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検索対象: 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人
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1. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

ボキャプラリー まことに、ものは言いようですなあ。この人たちはソ連を護るためになら、どんな語彙でも 動員する言語操作の達人であると思われます。ソ連が「破棄」した、などとはロが裂けても言わ ない。ソ連が侵入したなんて、事実であってもそうとは認めない。 五七万数千人の捕虜を理不尽にも酷寒のシベリアへ連行し、むごい強制労働を課して五万数千 はばか の死者を出した、というようなことは当面の話題ではないから言うを憚る。そして単に「終末」 と言いつくろうのですから、このあたりの慎重なソ連への遠慮は、実に周到です。しかも、ソ連 のやり方を合理化できるような「史実ーがもしあるのなら、一刻も早く教えてくれたらよさそう まか ここではなぜかお預けとなります。本当にそういう摩訶不思議な「史実」がある 家なものなのに、 詭のでしようか。 す坂本義和は老獪な賭博師のように、なかなかその手の内をあかしてくれません。 断 A 」 家 日本人のソ連観は、あたかもソ連との関係で日本は全面的被害者であり、日本側は一度と 国 略 して加害者や脅威の源になったことがなく、現在の日ソの緊張の責任は、あげてソ連だけに 侵 的 あるかのような意識に裏打ちされている。これは、過去の歴史的経緯の事実に照らしてみて 済 経 を も、かなり独善的な自己イメージであるといわざるをえない。 本 日 ( 昭和年 6 月為日『新版核時代の国際政治』「軍縮の政治構造」 ) 章 第ここでもまた、お得意の「歴史的経緯」を振りかざすのですが、それは、具体的にどういう ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅱ ろうかい

2. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

隷属、という言葉の核心には、支配、という概念が据えられています。 そもそもわが国の文化がシナの文化を意欲的に採り入れたこと、文化史的用語で言うなら、受 容に熱心であったことは事実です。しかし影響と感化と模倣と受容は、ふたつ以上のあいことな る文化が接触したときに必ず生じる普遍的な現象であるにすぎません。 そして、積極的に受容する学習の意欲と、支配され押しつけられる消極的な追随とは、これは どんらん もうまったく次元が違います。わが国はシナの文化を貪婪に受容しました。しかし事実の問題と さげす してシナ文化に支配されたことはありません。竹内好は日本文化を蔑み、卑しめ、見下すため へんせきご に、受容という歴史的事例を隷属という極端な貶斥語に言い換え、祖国二千年の歴史を暗黒に塗 りつぶして快しとしたわけです。 隷属どころか、支配どころか、シナ文化と日本文化とは相互にまったく独立した関係にあった つだそうきち という歴史的事実を、津田左右吉は次のように言葉をつくして説きあかしています。 かんがえ 〈注・本書に収めた〉この二篇に共通な考は、日本の文化は日本の民族生活の獨自なる歴史 的展開によって獨自に形づくられて來たものであり、隨って支那の文化とは全くちがったも のであるということ、日本と支那とは別々の歴史をもち別々の文化をもっている別々の世界 であって、文化的にはこの二つを含むものとしての一つの東洋という世界はなりたってい ず、一つの東洋文化というものは無いということ、日本は、過去に於いては、文化財として 支那の文物を多くとり入れたけれども、決して支那の文化の世界につつみこまれたのではな ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ こころよ したが 220

3. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

あるいは半官半民の、時によっては官営の、いずれにせよ企業である軍需産業が隆盛になれば、 全国的に広範な需要が喚起されること間違いありません。多種多様な資材を調達しなければなら ず、当然のこと雇用が大幅に促進されます。製造業としての軍需工業が繁栄すれば、国民ひとり ひとりの生活水準は下がるどころか逆に上がります。 ただし、政府が軍需製品を買いとるのに、常識的な防衛に必要である範囲を逸脱して大量に過 ぎれば、国民生活の援助に注がれるはずの税金が非生産的な部門に振りむけられるわけですか ら、その分だけ有効な社会資本の充実が遅れますので、それゆえ総体としての国民生活が貧しく なるというわけです。世の中は何事も程度問題なのでして、軍需工業は絶対悪なり、という論理 は、事実の問題として成り立ちません。 者 ~ 莪たかはしこれきょ 主高橋是清に見る軍需工業と国家経済の関係 教人の世の社会的な施策においては、絶対善も絶対悪もありえないのであって、すべて物事は梶 たかはしこれきょ 翼 の取り方によっていかようにもなると、経済の機微を深く心得ていたのが高橋是清でした。 左 澱ひとたびは内閣総理大臣となった身でありながら、そののち乞われて何度も大蔵大臣を務めた 無この現実主義の財政家は、陸軍の過大な予算要求を一方では押さえに押さえましたので、青年将 , も 最校から極度に憎まれ、二 ・二六事件では最も多くの弾を受けて惨殺されたのですが、一方では、 章ぎりぎりの線でやむをえず陸軍の要求を容れました。 第ただし、その予算の使い道を可能なかぎり軍需工業の育成に注ぐという方針を堅持したので こ かじ 227

4. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

がんじがら して押しつけたような、あるいはそれ以上に厳しい雁字搦めの、ソ連流の情容赦ない抑圧統制を 旨とする、いわゆる友好条約を押しつけてきたであろうことは疑いのないところです。加藤周一 は、肚の底では、もちろん事態がそうなることを確信し、期待していたに違いありません。 しかし、当面の成行きをそこまであからさまに言ってのければ、当然のこと国民の猛然たる反 だま あざむ 撥を受けます。したがってここは一番、国民を瞞して欺いて、愛国心を麻痺させなければなりま ミスリード ごまか せん。つまり嘘をついて、胡魔化して、国民が事実を直視しないように誤導する必要がありま タネ すべての手品に必ず種があるように、嘘にもまた、それなりになんらかの種が要ります。そこ で格好の材料として持ちだしてきたのが、北欧のフィンランド問題だったというわけです。一般 まゆっぱ 犯になじみの薄い遠方の国を事例に引いて誰かが説教をはじめた場合は、眉に唾をつけて聞かねば ならぬのかもしれませんね。 す加藤周一はフィンランドが完全な独立を保持しているのだと嘘をつきます。そして中立、とい こくぜ りう国是を厳守すれば、ソ連はけっして手出しをしないのだと虚偽をかまします。中立だよ、中立 だよ。早く日米関係を解消しなさい。その手筈さえ踏めば、ソ連はにつこり笑って友好の手を差 しのべてくるでしよう。そこで日本の完全な独立が可能となるんですよ。この練って固めた嘘ま 祖た嘘によって、加藤周一はわが国をソ連に売り渡そうと、慎重な作戦を練ったわけです。 章しかし、一方また加藤周一はなかなかもって用意周到です。彼は自分がこのように提唱する根 第拠として、フィンランド史をみっちり勉強した結果であるとは言っておりません。ちゃんと逃げ はら はったり たね 205

5. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

る。韓国の世論が朴大統領の真意も知らず、非難してくるのは目に見えているのだから。 日韓併合条約は有効であるーーこの一点について合意ができれば、あとはスムーズに進ん だ。日本は韓国に無償贈与として三億ドル、借款五億ドルを提供、また、韓国のほうは対日 賠償を一切求めぬということになった。 したがって、この基本条約以後、いやしくも政治に関わる人間が″戦後補償〃などという ことを持ち出すのは、日韓基本条約破りであり、国際常識がないと非難されても文句は言え ないはずである。 このような戦後補償論が出てきた背景には、国交回復当時の事情を知らぬ、戦後生まれの 政治家と官僚が増えてきたことが大きいであろう。彼らは自分が″無知〃であることを知ら ないのである。それは″国賊的無知〃と言ってよかろう。 リサーチもっ 編集者として、殊に朝鮮半島の事実に詳しい探究を以て己れの任務とする安江良介ともあろ う者が、渡部昇一によって指摘されている右のようにはっきりした歴史的事実にまったく「無 知」であるわけはありません。 よくよく知ったうえで、北朝鮮は別だというロ実のもとに、日韓基本条約において日韓併合条 約は有効であると合意された詳細を一般国民は知らぬであろうと高を括り、国民を舐めきったう デマゴギー えで虚偽をまきちらしているのです。 ジャーナリスト こと 162

6. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

す。当時のわが国は、まだ繊維産業など軽工業が中心だったのですが、高橋是清は軍需産業とし じくしん うかたちをとって、実は日本経済の軸芯を重工業に移行させるべく努めたのでした。 この巧みな措置によって、わが国はようやく景気を回復し、重工業が徐々に育成されましたの で、その経過措置あってこそ戦後の復興が進んだのです。向坂逸郎流の観念的な善悪論では、経 なりゆ 済の成行きを事実の問題として観察することができないのだという一例ではありますまいか。 軍需工業盆々盛んにして、衣食住は次第に不自由となり、國民はますます餓えるというこ Ⅷとになる。 ( 同前 ) レーガン政権の時代に頂点をきわめるまで、アメリカの「軍需工業」はたしかに「益々盛ん」 でありましたが、それによってアメリカ国民は「ますます飢える」結果になったでしようか。向 坂逸郎にとって、事実を見つめる必要はまったくないのです。軍需工業は飢餓を生む、という頭 ほ、つこう の中だけで作りあげた大原則を咆哮することだけが、彼の言論活動なんでしようね。そして向坂 逸郎の見るところ、前方にはもっと難儀な事態が待ちうけています。 國民はそうなる前にひと苦労しなければならなくなる。それは、再軍備と軍需工業の波に のって、ファシズムが擡頭してくることである。敗戦によってもたらされた日本國民の民族 音皿は、ちょ一つどヒトラー ( 同前 ) ドイツを擡頭させたような條件を與えている。 たいとう さきさかいつろう あた 228

7. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

時、朝鮮半島でアメリカ軍が敗退しつつあった時、わが國の知識人の間には、いまに、中國 から、朝鮮半島から「解放軍」がくるという噂さが耳うちされた。 ( 中略 ) 他國民が欲しないのに、社會主義を強制してはいけないという考えは、マルクスやエンゲ ルスの昔からあった思想である。高度に發達した資本主義諸國、その他の諸國に、社會主義 を「輸出ーして他國の政治に干渉することなく、諸國との間に友交關係をもって世界平和を よくあっ 維持するということは、「他民族を抑壓する民族は自らを解放しえないーというマルクスの 基本的な考え方に據るものである。 ( 昭和訂年 5 月『世界』「社会主義の古くして新しきもの」 ) マルクスとエンゲルスは学者であるにとどまって、みずから政権の奪取をはかった革命家では なく、また現実に政権を握った政治家ではありません。だから、レー = ンやスターリンや毛沢東 が、マルクスとエンゲルスが書き記した学説から一歩も踏みださないように、みずから固く戒め たという保証はまったくありません。事実、マルクスもエンゲルスも、共産主義の政府をどう運 営したらよいかという心得や方法については、なにひとっ書き残してくれてはいません。 だから共産主義の政治家たちは、既成権力を打倒して政権を取る方法や、そのあと統治をどう したらよいかについて、その時、その場に応じて考えなければなりませんでした。そして事実、 革命が成功するより以前の段階において、レーニンがマルクスとエンゲルスの学説を大きく変え たことは、多少とも読み較べた者にとって自明の常識です。 共産主義陣営でさえ、誰もがその間の事情を認めて、レーニンがマルクス主義を″発展〃させ 234

8. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

やから 界が、一部の国を売る輩に乗っ取られていました。 これら言論界を牛耳っている連中が、北京政府や京城政府の立場に立って、彼らの言い分を増 幅してがなりたてる代理人となり、日本にだけ非があると囃し立てたのです。彼らは日本の国益 を代弁するという、当然そうあるべき使命を投げ捨て、その逆に、相手側の国の利益になるよう に言論を組み立てました。 他国の利益を重んじて他国の代弁者となり、自分の国の大切な国益を損なう行為に突き進む 者、これを「売国奴」と呼ぶのが正当でありましよう。 このようにして、国を売る輩が言論冫 こよる圧力を加えたため、新聞とテレビにたいへん弱いわ いっしやせんり が国の政府は、新聞論調の言いなりになって、世にも卑屈な恥ずべぎ謝罪外交へと、一瀉千里に 傾いていきました。健全な良識を持つわが国民は、これはどうもおかしいな、雲行きが変だぞ、 と思いながらも、発言の機会がないものですから、首を傾げながらも、事態を黙認しているしか たなかったのです。 し きわ じゃっかん カ とにもかくにも、謝罪外交は屈辱の極みでした。若干の例を挙げてみましよう。 古くは、「日 誰 ふじおまさゆき ひめん 韓併合は韓国側にもいくらかの責任がある」と発言した藤尾正行文部大臣は、ただちに罷免され 家 おくのせいすけ 甅ました。奥野誠亮国土庁長官は、国会で「日本に侵略の意図はなかった」と答弁したため、辞任 こに追い込まれました。最近では、「南京大虐殺はでっちあげ」と、事実を事実のとおりに表明し ながのしげと 章た永野茂門法務大臣が職を辞するに至りました。 第念を押して申しますが、これらの発言には、客観的な歴史認識として、いささかの間違いもなⅡ ぎゅうじ はや

9. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

とんちき かられて載せる頓痴気な編集者はどこにもいません。 だから、戦後進歩的文化人の論説が次から次へと載ったのは、それが少なくとも一定期間は売 れつづけたからなのです。ある時期、進歩的文化人の著作はけっこう読者に迎えられました。こ の「売れた」という実績を踏まえないで罵る進歩的文化人批判は無意味です。 さて、大部数ではないにしても一応は売れた戦後進歩的文化人の著作は、社会主義への、共産 こ、つよ、つ 主義への期待を昂揚させたでしようか。 事実はまったくの逆でした。革命への関心はなだらかな坂道をゆっくりくだるように鎮静へと 向かったのです。進歩的文化人の果たした貴重な役割は、左翼への関心をおのずから薄れさせ、 せいひっ 読者をしだいに興奮から醒まし、国民としての良識に落ち着かせるという望ましい静謐化でし た。まことに皮肉な、しかし、結構そのものの成行きであったと申さねばなりません。 進歩的文化人に共通する語法とは ちよくせつ 事柄がそのような落ち着きへと推移した理由は戦後進歩的文化人の論法が直截型ではなかった からです。この連中は大塚久雄が創始した言葉遣いの手法に倣って朧ろ語法を中軸としました。 事柄を明晰に表現しないで、ほのめかし、言いくらまし、あてこすり、いやがらせ、皮肉、嫌 、つかい 味、難癖、野次、持ってまわった曖昧な言立て、そういう迂回作戦をとりました。いずれも遠慮 ぶかい人たちでしたね。 そもそも社会主義・共産主義は政治変革の理論です。政府を打倒するために企む革命の戦略・ なら 296

10. 悪魔の思想 : 「進歩的文化人」という名の国賊12人

ゆえに、彼がさきに出した政治家恐怖論は、あとから出してきた内乱不可能論によって完全に テーマ 否定されました。 , を 彼まこの世の現実にありもせぬ政治家恐怖論という幽霊みたいな命題をひねく り出し、そのうえで、あれは幽霊だから実体がないと言い立てる、ご苦労な論理の引っくりかえ しを演じたにすぎません。 この阿呆らしい堂々めぐりが生じた理由は何か。これは、自分だけが賢く世の姿が見えている 異様に高ぶ のに、「保守政治家」は現実を認識することのできない愚か者ばかりであるという、 った自尊心の思いあがりです。政治家だってもちろん国民ですから、坂本義和の論理は徹底した 家愚民論であると言えましよう。彼は正当な選挙で国民から選ばれた政治家を心の底から軽蔑して 詭いるのですから、そういう阿呆な政治家を国会におくりだした国民の大多数を、度しがたい馬鹿 すだと見下していること確実です。思えば、左翼人は必ず賢者の姿勢をとり、同時に国民をかぎり さげす 断なく蔑んでいるのですね。 家ところで、坂本義和は国内に起こりうるあらゆる騒擾を、内乱という一語に縮約する言いくる 略 めによって、現実の難儀な事態をそっと隠蔽して知らぬ顔を決めこみました。それをうつかり認 ひび 済めたら、折角の自衛隊無用論に罅がはいるからです。 経 を 問題は何か。それは破壊活動です。わが国には幸せにも有史以来、内乱と呼べるほど規模の大 日きい騒動はありませんでした。しかし、局部的な破壊活動はいつの時代にも頻々と起こっていま さつりく 章す。特に、理も非もない無差別の殺戮によって、貴重な人命が失われた事例は枚挙にいとまあり 第ません。その最も卑劣な大量殺人事件として、オウム真理教による地下鉄サリン事件を思いだす いん。へい そ、つじよ、つ ひんびん 247