見つめ - みる会図書館


検索対象: 旧約聖書物語
143件見つかりました。

1. 旧約聖書物語

355 よげんしゃ 「まことの預言者だ ! 」 おじはそういうと、サウルをしげしけと見つめながらたずねた。 よげんしゃ 「はなしなさい。預言者はおまえになんといわれたのか。」 サウルは、つこ。 よげんしゃ 「預言者は、わたしをていねいにむかえて、ロ。 ( は見つかったから、もう気にすることはない、 た。あの人は、何もかも知っておられたのです。」 ほんの一日まえ おじは、もっと多くのことをサウルにたすねたが、サウルはそのほかは何もつけなかった のじぶんとサムエルのあいだの話の中の秘密については、ひとこともいわなかった。あのとぎ、朝日の光がさし あぶらきょ よげんしゃ そめた中で、偉大な預言者は、サウルの頭を油で清めて、かれをイスラ = ルの王とよんだのだった。 まいにち とりいれがはじまる季節が近づいて、毎日のように晴れた日がつづき、カナンの地のム それからまもなく ちほう ギ畑がみのりはじめたときー、・、サム = ルは、イスラ = ルの人びとをベ = ヤミンの地方のミズバによびあつめた。 しぞく ( 2 ) とお くる日もくる日も、くる時間もくる時間も、近くから遠くから人びとがあつまってきた。すべての氏族、すべて ぎようれつ の家族のおもだ 0 たものが、召使いをつれていた。かれらは、わき道で出あ 0 ていっしょになり、長い行列をつ くってゆっくりとすすんでいた。かれらのそばには、荷はこびのけものたちが荷物をつんでしたがっていた。 ばしょ しやめん おか 人びとは、ミズバの丘のひろい斜面にテントをはって野営の場所をつくった。そしてけものたちに足かせをか ル ばしょちか ウ け、野営の場所の近くに荷物をまとめてつみあげた。 ひろば しんでん サム = ルがさだめた時間に、人びとは群れにな 0 てあつまり、神殿のとびらのまえの広場の地面に、足を組んサ ぶぞくしぞく やくそくはこ ですわ 0 た。その神殿の聖所には、「約東の箱」がおいてあるのだった。かれらは、部族や氏族ごとに、順序正 にもっ めしつか ひみつ ちか きせっちか にもっ じめん といわれまし じゅんじよただ

2. 旧約聖書物語

づいていった。エバは、日の光がまだらに射しこんでくる木かげにすわっていた。いましがた、つめたい流れの なが 水をあびてきたところだったので、あたりにみちあふれている昼の光のあたたかさが、気もちよかった。流れで うつく は、ラハは水にうつったじぶんのすがたを見て、美しいと思い、そして神をたたえたのだった。ヘビは、ひらべ あたま ったい頭をあげて、かみの毛をなでつけているエバをじっと見つめた。 「あんたのアダムさんは、どこへいったの。」 エバは、アダムはふたりでたべるために、くだものをあつめに林の中へいった、とこたえた。 ヘビは、はだのうろこを波うたせながら、身をかがめた。 その 「けれど神さまは、あんたとあんたのアダムに、『この園のどの木の実もたべてはならぬ』といわれなかった のかね。」 エ・ハは、ヘビがそんなことをいうのを、ふしぎがりながら、ちょっと笑った。 いえ、わたしたち、園のどの木の実をたべてもいいの。ただ、まん中にある、あの木の実だけはたべてな らないの。神さまはいわれた。『あれをたべてはならぬ。死にたくないなら、ロにいれるな ! 』ー その あたま 園はしずかだった。かれらの頭の上では、昼まえのすばらしい青空に、日の光がみなぎってかがやいていた。 ものおと たいよう 木々や山のかげは、太陽のうごきにつれて、うごいてした。小 、 - 鳥のさえすりのほかには、なにひとつ、物音はこ かみ こにきこえてこなかった。ヘビは、頭をのけそらせて、ひややかでじっとすわった目で、神がこの地上につくら 園 の ン れたもののうちでいちばん美しいエ・ハを、つよく見つめた。 「ほう ! 神さまは、そんなことをいわれたのかね ! けれど、ほんとうのことをいえば、あんたたちは死ん = だりするものか。ただ神さまが知っておられることはね、もしあんたがあの木の実をたべたら、あんたにはすぐ かみ かみ かみ かみ なみ その うつく あたま ひる ひる かみ わら

3. 旧約聖書物語

235 かん りすると、うたがわれてもしかたあるまい。ふたりは、旅人をむかえてくれそうな感じの家を見つけたので、戸 をたたいて宿をたのむことにした。その家には、ラハブという女が住んでいて、じぶんで戸をあけた。もってい しようばい たラン。フでふたりの顔を見つめてから、入れてくれ、商売を聞き、どうそおとまりなさい、といった。パンと・フ ドウ酒をだして、ふたりにすすめて、部屋を出ていった。 ばんにん しかし、ふたりは気づいていなかったけれど、東門の番人のかしらは、ふたりが町にはいったのを見ていて、 ス。 ( イでないかといううたがいをもって、この女の家まで、あとをつけてきたのだった。こうして、ふたりのヘ おこ ほうこく リコの王のところへとどき、王は火のように怒った。ただちにと ブライ人が町にしのびこんだという報告が、エ ごうもんやくにん めいれい らえて引きたててこいと命令し、拷問の役人どもにもじゅんびさせた。 きゅうこう それで、一隊の兵士がすぐにラ ( ブの家へ急行して、戸をたたいた。かれらがくるのを窓から見つけたラ ( ・フ きけん しよくじ ようじ は、どんな用事できたのか、さとった。いそいで、ふたりのスパイが食事しているところへかけつけて、危険が せまっていることをおしえた。そしていった。 ようじん いっこく 「すぐにわたしについてきてください。よく用心して、一刻もぐずぐずしないで。」 じようへき そして、じぶんがさきにたってかけだして、その家のひらたい屋根の上へふたりをつれだした。家は町の城壁 のはら の上にたてられていたので、この屋根からは、町のそとの野原を見わたすことができた。ラ ( プは、そこにふた りをかくしてやることにした。かわかして布におるためにならべてあったアサのたばを、ふたりのうえにのせた。 あとから、じぶんがまたくるまでは、身うごきもせず、ひそひそ話もしないように、じっとからだを伏せている野 ちゅうい ようにと、注意した。 それからラ ( プは、かけおりて兵士たちに戸をあけた。兵士は、おどかしながら、たすねた。ラ ( プはこたえ しゅ やど たい かお ぬの たびびと まど

4. 旧約聖書物語

とになる。そう思うよりほかはないのだ。そして、人質としてのこしていたひとりは、死刑にする。』 それで、シメオンはのこされて、わしたちは、大いそぎでかえってきたんです。」 きようだい ヤコプは、これを聞くと、はけしく兄弟たちを責めた。 わる 「わたしは、おまえたちに何も悪いことはしておらぬのに、どうしておまえたちは、わたしの子どもたちをう ばってしまうのか。ョセフがいなくなった。シメオンもいなくなった。そしてこんどは、おまえたちは、べニヤ ミンをわたしの手から取っていこうとする。わたしに、こんなにわざわいがふりかかるのに、わたしはどうする こともできないのか。」 かな ルべンは、父のことを思うと悲しくなった。父のそばへよって、なぐさめた。 「もし、わしにべニヤミンをあすけてくださったら、きっとぶじに安全につれてかえるということを、約束し ます。 もし、わしがその約東をやぶりましたら、わしが家にのこしたふたりの子どもを、殺してください。わしには、 この世の中でいちばんだいじなものなのですけれど。」 それでもヤコプは、よこをむいて、返事をしなかった。 こくもっ ところで、そのあとすぐ、兄弟たちがロ。ハの荷をおろしていると、ひとりのこらずのふくろの中に、穀物には らった金がかくされているのを見つけた。かれらは、きもをつぶしてしまって、おたがいの顔をじっと見つめあ 、わざわいをおそれて、生きた心もなかった。 きようだい 兄弟たちは、このことを父にはなした。そして、すぐにエジプトへひきかえさしてくださいとねがった。けれ ど、父はどうしてもゆるさなかった。 やくそく きようだい へんじ ひとじち あんぜん ころ しけい かお やくそく

5. 旧約聖書物語

346 立ちどまって見つめた。すると、心の中で、耳にはきこえない声がひびいた。 「見よ。これこそイスラエルの王である ! 」 サムエルの心はよろこびにみたされ、サウルが近よるまで、道の上で待っていた。 サウルは、サムエルのまえにひくく身をかがめてあいさっした。サウルはたずねた。 よげんしゃ 「わたしはきよう預言者が町においでになるということを聞きましたが、そのかたの家をおしえていただけま しようか」 サムエルは、サウルを見て心の中でおどろきながら、その顔をふりあおいだ。かれの愛するむすこたちは、も はやよびもどすことができないほど、かれにそむいてしまっていた。そのむすこたちのために、かれは人びとか わか ら責められることになっていったのだった。かれは、この見知らぬ若もののりつばさにおどろいただけでなく、 あいじよう かん ふかい愛情としたしみを感じながらこたえた。 よげんしゃ 「あなたがさがしもとめている預言者というのは、わたしのことです。わたしはあなたがここへくることを知 めしつか っていましたし、あなたにはなしたいことがたくさんあります。きようは、あなたとあなたの召使いをわたしの きやく しんせい お客にしますから、わたしとともに神聖なところでの祝いにおいでなさい。うたけはもう用意ができているので す。あした、わたしはあなたひとりとはなし、あなたがわたしにたずねたいと思っていることに、すべておこた む えしましよう。あなたがこの三日のあいださがしもとめてきたロバの群れについては、もう心にかけることはあ りません。そのロバは、とっくに見つかったからです。」 サムエルはことばをとぎらせたが、やがてふるえる手をサウルの腕にかけると、つけくわえていった。 「ひとつだけ、あなたにいいたいことがあります。じぶんのむに問いただしてこたえなさい ! イスラエルの みつか み ちか うで あい

6. 旧約聖書物語

王は、天蓋の下の壇の上に腰をかけていた。そのまわりには、神官たちゃうらない師たち、それから貴族や高 ちか せいりよく 官たちが立ちならんでいた。かれらは、知恵や勇気や勢力があるものとして、王につかえるために、近いところ ( 8 ) とお からも遠いところからも、あつめられていて、中にはシリアやエチオビアやヌビアからきていたものもあった。 ぎよくざこがね うつく 王は、黄金や色とりどりの石などでかざった美しいアサのころもをきていた。玉座は黄金でつくられていた。 あたま ひたいの両がわには、黄金でつくったヘビが頭をあげていた。王の両わきには、大きなおおぎをもってあおぐ役 が立っていた。 けいれい ョセフは、そこへみちびき入れられると、まず王のまえで、顔を床につけるまでひくくさけて敬礼をして、そ れから立ちあがるのだった。すると王は、もっと近くよってくるようにと命じ、おごそかな顔つきをしてョセフ を見つめてから、はなしかけた。 かん 「わたしは、ゆめをみたのだ。わたしは心のそこでは、それには重大な意味があることがたしかだと感じてい る。それゆえ、早くその意味を知らなければならないのである。 しかしながら、わたしの神官やうらない師の中には、だれひとりとして、その意味を解くことができるものが わたしが聞くところによれば、おまえはうまれつき、ゆめの意味をさぐる力をそなえているということである。 ゅめは、あやしいものであって、人をまどわす。しかしおまえは、それを見ぬいて、ゆめが何を告げているかを 知るということである。しかと、さようであるか。」 そこでヨセフは王にこたえた。 かみ 「ゆめを解きあかす力は、神のものでございます。そして、その力をもたれる神だけが、ゆめの中に何がある かん てんがい りよう こがね だん こがね しんかん ゅうき かおゆか しんかん りよう じゅうだい かみ かお ぎぞく こ 5 3 ョセフ

7. 旧約聖書物語

203 なさけ 大臣たちも、よびあつめられた。みな、あわてふためいていた。情ない顔をして、胸のいたみに苦しみながら、 王のまえに出てきた。 ま夜中ではあったが、急の使いが、モーセとアロンをよぶためにゴセンへおくられた。ふたりは、すぐに王の きゅうちゅうじじよしんか まえにあらわれた。宮中の侍女や臣下たちは、そのときふたりを見ると、恐れにとりつかれてしまって、走って にげた きゅうでん かな 宮殿じゅうは、なげき悲しむものの声で、はりさけるかと思われるほどだった。あかるい月の光は、金でかざ ・こ、りせき きぞく られた大理石のうえにかがやいていたが、貴族たちは、ふたりのヘブライ人をちらと見ると、目をそむけた。工 おおひろま ジプト王はどうかというと、高い壇からおりてきて、大広間のまんなかのところまで出て、ふたりに近づこうと すすんでいくようすを見せていた。 けれど、すこし手まえのところで立ちどまって、悲しみでこわばってしまった顔つきで、だまったままふたり しようき を見つめ、まえにすすもうとはしなかった。正気をなくしてしまったような声で、はなしかけた。 し ) っことを聞し 「よんだのは、おまえたちと、じかにはなしあいたかったからだ。わたしは、おまえたちに、、 かみき てほしいのだーーーおまえたちが、神に聞いてほしいようにな。 ぐずぐず朝まで待たずに、イスラエル人をみな、かきあつめて、エジプトからつれて出ていってくれ。イスラ エル人のもちものは、ひとつもあとにのこさぬようにしてほしいーーー・子どもたちも、ヒッジも牛も、そのほか何 もかも、もちものや、また、ほしいものは、運んでいくのだ。 いってくれ。おまえたちは、神の祭りをせねばならぬといったが、そのとおりにしてくれ。」 かお そこまでいって、ちょっとよこをふりむき、からだをかがめ、それからまた、やせこけた顔をあけて、もえる だいじん ぎゅうつか かみまっ だん はこ かな かお かお むね くる ちか

8. 旧約聖書物語

268 ください 食らうものから食いものがうまれ、 強いものから甘いものがうまれたとは ? 」 こま まゆ 人びとは、みなむつつり眉をよせて、さも困ってしまったようにかれを見つめていたが、やがてそっと合図し ミしよう こた て立ちあがって、あざけるように答えを合唱した。 「蜜より甘いものは地の上に何もない。 蜜を生む、いちばん強いものはライオンだ。 たにま サムソン、この答えに何かいうことがありますか。あなたが谷間にかくした死がいのところにまいもどりなさ しようひん 。あなたは、賞品のきものも、あの死体の中で見つければいいでしよう。」 サムンンは、じぶんのまわりにあざけりをこめて立っている人びとの顔を、つぎつぎにゆっくり見まわしてい かおしようめん じよほおまゆそ あたま たが、さいごによこをふりむいて、妻の顔を正面からのそきこんだ。かの女は頬と眉を染め、頭を花でかざって、 せぎ かれのわきの席についていた。そして、そ知らぬ顔でかれを見かえしたが、手はふるえていた。かれは、心の中 ではけしい怒りと、ひそかなさげすみとをおばえながら、みなにいった。 「なるほど、ことのなりゆきはわかった。あなたたちは、一人まえの男の知恵を、もっていなかったので、そ っと出かけていって、この女を味方にひきいれたのだ。」 かれは、妻がじぶんをうらぎったことや、客たちがねじけた、いやしい方法でじぶんをだましたことで怒りに ゅうき もえながら、じぶんの部族の若ものでじぶんといっしょにいく勇気のあるもの何人かといっしょに、その夜のう ちに立ち去った。そして、日の出まえに、。 ヘリシテ人のおもな町アシケロンにくだっていった。その町の塔のあ みつ みつう つま あま こた あま ふぞく つよ わか みかた つま したい きやく かお かお ほうにう

9. 旧約聖書物語

こく、もっ めている領地で、そこでとれたムギなどすべての穀物の五分の一をあつめて、主だった町にたてた倉庫に入れて おく義務があります。 こくもつあん懸ん そのようにしまして、ひじようにたくさんの穀物が安全にたくわえられますが、それには王さまの封をはって しまいまして、ゆたかな七年のあいだは、すこしでも取りだしてむだに使ったりしてはなりません。 そうこ それから、不作の年がまいりますならば、倉庫のとびらをひらいて、こまっている人たちは金をもって食物を 買うことができるようにいたします。こうするならば、不作のわざわいをふせぐことができます。そして人民た ちは、すべてのものの父である王さまのお知恵と見とおしを、たたえることになります。」 ちえ ョセフがいったことにふくまれた知恵は、かんたんで、だれにもわかるものだったけれど、それでも、こんな かお に若いものにしては、おどろくほどするどい、ものごとの見とおしだった。かれの顔も、心のはたらきでもえて、 かがやいていた。かれの声は、心の中にささやきかける神の声を、くりかえしているようにひびいていた。かれ しんじっ は、ただ真実だけをもとめて、ほかのことは、すこしも気にしたりおそれたりしないようであった。エジプト王 ちゅうい ねっしん は、たいそう注意ぶかく、熱心にヨセフを見つめていた。この王も、ひろい心をもっていて、じぶんがおよばな ちえ い知恵を、まるで月が太陽から光を受けるように、よく受けいれることができるのだった。 しばらくして王は、目をョセフからそらして、まわりの宮仕えのものや大臣たちを見まわした。かれらも、み なおどろいていた。 そしてエジプト王はいっこ。 「いったい、わたしの国のどこをさがせば、この若ものよりももっと知恵と判断がすぐれ、そして神の心をや どしているものが、いるであろうか。いや、これとおなじほどのものさえも、 いないであろう。」 わか ぎむ わ・よ ~ ノッノ ふさく とし たいよう わか かみ ふさく みやづか つか だいじん はんだん かみ ふう じんみん しよくもっ

10. 旧約聖書物語

あた つけたものだから、がつがっしながら、雲のうずまきのようになって、わたしの頭の上へ飛びおりようとしまし たいぐん た。わたしは、おどかして追っぱらうことができなかったのです。それで鳥どもは、大群をつくってさっとまい おりてきて、かごをひっかきまわし、中のものをすっかりたいらげてしまったのです。 くら おしえてください。もし、 しいゅめなのだとしたら、どうして上の空がまっ暗で、わたしのいちばん上のかご におおいがなかったのでしようか。」 これを聞いたヨセフは、こまってしまって、顔をそむけて、こたえようとしなかった。料理長の顔はあおざめ てきた。けれど、どうかはなしてくださいとヨセフにたのんだ。ョセフは、とうとうはなすことにした。 かな 「おゆるしねがいたいのです。悲しいことに、あなたのゆめの意味は、こういうことなのです。三つのかごと えだ みつか みつか いうのは、ブドウのつるの三つの枝とおなじように、三日ということをしめしています。きようから三日たてば、 王さまは、あなたをこの牢からよびだされるでしよう。けれど、それはいし 、ことではないのです。王さまは、何 にくほね か罪を見つけたので、怒りにもえて、あなたを木につるされるでしよう。空の鳥どもが、あなたの肉を骨のとこ ろまでつついてたべるでしよう。」 きゅうちゅう えんかい すべてのことが、ヨセフがっげたとおりになった。三日のちに、王は宮中のものをすべてあつめて、宴会をひ くらい やくにん きぞく えんかい らいた。それは王の誕生日だったのだ。位の高い役人や、貴族や、地方の領主などが、その宴会にまねかれた。 まっ エジ。フトの国じゅうが、お祭りさわぎだった。 やくにんめしつか 王は、いつもの誕生日のならわしどおりに、じぶんにたいして罪をおかした役人や召使いたちを、よびあつめ ぎゅうじちょう るのだった。あるものには、罪を見のがしてやったり、ゆるしてやったりした。その中には、給仕長もはいって きゅうじ いた。かれは、むかしのとおりの、お気に入りになって、王が食事にむかったとき、そのそばに立って給仕した。 つみ たんじようび たんじようび ろう つみ かお みつか しよくじ つみ りようしゅ りようりちょうかお