2 たいぐん 葉のきれいなミルラ ( もつやく。においのある油をとる ) も多かった。 さいし ところで、ミデャンの祭司エテロは、イスラエル人たちがシナイにテントをはっていると聞いたので、すぐに むすめのチッポラと、そのチッポラとモーセのあいだのふたりのむすこをつれて、モ】セに会いにいった。 モーセは、妻の父エテロをむかえにテントを出ていき、そのまえに立って頭をさげて礼をして、それからくち つま こよろこびあった。そしてモーセは、エテロと妻とじぶんのふたりのむすことを、じぶんの づけをし、おたがい冫 テントにつれてきて、それからエテロにむかって、別れてからいままでにおこったことをはなした。エテロは、 かみ 神がイスラエル人に大きなめぐみをあたえられたことを、よろこんだ。そして、いった。 かみ かみ かみ 「いまこそ、わたしは知った。あなたがおがむ神は、エジ。フトの神そのほかすべての神より偉大なのだ。」 そしてエテロは、じぶんでいけにえをささけ、それから、モーセやアロンやイスラエルの長老たちといっしょ に食事をした。 たみおさ あくる日、かしこいエテロは、モーセが民を治めたり裁判したりしているのを見て、忠告した。 おも 「それは、ひとりの人が上に立ってするには、重すぎるしごとです。イスラエル人の中から、もっともすぐれ ちょう ちょう た人たちをえらんで、千人の長、百人の長、五十人の長、十人の長、となさい。」 ばっ たみ それにしたがってモーセは、民をみちびくために多くの掟をつくり、それをやぶるものには、それそれ罰をあ じゅうだい ちょう じけん たえることをきめた。すべて小さな事件では、かれがえらんだ長たちが、民をさばいた。ただ重大でむつかしい じけん 事件だけを、じぶんのところへもってこさせた。 わか たみ・ 何日かたって、エテロはじぶんの民のところへかえらねばならないといって、別れていった。イスラエル人の荒 大群は、それからもシナイの山々のみかけ石や斑岩のがけのあいだに、テントをはってくらした。モーセは、そ しよくじ つま あぶら はんがん わか ちょう さいばん おきて ちょう たみ あたま ちゅうこく ちょうろう いだい
399 ねんひ 念碑として、石の柱を立て、それからギルガルの町へいった。 その夜、サムエルが寝床で眠っていると、ゆめの中で神の声がきこえた。ゅめのしずかさの中で、けだかい声 がかれをよんだ。 「わたしは、サウルを立てて、わたしがえらんだイスラエルの民の王としたことをくいる。かれはわたしにそ むき、わたしの戒めにしたがわなかった。」 かな ねむ サムエルは目をさまし、その夜はもう眠らなかった。かれはサウルのたましいのために悲しみ、神にたいして くら なが は怒った。そして、夜あけまでの長い暗い時が流れるあいだ、たえまなくいのり、じぶんがふかく愛するサウル しゆっぱっ のために、とりなした。つぎの朝はやく、かれはサウル王のもとへ出発した。アマレク人が破れたのち、サウル ぐん 王の軍からわかれて家へもどるラマの町の人たちが、かれにおしえてくれたのでは、サウルはしばらくカルメル しようりきねんひ ぐん の町にとどまって、そこに勝利の記念碑をたて、いまでは軍をひきいてギルガルの町にいるということだった。 おも サムエルは、心が重くしずんでいたが、できるかぎりはやくすすみつづけた。ギルガルの町につき、ロ・ハにの ったまま、こみあった陣をとおりぬけて、王のテントまできた。そこで、いっしょにきたひとりの召使いを去ら せ、王の護衛のそばをとおりすぎると、ひとりで声もかけずにテントにはいり、サウルのまえに立った。 ひん テントの床には、アマレク人からうばったぶんどり品のうちでもっともねうちのあるものが、山のようにつみ じしん せき あげてあった。サウル自身は、おっきのものたちといっしょに、きかざって席についていた。その日は大きな祝 じしん いのうたけがもよおされることになっていて、かれ自身は、これから軍勢のまえにすがたをあらわすところだっ くらい た。軍勢は、かれが王の位につけられた神聖な石の輪のまえにならんで、かれがくるのを待ちかまえていた。 サムエルがはいっていくと、サウルはいそいで立ちあがった。かれは、年老いたサムエルの顔を見て、心がさ ぐんい ごえい ゆか はしら じん ねどこねむ しんせい かみ たみ ぐんい としお ゃぶ かお かみ めしつか 8 サウル
430 「おまえは、よろいをつけないで危険をおかしてはならない。」 けん それでダビデは、王のテントの中で立ったまま、サウルのうろことじのよろいとかぶとを身につけ、剣をよろ いの腰につるした。そして王は、みずからダビデをてつだった。ところで、サウルはおそろしくからだが大きい ぶそう 人だった。ダビデは、こうして武装すると、それまでにそのようなものを身につけたことがなかったので、重み になれるために、ひと足ふた足歩いてみようとした。しかし、歩くことができなかった。かれはため息をついて、 王をふりむいてたのんだ。 「よろいをぬがせてください。王さまがごじぶんのよろいをわたしにきせてくださいましたのは、ほんとうに めぐみぶかく思いやりのあるなさりかたでしたが、わたしはよろいをきなれていないので身うごきがとれません。 どうそ、わたしにふだんの身なりでゴリアテとたたかうことをおゆるしください。」 そしてダビデは、ヒッジ飼いの杖と石投げ器のほかには何ももたすに、サウルのテントからでていった。かれ がいってしまうと、サウルは、その場のなりゆきをすっと見ていた軍の長アブネルをふりむいてたすねた。 「アブネル、あの若ものは、だれのむすこか。」 すると、アブネルはこたえた。 「王さま。じつのところ、わたしにも、すこしもわかりません。」 そこでサウルはアブネルに命じた。 「あの若ものがどこからきたのか、しらべてはっきりさせるように。」 ぼうけん けつか しかん それから、王とアブネルは、士官たちをしたがえてダビデのあとにつづき、ダビデの冒険がどのような結果に なるかを見にいっこ。 こし わか わか っえ ぎけん 、しょ ぐんちょう おも
428 へつれていった。 隊長がテントにはいっていったとき、ダビデは外でサウル王の軍旗のわきに立っていた。やがて、隊長はダビ ぐんちょう デをテントの中によびいれた。そこには、サウル王が、軍の長のアブネルをはじめ、おっきのおもだった士官を したがえてすわっていた。ダビデは、王のまえに立った。そしてうやうやしく敬礼をした。たすねられると、心 に思っていることをすなおにはなした。王にむかって、じぶんが陣にきたわけや、ペリシテの戦士がイスラエル ぐん 軍にむかって戦いをいどんでさけんでいるのをたまたま聞いたことなどをはなし、またじぶんとしては、ただ心 に思っていたことを口にしただけであります、と王にいった。 「なぜ、イスラエルの人たちがみな、神の敵であるあの男にきもをつぶしておそれるのでしようか。王さまの しもべのわたしは、出ていって、あのペリシテ人とたたかいたいのであります。」 かお 王はダビデを見て、心の中で、まえにどこでこの顔を見たのだったかと、じぶんにたずねながらとまどった。 びようき しかし、かれがまえに病気でねていたとき、そのわきに腰をおろして、琴のしらべでかれの心の中の恐れやおび えをなぐさめてくれたヒッジ飼いの少年のことを、はっきり思いだすことはできなかった。それで、サウルは、 っこ 0 「たしかに、おまえに勇気があることはうたがいない。しかし、おまえがあの大男に勝つどんな望みがあるか。 わかぶき おまえはまだ年が若く武器をあっかったことがないのに、あのゴリアテは、槍をもっことができるようになった ゅび ときからずっと、戦争の中で生きてきたのだ。かれはおまえなどをばかにしながら、指のあいだでふたつにヘし 折ってしまうだろう。」 しかし、ダビデは王にうったえていった。 たいちょう せんそう ゅうき かみてき こし ぐんぎ じん こと やり けいれい せんし のぞ たいちょう しかん
くら あなそこ で立っていた。穴の底があっくるしかったので、出てきてふるえていた。それに、まっ暗なところにうずくまっ ぎず ていたあとだったので、日の光を見ると目がくらんだ。打ち傷だらけになっていて、手や足をうごかすこともで きなかった。 あに ョセフは、兄たちが、色の黒い、ずるいイシマエル人たちととりひきするのを、じっと見ていた。しまいに兄 ぎん たちは、銀二十枚でヨセフを売ることにして、その金をみなで分けあうのだった。それからイシマエル人たちは、 とう・ まだョセフの手首をしばっていたなわを、一頭のラクダのくらにむすびつけ、そして旅をつづけていくことにし あな ルべンは、夜になって穴のところへもどってきて、よんでみたが、そこにヨセフがいないことがわかったので、 ゅうぼくみん 心からくやんだ。そして、じぶんのきものを引きさくのだった。 これは、そのころの遊牧民たちが、ひどく かな 悲しいことやつらいめにあって、たまらない気もちになると、することだった。 きようだい ルべンま、 ; カつかりしてしまって、テントのところへかえってきて、兄弟たちとヒッジの群れとを見つけた。 おそろしいけものをふせぐために、とげのある木の枝で、まわりにかきができていた。ルべンはいった。 「あの子がいなくなった。おれは このおれは、どこへいったらいいんだ。」 ねむ - よ , だい だが兄弟たちは、眠っているふうをしたりして、こたえようとしなかった。 あくる日、かれらはヤギの子を殺して、その血でヨセフのきものをそめて、それからヒッジをつれて、父のと かおかな ころへかえることにした。やがてかえりつくと、父のテントへいって、顔に悲しそうな色をうかべて、父のまえ に立った。 父のヤコプは、何よりさきに、ヨセフのことを思った。だが、そのヨセフは見えなかった。気が気でなくなっ こ 0 てくび ころ えだ たび あに
を買いにエジプトにくるようになった。エジ。フトは、世界の倉庫になった。 とお たいしよう やくにん エジプト人たちだけでなく、遠い国々からラクダやロバを引いてくる隊商たちも、倉庫の役人に金をはらった きんこ から、そのうち王の金庫は金であふれそうになった。こうして、エジプトでは、みなが金持ちになり、みながた つぶりたべた。 エジ。フトのまわりの国々は、そうではなかった。カナンでも、ヤコブとむすこたちの住むテントのある、いっ しゅうかく もは水も多くみのりもゆたかなヘブロンの谷までもが、苦しんだ。収穫は、くる年もくる年も、だめだった。草 地は、どこまでいっても、枯れてはだかになっていた。家畜の群れは、草もかいばもたりなくなったので、死ん でしまいそうになっていた。ヤコブたちの食物はぐんぐんへっていって、たくわえも、すぐにおしまいになりそ うだった。だが、どこへいって、救いをもとめていいか、わからなかった。 こくもっ あるとき、ヤコブたちのテントに、ひとりの旅人がきて、はなした。エジプトには、穀物があってーーーしかも、 どっさりあって、いけば、だれにでも売ってくれるそうだから、じぶんもそこへむけていくところだ、というこ なんにん とだった。ヤコブのむすこの何人かが、それを聞いたのだが、そのことばをひとつひとつのみこんで、そしてだ まりこんでいた。 たびびと 旅人には、わずかの食物をだして、もてなした。その旅人が別れをつけて出ていったあと、ヤコプは、むすこ たちのほうをむいて、いった。 くらかお 「おまえたちは、どうしてそんなに暗い顔をして、おたがいに何かさぐりあうように、見つめあったりしてい こくもっ るのか。何というばかなことだ。あの男は、エジプトには穀物があって、ほしいだけ買える、といったではない 、 0 たべもの たべもの たびびと せかいそうこ くる たびびとわか かちくむ そうこ かねも とし
416 このことについては、サウル王の耳に何のうわさもとどかなかった。しかし、ある日サウルは、この二、三年 びようぎ かれの心をなやましている病気に、またひどくおかされた。かれはいまわしい思いになやまされ、それをおさえ つけることも、はらいのけることもできすに、何日も苦しみのうちにすごし、まわりにあるどんなものを見ても、 心をうごかす力もなかった。 そして、じぶんがアマレク人からうばった物にうずまって、ひとりでテントの中にいたとぎのことを、たえず おうこく よげんしゃ 思いだした。そのとき、かれは預言者サムエルのまえにひざまずいてゆるしをこい、サムエルは、かれの王国が かみ 長くはつづかないことと、かれが神にすてられたこととを、つげたのだった。 そのときから、かれは心のほんとうのやすらぎをうしなっていた。ほこり高いかれは、まえにはじぶんのたま えいきゅう しいを元気づけた神のめぐみの泉が、もう永久にひあがってしまったという思いを、はらいのけようとっとめた かん おそ が、それはできなかった。神にすてられたことを身にしみて感じ、恐れにとらえられた。 むかしにはかれにとってたのしくこのましかったものすべてが、いまでは、天を口に入れたようににがにがし ねっ くなった。わけのわからない恐れや、きみわるい予感に、たびたびおそわれた。テントの中によこたわって、熱 くる とお にのどをかわかして、光をいといながら、すべての人を遠ざけて、死んでこの苦しみをまぬかれたいとねがった。 ひる 昼も休むことができず、夜もやすらかに眠れなかった。 重いまぶたがとじてうとうとしはじめるとすぐ、いまわしく恐ろしいゅめが、心にむらがりおこって、むだに たす 助けをもとめながら、恐ろしさのあまり目をさますのだった。朝すっかりあかるくなってからでさえ、ぎゅうに とう・ きようふ 恐怖にとらえられ、冬のやみ夜に塔の上にいる見はりのように、おどろきの目をひらいて見つめながら、まるで てきお ゅうれい 敵に追いかけられるか、恐ろしい幽霊がひとりきりのかれのところへあらわれるかしたかのように、気ちがいじ おも かみ かみ いずみ ねむ もの くる
116 したく エジプト王のとくべつの、 しいつけにしたがって、ヘ・フロンの谷をすてて出ていく支度が、いそいですすめられ 長いあいだ平和にくらしたへ。フロンの谷だったけれど、いまは長い日でりつづきで骨のようにからから かちく になっていた。かれらは、生きのこっていた家畜たちをあつめ、ロ。ハたちには、テントや衣類や、そのほかこの カナンでもっていたいろいろなものを、荷にしてのせた。 きめられていた日には、まだ夜もあけぬうちから、小さな子どもたちもおきて支度をしながら、うれしくて、 ははおや にぐるま むね 胸をわくわくさせていた。その子どもたちも、また赤んぼを抱いた母親たちも、エジプトの荷車にのった。エジ かなぐ プト王の馬と、びかびかの金具のついた皮の馬具には、目をまるくしておどろいた。 ぎよしゃ 日はのぼった。朝のつゆも、きりも、消えていった。 / 御者のさけびと、むちの音とが、ひびいた。馬たちはい さましく足ぶみをはじめた。 車のうえの子どもたちの、はでな色のきものや、にこにこした顔などを見ていると、まるで大きな花の群れが、 ゆれてうごいているようだった。そのようにして、朝あけの光の中で、よろこびにあふれたおおぜいの人たちが、 んしん 前進をはじめたのだった。しずかな、すがすがしい空気には、みなの話し声や笑い声、ヒッジのなき声、牛のう ばんけん なり声、ヒッジの番犬のほえ声などが、鳴りひびいていた。馬のひづめや車のわだちから、ほこりが雲のように わきあがり、とおりすぎてしまうと、しすかに下へおりてきた。 そのようにして、カナンの地方のいちばん南の町のべエルシバへきた。もう二度と、ここへもどってこないも のも、このうちにはあるかもしれなかった。 そこで野営のテントをはって、とまることにした。ヤコプは、いけにえを神にささけて、心のそこから、神の かんしゃ 大きなめぐみに感謝をささけるのだった。ここは、ヤコプがうまれた土地であった。 やえい かわばぐ かお かみ わら したく かみ
436 ぐん イスラエルの軍は、そこからひきかえした。そして、ペリシテの軍を追うのをやめてもどってくると、そのテ もの じん ントを荒らして、たくさんのねうちのある物をうばった。そして、うばった物をもって、じぶんの陣にもどった。 やりな やりけん しようりぎねん そして、ゴリアテのよろいは死がいからはぎとられ、かれの槍や投げ槍や剣といっしょに、のちに勝利の記念と してエルサレムの町におさめられた。 ぐん タビ一アま、。 ヘリシテ人を追うのをやめてもどってくると、軍のかしらアブネルのところへつれていかれた。そ してアブネルは、かれをサウルのまえにつれていった。サウルのむすこョナタンは、父王といっしょこ 冫いた。ダ け ビデは、ゴリアテの首を手にして王のテントにはいり、かれらのまえに立った。サウルは、・ コリアテの血の気が しにがお かん なく黒ずんで目をとじた死顔から、ダビデのいきいきとかがやき元気にあふれた顔に目をうっして、おどろき感 しん 、いしこ。 かれはダビデに、だれのむすこかということや、そのほか多くのことをたずねた。ダビデは、じぶんがべツレ わす ヘムの村人工ッサイのむすこであることをつげた。すると、サウルの心に、まるで目がさめてから忘れてしまっ ていたゆめのように、 いっかの思い出がよみがえってきた。あのとき、かれはおびえおそれ、心もみだれてうす ぐら こといと 暗いテントの中によこたわり、ダビデの琴糸のしらべだけをなぐさめとしていたのだった。 ねっしん サウルは、そのことについては何もいわなかったが、ダビデと長いあいだ熱心にはなし、いろいろなことをた びようき ずねた。そしてダビデは、ありのままにうちあけてはなした。ョナタンは、父が病気のあいだそのそばをはなれ ちか ていたが、いまは父の近くに立ち、ダビデの顔を見つめながら、ダビデがはなすひとことひとことにだまって聞 むね きほれていた。かれの胸はダビデのすなおさやいさましさをたたえる気もちでいつばいになり、心はダビデにひ にんげん きつけられた。かれはーーー愛する人間はだれでもそうなのだがーーひと目でダビデを愛した。そして、おたがい あ くび お し かお ぐんお もの かお ち
せいンの地へつくまで、運んでいくことになった。 そこへつけば、父のヤコプが眠っているシケ えいぎゅう ムの墓で、永久にやすらかに眠ることになる のだ。 イスラエル人たちは、ぐんぐんすすんだ。 たいぐん おどろくほどの大群をつくって、ゴセンから 東へ東へ、開拓されていた細ながい土地をつ たっていった。そこには、ラメセス、スコテ、 。ヒトムなどという、エジプトにとらえられて いたイスラエル人たちが長いあいだかかって きすいた大きな町があった。その道は、モー セの子どものころエジ。フト王がナイル川と海 をつなぐために掘らせた真水の運河にそって よっか いた。そこをいくのに、たっふり四日かか た。夜がくるとテントをはって野営し、朝が くると旅のじゅんびをととのえて、すすんで いった。できるかぎり道をいそいだのだが、 のろのろするヒッジや牛と足をあわせなけれ はか たび かいた ~ 、 はこ まみすうんが ほそ ねむ ねむ とち