◆成功シ 1 ンを思い描く さて、古い脳である自律神経系は、過去・現在・未来の区別がっきません。 る 過去の回想であれ、未来の先取りであれ、何かを意識の中に呼び起こしたとたんに、 め 決 今まさにリアルタイムで体験しているかのような化学反応を体の随所に引き起こしま を の 自律神経系はまた、言葉における自他の人称を解しません。 今 動 自分のことを語っていても、誰かほかの人について話していても、内容のいかんに 行 の かかわらず、すべては言葉を発した当人のこととして受けとめ、それを現実化しよう 分 とします。 ことだま 朝 この法則について昔の人は、「人を呪わば穴二つ」とか「言霊」と言って経験則と 章 してきました。 つまり、人の悪口を言ったり、失敗を望んだり、呪ったりしていると、それを口に した本人がダメ 1 ジを受けてしまうということです。 悪口をさんざん言ったあとで、あたかも悪口を言われた人のような気持ちになり、 のろ
重苦しい嫌悪感を持ってしまうことがよくあります。これは、悪口がもたらす典型的 なダメージのひとつです。 年中「不安だ、心配だ」「どうしよう」「困った、困った」と、ロぐせのように言っ ていると、そのロぐせが現実になる確率が高まります。 これは、自律神経系が「困ったことになっているのだな」と理解して、実際に困っ た状況をつくり出してしまうからです。 過去の失敗、苦労話、愚痴も、絶対に禁物です。口に出すほうが楽な場合もありま すが、言葉にする頻度が高くなると、必ずまた似たような失敗を繰り返すことになっ てしまいます。 もちろん、よいこともあります。 たた 誰かをほめる、元気づける、幸せを祝福する、成功を讃える、そういうよい言葉を 頻繁にロにしていると、自律神経系は言葉どおりの内容をそっくりそのまま、話者の 人生にフィ 1 ドバックしてくれます。 ですから、思ったり、ロにしたりするのなら、自律神経系ならではの特性をよい方 向に活用するためにも、幸福な思い出や未来の成功ビジョンにすることです。
2 章 " 朝三分 " の行動が今日の運を決める 取り込むことができるのも、自律神経系が不眠不休ではたらくからです。 古い脳である自律神経系は基本的に、人間の意志を受けつけずに生体コントロ 1 ル を行っています。 これに対して新しい脳は、ものを考えたり判断したりする、意志の部分を担当して います 古い脳、つまり自律神経系は、一一十五億年もの進化の歴史を持ち、一方、新しい脳、 つまり大脳新皮質は、せいぜい五百万年ほどの歴史を持っという背景があり、そして このふたつの脳は、″想像力〃によってつながっています。 みなさんにも、頭の中で梅干しを想像しただけで、盛んに唾液が出てしまったとい う経験があるのではないでしようか これは、意識が引き金となって引き起こされる生体内化学反応のひとつです。想像 上の内容が物質化されて、実際に体に作用を起こしたのです。 また、過去の悲しい出来事をくよくよと考え続けたり、将来の不安や心配ばかり思 い浮かべていると、たちまち顔色がすぐれなくなります。科学的にいうと、アドレナ リン系ホルモンが出て、毛細血管が縮小した状態になっています。
2 章朝三分 " の行動が今日の運を決める 「ひょっとすると、つまくいくかも 「もしも、、つまくいったら・ : ・ : 」 」で始まる一言葉がコンピュ 1 タの調子を狂わせてしまってい とい、つよ、つに、「 るのです。 それでは、オートパイロット飛行を順調に維持する最善の方法は何でしようか 答えはズバリ、「私は運がいい」「よいことは長続きする」「私の夢は必す実現する」 というように、意識的によい言葉を選び、たえす使っていくことです。 自律神経系は言葉にとても敏感に反応しますから、これは絶大なる効果があります。 「自分は必ず成功できる」と、絶対の自信を持ち続け、言葉にしてください
より望ましい新たな自己像を確立できる みなさんが思い描く自己像は、自律神経系によって認知され、みなさんの人生全般 を支配しているという事実を忘れずに、また、「自分に対する思い込みを変えると未 来を変えていける」という法則を、ぜひ肝に銘じておいてください さて、自己像が形成されていくプロセスで最初に影響を与えたのは、おそらく最も 身近にいる母親だったでしよう。そして、父親、兄弟姉妹、祖父母たち。家族構成、 環境、経済的な状況、どんな言葉をかけられ、どのように扱われたかによっても、自 ずと違いが出てきます。 学校や友人、社会、仕事、時代の価値観も、大いに関係しています。そのほか、数 え切れないほどのさまざまな要素が、みなさんの自己像形成に関わってきました。 しかし、どんな自己像であれ、それを形成したことの最終的な責任は自分自身にあ ると思います。 なぜなら、これまでの自分に対する他人の評価、自分自身の評価というものは、か なり不確かなものではないでしようか 1 10
ど、つかにかかっている 以上の六項目をもう一度しつかりと脳にインブットすると、変身のための弾みがっ / と思いま亠 9 ・。 そしてまた、 2 章と 3 章で学んだ次の七つの原理についても、あらためてじっくり と反芻してみてください。 そうして理解と認識を深めていくと、脳という土壌に未来志向の種をまきやすくな るでしよ、つ。 原理 1 考え方や自己像は″選択〃しなおすことができる 原理 2 自律神経系は夢を叶える″自動目的達成装置〃である 原理 3 想像体験の威力により現実を思いのままに動かしていける 原理 4 誰もが″勝ち組遺伝子〃を標準装備している 原理 5 オプティマルヘルスⅡ最高の健康状態にあると自然と成果があがっていく 原理 6 楽天思考で絶大な″快〃を生み出し、大スケールの夢を楽々と実現できる 108
◆ふたつの脳は想像力が結んでいる 次に知っていただきたいのは、「人生で成功する人は、まず脳内でその成功を築き あげている」ということです。 なぜ、そうなのか。ここからは脳の仕組みについて考えていきたいと思います。 人間の脳は、古い脳と新しい脳とに分けられます。 しわゆる自律神経系と呼ばれるもので、呼吸や心拍など、無意識のうち 古い脳は、、 に行われる体の動きを司っています。 たとえば、私たちが眠っていても心臓は休むことなく鼓動し、全身の血液を循環さ せています。また、三十六から三十七度の体温を保ち、呼吸によって体の中に酸素を 9 成功する人に共通の脳のメカニズム
私たちも、人生を見事に生き抜いた貝原益軒にならい、二十一世紀にふさわしい人 生哲学を、今こそ考え直すべきでしよう。 そのためにはまず、″六十歳を過ぎたら引退〃という考え方をあらためるべきです。 「高齢社会とは、老人時代がただ長くなっただけのものではない」 「自分のなすべき生涯の仕事や生きがいを持つ人すべてが現役である」 「六十歳からの第二の人生のステージとして、高齢社会はある」 「私は″人生の黄金期〃を心ゆくまで堪能するのだ」 というように前向きに、肯定的に、かっ楽天的にとらえるのです。 そして、たとえば「人間は百歳まで元気で生きられる、そういう時代に我々はいる んだ」ということを、日常会話で明るく語っていくことです。すると、だんだんそれ が当たり前のこととして意識に入ってきて、脳内に新しい回路を形成していきます。 そうすると今度は、脳内にある網目状神経系 (X<Ø) という器官がはたらいて、 ″百歳まで元気で生きる。ための具体的な情報をさかんに集めにかかります。 これまで興味がなかったけれど、健康や長寿に関する本を読んでみようとか、これ までは見過ごしていたような雑誌やテレビ番組にも目がいくようになります。 188
著者紹介 佐藤富雄 ( さとうとみお ) 1932 年、北海道北見市生まれ。早稲田大学卒業。東京農 業大学卒業。東京農業大学大学院博士課程修了。医学博士、 理学博士、農学博士。経営学修士。ェッセイスト。写真家。 外資系企業などの勤務を経て、米国ユニオン大学健康科学 研究所教授、同所長を務める。現在、 patent University of America ( カルフォルニア ) 学長。中国首都医科大学および 同大学付属同仁医院名誉教授。「ロぐせの心理学・生理学」 で、日本語の独自性と大脳・自律神経系の連関を究明、世 界唯一の実践成功科学として確立する。 283 年秋には、著 者指導によるセミナーコースが開講される。 著者のノウハウを綴った「自分を変える魔法の「ロぐせ」」 がベストセラーに。その他著書多数。本書は、日常のマン ネリ化を破り人生を変えるための、確かな理論と具体的な 実践方法を初めて明かした一冊になる。 ・連絡先 ( 東京事務所 ) ヒューマンギネス倶楽部 〒 1 12 東京都渋谷区広尾 2 ま & 2 電話 ( 73 ) 6 7 FAX ( 49 ) 3 2 URL http://www.hg-club.jp E-maiI tomio@hg-club.jp 「胡の脅」を変えると人生はうまくいく ! 2 開 3 年 9 月 10 日第 1 刷 とみ 援富 お 著 発 発 行 行 者 者 所 小澤源太郎 株式亠春出版社 会社月 東京都新宿区若松町 12 番 1 号 162- 開 56 振替番号開 190-7-98602 編集部 03 ( 3203 ) 5123 電話 営業部 03 ( 3207 ) 1916 ◎ Tomio Sato 2 開 3 Printed ⅲ J 叩 an ISBN 4-413-03424-4 C 開 11 万一 , 落丁 , 乱丁がありました節は , お取りかえします。 印刷錦明印刷製本ナショナル製本 著作権法上認められている場合を除き、禁じられています。 本書の内容の一部あるいは全部を無断で複写 ( コピー ) することは
とになるのです。 また、グルココルチコイドをのさばらせておくと、次第にタンパク質を侵食してい き、筋肉を蝕んでいくことになります。やがて神経系がやられていき、皮膚の老化を 灘進行させてしまいます。 強いストレスと過労に耐え、目標を達成した成功者は何人もいます。 葉 言 しかし、そうしてがんばった人ほど健康を害したり、早く亡くなってしまうのが残 る 念でなりません。みなさんはぜひ、ストレスホルモンではなく、快楽ホルモンをつく て り出す習慣を身につけてください わ 気 る や わ 思 章