくれたのですが、みんなが、たいへん さっ ・シェ。、 さっ 282

6. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

歩いているところでした。ゆくさきには、切り開いた場所があって、そこには、大きなたき火 ひとかげ 2 のまわりに、テントがたくさん張ってありました。そのあかるい火のまわりには、色黒の人影 はねあたまかざ がちらちら見えていましたが、羽根の頭飾りをつけて、ゆるい上着をき、ふさのついた革のズ ひとかげ ポンをはいていました。その人影のなかから、ひときわ大きい人がひとり、みんなのところを はなれると、メアリー・ポピンズと子どもたちのほうへ、いそぎあしでやってきました。 。」と、その人はい、 もました。「よくいらした ! 」そして、メアリ 「あかっきの星のメアリー ・ポピンズのほうへ身をかがめて、ひたいをメア リー・ポピンズのひたいにあてました。そ れから、四人の子どものほうをむいて、みんなにおなじようにしました。 「わしらのテントでみんなが、おまちしておりますわ。」と、その人は、おちついた声で、 親しげに、、 ました。「タ食に、トナカイのフライ料理をつくるところです。」 、ました。「ちょっと、よっただけな ポピンズか 「まひるの太陽の族長。」と、メアリー・ んですーーほんとに、まるで、さよならをいいにきたようなものです。世界一周をしているん さいご ですが、ここを最後にして帰るところです。」 ました。「わ 「ほほう ? そうですかい ? 」と、族長は、ひどく興味をもったように、、、 しも、やってみようとよく思うんですがな。それにしても、ちょっとはおられましよう。この り・よう・り・ 強 - ようみ かわ

7. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

はげしくふっていたのです。「なにをおしです、マイケル ? 」 「帰ってくるって 、いってた ? 」と、マイケルはさけんで、おかあさんがころびそうなほど、 スカートをひつばりました。「ねえ、そういった ? 」 「マイケル、インディアンみたいなことは、およしなさい。」と、おかあさんはいって、マ ノっていっ イケルの手をふりほどきました。「なにをいったかおぼえちゃいません。ただい ただけです。だけど、帰るといっても、帰らせはしません。だれも、手つだいもないのに、ほ っていってしまって。しかも、 いきなり。」 「まあ、おかあさん ! 」と、ジェインが、まるで、とがめだてをするようにい、 「おかあさんって、ひどい人だ。」と、マイケルもい、 で、いまにも打ってかかりそうなようすです。 「なんでしよう、あなたがたったらー よく、そんなことがいえますね。おかあさまに、 んなひどいことをした人に、帰ってきてもらいたいなんて。なんという、あきれた人たちでし ジェインは、わっと泣きだしました。 ポピンズだけいれば、、、 「世界じゅうで、メアリー・ んだ ! 」マイケルは、悲しい叫びを ました。 ましたが、こぶしをかためて、まる さけ 273

8. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

しようにん ス夫人は、子どもたちのことをみてくれるこんどの人は、たい ~ ん新式で、保証人のことなど 気にしない人だとい「て、だれにでも自慢できるので、よろこんでいました。プリルばあやと エレンは、一日じゅう、台所でこいお茶をのんでいられるのと、子ども部屋で、ごはんのせわ トソン・アイは、ま をしなくてすむようになったのが、ありがたいと思っていました。ロ。 ・ポビンズが、一足しかくつをもたず、しかも、それをじぶんでみがくというの がうれしかったわけです。 ポピンスま、、つこ、、。 とういう気もちだったか、それは、だれにも けれども、メアリ 1 ・ ポピンズは、だれにも、なんにも、いわなかったのです・ わかりませんでした。メアリー・ ふじん きんゅうちゅうしんちく ロンドンの商業・金融の中心地区。 ( 1 ) シティー ドミノーーアメリカ、ヨーロツ。ハで広く行われている遊び。二十八個の牌 ( ポーン ) を用いて行う。 じまん

9. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

「あれじゃ寒いでしよう。親ごさんは、どういうつもりなんでしよう ! 」と、おかあさんた ↓っ : ・刀 、ましたが、その声は、きゅうに、やさしく、おだやかになりました。 「わたしのいいたいのはー 」と、おとうさんがたがいい ました。「ああい、つことは、、 かん。タイムズ紙に書かなけりや。」そしてその声は、ひどく、あらあらしくて、らんばうで 店の人たちの態度もふしぎでした。この四人の一行が通ると、みんなマイアにたいして、ま るで女王さまのようにおじぎをしました。 しかし、みんなのうちではだれも ジェインも、マイケルも、メアリー・ポピンズも、マ ィアも かわったことなど、なに一つ、目にも耳にもはいりませんでした。みんな、じぶん ばうけんむちゅう たちのやっているふしぎな冒険に夢中になっていて、それどころではなかったのです。 「ここよ ! 」マイアはそういって、おもちや売り場へとびこんでゆきました。「さあ、なに にしましよ、つ ? 」 店員がひとりとんできて、マイアを見て、ていねいにおじぎをしました。 「わたしのきようだいに、めいめいなにかいるの 六人よ。手をかしてね。」と、マイア はいって、につこりしました。 249

10. 風にのってきたメアリー・ポピンズ

とって、窓のところをはなれると、子ども部屋を通りぬけて、階段の上に出ました。そこから げんかんま は、玄関の間でおこることが、なんでもよく見えたのです。 おうせつま しばらくすると、応接間からおかあさんが出てきて、お客さんもいっしょでした。そして、 かみ ジェインとマイケルにわかりました お客さんは、つやつやした黒い髪の人だということが、 「ちょっと、木のオランダ人形みたいね。」と、ジ = インが小声でいいました。そしてま た、その人は、やせていて、手や足が大きく、小さい、キラキラした青い目をしているという こともわかりました。 「きっと、 い子どもたちだとお思いになりますよ。」と、 マイケルは、ひじで、すばやく横からジ = インをつつつきました。 ふじん 「そして、ちっとも、せわがかかりませんよ。」と、 すこしあやふやで、じぶんのいったことを、じぶんでもほんとにしてないようでした。お客さ んもまた、たいしてほんとにしないというふうに、鼻をフフンとならす音が、ふたりにきこえ ました。 ほしようにん 「で、保証人のことですがーーー」と、 ンクス夫人がいし まど ふじん ンクス夫人はつづけていいましたが、 、ました。 かいだん ノンクス夫人がいったところで ふじん