大陸 - みる会図書館


検索対象: 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙
23件見つかりました。

1. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

172 桂斗はふっと顔をしかめた。こんなときに、なんて痛ましい事故が起こったのだろう。 「あのトビラがなくなったってこと ? 」 清和月をでて、知らず彩女へ向かっていた亜羅写は、来るときに〈大扉〉を通っている。 部屋にこめられて、異次元を回って大陸の反対側へでる。その奇妙な感覚を思い出した。その 途中に事故にあうことを思い浮かべて背筋をふるわせる。 「なんてこった」 「つまり大陸の南と、不通になったということです。牙剣は、ひとの足で越えることはできな 、。彩女のずっと東の、山の低いところを踏み越えてゆくには、 ) 力なりの時間がかかるでしょ 「すごいことになったわね」 桂斗がうなる。玲尉はくすっと鼻を鳴らした。 「だから、そういったでしよう」 「そうね。混乱しているでしようね、外は」 つられて桂斗も笑い、すぐに真顔になった。 「ええ、もっともここいらは〈大扉〉から遠いですから、噂だけを伝え聞くばかりですが。商 人もそういないですしね」 商人の町ならま、 。いまごろ大騒ぎになっているはずだった。とくに、大陸中を駆けめぐって うわさ

2. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

カウスⅡルー大陸史・空の牙 むげん 夢眩の鏡

3. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

カウス = ルー大陸史・空の牙 むげん 夢眩の鏡 響野夏菜 COBALT-SERIES 集英社

4. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

ほそい刃が、目の前におかれていた。 少年時代からの古い机の前にすわり、獅伊菜はながいことそれを眺めていた。刃のふちが、 銀色ににじんでばやけるほど。 ミカヅキ ( 気づきましたか、三日月様 ) 夕刻にさしかかっていた。ちょうど着いたころだろう。彼の代理の者たちは。 昨日、紫万やカョウに糸や布をかぶせていたのは、″彼ら〃を作るためだった。ニセの彩女 獅伊菜一行。大陸最高会議に「出席」と言ったのだから。 ( あなたはわたしを憎んだでしようか、三日月様 : : : ) みそおちを痛打するような、彼の仕打ちに。 もちろん、はなから行く気などなかったのだ。ほろびゆく領土に、会議などなんの関係もな 知ることではない。 まさか、信じて待ってはいなかっただろう。獅伊菜はそう思った。蒼主は透緒呼ではないの だ。素直にまっすぐいるわけではない。大陸を統べる王。それが、そんなにたやすいものでは ぎよ ない。紙切れ一枚で御せるものではない。 何らかの形で、こちらの動向を見張っていたにちがいなかった。そして恐らくは、この城が 留守になるのを狙って、仕掛けてくるはずだったのだ。 さあ、どうなるだろうか。 シイナ なが

5. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

Ⅷ四半刻は与えてやらなければかわいそうだった。 けれど、蒼主は中止させる気にならなかった。会議は午からほとんど何の進展も見せていな 大陸の支配階級のひとつである破斬家の老大公が、一身上の都合で願い出てきた、破斬領お 取りつぶしの一件だ。 じゅう はじめに蒼主が、獅伊菜の欠席の事由をのべた。そして、会議のひらかれる理由を話し、破 斬の老大公が意志を語った。 それきり、なにも進んでいない。 気の遠くなるながい話し合いになりそうだった。 一週間しか、大陸最高会議の日数を取らなかったことが、思いがけず不安の材料となる。 とうかっ 破斬大公の意を受け入れるかどうかより先に、飛びだしたのは「だれが破斬領を統括する か」とい , っことだった。 カイザ 距離から行けば隣の界座だろう。だがそれに八騎大公がつよく反対をしめした。八騎にして みれば、界座が大きくなることに不安を覚えすにはいられないのだ。 もともと八騎は水月帝国、界座は陸月帝国の王家だった。時代がちがえば、れつきとした敵 対国である。 ゅうごうぶつ 七十年戦争が終わり、両帝国の融合物として清和月王家が誕生し、彼らはそれそれ大公家と ハザン

6. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

〈陽使〉の残虐性に目覚めてから、彼を傷つけたくなくて側を離れた。それでも、もどりたい と願って。 まだ、やってゆけるのだろうか。 そう思い、戻りたいと願った。 ( 許してくれたと取りますよ、蒼主 ) 大陸の夜に風が吹く。 それは、過去を流し去るものなのか。 嵐の未来を、連れてくるものなのか。 空は、まだ晴れていた。 おわり

7. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

く好評発売中〉 クウが 物コバルト文庫 空牙衆の戦いを描く冒険ファンタジー くカウス = ルー大陸史・ 上空の牙〉シリース ひひきのか らゼ・ん 聖女の卵 影曜の庭 女神の輸郭飃 縲ねの鉢植 今日命の螺旋 忘我の燼 嵐が姫僵 祭りの灯 太陽の工セラ 誘いの刻 イラスト / 石堂まゆ 0

8. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

コバルト人 響野夏菜の本 カウス = ルー大陸史・空の牙 誘いの知 太陽のェセラ 祭りの灯 嵐が姫《幽幻篇》《風雷篇》 忘我の烙 岑日の螺旋 縲ねの鉢植 女神の輪郭 ( 前編・後編 ) 影赧の庭 聖女の卵 夢眩の鏡 ダードリア・アナシ 睡蓮の記憶 サイコ・ラビリス ハネカ・ラス 羽硝子の森 かさ カバー絵 / 石堂まゆ 装丁 /WOODY

9. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

仂ウス = ルー大陸史・空の牙時代〉系図 彩 清 破 女 和 斬 大 月 大 王 公 家 家 家 * 栄専 ( ) ( 八騎大公家 ) ( 界座大公家 ) 色 王 蒼主 ( ) 筮音 ( ) * 覇邪王 ーー筮 涼闇音女ーー男 33 40 セ ラ伊万 真日日 梛雲 竺菜 人 * は故人。その場合 ( ) 内は享年。 それ以外は、「誘いの刻』時点での年齢。 をを 30 〒ーー透緒呼 ( )

10. 夢眩の鏡 : カウス=ルー大陸史・空の牙

おもしろ 実娘の恋人に手をかけられ、命を落とした啓王。彼も面白半分に、幾つもの命を散らせた たど ( おなじ道を辿るんですか、獅伊菜 ? ) かれとかっての暴君とのつながりに気づいた矢禅は、調べたのだ。失念した、かの王の最期 を。 最期を迎えたのは城の中だった。まわりを蜂起した領民軍に取り囲まれ、王女だった実娘の 手引きで、内部に踏み込まれて。 火を射かけられ。 しの このまま行けば、おなじことが起きる。城下はいつになく騒がしくなっている。人目を忍ん だ行き来が繰り返されている。 ここから見えるわけではない。けれど矢禅には視える 兵が挙がるだろう。もうすぐ。 獅伊菜が〈大扉〉の事故を喜んだように、彼らもそれを機にするだろう。大陸の南へ、追い 詰めた大公が逃げることができないと考えて。 ( モウスグ ざんにん 残忍な気持ちがこみ上げる。 ほうき