潜在意識 - みる会図書館


検索対象: この人はなぜ自分の話ばかりするのか
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1. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

彼らは人間が示すさまざまなサインに敏感になるように自分を訓練した人たちなのだ。長い時間 をかけて、彼らは人間の性質についての多大な情報を集め、人間が示すある種の特徴は、ある種の 行動とペアになっていることを知ったのだ。 今までに集めた情報は、占い師の脳の中に二種類に分けられ貯蔵されている。一つは意識的な知 識として貯蔵されるもの。それを引き出して使う時、本人は何をやっているのかを完全に把握でき ている。だが、知識の多くは無意識のうちに潜在意識の方に流れ込む。これがもう一つの情報の貯 蔵方法である。 占い師の中には、直感的に予測をする時「声」が自分に語りかけてくると信じている人がいる。 もともとは意識的に集めた情報が、潜在意識に貯めこまれ、占いをする時は、そこから情報を引き 出しているということをよくわかっていない人が多いからだ。つまり、彼らの「才能」とは、情報 を集め、蓄え、潜在意識からその情報を引き出すという、ごく自然な能力といえる。 普通の人はそれほど自分の知覚や経験に注意を払わないので、多くのことに気づかないでいる。 そのため経験したことは、数日すると、あるいは一瞬のうちに、潜在意識という不透明なカ 1 テン の向こうに入り込んでしまう。 たとえ気づかなかったできごとも潜在意識に貯蔵され、知識の一部となっている。あるできごと 力しい経験、あるいは悪い経験として体験されると、潜在意識に貯められ、次に同じような事が 起こった時、私たちの中にある、直感と呼ばれる旗がひらめくことになる。 この旗にはいろんなものがある。デジャヴ、漫然とした不安感、悪い予感がする胸騒ぎ、 300

2. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

陪審員が出入りするには、弁護団席の側を通らなければならない。当然のように、ほとんどの陪 審員は被告人を避けるようにして通る。とくに被告人が殺人の罪に問われている、恐ろしい顔つき の巨漢ならなおのことだ。今回の陪審員たちも同じだった。被告人側を通らないように、仕切りの 柵をまたいで陪審員席に行こうとする人さえいた。 しかしこの二日間、私が自分でもよくわからずに目についていた若い白人女生は、私たちのクラ イエントである被告人を避けて通ろうとしなかった。それどころか、わざと被告人に、それも被告 人が手を伸ばせば彼女を触れるくらいの近さに、近づいているようにさえ見えた。さらに彼女は被 告人から目を逸らさず、じっと見据えていた。状況を考えると、これは普通では見られない行為 それまで私は、何千人という陪審員が、暴力事件の犯罪を問われている被告人のそばを通るのを 見てきたので、私の潜在意識にはその時のイメージがたくさんつまっている。この女性の行動が、 劇的に普通と違うと意識的に認識したわけではないが、私の潜在意識が旗を振ったのだ。 , 彼女の行 動は、被告人を恐れていないことを示していた。被告人を有罪だとすでに決めつけている陪審候補 傾 耳 者なら恐れるだろう。 声 彼女は純粋に好奇心を持っているようで、被告人についてまだはっきりとは意見を固めて 内 いないようだった。被告人のそばを通った時の彼女の注意深い様子から、被告人が本当に殺人をし 章 たのかどうか知りたい、そのためにできるだけ彼についての青報を集めたいと思っていることが伺第 われた。

3. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

感がする高揚感など。 つまり、私たちが直感と呼ぶものは、埋もれていた記憶の蘇りなのだ。あまり覚えていない事 や、 いくつかのできごとが組み合わさり記憶となって、意識に上ってくるということだ。 この「感じ」は宇宙のエーテルからくるのではなくて、私たちの潜在意識からくるのだ。私たち がやるべきことは、この直感という能力を改善し、情報を集めて、貯蔵し、潜在意識からこの情報 を引き出す方法を新しく探すことだと言える。 潜在意識に蓄積されたバターンからわかること ードディスクに情報を保存しておくように、 私たちの潜在意識は、ちょうどコンピュータ 1 がハ 何千という経験や観察を保存している。ただ、コンピューターの場合は、「探す」ボタンをクリッ クすればすぐにほしい情報が引き出せるのに、潜在意識へのアクセスは、でたらめで偶然に満ちて いる。とくにあまり注意を払っていない時に記憶された情報は見つけにくい。 傾 私はいつも注意深くものごとを観察して、ある種の外見や行動、声などが、ある種の考えや行動弭 声 につながっていることに気がついた。そのため、私の潜在意識のデ 1 タベースには、膨大な量の人 内 間の特徴や、その特徴が状況に応じてどう変化するかというパタ 1 ンが蓄えられている。この膨大 章 十 第 なデータベ 1 スが、人や状況について感じる直感のもとになっている。

4. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

を開き、耳を澄ましてみてほしい。何かュニークな特徴はないか ? 直感を鍛えたいなら、その人 の全体像が見えるまで、パタ 1 ンが浮かび上がるまで見続け聞き続けよう。こうやってあなたのデ ータベースは有効な情報を蓄えていくのだ。 直感を鍛えよう たとえあなたが今までどんなに注意散漫だったとしても、あなたのデータベ 1 スには何千もの経 験がつまっているはずだ。潜在意識がため込んだ情報の質と量を改善すれば、もっと直感を使える ようになるだけでなく、すでに持っているデータを有効活用できるようになる。次の四つのステッ プに従って、内なる声を聞きわけるように、またその声のポリュームを上げるようにしよう。 直感が働いたら無視してはいけない 内なる声を聞くためには、まず受信機をオンにしなければいけない。潜在意識があなたにサイン を送っていると信じること。「どこかで聞いたことがあるな」「何かおかしいー「彼女には何かいい 感じを受ける」と思ったら、立ち止まってその声に耳を傾けよう。だが、何か直感が働いたとして も、そのまま直感を頼りに突っ走ってはいけなゝ 私は直感を大切にするが、これはあの世から送られてきた純粋で完全な知識ではない。直感はあ なたの間違った記憶にも影響される。直感のままに行動する前に、なぜ自分がその人にそういう反 306

5. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

な子供がいなくなったわけではないのだ。 あること以外、だいたいパターンにはまるが、そのあることが発見されずにいると大事に至ると いうのが、ジョシュの例からよくわかるだろう。 ほとんどの行動があるパターンにはまるとしても、あなたが見過ごしている一面がそのパターン を覆すこともあるのだということを覚えておいてほしい。 明らかだと思っていたパターンを覆す特徴というものは、「例外。として今までのルールとは違 う扱いをしてもらいたい。「例外」を見過ごすと、とんでもない間違いを犯すことになる。 これからあげるのは、よく見られる「例外 , だ。無自覚なものもあるし、選択的なものもある。 操作的とさえ言えるものもある。 人間は伸縮自在に変わるもの エンジニアは「伸縮性」という言葉をよく使う。輪ゴムのように、ある圧力をかけられると形を 変えるが、その圧力が取り除かれると、もとの形に戻る物質の傾向を示す言葉だ。 人間はもともと伸縮自在なもので、まわりに合わせて外見や行動、言葉などを意識的、あるいは 無意識的に変化させる。だが、いつも相手の好みに合わせて自分を変える人は、相手にわざと間違 った情報を与えていると言える。本当はどういう人なのかを判断するには、表面の裏にある事実を 見なければならない。 280

6. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

も、根拠がないただの直感だと断じたり、身体的接触を恐がりすぎる自分を責めたりしてしまうだ ろう。 直感が働いたできごとを評価する時、厳格に証拠を吟味し過ぎると、それ以上の直感を働かせら れなくなる。直感を確信のなさや、社会通念として正しくないという理由でないがしろにしてはい サ , よ ) 0 オし この段階では、外見、とりまく環境、声、行動に対するあなたの直感を道案内人にするこ とが大切だ。 4 自分の理論を検証する 潜在意識があなたに呼びかけていることをいったん認識し、何を語っているのか、その内容を把 握し、証拠を吟味したら、その直感的反応のもとになっているものは何かを仮定してみよう。先に あげた簿記係にいやな感じを持った女性のように、その原因がアフターシェープローションだけだ ったとわかったら、もうそれ以上このプロセスをたどる必要はない。しかし、まだ納得できる結論 に至っていないなら、最後にこの仮定をテストしてみる必要がある。 まだ充分な手がかりが集まっていないこともあるだろうし、手がかりはたくさんあるのだが、あ なたが重要ではないと思って見過ごしていることもあろう。山のような新しいデータに囲まれる と、つい細かいところを見過ごしてしまいがちだ。また、たまたま日が悪かったというだけの話も ある。直感を裏づける証拠が足りないこともあるのだと頭に入れておこう。 いずれにしても、第一印象を慎重に思い起こし、直感をテストするための情報をあらたにインプ 3 10

7. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

この章のはじめに説明したように、私はこういう能力を、観察力と演繹的な推理能力のコンビネ 1 ションだと思っている。ただ、巷で言われているように、女性の方が男性よりも直感的だとは思 う。ママはいつでもあなたの嘘を見抜くのだ。これには実に明快な理由がある。 古い世代はもっとそうなのだが、現在でも母親の方が父親よりも子供の行動をよく観察してい る。子供が嘘をつくと、たとえわずかでもたいていは顔に出るものだ。 あなたが子供の頃、ママはあなたのちょっとした表情の変化も見逃さなかったのではないだろう か ? でも、ママは別に占い師だったわけではない。ただ、あなたについての広大なデータベ 1 ス を持っていたのだ。 何か「正直な時のいつものパターンーから外れた行動をあなたが取ったら、母親の潜在意識がそ しオこくささいなことか れをとらえる。それはあなたの立っている角度のちょっとした違いとゝっこ、、 もしれない。あなたが何をごまかそうとしているのかはわからなくても、とりあえずいつもの行動 ハターンと違うから、母親は何かがおかしいと気づくのだ。 今日では、男性と女性の役割の違いは以前よりぐんと縮まっているし、家庭そのものが消えつつ ある。しかし、それでも家庭の中で女性は今でも世話係だったり、コミュニケーション担当だった り、観察役、仲裁役を務めることが多いと思う。 また女性は、自分や人の気持ちに敏感であれと育てられることが多いし、服装、髪型、靴、宝石 など外見に、男性よりもっと気を配るようにと社会からの無言のプレッシャーを感じている。女性 は男性よりもファッション雑誌によく目を通すし、美容整形したかどうか、結婚指輪をしているか 317 第十章内なる声に耳を傾ける

8. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

誰かについて否定的なことを言う時、彼女は必ず犠牲者的な口調になり、やや声を低め、躊躇し たようにしゃべり、ポイントを強調するためにぐずぐずと泣き言を入れた。ここで彼女が送ってい るメッセージは「この意地悪な人が私を傷つけているの、助けて」だ。 一方、何か自分の考えを述べようとする時は違うテクニックを使った。家の中では、聞くに値す る意見を持っているのはスティープだということになっていたようだ。だからセーラは何か言いた いことがある時は、いつも抑揚のない単調な話し方をした。この意味は「言いたいことがあるけれ ど、言うのは私の役目じゃないってわかっているから、私の考えなんかどうでもいいっていうふり をするわ。もっと私より頭のいい人に私の考えがいいかどうか評価してもらうの」だ。しかも彼女 の声はいつも、甲高く甘いマリリン・モンロー風だった。 セーラは、自分の言いたいことをスティープに聞いてもらうために、無力な少女の役を演じ「助 けてもらわないと困る」という素振りを見せる癖がついてしまったようだ。 切 大 甲高い声というのはおそらく選択的なものだろうが、あまりにも長い間使ってきたのでほとんど 習い生になってしまったらしい。彼女が本当に怒ったらどんな声になるのだろうかと、私は考えず 話 にいられなかった。 で 非選択的な、つまり無意識的だったり生まれつきだったりする特徴は、慎重に取り扱わなければ 内 ならない。その特徴を本人がどう利用しているか、どうやって隠そうとしているかを見れば、いろ 章 五 第 いろなことがわかるからだ。 たとえば「女性的ーと言えるほど高い声をしている男性が、「男性的。になろうとしてわざと荒々し

9. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

の試合に着ていくのではかなり違う意味を持つ。大きな微笑みを浮かべ、背中を叩くのは退職祝い ではいいだろうが、葬式の場では考えものだ。 就職面接にミニスカートで臨むのは、通常はよしとされない 。この女性の常識や職業意識、面接 の場にわざわざ性的な服装を選んだ意図など、すべてに注意する必要がある。だが、同じミニスカ ートでも、恋人とのディナーの場でなら問題はない。もちろんその場にもふさわしくないほど短い スカ 1 トなら別だが。 間違えないでほしいが、ここで問題にしているのは、あなたがミニスカートを個人的にいいと思 っているかではなくて、その状況にふさわしいかどうかということなのだ。どうか客観性を失わな いよ一つに。 相手があなたと同じ趣味や倫理観を持っていない限り、自分の考えだけで相手の服装を評価した のでは、その人の性格はあまり見えてこない。 同じことが行動についても言える。 あなたが内気な性格で、外向的で騒々しい人が苦手だとする。確かに状況によっては、親しげに 振る舞ったり、バカ騒ぎするのはふさわしくないかもしれない。だが、自分の物差しだけで相手の 行動をはかっていては、相手を理解することはできない。自分と相手は違う、ということだけしか わからない。物差しにするのは、その場では通常はどう振る舞うべきかということだ。 場にそぐわない服装、化粧、髪型、そして身振りや手振りなど、体の動きはたくさんのことを教三 えてくれる。よくあげられるのは次の通り。 75 第章「第一印象」を読む

10. この人はなぜ自分の話ばかりするのか

陪審候補者が法廷に呼ばれ、陪審員席に座って最初の質問に答えようとする頃には、私はすでに 彼らについて最初の印象を固めている。彼らが弁護士の質問に答えるのをよく観察しながら、大体 いつも最初の印象が正しかったとの確信を得ていく。 そこには何も神秘的なものはない。単純に候補者たちの外見や行動、話し方が、それまでに私が 法廷で見てきた人のパタ 1 ンのどれかに当てはまるというだけの話だ。 もちろん、ある人の特別な印象が何を意味するのか、よくわからないことも時々ある。しかした いていの場合、その候補者を陪審員として受け容れるかどうかを決める頃には、自分の直感のもと になっているものを見つけ出しており、弁護士に論理的に説明できるようになっている。 この章のはじめに登場した陪審候補者の話に戻ろう。 主任弁護士は彼女を二日目の質疑応答まで残すことに渋々同意した。この若い白人女性は、私た ちのクライエントにとって、いい陪審員になるだろうという私の直感に揺るぎはなかった。どうし てそういう気持ちになるのかは、まだその時点では自分でもよくわかっていなかったのだが しかし、二日目の午後には、自分の潜在意識が彼女について「何」を感じ取ったのかがわかった。 その法廷の内部は、他と同じような配置だった。 陪審員席が部屋の片側にある。被告人と弁護士、そして私が座る弁護団席は部屋の真ん中あた り、傍聴人席の真ん中を突っ切り、外の廊下へつながる通路へと続く低い扉まで数フィートのとこ ろにある。 302