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検索対象: 統合マネジメントシステムのつくり方
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1. 統合マネジメントシステムのつくり方

境だけを特別待遇でマネジメントするためのものではない . 組織の全体のマネ ジメントシステムを , 「環境」という側面から見たらどういう内容になっている かを示したもの , いい方を換えれば , 組織のマネジメントシステムを「環境」 という切り口で切ったらどういう仕組みになっているかを示したもの , と考え るべきであろう . つまり , マネジメントシステムに関する基本的な要求事項は本来同一のもの であり , この運用のために用意される個別のマネジメントシステムの内容の間 に矛盾がなく , またそれぞれは両立できるものでなければならないはずである . 2.4.2 リスクマネジメントの要素をもっている 企業は , その事業活動を通して , 各種の社会的責任を果たさなければならな い . それは , 品質 , 環境 , 労働安全衛生 , 情報 , 財務などすべてに関係してく る . 例をあげれば , ①顧客が満足する製品を提供する責任 この中には , 単なるクレーム処理のみならず , リコール , 製造者責任 ( PL = Product Liability) なども含まれる . ②地域及び地球環境保全に関する責任 公害訴訟や賠償のみならず , ボランティア活動及び自治体や企業のグ リーン調達方針などにも関係してくる . 情報公開も求められる . ③従業員 , 下請負業者などに労働安全衛生を保証する責任 事故 , 傷害だけでなく , 作業環境自身が問われる . ④情報を管理する責任 個人や私企業の情報の流出 , 第三者のコンピュータ侵入によるデータ破 壊が大問題となる . いずれも , この社会的責任が果たせない時には企業に損害を与えるというリ スクが存在する . このリスクを低減あるいは回避できないと , 企業は大きな損 失をこうむることになる . すなわち , IS09001/ISO 14001 / OHSAS18001 はどれも共通してリスクマ 2.4 両立性 (compatibility) 及び共通性について 25 第 2 章 各マネジメントシステム規格の要求事項概説及びその比較

2. 統合マネジメントシステムのつくり方

なり , 経営を理解する将来の幹部候補社員を育成できる . 1 つのマネジメントシステムをもつ方が , 従業員にとってもわかり易いし , 品 質 , 環境 , 労働安全衛生その他のいろいろ異なる業務に従事していたとしても , 組織としての一体感が得られ易い . 違う業務を担当していても , マネジメント システムについては同一の言葉で話せることになり , 意思の疎通がとり易いか らだ . 考えてみると , かって品質を担当する者と安全を担当する者の業務上の接点 などは殆どなかった . あるいはその間の人事交流などゼロに等しいという企業 がけっこう多い . この意味で , 言葉の統一化 , さらには考え方の統一化も進み , マ 統合マネジメントシステムをつくることは , マネジメントつまり経営の一本化 ン メ に極めて役立っことになる . ン ト とすると , 統合マネジメントシステムの規格を , 例えば ISO が作成すればよ ン いではないかとの意見も出てくるかもしれない . 事実 , ISO でも統合マネジメ ス ントシステムを作成すべきとの議論はある . 規格をつくる側 , あるいは規格を ム 商売に用いる者 , 例えば審査登録機関などは統合マネジメントシステム化に賛 成している . 化 しかし , これを使う側 , 例えば企業などでは賛成意見は意外と多くない . 理 由は , 品質マネジメントシステム , 環境マネジメントシステム , 労働安全衛生 マネジメントシステムなどの対象あるいは利害関係者が異なることに起因して いるようである . それぞれの規格の目的 , 対象などを比較してみると , 表 3.1 表 3.1 各マネジメントシステムの目的及び対象 対象 システム 顧客 , 消費者など 品質 顧客満足 環境 地球環境保護 , 住民保護 住民 , 自治体など 従業員 , 労働組合など 労働環境保護 労働安全衛生 財務 財務健全化 , 情報開示 投資家など 従業員 , 投資家など 企業基盤の強化 リスク 第 3 章 Ⅱ 1 3.2 総合マネジメントシステムのメリット / デメリット

3. 統合マネジメントシステムのつくり方

表 2.2 区 58 分 ISO 9001 : 2000 6.2.1 一般 6.2 人的資源 すことによって向上する . 照 ) . て該当する記録を維持する ( 4.2.4 参 e) 教育 , 訓練 , 技能及び経験につい きるかを認識することを確実にする . 達成に向けて自らどのように貢献で 意味と重要性を認識し , 品質目標の d) 組織の要員が , 自らの活動のもつ を評価する . c) 教育・訓練又は他の処置の有効性 訓練し , 又は他の処置をとる . b) 必要な力量がもてるように教育・ する要員に必要な力量を明確にする . a) 製品品質に影響がある仕事に従事 組織は , 次の事項を実施すること . 6.2.2 力量 , 認識及び教育・訓練 ること . 及び経験を判断の根拠として力量があ る要員は , 関連する教育 , 訓練 , 技能 製品品質に影響がある仕事に従事す ISO 14001 : 1996 著しい環境影響の原因となりうる作 際に予想される結果 . d) 規定された運用手順から逸脱した めの役割及び責任 , ムの要求事項との適合を達成するた 事項を含む環境マネジメントシステ に緊急事態への準備及び対応の要求 c) 環境方針及び手順との適合 , 並び による環境上の利点 , しい環境影響 , 及び各人の作業改善 b) 作業活動による顕在又は潜在の著 することの重要性 , ジメントシステムの要求事項に適合 a) 環境方針及び手順並びに環境マネ しなければならない . 事項を自覚させる手順を確立し , 維持 おいてその従業員又は構成員に , 次の 組織は , 関連する各部門及び階層に ていることを要求しなければならない . うすべての要員が , 適切な訓練を受け い影響を生じる可能性のある作業を行 ければならない . 組織は , 環境に著し 組織は , 訓練のニーズを明確にしな 4.4.2 訓練 , 自覚及び能力

4. 統合マネジメントシステムのつくり方

辰巳製作所株 TMS ー 62201 1. 適用範囲 教育訓練規定 制定 改定 2001 ー 03 ー 23 1 / 9 頁 第 1 版 この規定は , 当社及び構内外注先の従業員を対象として , 教育訓練のニーズ及び 必要とする能力を明確にし , そのための具体的な教育訓練及び能力付与の計画につ いて定め , かっこれを実行し , 管理するための手順について規定する . 2 教育訓練及び能力のニース 教育訓練及び能力のニーズを , その業務に応じて次のように定める . 幻 2 根拠として能力があること . これらの業務を行う者は , 教育 , 訓練 , 技能 ( 又は資格 ) 及び / 又は経験を判断の 2.2.2 著しい環境影響の原因となり得る作業・業務を行う要員対象 これらの業務を行う者は , 「環境関連法規及び技術コース」の訓練を受けている 2.2.1 環境に著しい影響を生じる可能性のある作業・業務を行う要員対象 2.2 訓練及び能力 ( 4 ) 運用のための規定・管理基準から逸脱した際に予想される結果 . に各人の作業改善がもたらす環境及び品質上の利点 . ( 3 ) 作業・業務が実際に , 又は潜在的にもつ著しい環境や品質への影響 , 並び 又は貢献すべき役割及び責任 . 環境マネジメントシステムの要求事項との適合を達成するために果たすべき ②社長方針及び目標 , 各規定・管理基準 , 並びに緊急事態対応手順を含む することの重要性 . ( 1 ) 社長方針及び社内の標準類並びにマネジメントシステムの要求事項に適合 項を認識させるための「 IS09000 及び 14000 入門コース」を受講する . 関連する各部署及び階層の要員 ( 当社及び構内外注先の従業員を含む ) は , 次の事 2.1 全従業員対象の認識させるための教育

5. 統合マネジメントシステムのつくり方

辰巳製作所株 第 1 版 TMS- 62201 2.2.3 製品品質に影響ある作業・業務に従事する要員対象 これらの業務を行う者は , 教育 , 訓練 , 技能 ( 又は資格 ) 及び / 又は経験を判断の 根拠として能力があること . 3. 教育訓練の受講及ひ業務の実施 教育訓練又は能力があることの認定は , 該当の職務につく前 , あるいはついた時 から原則として 1 年間以内に受けるものとする . それ以前の業務遂行期間中は , 既 に従事している者の指導の下で業務を行い , 実務を修得する . 4. 教育訓練の種類 , 対象者及び内容 4.1 日 S09000 及ひ 14000 入門コース」 ( A コース ) ( 1 ) 内容 : 1 ) ISO 9000 及び 14000 シリーズの要求事項の概要 . 2 ) 社長方針及び目標 , 各規定・手順の概要 , それを守ることの重 要性 , 並びに違反した場合に予想される結果 . 3 ) 社長方針及び目標 , 緊急事態対応を含む各規定・手順との適 合を達成するための役割及び責任 . 4 ) 各作業・業務が実際にもつ , 又はもち得る著しい環境及び品 質への影響 , 並びに各業務の改善がもたらす環境及び品質上の利 点 . ②対象は全要員とする . 但し , 外注先従業員に対する教育は , 当社からその コースを受講した外注先の管理者が行うことを原則とする . ( 3 ) システム統括課が主管し , 社内又は社外の講師によって行う . 時間は 2 時 間以上とする . 4.2 「環境関連法規と技術コース」 ( 1 ) 著しい環境側面 ( アウトブットのみを対象とする ) に関連する下記の作業・ 業務を , 環境に著しい影響を生じる可能性のある業務と定め , これに従事す る要員を対象とする . ①ポイラー及び焼却炉 ②めつき排水処理装置 2 / 9 頁 第 5 章 統合マネジメントシステムの事例 5.3 統合マネジメントマニュアル及び手順書の例 幻 3

6. 統合マネジメントシステムのつくり方

ジメントを改善するための有効なツールになる . 「魂」とは , 前述した経営者の 目的意識と従業員のやる気である . 事実 , IS09000 シリーズや IS014001 規格 の導入を契機に , 従業員の意識を変え , スリムな組織を構築し直し , 企業の体 質を改革すること , すなわちリエンジニアリングに成功した経営者を幾人か 知っている . これらの方々は , どのようにすれば ISO 規格の効能を発揮できる かを理解し , うまくこれを活用したのである . 要は , 道具と ISO 規格は使いよ うである . IS09001 規格は品質を , IS014001 規格は環境を切り口としているが , いず れもマネジメントの仕組みの改善を目指すという点では変わらない . ISO 規格 の本質・特質を十分認識したうえで , 経営者が , マネジメントの質つまり企業 の経営の質を改善しようという目的意識をもって ISO 規格のシステムを導入す れば , 経営に役立つチャンスが広がるに違いない . 12

7. 統合マネジメントシステムのつくり方

つ づき ( 14 / 37 ) OHSAS 18001 : 1999 ( 要旨 ) 資源を含む . 4.4.2 訓練 , 自覚及び能力 職場において , 労働安全衛生に悪影 響を与える恐れのある作業を行う要員 は , それにふさわしい能力をもたなけ ればならない . 能力は , 適切な教育 , 訓 練及び / 又は経験に基づいて定められ なければならない . 組織は , 関連する各部門及び階層に おいて , そこで働く従業員が , 次の事 項を確実に意識できるような手順を確 立し , 維持しなければならない : ー労働安全衛生方針 , 手順並びに労働 安全衛生マネジメントシステムの要 求事項に適合することの重要性 ; ー作業活動による顕在又は潜在の労働 安全衛生の結果 , 及び各人のパ フォーマンスが改善された場合の労 働安全衛生上の利点 ; ー労働安全衛生方針及び手順 , 並びに 緊急事態への準備及び対応の要求事 項 ( 4.4.7 参照 ) を含む労働安全衛生マ ネジメントシステムの要求事項との 適合を達成するための役割及び責 任 ; ー規定された運用手順からの逸脱の際 ない . これを怠ると , 方針及び目標が " 画に 描いた餅 " で終わってしまう . い . 規格の記述からすると , 認識 ( 自覚 ) のた いるが , OHSAS18001 の中では特に明記はな の中で , ISO 14001 の場合 4.5.3 項にて求めて 5 ) 訓練の記録については , ISO 9 開 1 は本条項 夫が必要となる . ていないと思われる . 評価方法については工 からいうと , 「認識」の有効性評価までは求め 価することを求めているが , この条項の趣旨 4 ) IS09001 では教育・訓練などの有効性を評 を認識していることが求められている . 達成のためにどのような役割 , 責任があるか の活動の意味をよく認識 ( 自覚 ) し , かつ目標 3 ) 一般の要員 ( 従業員 , 下請負契約者 ) は自ら 量 ) があることが求められる . るか , またはそれを行うのに十分な能力 ( カ 従事する者は , それに見合う訓練を受けてい 2 ) 品質 , 環境及び安全衛生に影響ある業務に る訳ではない . 14001 の「訓練のニーズ」と大きな違いがあ 練・経験などであり , 意味合いとしては ISO の力量 ( 能力 ) のもとになるのが , 教育・訓 1 ) IS09001 では力量が求められているが , 2.5 ISO 9 1 / ISO 14 1 / OHSAS 18001 規格要求事項の比較 59

8. 統合マネジメントシステムのつくり方

TMS ー 40000 3.2 用語の定義 マネジメントマニュアル 辰巳製作所 ( 株 2001 ー 04 ー 02 制定 改定 8 / 53 第 1 版 マネジメントシステムで用いる用語は , 以下の項目以外は JIS Q 9001 : 2000 及 び JISQ 14001 : 1996 の条項 3 の定義に従う . ( 1 ) 部署 : 部・課の総称をいう . ②供給者 : 購買先及び外注先 ( ISO 14001 規格でいう請負者 ) の両方を含む . ( 3 ) 要員 : 従業員及び関連する構内の外注先従業員を含む . ( 4 ) 社内標準 : 社内で設定するマニュアル , 規定 , 管理基準 , 仕様書などを 総称していう . ⑤ ( 6 ) ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 166 マネジメントプログラム : 品質マネジメントシステムの計画を含む . 能力 : IS09001 でいう「力量」を含む . デザインレビュー : 設計・開発のレビューを意味する . 購買製品 : 購買品及び外注委託業務の両方を含む . 検査 : ISO 9001 の「製品の監視及び測定」を含む . マネジメントレビュー : ISO 14001 の「経営層による見直し」を含む .

9. 統合マネジメントシステムのつくり方

つ づき ( 11 / 37 ) OHSAS 18001 : 1999 ( 要旨 ) 組織から指名された安全衛生担当の 管理者には , 次の事項について役割 , 責 任及び権限が付与されていなければな らない : a) この労働安全衛生アセスメントシ リーズ仕様に従って , 労働安全衛生 マネジメントシステムの要求事項が 確立され , 実施され , かっ維持され ることを確実にする ; b) 労働安全衛生マネジメントシステ ムの見直し及びその改善の基礎とし て , 労働安全衛生マネジメントシス テムの実績に関する報告が , 最高経 営者層 ( 事業者 ) に確実に提出される . 経営管理責任を担うすべての者は , 労働安全衛生パフォーマンスの継続的 改善への関与を示さなければならない . 4.4.3 協議及ひコミュニケーション 組織は , 関係する労働安全衛生情報 を従業員及び他の利害関係者に確実に 伝達し , かっそれらから聴取する手順 をもたなければならない . 従業員の参加と労働安全衛生委員会 等の取決めは , 文書化され , かっ利害 関係者に周知されなければならない . 従業員は : 解説 かは , 規格が示す役割 , 責任及び権限を確実 にもてるかどうかにかかってくる . 1 ) 組織内部で情報交換などが十分に行えるよ うな適切なコミュニケーションのプロセスが 求められる . この際 , タテ ( 上から , 及び下か らの両方 ) 及びョコ ( 部門間 ) のコミュニケー ションを考慮する必要がある . 2 ) IS09001 の場合 , 外部即ち顧客とのコミュ ニケーションについては「 7.2.3 顧客とのコ ミュニケーション」に規定されている . 3 ) ISO 14 開 1 / OHSAS 18001 では , 外部の利 2.5 ISO 9 1 / ISO 14 冊 1 / OHSAS 18 1 規格要求事項の比較 53

10. 統合マネジメントシステムのつくり方

辰巳製作所株 TMS ー 40000 マネジメントマニュアル 1. 目的 1.1 本マニュアルの目的 このマネジメントマニュアルは , 辰巳製作所 ( 株 ) が , 社長方針のもと , 品質・環 境マネジメントシステムに関して継続的に改善を推進していくために , JIS Q 9001 : 2000 及び JIS Q 14001 : 1996 規格の要求事項に基づいて実施するマネジメ ントシステムを文書化したものである . 制定 2 開 1 ー 04 ー 02 改定 7 / 53 第 1 版 1 .2 会社概要 辰巳製作所 ( 株 ) は , 1960 年に産業機械などの鍛造部品の製造会社として創立され た . 1970 年に , 横浜市山川町の山林造成後の小さな工業団地に本社工場を移転し , 現在は航空機 , 重機・建機 , 産業機械などに用いられる各種鍛造部品を製造して いる . 当社の経営理念は次の通りである : 第 5 章 統合マネジメントシステムの事例 ( 1 ) 顧客が満足する製品を提供する . ②地球にやさしい事業活動を進める . ( 3 ) 常にチャレンジし続ける . 2001 年 3 月現在 , 従業員は 120 名 , 売上高は年間 80 億円前後である . 2. 適用範囲 本マニュアルは , 辰巳製作所 ( 株 ) の全組織に適用する . 当社の事業活動 , 並びに 当社が設計・開発及び / 又は製造を行う製品のすべてに適用する . また , ISO 規格要求事項に関する除外事項はない . 3. 適用規格及び用語の定義 3.1 適用規格 ( 1 ) JISQ 9001 ( ISO 9 開 1 ) : 2000 「品質マネジメントシステムー要求事項」 ( 2 ) JIS Q 14001 (ISO 14001 ) : 1996 「環境マネジメントシステムー仕様及び利 用の手引き」 165 5.3 統合マネジメントマニュアル及び手順書の例