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検索対象: 今日もどこかでスペシャルオリンピックス
32件見つかりました。

1. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

って、その人たちの中にねむっていた力をゆり起こすことができるにちがいない。 かつどうそ それから各方面をかけずり回ったユニスさんは、ついにひとつのスポーツ活動組 しきそうせつ 織の創設にこぎつけた。一九六八年のことだ。 そう、それがスペシャルオリンピックス じようねっ こ、つど、つ つづ ュニスさんが情熱をもって続けたその行動には、ある背景があった。 ・こ、 ) 、つ . り・よ、つ じつは、ユニスさんのお姉さんであり、故ケネディ大統領のすぐ下の妹であるロー ちてきはったっしようがい ズマリーさんも、知的発達障害のある人だったのた。 だいす ュニスさんは、子どものときからからだを動かすことが大好きだったが、姉のロ すいえい す 1 ズマリーさんもそうだった。テニスや水泳が好きだった。それをするときのお姉 ひょ、つじよ、つ おば さんのはじけそうな表情を、ユニスさんはよく覚えていた。 あっ こうして、ひとりの女性を中心に生まれたスペシャルオリンピックスへの熱い思 か′、しゅ、つ せかい った いは、アメリカの各州にあっという間に広まってゆき、やがて世界へと伝わってゆ くことになる かくほうめん 0 じよせい 0 、つご

2. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

ひら という大きな大会が開かれる。 れんしゅう あらわことば それらの練習、大会すべてのスポ 1 ッ活動をいい表す一言葉としてあるのが、スペ シャルオリンピックス さいご どうして、最後に「ス」がつくのだろう。 かつど、つないよう この「ス」にも、そうした活動の内容がこめられているという。「ス」は、「ひと 上よ み を一′、てい レ」 / 、てい つではなくて、たくさん」を意味するものだ。したがって、特定の日でも特定の場 所でもなく、世界のいつもどこかでたくさんの活動が行なわれている、そういう気 、も 持ちの「ス」。 こ′ v' 当、い アイオーシー しい′ル、刀い せいしき ことばっか 国際オリンピック委員会 ( O O ) からも正式にオリンピックという言葉を使う しゅやく ことがみとめられている。もうひとつみとめられているのは、青少年を主役とした せかい 0 かつどう かつどう

3. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

医」んに′、 そうした、からだの健康のことはもちろんだけれど、効果が大きいのはむしろ、 こころのほうではないか。 え お あっ おおぜい 大勢で集まって、わーっと走る。ポールを追いかける。それは、ある力を得る。 せいめいりよく 筋肉の力とはべつの、おおげさにいえば、生命力のようなもの。 学′し、カノ \ 一」、つオよい 大学構内をジョギングしてきたアスリートたちがひとり、またひとりともどって きた。 「みんな、個性的 : : : 」 あおやま デジカメをかまえる青山さんがい、つ こせいてき たしかに、個性的だ。まるでウイニングランをしているように、すれちがうすべ り・よ、って レ」、つ。力し学′し・刀′、 ての人びと ( ほとんどが東海大学の学生 ) に両手をあげてあいさっする個性。そう ひと こせいてき けんこ、つ 0 こせい

4. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

バスケットボールでいちばん大切なのは せんいん えんじん チームワーク。全員でひとつの円陣をつく きも たか れんしゅう り、気持ちを高めてから練習をはじめる。

5. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

・も・り ). 、ん 森君だ。 くん きおくのこ けつか 結果からいうと、そのドッジボ 1 ル大会にマサキ君は出場し、記億に残るすばら こもりくん しいゲ 1 ムをしたのだけれど、クラスみんなが小森君のことで知らないことがふた つある。 こもりくん れんしゅう ひとつは、練習のこと。小森君は大会までのほとんど毎日、マサキ君の家によっ て、ふたりでボ 1 ルを投げ合った。 も、つひとつは、雨の日のこと。 こもりくん くんお しよ、つこ、つぐち 下校時間だ。昇降口を出てすぐのあたりで小森君はマサキ君を追い越した。追い こもりくん くんくっ 越すときに、ふっと小森君はマサキ君の靴のひもがほどけているのに気づいた。 「ひも、とけてるぞ」 ゅびさ そう指差して、通り過ぎる じめん しばらく歩いてふり返ると、かさか地面について、こんもりしたかっこうになっ くん たまま止まっている。そのかさの下では、マサキ君がしやがんでいるようすだ。 か、ん くん 121

6. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

ひょ、つじよ、つ スポーツをしているユミちゃんの表情は、よく光っている。ロ数がひじように少 ないユミちゃんが一〇〇万語も話している、と見える ′、ん・刀いち - よ、つ マサキ君も快調だ。 ーしよ、つ くん ダウン症のマサキ君は、とても人なつつこい。顔見知りになってからは、ばくの とお あいず 顔を見つけると遠くから手をあげて合図してくれる しよ、つ A 」′、ちょ、つ した 一」 A 」ば あっ ダウン症の特徴で、ロ腔 ( ロの中の空間 ) がせまく、舌も少し厚いので言葉がす こば んなり出ない。だからかえって、ひとつの言葉をとてもていねいに選んでいるよう。 ひょうしよ、つしき 第一回フロアホッケー大会の表彰式となった。 スペシャルオリンピックスには、独特のルーレ、ミ、 ) 力しくつかある。「ディビジョニ ング」もそのひとつ。 じゅ、つど、つ ) ゅ、つ クラス分け、だ。ボクシングや柔道で、「〇〇級」というのかあるようなものと じゅ、つど、つ 考えればい ボクシングや柔道のは体重によるクラス分けだけれど、スペシャル ねんれい せいべつきようぎの、つりよく オリンピックスの場合、年齢・性別・競技能力 ( たとえば速さ ) によるクラス分 、力し たいじゅう はや

7. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

じっさい それは、実際にスポ 1 ツをするアスリ 1 トたちであるのはいうまでもない。そし て、それと同じか、もしかするとそれ以上に欠かせないのが、この「アシスト」で ある ちょうてん さんかくけい アスリ 1 ト、ファミリ 1 とならんで三角形のひとつの頂点、あるいは三脚の一本 の脚、ボランティアだ。 あし ド ) よ、つ さんきやく

8. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

ねつき さまざまなスタジアムがあります。 ぶたい しはい しんせん 舞台がちがうと、同じ芝居でもどこか新鮮であるように スタジアムによってスポーツの味わいもちがいます。 スペシャルオリンピックス。 こせいてき それは、ひとつの個性的なスタジアムといえるかもしれません。 熱気があります。 せんしゅ いい選手がいます。 ゆっくりこ観戦のほどを。 じゅんしん はなやかさ、純真さ、胸の高鳴り。 った そういった空気がいきなり伝わってくるからでしようか。 かんせん むね あじ

9. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

「いけーっ、いけ 1 つ、シュ 1 ト、シュートー そざい パックはやわらかい素材だけれど、スティックを使うし、からだがぶつかり合う 」よ、つぎ」 せんしゅ はげしい競技だから、選手はヘルメットをかぶり、ひざ下には防具をまく。 なんしあい すす ゅ、つしよ、つ 何試合か進み、だんだん優勝のゆくえがしばられてきた。 せいえん あっ スタンドの声援もそれにつれて熱くなってくる。スタンドはファミリーとボラン ティアで、つまる ・も / 、ひょ、つ る、とい、つ目標を かんけい 人と人との関係、このとても大事な事柄を、スペシャルオリンピックスのアスリ やくそくごと ートたちは、パスというひとつのワサであり約東事を通じて、ゆっくりゆっくりで はあるけれど身につけていくことになるのだろう。 ことカら つか

10. 今日もどこかでスペシャルオリンピックス

じしん 自分では、やったぜ、という自信のあったシュートだったのだろう、ずいぶんく 1 ) よ、つ A プ、ゆ、つ やしそうだ。ダウン症特有のくりんとした目で、ちょっとのあいだリングを見上げ くん あいて ている。ポールは相手にわたり、あわててマサキ君はドリプルしていくアスリート お を追いかける。 「もうひとつ、わたし、知らなかったなあ、と思った」 泉さんかい、つ かん 「あたりまえかもしれないけれど、わたしたちと、考えることや感じることは同じ なんだって、ほんとにあたりまえのことかもしれないけれど、そういうことを思い ました」 ふえ ミニゲームはなかなかおもしろい点の取り合いになっている。笛の音が鳴ると、 たいいくかんせんたい 体育館全体にひびきわたる。それがいっそうアスリートのようすをいきいき見せる れんしゅう あおやま 泉さん、青山さん、ふたりの女子中学生は電車の時間があるからと、練習がすべ お て終わる前に帰った。 いずみ いすみ 3