高度 - みる会図書館


検索対象: 墜落 第1巻 驚愕の真実
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1. 墜落 第1巻 驚愕の真実

99 あ一 寸 9 【 89 【 09 あ一 6 8 Lt7: 9 9 マ【 8 一 0 あ一 68 88 98 98 あ一 08 あ一 6 速 度 300 200 ノ田 0 ッ 0 速度 ト 30000 度 25000 20000 フ 丐 000 イ 000 5000 ト 0 度 高 推力で速度は変えられない 逆に、推力を絞ればどうなるか。今度は機体は降下する。そして アが減った推力と等しくなると ( アは負の値 ) 、そこで釣り合う。 このように飛行機では、迎角を変えない限り速度は変わらない。そし て舵が利かなければ迎角は変えられない。したがって 123 便では、推 注 力の増減は機体を上昇、下降させるだけなのである。 図 3 ・ % を見ていただきたい。 この図は事故発生後の速度と高度の変 高 と 化を、横軸に時間をとって示したものである。速度は計器速度で、真の 速飛行速度より小さい値が示されている。 器 下側の曲線が高度変化である。中央右より斜めに下がっているのが、 = = ロ 度大月付近で小円を描きながら下降しているところである。 速 上側の曲線が速度である。速度は長周期運動で波打っているが、その 大きさは最初二〇〇—三〇〇ノット ( 計器速度 ) の間にとどまってい 図る。その平均値が、ほとんど変化していないのがおわかりいただけると 田 5 一つ。 後半 ( 右側 ) の速度は、平均的に少し下がっている。これは降下した ため、空気密度が増えたからである。揚力は空気密度と速度の二乗の積 206

2. 墜落 第1巻 驚愕の真実

タンクの燃料温度は、二〇—二五・五度 ( マイナス約六・七—マイナス約三・六度 0 ) と計算され た。霧の気温は二〇度で、燃料タンク外板温度は氷結温度以下である。霧中の過冷却された水滴 は、主翼上でライム・アイスを形成し得た。 そのような結氷を、乗員も地上業務員も報告していない。しかし飛行前点検 ( プリフライト・チェ ック ) から離陸まで、離陸性能を悪化させるに十分な氷が形成される時間は十分にあった。ただし正 確な着氷量は確定されていない。 ライム・アイスのようなラフネス ( 表面の荒れ ) は、主翼前縁から始まり、後縁に向かって広が る。そしてこれが最大揚カ係数を減じ、失速の起こる迎角を減ずる。また失速後の抵抗を増加させ る。 ー 8 ーの場合、主翼前縁に一一三分の一インチ ( 約〇・八ミリ ) のラフネスが密に分布し、そ れが上面の一部に広がると、最大揚カ係数は二〇パーセント程度減少する。七二分の一インチ ( 約〇 運・四ミリ ) 程度のラフネスが主翼上面全面を覆うと、最大揚カ係数は一五パ 1 セント程度減少する。 引事故調査委員会 ( セイフティ・ポード ) は以下のように推測している。 7 離陸滑走は正常だったが、Ⅵ ( 安全離陸速度 ) あるいはその直後に失速した。最高到達高度は約一 酔 六〇フィート ( 約四九メ 1 トル ) で、失速後は平均毎分三〇〇〇フィート ( 約九一四メ 1 トル ) で沈 一下した。 ローテーション ( Ⅵ ) 後の加速の遅れは、約一五度まで機首上げしたことによる。これは正常ピッ

3. 墜落 第1巻 驚愕の真実

第三章迷走三〇分、御巣鷹山に墜落 。 ~ 7 イ転ト - 例えば高度一万メ 1 トルを飛行すると、航空機の周 囲の気圧は地上の約二〇パーセントに低下する。 この高度で乗客の快適さを保つには、客室の圧力 ~ 第 ~ 日 毎を地上の気圧の八〇パーセントぐらいにまで高めな 。このためエンジンから高圧空気を 真ければならない 一部胴体内に引き込み、室内の圧力を高める。これ 現を与圧という。 高度一万メートルで、客室を地上 ( 一気圧 ) の八 け割まで与圧すると ( 外気は〇・二気圧だから ) 客室 散内は外気より〇・六気圧高くなる。これは一平方メ 壁ートルあたり約六トンに相当する。これは普通トラ カックにして二台、大型ダンプカ 1 一台の目方であ この圧力は、客室や操縦室を囲む胴体外板すべて にかかる。もちろん窓にもかかる。このような圧力 に耐えるために、胴体は一つの圧力容器ーーといっ 9 にな ても外板の厚さはたかだか数ミリ程度だが

4. 墜落 第1巻 驚愕の真実

本書で使用した単位 距離一マイルⅡ一・八五二キロメートル ( 海里 ) マイルには法定マイル ( スタチュート・マイル、一・六〇九キロメートル ) と海里 ( ノーティ カル・マイル、一・八五二キロメートル ) がある。通常、航空関係では海里を用いる ( ただ し、視程の場合は法定マイル ) 。 長さ一インチⅡ二・五四センチメ 1 トル 速度一ノットⅡ時速一・八五二キロメートル 高度一フィート Ⅱ〇・三〇四八メートル 重さ一ポンドⅡ〇・四五三六キログラム 容積一ガロンⅡ三・七八五リットル ( 米ガロン ) 温度華氏温度 (F) Ⅱ摂氏温度 (C) x ー十 32 ( 例 ) 30 。 F Ⅱー 1.1 。 C OOF= ー 17.8 。 C 注・本文中の * 表示のある用語は、編集部文責で巻末に解説をつけた。

5. 墜落 第1巻 驚愕の真実

酩酊した機長 一九七七年一月一三日早朝、日本航空の 8 0 5 4 ( 10 5 4 便 ) 、 O ー 8 ー ;-v がアラスカの アンカレッジ空港で離陸に失敗した。 ー 8 は高度約一〇〇フィート ( 約三〇メートル ) で失速して墜落、大破炎上した。ー 8 は米 国モーゼス・レイクから東京へ生きた牛を輸送していた。乗員三名、牛の取扱者二名の搭乗者全員が 死亡した。 原因は機長の酒酔い運転であった。浮揚時、機首上げ ( ローテーション ) の角速度が大きすぎ、ま た機首上げのピッチ角 ( 縦の姿勢角 ) も大きすぎた。最大ピッチ角は約一五度、最大迎角は約一八度 に達したと推測されている。 離陸前の気象状況から、ー 8 には翼面上に氷結が起きていた。翼の性能は揚カ係数で一五パ セント、失速迎角で二度程度劣化しており、これが事態を悪化させた。また機長はパフェッティング ( 失速警報の一つ ) を見落とし、回復操作もなかった。 機長の体内からは、多量のアルコールが検出された。酩酊の程度は、乗員をホテルから空港に運ん だタクシー運転手が空港の運航職員に通報するほどであった。さらに離陸前の地上走行で、機長は別 の滑走路に入り込んだ。そこで「離陸準備完了」とタワーに送信するほど、正常ではなかった。 この事故にはもう一つの側面がある。機長は五三歳のアメリカ人で、一方、副操縦士と航空機関士 めいてい

6. 墜落 第1巻 驚愕の真実

「左タンクはゼロです」 キャルバウ「 3 ー 0 ゴルフ。問題ありません ( キャルバウは次に、他のすべての航空機に、周波数 3 ー 0 ゴルフ、あなたはこの周波数にとどまりなさ 一三二・四五メガヘルツを使うなと命じた ) 。 ャードウイン「オ 1 ケ 1 。そうしています」 死 病 キャルバウ「 3 ー 0 ゴルフ、我々はあなたをちゃんとレーダーに捕らえています。あなたは五六〇 カ の〇フィート ( 約一七〇〇メ 1 トル ) にいます。飛行機はたいへんうまく水平飛行しています。いま 縦問題ありません」 操 ャードウイン「オーケ 1 」 二キャルバウ「 3 ー 0 ゴルフ。計器を読めますか。燃料をどのくらい積んでいるか、知らせてくださラ 第 キャルバウ「軽いがたびし程度なら、オートパイロットをそのままにしたらどうでしよう。オート さ ハイロットはそのままにしましよう。どうしても必要になるまで、高度を変えないでください。 しあたり、飛行機を水平に保つほうがよいですー ャードウイン「オーケー、雲からいま出ました。しかし、私は六五〇〇フィート ( 約二〇〇〇メー トル ) です」

7. 墜落 第1巻 驚愕の真実

ャードウイン「その通り、その通りです。 ( 不明 ) 」 スリー ゼロ フライング・イット・イン 管制官「 3 ー 0 ゴルフ。飛行機を ( 着陸に ) 持ってこられますか」 ャードウイン「 ) しいえ、できません。私、いままで操縦したことがありません」 「そのままオートパイロットで飛ばしなさい」 キャルバウ「 8 3 3 0 ゴルフ。飛行機はいまオートパイロットで飛んでいる、とおっしやった。そ の飛行機のオートパイロットは一つです。そのままオートパイロットで飛ばしなさい キャルバウ「まだオートパイロットで飛んでますか」 ャードウイン「はい、 オートパイロットで飛んでいます」 キャルバウ「 3 ー 0 ゴルフ、了解。さあ、心を落ち着け、リラックスしてください。さしあたり、 飛行機はそのままオートパイロットで飛ばしなさい ャードウイン「どの高度を、維持したらいいかしら ? 」 キャルバウ「現在の高度でいいです。他の航空機を、すべてあなたから遠ざけます、奥様」 ャードウイン「雲の中にいま入ろうとしています。それで、がたびし揺れてきました。高度を変え てもいいんですが」 キャルバウ「高度を変えられますか。そして飛行機を水平に保てますか ャードウイン「わかりません

8. 墜落 第1巻 驚愕の真実

・ポイス・レコ 1 ダー ) に記録された乗員どうしの会話である。これはすべて操縦室内の音声収録用 マイクに入っている。 乗員の声は、音声収録用マイクのほかに、機長、副操縦士、航空機関士用の、それぞれ三つのチャ ンネルに記録される。もし乗員の中の誰か一人でも酸素マスクを着用していれば、その人の言葉は酸 素マスク・マイクロフォンを通じて、その人のチャンネルに記録される。しかし乗員どうしの会話 は、音声収録用マイクにしか録音されていなかった。 ( 約七三〇〇メートル ) 酸素を吸わないとどうなるか。事故が起きた高度は二万四〇〇〇フィ 1 ト である。工べレストの頂上よりは一五五三メートルほど下がった高さに当たる。あの高度の登山は、 落酸素を使用していても、ゼイゼイと荒い息になる。 事故機は大月付近で降下するまで約一八分間、ほばこの高度を飛行していた。 山 酸素が少ない空気を吸うと、一般にはいわゆる酸欠 ( ガス中毒や一酸化炭素中毒はその典型であ 御 る ) より広範な症状が出る。大ざっぱに言えば、血液の酸素運搬能力、および血液の酸素取り込み能 これを低酸素症 ( ハイボ 〇力が低下する。つまり貧血と循環機能の低下が同時に起こると思えばよい。 走キシア ) という。 迷 ( 約五五〇〇メートル ) がめやすとなる。この高 低酸素症の起こる高度は、一万八〇〇〇フィート 三度の気圧は、平地の約二分の一である。すなわち、この高度の酸素は地上の半分しかない。登山にお ける滑落のかなりのものは、低酸素症の影響ではないかという。 193

9. 墜落 第1巻 驚愕の真実

北西約七キロ付近で左へ旋回、北東に向きを変えた。 一八時四一分ごろ、 123 便は大月市付近で、高度約二万一〇〇〇フィート ( 約六四〇〇メート ル ) から約一万七〇〇〇フィート ( 約五二〇〇メ 1 トル ) へ降下した。そしてこの間に三六〇度の右 旋回を行った。この後東へ向かって急速に降下、四五分四六秒「操縦不能」と送信、次いで左へ旋回 して北東へ向かった。 一八時四七分〇七秒、機長は「羽田か木更津ヘレーダー誘導、を要請、東京コントロ 1 ルは「 ( 羽 田の ) 滑走路はなので、ヘッディング〇九〇をキ 1 プしてください、と指示した。機長は「ラジャ ー」と答え、「現在コントロ 1 ルできますか ? 」の問いに、「アンコントローラブルです」と答えた。 落その間 (.)>x には、航空機関士の「ハイドロ・クオンティ ( 油量 ) がオ 1 ル・ロスしてきちゃったで すからなあ」が入っている。 山 一八時四八分ごろ、 123 便は高度約七〇〇〇フィート ( 約二一〇〇メートル ) で西多摩郡奥多摩 御 上空を左へ旋回、西北西に向かった。徐々に高度を上げ、五三分ごろ約一万三〇〇〇フィ 1 ト ( 約四 〇〇〇〇メートル ) に達した。その後再び高度を下げ、五三分三一秒、「アンコントロール。を二度送 走信した。 迷 一八時五四分一九秒、 123 便は高度約一万一〇〇〇フィート ( 約三四〇〇メ 1 トル ) で、東京コ 三ントロ 1 ルの指示により、東京進入管制所 ( 以下東京アプロ 1 チ ) に交信を切り換えた。五四分二五 リクエスト・ポジション 第 秒、 123 便から「現在位置知らせ、の要求があり、東京アプローチは「羽田の北西五五海里 ( 約一 巧 7

10. 墜落 第1巻 驚愕の真実

「高度二万—二万三〇〇〇フィートでは、慣れない被験者は、空気を吸っている場合、いろいろな時 間経過で意識を失う。その場合の影響されやすさは高高度の場合を除き個々に広範に変化する」 このように有効意識時間は、特に問題の高度付近では、人によって大きなばらっきがある。しかも ばかぢから その個人差は、それに出会う状況によっても変わるらしい。個人差の中には「火事場の馬鹿力」的な 「長持ち」も含まれるという。また、ある程度の意識的な頑張りも、もちろん個人差が大きいが、効 ノ、ことかあ一るとい一つ。 低酸素症をどう判定するか こうして見ると、事故が起こった高度はたいへん微妙なところにある。事故時に低酸素症 ( ハイボ キシア ) は起こったのか。事故調査委員会は立川にある航空自衛隊航空医学実験隊で試験を行った。 ふたけた 事故時を模擬した状態で、被験者は酸素マスクを外し、二桁の繰り下がりのある引き算と短文朗読 を交互に一五秒に一回行う。そして引き算課題に対しては解答の正誤と反応時間から、また短文朗読 のほうは音声基本周波数平均値、発話時間、音圧の最大値から、低酸素症発症の有無が調べられた。 音声基本周波数とは、一秒間の声帯振動数である。厳密には、フ 1 リエ解析を行い、最も次数の低 い振動数を選ぶ。それを表すのが基本という言葉である。音声にはこのほかに、もっと高い ( 基本周 波数の整数倍の ) 振動数成分が含まれる。これを高調波とよぶ。 低酸素症になると、基本周波数が若干低下し、高調波が出にくくなるという。結果として「眠いよ