総資産 - みる会図書館


検索対象: 会計の基本がわかる本
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1. 会計の基本がわかる本

おそろしい債務超過 ・赤字の累積や巨額の損失計上が債務超過へ 商売が赤字続きになったり、資産価値が下落して巨額の損失を出 すとどうなるだろう。負債を勝手に減らすわけにはいかないから、 まずは自分の身である資本を切る。 初めは利益剰余金に手を付けて赤字になる。ここが赤字だと欠損 ■債務超過とは資産よりも負債のほうが多い状態 純資産の部がマイナスになることを債務超過と呼ぶ。 剰余金と資本金 ( 株主の出資分 ) を食いつぶし始める。 金または累損 ( 累積損失 ) という。赤字がさらに続くと、次に資本 こうして、 れば救済される可能性はある。 倒産は支払不能のときに起きるのだから、資金の出し手さえ現われ なお、債務超過になったからすぐに倒産するというわけではない。 落する危機を避けるために、「損切り」が遅れたのだ。 た剰余金や資本も吹き飛ばすくらいの規模であった。債務超過に転 外れの大きさであった。一気に損失処理したら、営々と蓄積してき 1990 年前後、バブル経済で踊った企業の不良債権や不良資産は桁 に対する信用不安の連鎖につながりやすい。 有限責任なのである。残った資産は債権者の取り分になるが、企業 になる。しかし、株主はマイナス分まで背負うことはない。株主は 債務超過で企業が倒産すると、株主は持ち分を失い株券は無価値 ■債務超過とは企業の解散価値がマイナスになること ないのだから、個人なら自己破産といえる。 返しきれない状態だから債務超過という。逆立ちしても借金が返せ 低い売却額になる ) 、そのおカネで右側の負債を返そうとしても、 貸借対照表の左にある全財産を簿価で売却し ( 現実には簿価より

2. 会計の基本がわかる本

27 ますは構造から理解しよう ・資産 = 負債十純資産 ( 運用形態 = 調達源泉 ) で B / S をながめる 0 左は自分の持つ財産の内訳リスト 企業が生まれたときの貸借対照表 (B/S) は、「現金 100 / 資本金 100 」と単純である ( 次ページの図表参照 ) 。日々の取引を経て、複 雑な中身になっていく。 まずは次ページの花王の例を、細部にこだわらす大まかな目で見 てみよう。左側が「資産の部」で期末時点の財産リストだ。商品 ( 棚卸資産 ) や土地建物 ( 有形固定資産 ) のように目に見えるものだ けでなく、おカネを請求する権利 ( 債権 ) などもある。大別すると、 流動資産と固定資産、繰延資産になり、その合計が資産合計 ( 総資 産 ) である。 0 右は誰の持ち分かの内訳リスト 右側は「負債と純資産の部」と呼ぶ。これは左側の資産を手に入 れるための資金の出どころを明らかにしたもので、「負債の部」と 「純資産の部」に分かれる。 ・負債・・・お金の支払義務のこと。 ・純資産・・・返す必要のない自分の持ち分のこと。 長い間「資本の部」と呼ばれていたが、 2006 年 5 月の新会社法施 行により、「純資産の部」と呼ばれるようになった。 ■左の「資産」と右の「負債十純資産」は一致する B/S は、簿記の記帳ルールにより、必す次の関係式が成り立つ。 側はその資金の運用形態 ( 何に使ったか ) を表している。 そして、右側が資金の調達源泉 ( どこから持ってきたか ) を、左 資産 = 負債十純資産

3. 会計の基本がわかる本

固定資産が重い会社と 軽い会社 ・固定資産は資金を寝かす 固定資産とは、 1 年以内に現金化される予定のない資産のことで ある。重たくて動かないという理由ではなく、長期にわたりおカネ が寝かされてしまうから固定資産と呼ぶ。有形固定資産と無形固定 資産、投資その他の資産に分けられる。 ■有形固定資産とは建物、土地、機械など形あるもののこと 建物、機械などは、買ったときの価格のまま計上されるのではな い。使用によって価値の減った分を引いて評価する。そのしくみを 減価償却と呼ぶ ( P. 106 参照 ) 。 ・設備投資のサインもある 大きな設備投資は完成までに何年もかかる。建設中に発生したお カネは建設仮勘定という名前で計上され、完成したら建物や設備な どへ振り替える。だから、建設仮勘定が多いときは、「ただ今設備 投資中」のサインである。 ・無形固定資産も意外と多い 今や設備投資もハードよりソフトといわれる時代であり、無形固 定資産も軽視できない。産業財産権、借地権、ソフトウェアなどが あり、購入価額や、自社開発であれば制作コストが計上される。 0 成熟した大企業は、「投資その他の資産」が多い 一般に、商業系の企業は店舗を借りて商売をし、たくさんの商品 を抱えるため、流動資産が多くなる。装置産業や生産財メーカーは 固定資産が大きくなる。しかし、近年の大企業は固定資産のなかで も「投資その他の資産」がやたらと大きいのが特徴だ。企業グルー プを形成し、長期的な金融資産である有価証券や、子会社株式がふ くらんだ結果といえる。

4. 会計の基本がわかる本

どちらが資産家か・・・貸借対照表の比較 左は実在するもの、右はその資金の 出どころ、いわば影のようなもの。 左 左 右 右 毒貸借対照表は右と左を比べて見る B 氏 2 , 0 圓万円 A 氏 1 億円 B 氏の B/S ( 資産 ) ( 自己資金 ) 2 , 000 万円 2 , 000 万円 自己資金、つまり純資産が多い。 B 氏は純資産家 A 氏の B/S ( 借入金 ) ( 資産 ) 9 , 000 万円 1 億円 を ( 自己資金 1 , 000 万円 総資産が多い。 A 氏は総資産家 A 氏は 1 億円の価値のある家を持っているだけで、それと は別に自己資金 1 , 000 万円、借入金 9 , 000 万円を持ってい るわけでない。それらは家に化けてしまっている。 左 ( プラス ) 右 ( マイナス / 所有割合 ) 現金 他人の持分 製品 材料 土地 建物 株主の持分 設備 証券 売掛金 ( 負債 ) ( 資本 ) ・ 69

5. 会計の基本がわかる本

0 新会社法施行により 誕生した純資産の部 ・その定義はズバリ「資産ー負債」 連結決算に表れる「少数株主持分」は資本ではないが、返す必要 もないので資本と負債の中間的扱いにされていた。同じように 「新株予約権」は返済義務がなくても負債扱いだった。 今日のように企業活動が複雑化すると、古い枠組みでは整理がっ かない点が目立ってきた。そこで、国際基準への歩み寄りとして 「資本の部」を整理整頓した結果が、「純資産の部」である。資産と 負債を定義し、その差を純資産としている。 つまり、全財産から他人への支払義務を引いた残りという意味で あり、従来の「資本の部」よりも広い範囲を示している。 ■純資産の部は誰のものかという区分で分けられる 従来は、「資本の部」「株主資本」「純資産」の 3 つは、ほば同義 語として使われていた。しかし、新しい「純資産の部」は、所有権 を 3 つに分けた。 ①株主の持分であるもの ( 株主資本 ) ②株主以外に帰属するもの ( 新株予約権、少数株主持分 ) ③いずれにも帰属しないもの ( 評価・換算差額等 ) そして、①の株主資本の内訳を「資本金、資本剰余金、利益剰余 金、自己株式」とした。従来の各種積立金は、「利益剰余金」内の 「その他利益剰余金」に入る。利益の繰越しを示していた当期未処 分利益は、「繰越利益剰余金」となった。 かなり複雑な区分になったが、中小企業や連結のない企業では不 要な項目も多いので、次ページの図表よりはシンプルになる。なお、 単独では資本剰余金や利益剰余金の明細を表示するが、連結では表 示しなくてよい。

6. 会計の基本がわかる本

理解度確認テストの答え 1 . ROE= 当期純利益 + 自己資本 = 3 , 375 + 21 , 093 x 100 16.0 % 2 . 売上高当期純利益率 = 当期純利益 + 売上高 = 3 , 375 + 27 , 297 >< 100 12.4 % = 21 , 093 億円 + 1 , 333 , 445 千株 1 , 582 円 / 株 11. BPS= 自己資本 + 株数 = 3 , 375 億円 + 1 , 333 , 445 千株 # 253 円 / 株 10. EPS = 当期純利益 + 株数 = 16 , 267 + 29 , 381 x 100 55.4 % 9 . 剰余金比率 = 利益剰余金 + 総資産 x 100 = 21 , 093 + 29 , 381 x 100 71.8 % 自己資本比率 = 自己資本 + 総資産 x 100 = 13 , 158 + 21 , 093 x 100 62.4 % 7 . 固定比率 = 固定資産 + 自己資本 X100 = 16 , 223 + 7 , 706X 100 # 211 % 6 . 流動比率 = 流動資産 + 流動負債 X100 = 2 , 060 + ( 27 , 297 + 365 日 ) 28 日 5 . 棚卸資産回転期間 = 棚卸資産 + ( 売上高 + 365 日 ) 4 . 財務レバレッジ = 総資産 + 自己資本 = 29 , 381 + 21 , 093 1.39 3 . 総資産回転率 = 売上高 + 総資産 = 27 , 297 + 29 , 381 0.93 8 . 製品競争力と原価低減力の賜物だろう。 たまもの の高さはなんと言っても、当期純利益率 12 % という信じがたい利益率によるものだ。 な財務体質が同居しているといえよう。 2 と 3 と 4 の積は ROE と同じになる。 ROE 上記の経営指標では、優良企業の典型的な結果となっている。高い利益率と健全 であるから、この決算書では純資産と同じ値になる。 こでは単年度のテータで計算した。自己資本は「純資産ー新株予約権一少数株主持分」 2 期間のテータがあれば、自己資本などは前期末と当期末の平均値を使うが、 補足

7. 会計の基本がわかる本

どちらが資産家だろう ・貸借対照表の右と左が必要な意味 ■目に見えるモノだけでなく、カネの出所も見れば実態がわかる 貸借対照表 ( バランスシート : B/S) の「貸借」とは、表の右側 ( 借方 ) と左側 ( 貸方 ) を意味し、借方と貸方が対照的に並んでい るという意味だ。左右に並べて書いてあり、 2 つの合計が一致する。 しかし、そもそもなぜ右と左があるのだろうか。次の例で考えよ う ( 次ページの図表参照 ) 。 ① A 氏は有名な資産家で、 1 億円の家を持っている。 ② B 氏は 2 , 000 万円の家を持っている。 さて、どちらが資産家だろう ? これだけで判断すれば、普通は ■左と右の意味をたとえると ば、返す必要のない資産は B 氏のほうが多いのだが・ あらためて、どちらが資産家だろう ? 「総資産ー負債」で見れ ② B 氏はコッコツ貯めた自己資金で家を建てた。 ① A 氏は 9 , 000 万円の借金をして家を建てた。 A 氏と考えるだろう。ところがよく調べると、次のことがわかった。 は所有割合を示しているともいえる。 ば、右はマイナスの財産といえる。あるいは、左の資産に対し、右 表と裏のようなイメージである。また、左がプラスの財産だとすれ 言い換えれば、左は実在するもの、右はその影みたいなものだ。 する意味がある。 ーこに右と左を併記 して見ようとするのが貸借対照表なのである。 だけで判断するのは早計である。資産とその資金の出どころを対比 の記録だけになり、外からは見えなくなる。だから、見かけの資産 金がモノに変わってしまうと、借金や自己資金というのは紙の上

8. 会計の基本がわかる本

生まれたときの貸借対照表は単純 貸借対照表の基本構造 資本金 100 100 負債純資産合計 1 00 100 計 金合 産 現資 貸借対照表の例 ( 花王 ) 2007 年 3 月 31 日現在 当座資産 動棚卸資産 産 その他 30 , 815 163 , 830 こ - 貸借対照表は右と左を比べて見る ( 個別単位 : 百万円 ) 流動負債 193 , 412 負 債 の 固定負債 31 1 , 602 部 48 , 571 505 , 015 株主資本 499 , 681 財 1 . 資本金 85 , 424 産 2. 資本剰余金 108 , 893 の の 純 有形固定資産 166 , 454 資 3. 利益剰余金 315 , 214 内 産 4. 自己株式△ 9 , 850 ち は 定無形固定資産 178 , 564 部 ど 資 評価・換算差額等 3 , 759 か っ 産 投資その他の資産 499 , 907 新株予約権 301 844 , 927 503 , 741 資産合計 負債純資産合計 1 , 008 , 757 1 , 008 , 757 ※表示内容は要約してある。なお、花王は繰延資産なし。 84 , 444 / 月し 資金の運用形態ー資金の調達源泉 負債 資産 純資産 バランス ・ 71

9. 会計の基本がわかる本

剰余金の例 ( キリンビール ) 資本金 ( = 元手 ) はたった 資産のうち約 41 % は 負債 = 人のカネ。 の 7 % にすきない。 2006 年 12 月期 ( 個別単位 : 百万円 ) 598 , 381 ( 41 % ) 壘貸借対照表は右と左を比べて見る 負債 I 株主資本 1 . 資本金 ( 7 % ) 102 , 045 2. 資本剰余金 ( 5 % ) 71 , 1 1 3 ( 1 ) 資本準備金 70 , 868 ( 2 ) その他資本剰余金 245 3. 利益剰余金 ( 43 % ) ( 1) 利益準備金 ( 2 ) その他利益剰余金 特別償却準備金 913 固定資産圧縮積立金 12 , 554 任意積立配当引当積立金 6 , 450 マイナス表記 金の例 別途積立金 494 , 367 利益剰余金 95 , 99 4. 自己株式 △ 26 , 796 782 , 153 ( △ 2 % ) Ⅱ評価・換算差額等 1 . その他有価証券評価差額金 94 , 080 △ 76 94 , 004 ( 6 % ) 2. 繰延ヘッジ損益 純資産合計 876 , 157 ( 59 % ) 負債純資産合計 1 , 474 , 538 ※ ( ) 内は負債純資産合計に対する比率。 総資産の 40 % 強が 過去からの利益の 蓄積 ! 資 産 25 , 511 資産のうち、株主の分は 約 53 % ( 59 % ー 6 % ) 。 ・ 99

10. 会計の基本がわかる本

負債の意味と分類 負流動負債 流動資産債 の 部固定負債 固定資産純資産 ( 資本の部 ) ・他人資本・・・返す必要がある資本 ・資金の提供者 = 債権者 ・自己資本・・・原則として返す必要 がない資本 ・資金の提供者 = 株主 三一貸借対照表は右と左を比べて見る 回 = 回 + 回 負債が増えると同額の資産が増える ②借入前よりも B / S の 総資産が増える。 ①借金をするとそ の金額が口座に 振り込まれて現 預金が増加する。 現金 負債 資本 借入金 資産 資本 総資産が大きいほうがよい企業というような 単純な判断はできない。 右側は資金の出どころ・・・どんなに資産 ( 運用 ) が多くても、返済期限のある負債に依存 していると運用が不安定になる。また、右側の負債を返すと きは、それに見合う左側の資産を削ることになる。 ・・・本来の債務者が債務を履行しない場合に、保証人となった人が 保証債務・・ 肩代わりする債務のこと。 MEMO ・ 87