ーーー一〇月一一日 ( 木曜日 ) 朝、起きるのがつらかったが、なんとかカンファレンス出席。おもしろいケース がたくさんあるのだが、それを指導してものにするという能力も信頼感もなくなっ た。教授回診。ついて歩くのがやっと。患者と病名どころか、部屋のありかもわか らない 夜、 TV で広島カープの名ストッパ 1 ・津田投手のことをやっていたが、どうも 私と同じ病だったらしい ( 似ている ) 。 ■ーーー一〇月四日 ( 土曜日 ) 昼、セプン・イレプンのインスタントのサヌキウドンを食べたが、このウドンが なんともいえずウマイ。何より、食事のレバ ト丿ーが増えたのがうれしい Pm1900 、規子が帰ってから、一緒に村さ来へ。かなり飲んで、食べて、久しぶり に腹杯となった。これから、このパターンを使おう 0 ーーー一〇月六日 ( 月曜日 ) 一日中トド。明日の外来、行きたくないと、体がささやいている。

翠ーー・・・・・・・・七月一〇日 ( 木曜日 ) リハビリのため、大学へ。午前中、桑沢 Dr にくつついてコンピュータ 1 操作。少 しでも慣れるように努力した。容易なことではない。そうこうしているうちに、慶 応臨床スポーツ医学会より、「査読はまだでしようか [ との tel あり。本日締め切り とのことで、やむをえす、 Fax で三〇枚ぐらい送ってもらい、目を通し、全部 と返事する。この郵便は、結局自分の机の上にあったが、網から抜けた形となった。 正常であれば当たり前にいっていることがうまくいかない。悲しいことである。 阜ーーー七月一一日 ( 金曜日 ) 午前中、綾乃の父兄参観に一一人で行く。三時間目算数、四時間目英語の授業を見 学。一時間立っているだけで疲労は強い。英語はおそらくバイプルの一節だと思う が ( よく聞き取れず意味不明 ) 、皆にリフレインさせたりしていた。英語に慣れるに は意味があるかもしれない。 ■ーーーー七月一三日 ( 日曜日 ) 前からの約東で、日本棋院での子供囲碁大会へ綾乃を連れていく。三〇〇人ぐら 790

第七章再発 0 ー・・ーーー七月一一六日 ( 土曜日 ) マイナーなことに一喜一憂した。それは点滴の維持で、こんなにたいへんなこと だと思わなかった。入れば入ったで、一時間ごとの排尿となってしまう。先は遠い。 夕方 C2 の痛みがひどく、 tegreto 一 200mg 服用したら、よく効いた。文野婦長、塩原 Dr 、武田先生等来室。現在、頭痛、食事ができない異味症状が一番つらい 0 ー・ーーー・七月ニ七日 ( 日曜日 ) お見舞いの人が多く、やや stressful であった。頭痛はなんとか、水枕およびセデ ス、ラグレトール等でしのいでいる。悪夢は安芸乃島のタオルにつぶされそうな夢 にうなされた。体のおさまりどころがない。子供みたいに撫でてもらうと気持ちょ く、落ち着く。相貌失認までではないが、焦点が合うまでに時間がかかる 簟・ーー・七月ニ四日 ( 木曜日 ) 夜尿の回数がひどい。夜は相変わらすの悪夢。今回はロシア人になんとか接し、 大麻を手に入れ、使用すると頭痛がとれ、すっきりするというもの。なんだか、すっ とうなされている。 797

阜ー・・・ー・一〇月一一四日 ( 金曜日 ) 午前中 MRIO 頭と胸のレントゲン。 2 【 00 より ope 。 10 】 30 部屋に戻る。長い時間が中 卵分 かかったが、 全部きれいに取れたという話だった。 半部 レ要 簟・ー・・・・・・ー一〇月ニ五日 ( 土曜日 ) 羽あ セ部 相貌失認はなかった。右のセントラルセミオバ 1 レを傷つけたため、左の麻痺 ( 高 ル深 ラの 度の ) を惹起してしまった。今後、リハビリ病院でのリハビリテ 1 ションが必要。 ン 現実に出た合併症。左半盲と味覚障害、左の片麻痺。麻痺はかなり強く、将来的に はリハビリ病院でのリハビリテ 1 ションが必要と思われる 阜ー・・・・・・ー一〇月ニ六日 ( 日曜日 ) 意識がとても清明なときと、どこか別の世界に行ってしまうのを繰り返す。とく に夜は混乱がひどい。明け方五時ころまで騒いで、安定剤でなんとか眠る ■ーーー一〇月三一日 ( 金曜日 ) 手術からやっと一週間。頭痛はひどいが、状態は安定している。 240

羣ー・・・・・・・・・・・七月ニ八日 ( 月曜日 ) 朝、ウオシュレットつきの身障者トイレヘ行ったところ、帰りがわからなくなり、 号、今日が七月二八日であることもわから 自分の部屋に帰れず。部屋番号 5619 ず、ややショックであった。予定としては明日 CT 、眼科受診、抜糸、退院という 段取りの予定。 翠・・・・・・・・・・・・ー・七月三〇日 ( 水曜日 ) ハンフリー視野検査、集中力出す、拷問のようなも 午前中、眼科の検査と受診。 のであった。外来 ( 眼科 ) は、絶対に検査の見直しと外来システムを検討すべきで ある。午後、知人が、お守り etc を持参して、お見舞いしてくれたが、こういうもの の処置が最も困る。でも、春山、堀内 Dr が言うように、「西洋医療だけが医療で 簟・ー・・・・・ー・ー七月ニ九日 ( 火曜日 ) 抜糸。本日は面会多し。 CT ( 造影剤 + 施行 ) 。見せてもらったが、取るべきもの は取れており、、い配した新たな ring enhamcement は今のところない。しかし、もう 一度あったらダメだということだが。 798

0 ーーー三月九日 ( 日曜日 ) 慶応大の河瀬教授に私の病気のことをお願いしたが、彼も忙しそうで、三月下旬 5 四月上旬検査ということにした。ただし、知り合いの病院に MRI が入ったので、 Dr にお願いをして早く MRI をしたほうがよいかとも思っている。河瀬教授は「健康 第一としたほうがよいし、一年以内のものであれば復帰できる」と言ってくれた。 住ーーー三月一一日 ( 火曜日 ) 外来、いつもより、一〇人ほど少なかったにもかかわらす結局二時ぐらいになっ てしまった。「ハイ、薬」で終わる患者がいないので、どうにもならない。夜は河瀬 教授に f = m を見せにいき、その足で春山、堀内 Dr に会う予定。人生最大、または 最後のこの危機をどう乗り切るのか。優秀なパイロットが最後まで努力するのと同 じように、パニックにならないように、客観的に bestway を考えねば。 簟ーーーー三月一一一日 ( 水曜日 ) 河瀬教授に三 m を見ていただく。彼は自分でも体の危機があったことがあるらし 。このときは休みをとり、奥さんと休養をとったという。また「一年以内に回復

阜ーーー八月一六日 ( 土曜日 ) 本日は外苑の花火。規模は昨年と同程度。花火というのは、光よりも、むしろ音 と火薬の匂いをかぐために集まるのだというのを、今回気づいた。 阜ーーー八月ニ五日 ( 月曜日 ) む 四月一五日より四か月、七月二二日より一か月、病態 楽 を はまったくよくなっていない。相変わらず食べられる 火 花範囲は増えない。 苑 夜、懐メロを聞いたが、どういうわけか、いい歌が多 神かったような気がする 0 ーーー - ・八月ニニ日 ( 全曜日 ) ともかく、体がダルく眠い。食事も摂れす。一人では こんなことをしていては、 生きていくことができない。 それこそ座して死を待っという形となってしまう。な んとか悪循環を脱出せねば。 209

苦しいグルグル思考 0 ーーー五月一日 ( 木曜日 ) 経口がたくさん入るよ、つになった。このところ、規子がすっといてくれるので、 尿、便、風呂が順調にいっている。しかし、何をやるにしろ、たいへんに疲れてし 簟ーーー四月ニ一日 ( 月曜日 ) 残された時間は五年。この五年間にやれる ( やっておける ) ことは何か ? 人の ことをやっている暇はまったくない。ともかく『脳腫瘍になった脳外科医』という タイトルで、今までいつも思ったり言ったりしていることをまとめてみようと思う が、自分一人の手ではとても無理だ。 第ーーー四月ニ八日 ( 月曜日 ) 河瀬教授より痛み止めの処置をしてもらった。ともかく痛い。しかし、約半日し か効果なし。あらゆる経験をしていることになる。 昼より入浴。結婚して以来初めて規子に全身を洗ってもらう。 142

第六章回復 0 ーーー六月ニ日 ( 月曜日 ) 登校拒否ではないが、通院拒否になりそうなくらい、朝はうつ状態。規子が一緒 でなかったらめげてしまいそうである。 L 一 nac は頭に印をつけないようにお面の型 をつくってあり、右は約二〇秒くらい、左は一〇秒くらい。これで 2G をじつにミ ジメ。こんなことで社会復帰できるのだろうか 昼、喜多方ラ 1 メンを一緒に食べ、母、帰京。そのあとすぐ、義母、来宅。 ■ーーー六月三日 ( 火曜日 ) 自分に残されている時間はどのくらいであろうか。毎日、再発に脅えながら過ご している。どういう症状で再発するのだろうか。痙攣 ? 麻痺 ? 大学へ戻っても、 とりあえす、成高先生の結婚式をどうするか ? こういう状態では何もできない。 ■ーーー六月四日 ( 水曜日 ) 本日は眼科のチェックあり。リナック後に受けたが、視力、視野検査を受けてか ら外来へ入り、面倒なことこの上ない。自分の病気に関しては、視力視野はあまり 比重は高くない。次回は七月下旬にしてもらう。午後は、綾乃を岩田会子供会に迎

にを 体の状態はずいぶん良い。問題は頭の中身。 すごくしつかりしたことを言っていると思っ て聞いていると、とんでもないことを言いだ す。タベはどうしても「オチンチンの写真を 撮ってくれ」と言ってきかなかった。 ■ーーーー・一一月ニ七日 ( 木曜日 ) 河瀬教授来室。「もう絶対再発しないよう に全部取りましたから、しつかりリハビリし て歩けるようになってくださいーと、励まし てくださった。 ■ーーー・一一月ニ九日 ( 土曜日 ) 夫は朝からポンヤリして、すぐに眠ってし まう。顔を拭いてもヒゲを剃ってもダメ。な んとか叩き起こして、 10 】 30 よりリハビリ。昼