された。 滑走路上で一八 0 度向きを変える タクシー中、副操縦士は機長に、インレット・ガイド・べーンの氷に防氷装置を用いることを求 め、許可された。 フライト・コントロールとスポイラーの作動が、タクシー中にチェックされた。フラップ ( 主翼後 縁下げ翼 ) は二三度に降ろされた。タクシ 1 ・チェックリストが終了し、離陸データ、フラップ設 定、トリム設定がもう一度再確認された。 アンチ・アイスディ・アイス ーバル ( 熱風による窓の雨滴除去 ) 」の問いかけ 機長は、「防氷、除氷、そしてレイン・リム に、「オーケ—' エンジン防氷を使おう」と答えた。除氷装置は、航空機関士が「オフ , と報告した。 機長は離陸および離陸中断の手順を要約した。機長は、滑走路は滑りやすい、離陸中断はないと思 転 う、と述べた。 運 馭機長はパーキング・ランプ ( 駐機場 ) を南東にタクシ 1 し、ターミナルを過ぎて滑走路幻に向か っ一」 0 っ 酔 機長は管制官に、「滑走路の手前で止まれ、と命じられ、ランプ上で止まった。その後、管制 一官と何度か交信した後、滑走路に入り、「離陸準備完了」と報告した。 第 管制塔 ( タワ↓は機長に、「あなたは滑走路の上にいる」ことを知らせた。機長はこれに同
第四章制御不能機、奇跡の着陸 すべての車輛が新しい位置に着く前に、航空機 は着陸した。そして分解、発火した。中央部分 。 ~ 一一、サ ( センター・セクシ「ン ) は、大多数の乗客がい たが、逆さになって滑り、トウモロコシ畑で静止 した。そこは最初の着地点から三七〇〇フィ 1 ト ( 約一キロ ) 離れていた。 墜落後、の車輛はすべて、滑走路と 一。滑走路の交差点に殺到した。防火主任は第一八 体五戦術戦闘機司令部に無線連絡した。ここは事故 6 時に、使用できる人と器材のすべての指揮をと 0 る。 一六時〇一分ごろ、機体の尾部を素早く調べた 落防火主任は全隊に、航空機の中央部分に進めと命 じた。その間、ある乗客はまだ座席にいた。ある 乗客は滑走路葺沿いに歩いていた。 239
が、飛行を中止させようと行動した証拠もなかった」 コックピット・ポイス・レコーダー記録 最後に O ( コックピット・ポイス・レ・コーダー ) の記録を、エンジン始動後について示した 。これは英語であるため、著者が日本語に訳した。 ( ) 内は著者が付した解説である。 原典 ( 注 2 ) には、副操縦士と航空機関士が日本人であるため、ごく一部に日本語が含まれる。そ こは本稿では区別できない。 また交信に、他の航空機や車輛も現れる。そこには省略があり、 ( 略 ) で示される。 ( 不明 ) は理解 できない言葉である。 飲酒の影響は、機長が滑走路幻上で立ち往生するあたりから推測できる。しかし記録は文 字の羅列である。精神活動の乱れなどは、必ずしも判読できない。 とある。しかし 例えば「Ⅵ後 ( アフター・ビ 1 ・ワン ) に何かあったら、離陸を中断する : 「アフター」は、単なる言い違いかもしれない。 また「滑りやすい滑走路だから、離陸滑走を中断す ることはないと思う」という。多分本心であろうが、ジョ 1 クである可能生もある。 管制には、まず「アンカレッジ・オーシャニック」が現れる。これは— ( 計器飛行方式 ) で飛 行する出発機に管制承認 ( クリアランス ) を与える管制官、いわゆるクリアランス・デリバリーと推 測される。
・〇六時二四分二一秒 地上管制「了解」 ・〇六時二四分二四秒 エンジンが加速し、次いで減速する音、六秒間。 副操縦士「右側 ( 走行 ) 障害物なし」 ・〇六時二四分三二秒 機長「Ⅵ後に何かあったら、離陸を中断する。君が翼を水平に保つー 副操縦士「オーケー 機長「スポイラー そして多分アーーー滑りやすい滑走路だから、離陸滑走を中断することはな いと思う。オ 1 ケ 1 フ 機長「それで私のーーこれでいいね」 運・〇六時二四分五五秒 ら 副操縦士「機長、ヨー・ダンパーはいまオフです。オーケー 2 っ 副操縦士「通常オンです。ヨー・ダンパーは」 酔 機長「ノー」 ( 使わない ) 一航空機関士「ノー、オーケー、了解」 地上管制「セスナ町
副操縦士「こちら UA232 、あと約四分です 機長 ( 副操縦士に ) 「違う。乗客にそう伝えなさい」 乗員の一人が「あと四分ーを機内放送でアナウンスする。 このころ *-äのフライト・オペレーションズは、スー・シティでなくネプラスカ州のリンカーン ( スー・シティの南約一一〇マイル〈約一一〇四キロ〉 ) への着陸を考えていた。これは横風と滑走路長 を懸念してのものであった。 シカゴのディスパッチャーはこれを、一五時五四分に、 2 3 2 便に中継しようとした。 2 3 2 便か らの応答はなかった。 「どの滑走路でも着陸を許可する」 スー・ゲートウェイ空港の拡大図を、図 4 ・ 4 の左上に示す。この図と図 4 ・ 3 は、上が北であ 「あと四分」が機内放送された一五時五五分ごろ、事故機は空港の北西約一八マイル ( 約三三キロ ) の位置にいた ( 図 4 ・ 3 、の位置 ) 。このとき < 0 は、 2 3 2 便を、滑走路に着陸させようと していた。滑走路の長さは八九九九フィート ( 約二七四三メートル ) である。 滑走路に付された二桁の数字は、滑走路の方位を示す。これは滑走路端に示されている。例えば滑 走路は、この滑走路が磁方位約三一〇度 ( 北西 ) を向いていることを示している。 ふたけた 232
航空機の位置と左旋回の困難さから、機長は滑走路引へ回り込むより、滑走路へ着陸することを 決断した。 ・一五時五五分四四秒 機長「こちら << 2 3 2 、方位は一八〇度」 ウイル・ワ 1 ク・ファイン 管制官「 < 2 3 2 、高度が維持できれば、この方位で ( 飛んで ) よいのは、約〇七マイル ( 約一 三キロ ) 」 ・一五時五七分〇七秒 管制官「 UA232 、空港は一二時の方向、一三マイル ( 約二四キロ ) ー ( 図 4 ・ 3 、の位置 ) ・一五時五八分一一秒 ランウェイ・イン・サイト 機長「こちら << 2 3 2 、 滑走路が見える。支援を感謝する」 機長は航空機関士に指示し、機内放送させる。「着陸まであと二分」 管制官「 UA232 、風は三六〇度 ( の方向 ) から一一ノット、どの滑走路でも着陸を許可する」 ここで乗員は、航空機をわずかに左へ転針させた。 ・一五時五八分五九秒 ラインド・アップ いまこの滑走路と、一直線になっている : : : 多 機長「こちら << 2 3 2 、当機は非常にうまく、 分 : ・ 一直線になっている滑走路は、滑走路で、閉鎖されている。しかし 管制官「 2 3 2 、 ワン・スリー 234
備の方法で脚を降ろした。 0 ー川は、ス 1 ・ゲートウェイ空港の北東約二〇マイル ( 約三七キロ ) まで近づいた。この時点 で航空交通管制は、九〇〇〇フィート ( 約二七〇〇メートル ) の北西向きの滑走路に =o ー川を誘 導しようと考えていた。その経路は空港東側を南下し、北西向きに回り込ませるものであった。 機長は、自機の位置と左旋回の困難さから、前方にある南西向きの滑走路に向かうことを決断し た。この滑走路は六六〇〇フィート ( 約二〇一二メ 1 トル ) と短く、閉鎖されていた。しかし管制官 は着陸を許可し、滑走路から器材を除去させた。風はこの滑走路には、右からの追風一一ノット ( 時速約二〇キロ ) であった。 ー川はフラップ ( 主翼後縁下げ翼 ) とスラット ( 主翼前縁下げ翼 ) を引き込んだまま、ほば正 陸常進入経路を、約一二五ノット ( 対気速度 ) で進入してきた。しかし地上一〇〇フィート ( 約 = 一〇メ の 1 トル ) で機首が下がり、同時に右翼が下がり始めた。一六時〇〇分、 =o ー川は滑走路の端、セ 跡 奇 ンターラインやや左側に着地した。 機 こ匕 右翼端が最初に地面に接触し、右主脚がこれに続いた。ー川は滑走路を右側に向かって横滑り 御しつつ、裏返しになった。火災が発生し、衝突と火災で航空機は破壊した。一一一名が死亡した。 きれつ 第二エンジンの破壊は、第一段ファン・ディスクに発生した疲労亀裂が原因であった。この亀裂 四は、エンジン・オー 1 ホール工場の検査が適切であれば、高い確率で発見できる種類のものであっ 7 第
ウイル・ワ 1 ク・サー 使用可能です。いま滑走路から器材を取り除いている。この滑走路に一列になっている 機長「こちら << 2 3 2 、 滑走路の長さは 管制官「 2 3 2 へ、滑走路は六六〇〇フィート ( 約二〇一二メートル ) 」 ・一二秒後 オープン・フィールド 管制官「滑走路の終端には開いている場所がある。風は問題ない」 クローズ・ザ・スロットルス 「スロットルを閉じよ」 しばらくの間、乗員は推力の操作に注意を集中した。 ・一五時五九分二九秒 陸 乗員の一人が着陸に対する準備を、機内放送で伝えた。「プレース・ポジションをとれ - 着 跡・一五時五九分四四秒 奇 いくつかある対地接近警報装置の一つが鳴り始めた。これは降下率が大きいことを警告するもの 機 ヒ匕 で、八秒間続いた。 御・一五時五九分五八秒 クローズ・ザ・スロットルス 機長「スロットルを閉じよ」 四着地前の最後の二〇秒間、航空機の対気速度は平均二一五ノット ( 時速約三九八キロ ) 、降下率はめ 毎分一六二〇フィート ( 約四九四メ 1 トル ) であった。フラップとスラットは引き込まれたままであ
地上管制「オ 1 ケー、あなたは , 。。ー」 ・〇六時一三分二五秒 副操縦士「アー 地上管制、 8 0 5 4 ( です ) 、もう一度言ってください」 ・〇六時一三分三一秒 -8 : 0- LO ・ 4 地上管制「日本航空 、滑走路の手前で止まれ」 ( 囲 *-a はと同じ滑走路 ) ホールディング 機長「停止」 ・〇六時一三分三五秒 副操縦士「了解、の手前で止まる、 8054 」 機長「手前で停止」 「の手前で止まれ」 ・〇六時一三分四一秒 地上管制「オーケー、日本航空 で止まれー 航空機関士「ティクオフのプリーフィング」 スタンダード・プロシデュア 機長「標準手順ー イエス・サー 副操縦士「はい 8054 、あなたは滑走路幻に向かっている。滑走路の手前
ャードウイン「オ 1 ケ 1 」 ウインターズ「オ 1 ケー。それは右側の大きな ( 不明 ) です。左ではない、左は誘導路で、右が 滑走路です。オーケー ? 」 ャードウイン「ええ」 「滑走路を見るんだ」 アプローチ ウインターズ「さあ、これからこの進入をどうするかです。近づいたら、パワーを減らすように言 います。いまはまだこの降下を続けてほしい。一〇〇〇フィート ( 約三〇〇メ 1 トル ) に下がるま で、降下を続けなさい。オーケー、そこでパワーをどうするか言います。 あなたは、もう少し右へ旋回して、滑走路と一直線になりなさい。ゃあ、あなたはすごい。我々 ( 六一〇メートル ) のはずです。そうだろ はあなたの翼から離れる。あなたは二〇〇〇フィート 死 病 う ? イレイン、どんな具合だ、キッド。あなたはほば : : : 二一〇〇だ。どんな具合だ ? イレイ ・カ 夫 ン、聞こえるか」 の 冫しなぜこう変わるか、わからない 縦ャードウイン「よ ) 、 操 ウインターズ「方位バグを : : : 方位はどうでもいい、滑走路を見るんだ、そうじゃあないか」 章 ロッシェイプン「燃料をチェックせよ、燃料をチェックせよ」 第 タクシー・ストリップ 14 ラ