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検索対象: ターゲット・シューティング
166件見つかりました。

1. ターゲット・シューティング

ライフル 3 姿勢射撃のタクティック < 図 256 > 立射の各発射間とシリーズ間における休息法。 ( a) ア・ポグダノフ , ( b )( c ) エム・イッキス という重大発射な目的がある。かなら ず空撃ちによる予行を行ない , 姿勢が 十分に安定し , 照準撃発に自信がもて るようになるのを待って , はじめて試 射に移る。 どんな場合でも , たった 1 発の射撃結 果だけで , サイトに修正をほどこして はならない。少なくとも 2 ~ 3 発の射 撃を行ない , その結果 , 修正の必要が あると確信したときに , はじめてサイ トに手をつけることが許されるのであ る。 ・標的上の弾痕だけで , 試射の結果によ る判定をくだしてはならない。かなら ず予言と弾痕の一致を待ってこれを行 なわなければならない。予言と弾痕が 一致しないときは , その弾痕が標的中 心にあっても , 銃のどこか ( とくにサ イト ) に矯正すべき欠陥があるものと 知るべきである。 ・有効でむだのない試射を行なうため に , その時機と使用弾数について十分 に配慮しなければならない。長時間に わたる射撃での試射をある時機に全部 まとめて行なうなどは愚の骨頂であ る。それでは , 5 時間 15 分という長い ライフル 3 姿勢射撃の タクティック 試射 試射は , 射撃種目を構成する重要な要素 である。試射の結果が点数に計上されない からといって , これを軽視することは許さ れない。本射の場合とまるで異なったテン ポや撃発要領で試射を行なう射手を見受け ることもあるが , こんなことをすれば , い ざ本射という段になって , 平均弾着点が大 きく標的の中心からはずれて , 失点をまね くようなことになるかもしれない。 試射は , 本射とまったく同じ条件のも とでこれを行なわなければならない。 ・試射をたんなる銃の点検手段とみなし てはならない。たしかに , 銃の最終的 点検ということも試射の重要な目的の 1 つではあるが , 同時に試射には , 種 目のコースに自分の心身を慣らし最 終的に広義の射撃準備の仕上げをする 289

2. ターゲット・シューティング

11 ライフル射撃種目のテク ニックとタクティック 2 秒 人差指の鼓動的運動 安定化と照準圏照準 み″秒 銃の動揺 呼吸 引金圧迫 精密照準 7- を秒 呼吸停止 ー 2 3 4 5 6 7 3 ″をなみ販石〃 2021 秒 < 図 252 > セット・トリガーっきのフリー を行なうときの発射完成過程 284 めには , 全体としての撃発動作を 6 ~ 10 秒 あるし , また , 発射遅滞におちいらないた で完成できる能力を身につけておく必要が にいたる最後の引金圧迫段階を 1.5 ~ 2.5 秒 をスムーズにするためには , 射手は , 撃発 一致させて行なわなければならない。撃発 撃発はスムーズに , そして照準と完全に 撃発 行なうようにするとよい。 の深呼吸を行なって , 肺臓の換気を十分に のような場合および発射後には , 2 ~ 3 回 ら , あらためて次の発射にとりかかる。 て発射を中止し , 呼吸をやりなおしてか に発射を完了しなかったときは , 思いきっ 及ぶことは不適当であって , 12 ~ 15 秒以内 同じである ) 。呼吸停止時間が 12 ~ 15 秒に 吸気段階で呼吸停止する場合も原則的には 停止する場合を基準にして述べてあるが , とるべきである ( ここでは呼気段階で呼吸 しながら呼吸停止に導くという呼吸要領を ・ライフルを使用して指導的射手が立射 の間に完了しなければならない。好機をと らえて , 大胆にそしてスムーズに引金を引 くのである。これに関連して , 進行中の撃 発動作を機に応じてただちに中止できる能 力を身につけておくことがきわめて重要に なってくる。この反射的な中止動作を適時 に行なうことができないと , 心ならずも不 本意な発射におちいることがある。 図 252 は , 指導的射手のフリー・ライフ ル立射における発射完成にかんする解説図 である。この図にかかげた数値は , そのと きどきの発射で多少の差があるであろう が , 全般的な原理構成については , 原則と してすべての発射がこの図のとおりになっ ているといっても過言ではない。指導的射 手ともなれば , その発射のための諸動作 が , 個別的にも総体的にも , スキルとして 定着し , 自動化されているからである。 3 姿勢射撃の成功は , その種目を構成す る個々の発射が , すべて正しく同一性を保 って行なわれるとき , はじめて可能とな

3. ターゲット・シューティング

12 ビストル射撃種目のテク ニックとタクティック 300 えずその場をはなれるときは , 足の位置に みだりにその位置を変えないこと , やむを る。つまり , 射撃姿勢をとるにあたって , に同じ内容のものであることが必要であ は不十分であって , さらにその姿勢がつね 毎発の発射姿勢が安定していることだけで 種目の総合成績をよくするためには , ただ トル種目のように , 多数弾の発射を行なう ることはいうまでもないが , フリー・ピス 身体の安定度いかんによって直接左右され 毎発の射弾の命中度が , 据銃した射手の < 姿勢の同一性の保持 > 置である。 るために , ともにおろそかにはできない処 は撃発時における銃の方向の転移を予防す きおこす銃の動揺を排除するために , 後者 ればならない。前者は筋の余分な緊張がひ も含めて ) の状態のチェックを行なわなけ の関係位置と銃把の握り ( 人さし指の運動 射撃開始に先立って , 標的に対する身体 指摘しておいたとおりである。 の影響については , すでに再三にわたって ぬけに射撃を行なうときに起こるマイナス ことが望ましい。準備運動をしないで起き して , 数十回の人さし指屈伸運動を行なう では , 射撃予習のほかに , 特殊準備運動と 習とからなっている。しかし一般の射手 備体操とそのあとに行なう数分間の射撃予 たちが一般に採用している準備運動は , 準 を課するもの ) を組み合わせる。一流射手 動 ( 上肢帯右部と右腕の筋群に一定の負荷 に含まれる運動種目の総合 ) と特殊準備運 には , 一般的準備運動 ( いわゆる準備体操 ず行なわなければならない。この準備運動 間の回復をはかるための準備運動をかなら では , 射撃に先立って , まず血行と反応時 起床して最初に行なう射撃トレーニング く準備運動 > 印しをつけておくこと , 上体の補償転位 ( 傾斜 ) をつねに一定させること , 筋 ( と くに上肢帯右部と右腕の筋 ) の緊張度を変 えないようにすることなどの配慮をして , 毎発の発射条件をつねに同一に保たなけれ ばならないのである。ところが , 装填 , 休 息などの必要から , 発射後にはかならず射 撃姿勢をいったんくずすわけであるから , 射撃姿勢の同一性を保持するためには , そ れをもとの姿勢に正確に回復させる能力が 重要になってくる。したがって , 射手は , 上体を左に傾け , 背をのばし , 右腕を上 げ , 照準をし , 最終的に姿勢を完成すると いう一連の動作を , つねに一様に , すばや く , 自動的に行なえる能力を身につけなけ ればならない。 一流射手の例を見ると , 彼らは 4 ~ 6 秒 でこの一連の動作を完了させており , その テンポは理論的にも最も合理的であるとさ れている。また , 彼らは , 一般に , 据銃し た右腕に意識的に一定の振動 ( その振幅と 頻度は人によってまちまちである ) をあた えてからそれを静止させ , 最終的に最大の 安定状態に導くようにしているが , これは 姿勢の同一性を維持するための有効な手段 の 1 っとして推奨されてよいであろう。 のように意識的に行なう右腕の振動運動 は , 屈筋と伸筋を交互に緊張させることに よって , 大脳半球運動中枢における神経過 程の相互作用をよくし , 筋活動における協 調性 , 右腕の安定性を促進するからであ る。 く照準と呼吸停止 > ヒ。ストル射撃の照準は , 照門 , 照星 , 標 的の相互関係のずれを目視し , それを腕の 運動で矯正するという筋・神経の協調作用 をともなう動作である。照準のときの注意 は , 銃の動揺を軽減することと正しい照準

4. ターゲット・シューティング

6 ビストル射撃の射撃姿勢 右腕の筋は , 上腕 , 前腕 , 手首をしつかり と固定して , 腕全体が完全に一体化される ように , ピストル精密射撃の場合よりも強 く緊張させなければならない。 く銃把の握り方 > 銃把の握り方の要領は , ピストル精密射 撃の場合に準じるが , ただ , 標的から標的 へと照準を移動させるとき , 拳銃と右腕と の関係状態を同一に保っために , ピストル 精密射撃のときよりもさらに確実にびった りと握る必要がある。 人さし指については , ピストル精密射撃 の場合と変わるところはない。拳銃の保持 と固定に人さし指を少しでも関与させては ならない。末節骨と中節骨を拳銃にふれさ せることは禁物であって , かならず拳銃と の間に間隙を設けるようにする。 銃把の握り方は , いわゆる深い握りにな っていなければならない。したがって , 銃 把の改造にあたっても , っとめて銃把の上 部を握って右手の位置をできるだけ銃腟軸 に近づけるという条件にかなうように , そ れを行なう必要がある。深い握り方を用い ると , 銃の反動にともなう偶力のうでが短 くなり , 発射時の銃の転位量が少なくな る。ラヒ。ッドファイア・ピストル射撃で は , 照門上縁の中央に正しく照星頂を見い だすことに多くの時間をかけることは許さ れないのであるから , これはとくに重要で ある。 く手首の固定と傾斜 > 右手首は , ヒ。ストル精密射撃の場合と異 なり , 下に強く傾斜させてはならず , 右手 首の関節の固定は主として筋の働きによっ てなされなければならない。そして , 前腕 に対して右手首を起こして拳銃を把持する ときは , 銃把を握っている指にわずかなゆ るみもないようにする必要がある。右手首 186 の傾斜度が小さいときには , 引金を引く人 さし指の運動がいっそう自由になる。ラビ ッドファイア・ピストル射撃では , 人さし指 の振幅の大きい運動が要求されるので , こ れは非常にたいせつであるばかりでなく第 発射直前の正確な照準をより容易にするた めにも , ぜったいに必要である。 次に , 標的から次の標的へ照準を移動さ せるときには , まず , 右腕を固定させた上 体の運動によっておよその照準が行なわ れ , 次いで , 肩関節で固定された右腕の微 細な調整でより精密な照準が実現される。 しかし , 肩関節で固定された右腕の運動だ けでは , 完全な精密照準を完成することが できず , どうしても発射の直前に右手首で さらにその補足をしなければならなくな る。この場合 , 右手首による精密照準の完 成が , より簡単に , そしてより良好に行な われるためには , 右手首が筋によって固定 されている必要がある。つまり , 右手首を 下にまげて大きな角度をつくるようにして はならないということである。 では , 右手首にどの程度の角度をあたえ たらよいのであろうか。それは個人差によ って異なるが , 経験または統計によれば , 据銃したときの銃腔軸線と極限まで手首を 下に傾けたときの銃腔軸線とのなす角度は 13 。 ~ 17 。の範囲でなければならないとされ ている。この見地から図 170 にあげた指導 的射手の銃把の握り方を見ると , イエ・チ ェルカソフとア・ザベリンのものが最良で あるということができる。 正しい銃把の握り方は , 把握された拳銃 の銃身と右前腕とが同一垂直面内にあるよ うになっていなければならなし 、。この場合 には , 反動に対して右腕全体がつねに同じ 良好な反応を示すことになるしこれはと くにラピッドファイア・ピストル射撃では

5. ターゲット・シューティング

ライフル 3 勢射撃のテクニック との照準諸元に逆もどりすることになるの がおちである。 風向や風速が比較的一定した風の中での 遠距離射撃では , その風向と風速に応じた 修正量をサイト目盛の上にほどこす必要が ある。しかし , 所要の修正が終わったから といって , あとはかまわずに安心して射撃 してよいというわけではない。サイトを修 正したあとでも , 風旗などの動きに注意し て風向や風速をたえず判定し , 外部条件が く図 251 > かげろうの減少をはかるため に発射まえに行なう銃身内の熱気の吹 修正量算定の前提条件と完全に一致したと きはらい きに発射するようにすることがたいせつで 銃身の過熱によりかげろうが発生しし ある。 かも , 銃身の自然冷却 , かげろうの自然消 スモールボア・ライフル射撃で , 局地風 て 滅を待っ時間的余裕がない場合は , 各発射 が間歇的に吹いているときは , 修正を試み のまえに銃身内の熱気を吹きはらい ( 図 ずに , 風の息の間を選んで無風時に発射す 251 ) , ふたたび空気が熱せられてかげろう るようにするのが得策である。 がたちはじめるまえに照準撃発を終えるよ 照射条件の変化は照準の正確度に大きく うに心がける。名射手たちの多くは , この 影響する。照射条件が変われば , 目に映る 場合のかげろうを減少させるために , 銃を 照門 , 照星 , 標的の関係状態に変化を生 ゆり動かして熱波を除いてから , 迅速に照 じ , 平均弾着点の偏移をまねくことにな 準撃発する方法をとっているようである。 る。したがって , 3 姿勢射撃では , 一定の 照射条件のときを選んで発射するという着 また , 銃身上に布製テープをとりつけるこ 意がたいせつである。たとえば , 太陽が雲 とも ( 図 214 参照 ) , 推奨されてよいかげろ 間にかくれたとき , あるいは太陽が顔を出 う対策の 1 つである。 したときに限定して発射を行なうのであ 最大の正確度が要求される射撃種目 , た る。どのような時機を選ぶかは , 照射条件 とえば伏射種目では , 平均弾着点と標的中 の継続時間や照準時に見た適性度等によっ 心との一致ということが重大な問題であっ て決定されるべき間題であろう。 て , 射手は , 適時 , 適切な照準修正を行な える能力を身につけていなければならな 呼吸 この“適時 , 適切”ということがたい せつで , むやみやたらと修正を行なうこと 立射と膝射のときの呼吸停止は , 呼気の は禁物である。たとえば , 射弾散布の比較 段階で行なってもよいし , 吸気の段階で行 的大きなビッグボア・スタンード・ライ なうこともできる。どの方法を採用するに フル射撃の場合などに , 過度にひんばんな しても , 据銃および最終姿勢完成のための 修正を行なうのは , むしろ有害無益であ 一連の関係動作を行なうまえに , 普通より る。確実な基礎もなしにむやみに修正して もいくらか深く呼吸しついで照準にとり も , 点数を悪くするだけで , けっきよくも かかるまえに 1 ~ 2 回吸気し , 徐々に呼気 283

6. ターゲット・シューティング

13 射撃竸技のトレーニング おいて , 各発射についやした時間を計り , 時間感覚の養成につとめることが必要であ る。初弾に要した時間を射手が正確に判定 できるかどうかは , シリーズ全体の運命を 左右するほど大きな意義をもっているので ある。 初弾発射にかんする以上のトレーニング が終われば , 次は最初の 2 発 ( 初弾と照準 の移動をともなった次の 1 発 ) の射撃を対 象としたトレーニングに移る。それには , 数分間の射撃予習を行なったあと , 2 発発 射を 10 ~ 15 回行なうようにするのがよい。 以上の過程を終わって , はじめてシリー ズ全体としてのトレーニングにはいる。シ リーズとしての種目のトレーニングにあた っては , 初弾のときと同様に , ストッフ。ウ ォッチを用意して , 時間感覚の養成をはか るように心がける。いうまでもなく , 許さ れた時間を合理的に使用して , 確実にその 時間内に全弾を発射するためには , すぐれ た時間感覚とリズム感覚を体得することが 絶対条件となるのである。 射撃は主として持久性と関係のある種目 であると考えられているが , 今日では . さ らに大きな静力学的努力をも必要とする竸 技種目となっている。たとえば , 5 時間 15 分の長時間にわたって行なわれるライフル 3 姿勢種目では , のべ 3 トンに余る重量 ( 7 ~ 8 kg の銃をくりかえしもち上げる結果 として ) をもち上げ , 長時間にわたって銃 を保持しなければならない。著者がア・ポ グダノフについて観察したところによれ 基礎体力の養成 342 ば , のべ 74 分にわたって銃を保持している というデータが得られた。これは筋にとっ てばく大な仕事量である。このような大き な仕事の遂行によって , 射手が大きなエネ ルギーの消耗をきたすことは当然である。 ア・ア・ソコロフ医師とイエ・ウェ・ク コレフスキー氏の実験でも , ライフル 3 姿 勢種目のフル・コースを撃ちおえたときの 射手の体重は 3æ4kg も減少していると いうデータが出ている。さらに , 射撃にと もなう呼吸停止が体力の消耗を早める。ラ イフル 3 姿勢種目で 1 回の発射に平均 2 ~ 3 回の発射試行を行なうとすれば , 5 時間 の射撃中に呼吸を停止している時間は , 実 に 40 ~ 50 分に達することになる。これが生 体に酸素の欠乏をもたらし疲労の発現を 早める結果となることは , 容易にわかるで あろう。 基礎体力の養成は , 筋力増強と持久性向 上の手段として大きな意義をもつものであ るが , このほかにも , 中枢神経系の機能改 善 . つまり , 大脳皮質における神経過程の 流れの可変性の増大 , 新しい条件反射連絡 の形成 , イナミック・ステレオタイフ。の 形成 , 射撃にフ。ラスとなる運動スキルの形 成と強化に重大な影響をあたえる。基礎体 力の養成のために行なわれる体育やスポー ツは , たんに健康の保持増進の手段である ばかりでなく , 呼吸活動の正常化 , 筋力の 発達 , 持久性 , 巧緻性 , 敏捷性 , 自制力等 の増進強化をはかるための主要な手段とも なるのである。 基礎体力の重要性 各種のスポーツを行ない , 基礎体力が十 分に養成されていたおかげで , 専門種目と しての射撃の技術を短期間にマスターし たちまちにして一流射手の仲間入りをした

7. ターゲット・シューティング

呼 吸 呼吸の要領は , 個々の発射だけでなく , 種目全体としての 射撃の成否にも密接に関係する。 周知のように , 照準時に呼吸を行なうことは禁物である。 呼吸には , 胸腟 , 腹腔 , および全上肢帯のリズミカルな運動 がともない , その運動が銃の転位および動揺をひきおこし て , 正確な発射の遂行を不可能にするからである。同じ理由 で , 撃発と同時に呼吸を行なうようにすることもまた不適当 であって , 撃発後しばらくは呼吸を停止していなければなら ない。 しかし , 銃の転位や動揺をひきおこす身体の運動の防止と いう点から観察するだけでは , 呼吸作用が射撃に対してもつ もう 1 つの重要な意義を見おとしてしまうことになる。忘れ てならないもう 1 つの側面とは , 呼吸作用が血液循環 , ガス 代謝 , 物質代謝 , および神経系における複雑な諸現象に関係 しそして , 生体内においてたえず展開され , 生体の状態と 機能とを左右する生理的諸過程の総合から成るものであると いう事実である。 この見地からするときには , ライフル 3 姿勢射撃のように 長時間にわたって行なわれる射撃では , 呼吸の要領がとくに 重大な意味をもっことになる。このような場合における呼吸 の要領が不適当であれば , 射手の生体の総体的コンディショ ンに悪影響をあたえて , 射撃成績を低下させると思われるか らである。 234

8. ターゲット・シューティング

10 射撃まえの準備 作業を行なう。銃の各所を結合するねじの しめぐあい , 引金張力の状態をもう 1 度チ ェックすることも無意味ではない。このよ うなチェックは , すべて試射のまえに実施 しなければならない。 さて , いよいよ射撃姿勢をとることにな るわけであるが , そのまえに最終的な , そ して綿密な服装のチェックを行なう。服装 ( 右 ) ニヤゾフ もの , 血液循環に悪影響を及ぼすようなも も , 射撃実施にとって不便なもの , 窮屈な 性格と射手の好みによるが . いずれにして と靴の状態をどのようにするかは , 射撃の めて射撃を開始することが許されることに 以上の準備をすべて完了したとき , のであってはならない。 はじ なる。 276 ( 左 ) チュイアン ,

9. ターゲット・シューティング

撃 発 ( 引金の引き方 ) 撃発のテクニックは , 発射遂行上 , 重大な , ときとして決 定的な意義をもつものである。第 1 に , 撃発動作 ( 引金の引 き方 ) は , 標的に指向されている銃を転位させるようなもの であってはならない。このことは , 射手に対してスムーズに 引金を引く技術の習得を要求する。第 2 に , 撃発動作は照準 動作と完全に協調して , つまり , 正しい照準線が標的の中心 または黒点の中央下際に導かれた瞬間に撃鉄が逆鉤から離脱 するように , 行なわれなければならない。撃発と照準は , そ れぞれ独立して別個に行なわれる動作であってはならないの である。 照準動作と撃発動作との協調ということは , ロでいうのは たやすいが , 実際に実行するとなると実にむずかしい問題で ある。というのは , 照準時における銃が固定されておらず , 程度の差こそあれ , たえず動揺しつづけているからである。 この銃のたえまない動揺のために , 正しい照準線が標的の中 心または黒点の中央下際に正しく導かれるようになるのは , ほんの瞬間だけであって , それ以外は , 多かれ少なかれ照準 占からそれているようになる。しかも , この照準時における 銃の動揺の性格は , その予想やコントロールを許さないもの であるから ( 練度の低い射手の行なう立射の場合などでは , この性格はとくに顕著である ) , 正しい照準線が照準点を指 向する時機の予測は , ますますむずかしくなる。こうして , 撃発動作と照準動作との完全な協調一致の具体的実現は至難 のわざに属することになるのである。 238

10. ターゲット・シューティング

6 ピストル射撃の射撃姿勢 にこれを配置する ( 図 1 56 参照 ) 。上体に対 する右腕のこのような関係位置は , 三角筋 がその静力学的な仕事を行なうのに最適の 条件をつくり出すのである ( 図 91 参鰕 ) く銃把の握り方 > 拳銃の銃把の握り方 ( 図 1 54 , 155 参照 ) はきわめて重要であって , 握りの強さと深 さ , 指と手のひらと銃把との関係位置にち ょっとでも変化があると , ただちに命中精 度の上に大きく反映することになる。「銃 把の握り方に成功すれば , すでにピストル 射撃に半ば成功したも同然である」といわ れるのも , この意味で , まことに的を射た ものというべきであろう。 正しい銃把の握り方は , 左側から母指 , 右側と前側から中指 , そして薬指と小指で 銃把をかこみ , その背部に手のひらの軟部 をあてがうのを基本とするが , その他の細 部については次のとおりである。 母指はまっすぐにのばして銃身と平行に おく。銃把を左側から支えるという母指の 仕事は , これで最も効果的に行なわれるこ とになる。母指をまげて下げるようにする と ( これは初心者にしばしば見受けられる 欠点である ) , 右手による銃把の把持その ものを悪くするばかりでなく , 母指の筋の 緊張により銃の動揺を増大させる。 拳銃保持の主役を演ずる中指 , 薬指 , 小 指の 3 指は , おたがいに密着した状態にあ って , びったりと銃把を握っていなければ ならない。そして , その最も上方に位置す る中指は , 用心鉄またはその下方に設けら れた銃把の隆起部に接するようにおく。 れで , 上記 3 指による拳銃の把持がより安 定し , 用心鉄または銃把の隆起部がフィン ガー・ストッフ。の働きをして , 銃把と指を より容易に同じ関係状態に保つことができ る。 168 拳銃の握り方は , 堅確で , 手によく密着 したものでなければならない。それには , 各指の屈筋を適当に緊張させておく必要が ある。これは手掌部の諸関節を固定するの に必要であるばかりでなく , 関係筋のトー ヌス ( 不随意的な緊張 ) の高まりによっ て銃の方向を変移させる不測的なけいれん の発生を防止するのに役立つ。しかし , 極端に指に力を入れて拳銃を握ってはなら ない。そのように過度に強い握り方をする と , 射撃開始早々に , 早くも銃がはげしく 安定してよい成績をあげるためにはつ るので , これもまた禁物である。 ても手の中で拳銃の位置がずれることにな ゆるく握ると , 引金を引くときに , 動揺をおこす結果をまねく。また , 極端に どうし 条件にかなった握り方ができるのであろう では , 具体的にどうすれば , そのような ような握り方であること ・人さし指の自由な運動をさまたげない おかれていること ことのないような関係位置に , 各指が て , その周辺の筋群が不随意的に動く ・引金を引く人さし指の運動にともなっ を満足させるものでなければならない。 銃把の正しい握り方は , 次の 2 つの条件 直前に変移させることになる。 して , せつかく定まった銃の方向を発射の と , 引金を引くときに , 拳銃を側方に圧迫 る。人さし指が側方から拳銃にふれている 指と拳銃との間にはかならず間隙を設け 骨を拳銃にふれさせないようにし , 人さし せてはならない。人さし指の末節骨と中節 拳銃を把持する仕事に人さし指を関与さ ければならない。 持するには , いつも同じ力で銃把を握らな いに必要である。そして , 同じ握り方を維 ねに同じ銃把の握り方をすることがぜった