テセウス - みる会図書館


検索対象: ギリシア・ローマ神話 上
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1. ギリシア・ローマ神話 上

スいなん おんなまほうつか つな災難が待ち受けていました。女魔法使いのメディアが、イアンンと別れてのち、コリントス から逃けてきて、テセウスの父アイゲウスの妻になっていたのです。メディアは、魔法でテセウ スのことが分 0 たものですから、もしこの若者がアイゲウスの子としてみとめられると、自分の せいりよ′、 勢力が弱くなるだろうと思いました。それでアイゲウスがこの若者を疑うようにしむけて、若者 どく に毒のさかずきをすすめさせました。けれども、テセウスがそのさかずきを受けようと進みでた とたんに、つるしていた剣が王様の目にとま 0 て、テセウスだということがわかり、あやうく災 まほ ) みやぶ 難をまぬかれました。メディアは自分の魔法を見破られると、また逃げ出してアジアへいきまし た。アジアにあるメディアという国は、この女魔法使いの名をとったものといわれています。テ セウスは父にみとめられて、世つぎとなりました。 ちょうどそのころ、アテナイの人々は、クレタ王ミノスにおさめるいけにえのことで、たいそ - ら心を儺ましていました。そのいけにえというのは、七人の少年と七人の少女を、毎年ク」タへ おうし 送 0 て、ミノタウロスという、体は牡牛で頭は人間の怪物にたべさせることなのでした。この怪 めいきゅう ミノス 物は、たいそうどう猛で、迷宮のなかに閉じこめられていました。この迷宮というのは、 たてもの 王がダイダロスという人に命じて作らせた、入り組んだしくみの建物で、だれでもそこに入った さい・こ ら最後、自分ひとりでは二度と出てくることができないようになっていました。ミノタウロスは この迷宮のなかを歩きまわっていました。そして、そこに差し入れられる人間の、いけにえをな なん かいぶつ

2. ギリシア・ローマ神話 上

神アスクレビオスが、もう一度生き返らせてくれました。アルテミスは、腹ぐろい母親と、それ に迷わされている父親が手を出せないように、ヒッポリ = トスをイタリアへやって、エゲリアと ・よぶニンフに守らせました。 じんぼう いんたい テセウスは、とうとう国民の人望を失い、引退して、スキ = ロス王リ = コメデスのもとへ、身 しんせつむか うらぎ ・をよせましたリ = コメデスは、はじめは親切に迎えましたが、あとでは裏切って殺してしまい しようぐん いこっ ・ました。すっと後になってアテナイの将軍キモンが、テセウスの遺骨の埋まっている場所を見つ えいゅうきねん ・けて、それをアテナイへ持って帰らせました。そうしてこの英雄の記念のために、テセウムとい しんでん ・う神殿を建て、そこにこの骨をまつったということです。 テセウスが妻にしたアマゾンの女王は、ヒッポリ = テという名まえだったという説もあります。 れきしてき きろく ちほう テセウスは、半ば歴史的の人物であります。記録によると、アッティカの地方は、それまでい ぶらく とういっ くつかの部落にわかれていたのを、テセウスが統一して一つの国とし、都をアテナイにおいた、 きねん ・ということです。この大改革の記念として、テセウスは、アテナイの守り神アテナのために、パ ンアテナイアの祭りを始めました。この祭りは、ほかのギリシアの竸技とは二つの点でちがって ぎようじ いました。第一に、これはアテナイ人だけのお祭りでした。第二にその祭りの主な行事というの は、。へプロスというアテネの衣をパルテノンへ運んでゆき、アテナの像の前にかける、というお ぎようれつ " ごそかな行列でした。ペ。フロスには一面にぬい取りがしてありましたが、これはアテナイのもっ いちめん はら せつ ははおや

3. ギリシア・ローマ神話 上

あげることを忘れていました。年とった王様は、黒い帆を見てわが子が殺されたものと思って、 、いじさっ 鬆・百殺してしまいました。そんなわけで、テセウスがアテナイの王位につくことになりました。 ぼうけん テセウスの冒険のなかで有名なのは、アマゾンとの戦争です。アマゾンがヘラクレスに攻めら いぎおい れて、まだ勢をもり返せないでいるところへ、攻めていって、女王のアンティオペをとりこにし て帰りました。すると、こんどはアマゾンがアテナイに攻めこんで、町のなかにまではいってき しようり ました。そして町のまん中で大決戦がおこなわれ、とうとうテセウスが勝利をしめました。この 三、ざ こだいちょうこくか 戦争は、古代の彫刻家たちがよく梳にしたもので、いろんな作品にな 0 て、いまでも残 0 てい ます。 ゅうじようせんじよう しんゅう テセウスとペイリトオスはこの上ない親友でしたが、一その友情は戦場の中で生まれたものでし かちく た。ペイリトオスがマラトンの野に押し寄せてきて、アテナイ王の家畜をかすめていたので、テ ヘイリトオスは一目テセウスを見ると、すっか セウスは、どろ・ほうどもを平らけにゆきました。。 り感心して、和ぼくのしるしに、手をさしのべながら「このつぐないになにを望まれますか ? 」 と叫びました。「きみとの友情を。」とテセウスは答え、ふたりはかわることのない友情をちかい いつもほんとうのきようだいのようにして、 ました。それからというものは、この約束どおり、 つま 、つしょに戦争にでていました。このふたりは、それそれゼウスのむすめを妻にしたいと望んで いました。テセウスはヘレネをえらび、。ヘイリトオスの助けをかりてこのむすめを連れだしてし だいけっせん 206

4. ギリシア・ローマ神話 上

てゆくようにとしきりにすすめました。そのほうが近道でもあり、安全でもあったからです。け わるものかいぶったいじ れども若いテセウスは、英雄のような意気にもえて、ちょうどそのころ、悪者や怪物を退治して、 ギリシア中にその名のひびきわたっていたヘラクレスのように、自分も、ぜひ名まえをあげたい りくち と思っていましたから、わざと陸地から、あぶない道をゆくことにきめました。 第一日めの旅で、エ。ヒダウロスまで来ました。そこにはヘパイストスのむすこで、ペ リペテス らんぼう という人が住んでいました。乱暴な悪者で、いつもコン棒を持ってでかけては、旅人をおどかし ていました。テセウスの近づくのを見ると、打ちかかってきましたが、たちまちテセウスに打ち さいしよしようり ぎねん た、おされてしまいました。テセウスは、そのコン棒をうばい、自分の最初の勝利の記念として、 ながく持ち歩いていたということです。 それからも、そのあたりの小さな暴君や、おいはぎどもと勝負をしましたが、いつもテセウス が勝ちました。その悪者のなかのひとりに、。フロクルステスという者がありました。この名まえ てっしんだい は「引き伸ばす者」という意味です。プロクルステスは、一つの鉄の寝台を持っていて、つかま えた旅人を、みなこの寝台の上にしばりつけました。そして、もし旅人が寝台より短ければ、寝 台と同し長さに引きのばし、寝台より長ければ、それだけ切り落してしまいました。テセウスは . 。フロクルステスをつかまえて、この悪者がほかの人にしたような目にあわせてやりました。 きけんせいふく こうして、みちみち、いろんな危険を征服した末、やっとアテナイにつくと、そこにはまたペ たび えいゅう ぼうくん しようぶ みじか

5. ギリシア・ローマ神話 上

べていたのです。 テセウスは、なんとかして自分の国の人々をこの災難から救おう、そのためには命をかけても けっしん ・かまわない、と決心しました。そこで、みつぎものを送る時がきて、例年のようにいけにえにさ 、、、、なかま きげる少年少女が、くじ引きできめられると、父親のとめるのもきかす、自分もいけにえの仲間 に加わりました。いけにえを乗せた船は、いつものように、黒い帆をあけて出てゆぎましたが、 やくそく テセウスは父親に、もし勝って帰ることができたら、白い帆をあけて帰ってきます、と約東しま した。クレタへつくと、少年少女たちはミノス王にお目どおりをしました。そのとき、その場に いあわせた、王のむすめアリアドネが、すっかりテセウスに心をうばわれてしまいました。テセ かいふつ つるぎ ・ウスも、むすめの愛にこたえました。アリアドネは若者に、怪物を突く剣と、一つの糸まりを与 めいきゅう 、えました。この糸をたどって、迷宮からでられるようにというためでした。 しゅび テセウスは、首尾よく怪物をしとめて、迷宮から逃け出すことができました。そして、アリア しゆっぱん ドネを連れて、命びろいをしたいけにえの仲間といっしょに、アテナイをさして出帆しました。 とちゅう ・途中、ナクソス島へ立ち寄りましたが、そこでテセウスは、アリアドネが眠っている間に、置き ざりにしたまま、船を出してしまいました。恩を受けたむすめに、こんな恩知らすな仕うちをし たのは、アテナが夢にあらわれ、そうするように命じたからでした。 やがてアッティカの海岸に近づきましたが、テセウスは、うつかり、父親に約東した白い帆を かいふつ さいなん すく れいねん ねむ 205

6. ギリシア・ローマ神話 上

ひょうばん まいました。ヘレネはまだこのときは、ほんの子どもでしたが、のちに評判の美人になって、そ せんそう ヘイリトオスのほうは、よみの国の のためにトロイア戦争までおこるようなことになりました。。 つま 王の妻になっていた、プロセル。ヒナを妻にしたいと思いました。テセウスは、危いことだとは思 やしん ったのですが、野心をいだくべィリトオスといっしょに、よみの国へくだってゆきました。とこ ろが、地獄の王につかまって、その宮殿の入口の岩につながれてしまいました。のちにヘラクレ ヘイリトオスは残されまし スがよみの国にきたとき、テセウスだけはゆるされて帰りましたが、。 アマゾンの国から連れてきたアンティオペが死ぬと、テセウスはクレタ王ミノスのむすめパイ けっこん ドラと結婚しました。テセウスには、ヒッポリ = トスとよぶむすこがありました。父親の美しさ ゅうぎ , と勇気を受けついだ青年で、パイドラと同しくらいの年ごろでした。パイドラはこの若者を見て、 ハイトラカしし 、よっても、ヒッポリ = トスは、はねつけましたので、 心を引かれました。けれど、 むちゅう にく こんどは憎らしくてたまらなくなりました。そこで、パイドラは自分に夢中になっている夫をそ ふくしゅう そのかして、むすこをねたむようにしむけたので、テセウスはわが子をのろって、復讐してもら うみべ いたいとポセイドンに祈りました。それである日、ヒッポリ = トスが馬車に乗って海辺を走って かいふつ , ャいると、海の中から怪物があらわれて、馬をおどしました。馬は駆け出し、馬車はめちやめちゃ にこわれてヒッポリ = トスは死んでしまいました。けれど、アルテミスの助けによって、医術の こ 0 つま いじゅっ 207

7. ギリシア・ローマ神話 上

9 アケロオスとヘラクレス 川の神アケロオスは、客のテセウスとその友だ ちに、エ リュシクトンの話をして聞かせました。 りよこうとちゅう テセウスたちは旅行の途中、アケロオスの支配し ごうすい ている川が洪水をおこしたので、川の神の家にと まって、せわになっているところでした。 話がおわるとアケロオスはこんなことをつけ加 えました。「けれど、わざわざほかの人のことを 話さないでも、わたくしだって姿を変える力を持 っているのです。ヘビにもなれます。頭に二本の 角のはえた牛にもなれます。いや、じつは、前に はなれたのです。いまでは片方の角をなくしたの、 で、一本きりになってしまいました。 , そう言う と、川の神はうめいて、だまりこんでしまいまし テセウスは川の神に、なぜそう悲しむのか、、 またどうして角をなくしたのかとたずねました 9 こ 0

8. ギリシア・ローマ神話 上

2 カストルとポリュデウケス カストルとポリ、デウケスは、白島に姿を変え ていたゼウスと、レグのあいだに生まれた子ども でした。レダは一つの卵を生みました。その卵の なかから、このふたごが生まれてきたのです。あ とでトロイア戦争をひきおこして有名になったへ レネは、このきようだいの妹でした。 しんゅ ) テセウスと親友のペイリトオスがヘレネをス 。ハルタからさらっていったとき、カストルとポリ けらい 二アウケスはまだ年は若かったのですが、家来を すく 引きつれて、急いで妹を救いにゆきました。ちょ うどテセウスがアッティカにいあわさなかった ものですから、しりびよく妹を連れもどしてきま カストルは、馬をならすことがじようずなので 有名でした。ポリ、デウケスのほうは拳闘がうま いので知られていました。ふたりはとても仲がよ けんとう

9. ギリシア・ローマ神話 上

しごく 地獄の門番をしている、三つ頭の大です。あるとき〈ラクレスは、ヘルメスとアテナに連れられ . て、よみの国へくだりました。ヘラクレスは地獄の王ハデスから、ケルベスを地上に連れていっ ゆる てもよい という許しをうけました。ただし、そのために武器を使うことはならぬ、という条件 かいぶつ つきでした。〈ラクレスは、怪物がもがいて、あばれるのをものともせず、しつ、かりつかまえて ' その怪物をエウリ、ステウスのところまで引いていって、またぶじに連れもどってきました。 ( すく ラクレスは、よみの国にいたあいだに、テセウスを救いだしてやりました。テセウスは、ヘラク わかもの すうはいしゃ レスの崇拝者で、ヘラクレスのようになりたいと思っている若者でした。よみの国の女王プロセ ル。ヒナを助け出そうと思ってここへきたのですが、つかまって、閉じこめられていたのです。 はっ ヘラクレスはあるとき、かっとなって、友人のイピトスを殺したことがありました。その罰と どれい どれい して、三年間オム。〈レ女王の奴隷にされました。奴隷となっていたあいだ、〈ラクレスは、性質 がかわったように見えました。 , 女のような生活をして、ときによると、女の着物を着たり、オンー ヒヒよ 。 ( レの侍女たちと糸をつむいだりしました。そして自分のシシの毛皮を女王に着せました。三年 けっこん ろうえぎ の労役がすむと、ヘラクレス・はディアネイラと結婚して、三年のあいだ平和に暮らしました。あ るとき、妻を連れて旅をしていて、川へさしかかりますと、そこにはネッソスとよぶケンタウロ かいぶつ ス ( 胸から上は人間で、下半身は馬の、かしこい怪物 ) が渡し守をしていて、きまりの渡し賃を もらっては、旅人をおぶって渡していました。ヘラクレスは、ひとりで歩いてわたりましたが、 つま ちん せいしつ

10. ギリシア・ローマ神話 上

Ⅱ、、、みルドン人 エコーとナルキッソス アテナ 貨白髪のおとめグライアイ きよしん 巨人 金色の羊の毛皮・ : メレアグロスとアタラン・テ : アタランテ : ヘラクレス テセウス・ きようぎ オリンビア競技 : % ダイダロス : カストルとポリュデウケス : ディオニ、ソス・ でんえん 四田園の神々 四アケロオスとヘラクレス : 一四四 一五九 ・一七六 一八九