2 時間目 / 化学の時間 Chemistry 物質の性質を決める基本単位は分子 温度、圧力、体積が同じであれば、 気体の分子数は同じ ・原子説と分子説 物質は 分子からなる 分子説では、物質は 2 つ以上の原子がくつつ いてできた分子からな ると考えられた。 ・原子説の場合 水素原子 2 っ酸素原子一つ水原子一つ ・分子説の場合 酸素分子一つ 水素分子 2 つ 水分子 2 つ 気体反応の法則か 説明できる 物質が分子から構成さ れていると考えた場 ロ、気体反応の法則が 簡単に説明できた。 水分子 2 つ ・分子説の利点とは ? 炭素貶原子の質量をとし て、それを基準に原子の質量 を比で表します。炭素原子 の質量の 1 / 貶単位で表した 質量を原子量とい の原子の質量は原子量 (bD) となります。 分子を認めない人物 原子論を発表したドルトン は、アポガドロの分子説、ひ いては気体反応の法則を認め ようとしませんでした。アポ ガドロの主張はその正しさが 認められるまでに、年ほど かかったといいます。 水蒸気 2L 酸素既 水素 2 L ・ 3 を ) CO 30 をのこの 酸素分子一つ 水素分子 2 つ もっと知りたい 0 、 3 1 097
2 時間目 , ー化学の時間 Chemisfry すべての物質は原子からできている ■ドルトンの元素記号 ・原子論の利点とは ? 〇 物質の性質を決める 原子を記号化 すべての物質はこれ以上分 割できない原子からできて いて、複数の種類がある。 それらは異なる性質・質量 を持つ。 水素窒素炭素酸素 リン硫黄マグネシウム 原子の組み合わせで 化合物を説明できる ドルトンは化合物は複数種 類の元素が、さまざまな組 み合わせをつくることでで きると考えた。 炭素酸素 一酸化炭素 水素 水 酸素 もっと知りたい 0 、 3 原子と元素 物質の性質などについて論じ る時は「元素」という言葉を 用います。そしてその物質を 構成している粒子について論 じる時は「原子」といいます。 「元素は原子核と電子からな る」とはいいません。 原子と電子 ドルトンの原子論では、原子 は物質を構成する最小単位だ としています。しかしのちの 科学者が金属から電子を取り 出す装置をつくり、原子より 小さい電子が存在することが わかりました。 093
未知だった原子の構造を ある程度明らかにしたのね 原子の正体を解き明かす ! ポーアの原子モデル ポーアモデル 原子がどのような姿をしているのかという問題は、四 世紀に原子の存在が明らかになって以降、多くの研究者 か解き明かそうとしてきました。トムソンやラザフォー ドなどかモデルをつくってきましたが、いずれも原子を 正確に再現できませんでした。核の周りに電子が安定し て存在できる理由がわからなかったのです。 デンマークの物理学者 1913 年に と呼ばれる原子モデルを発表しました。こ のモデルの特徴は、「核の周りに電子が存在する」、「電 子は決まった軌道で核の周りを回転している」などです。 また、電子が軌道を遷移する際に光を発したり吸収する ことも示しました。この原子モデルなどが契機となり、 へとつながり 原子の世界の研究は進み、 ました。 原子の正体は原子核と電子 量子力学 ( ー , KEYWORD カ 子 分子や原子、電子や陽子、中性子とデンマークの理論物理学者。コペ いったミクロな物理現象を扱う分ンハーゲン大学で物理学研究を行 野。ポーア、シュレティンガー、ハ い、コペンハーゲン学派をつくった。 イゼンベルク、デイラックなどが創 円 22 年にはノーベル物理学賞を受 始に貢献した。 賞した。 102
) 「質量保存の法則」「倍数比例の法則」 を説明できる理論を打ち立てたのね 子 すべては“っぷ”からできている にドルトンの原子論 現代では当たり前となった「 」の考え方。 それを実験を重ねた上で最初に発表したのが、倍数上伊 の法則 ( ページ ) を発表したドルトンでした。彼は「 こという考え方を用いれば、「質量保存の法則」「定 比例の法則」「倍数比例の法則」をはじめとする化学反 応の法則が簡単に説明できると提唱したのです。 「原子論」では、すべての物質は原子と呼ばれる小さい からできていると考えます。炭素には炭素 をつくる、酸素には酸素をつくる原子があるのですね。 この考え方を使えば、つぶの数が変わらないので「質量 保存の法則」が成立するし、化合物は一定比率でつぶが くつつくので「定比例の法則」「倍数比例の法則」が成 り立ちます。原子という考え方は昔からあったのですが、 それを実験で証明したのが彼のすごいところです。 古典的な考えを科学的に証明 原子 ( 工 ) 原 KEYWORD っ 原子は物質を構成する最小の「つぶ「原子 ( アトム ) 」という言葉は、古 = 粒子」だと考えられていた。しか 代ギリシャのデモクリトスが生み出 し研究が進むにつれ、原子は原子核した。彼は原子論と同じような考え と電子からなるなど、さらに小さい方を思いついていたが、実験に基づ 粒子があることがわかった。 いておらず、観念的なものであった。 092
周期表の矛盾を解決した 、モーズリーの法則 周期表は元素の重さじゃなくて 。原子番号で並べるのが正解なのね メンデレーエフの周期表は元素の特徴が原子量に関連 している可能性を示しましたが、原子量通りに並べると 規則性が成立しませんでした。ョウ素とテルルは原子量 通りに並べると矛盾が出るのです。 ヘンリー・モーズリーは「物質が発する の波長の平方根」で 1 を割った値が、その物質の原子核 が持っ電気の量に比例することに気づきました。この法 則から物質の を正しく决められるように なります。正しい原子番号に基づいてメンデレーエフの 周期表を並べなおすと原子量で並べた時の矛盾がなく なったのです。また、この新しい並び順から未発見と思 われる元素が予測され、のちの発見につながりました。 そしてこの法則を使うことで、新しく発見された元素 の原子番号を知ることもできるようになったのです 原子番号に関する新発見 原子番号 ( プ ) 特性 >< 線 ( ↓ K EY WO R D プ原子番号 1 特性 X 線 元素の原子核にある陽子の数 ( = 電真空管の陽極にセットした元素に陰 子数 ) を表した数。すべての元素は極から発生する電子を当てると、そ それぞれの元素に固有の陽子数をの元素に特有の波長を持っ X 線が 持っており、陽子数が同じだけど違出る。これを特性 X 線といい、原 う物質というものはない。 子番号の特定に役立つ。 106
電子のやりとりをすることで 原子が電荷を帯びるのね 化学反応に大きな影響を与える イオンの法則 傾向 ) 原子核の周りを電子がぐるぐる飛びまわっていること は、前に説明しました。そして一番外側を飛びまわって いる電子は、外からカか加わるなどすると原子から離れ て飛んでいってしまうことがあります。それでは、 前後で原子にはどのような違いが起 きるでしょ一つか ? 電子はマイナスの電荷を帯びています。原子自体は電 荷が中性なのですが、マイナスの電荷を帯びた電子が飛 んでいくと、補うようにしてプラスの電荷を帯びるよう になります。プラスの電荷を帯びた原子を陽イオンとい います。逆に原子や分子が外から電子を受けとり、マイ ナスの電荷を帯びたものを陰イオンといいます。そして イオンのなりやすさを元素ごとに比較したのが です。 が飛んでいく 7 ) 原子がイオンに変化する イオン化 電子 KEYWORD 丁電子か飛んでいく , イオン化傾向 元素ごとのイオンのなりやすさ、な原子から電子が離れることを電離と りにくさの傾向。水素よりイオン化 いう。電離は、化学反応や物理的な 傾向が強い元素は水溶液中で電気分衝撃や光をあびるなどさまざまな原 解しても取り出せず、代わりに水素因で起きる。水に溶かすと電離する が発生する。 物質もあり、塩 ( えん ) がその一例。
化学反応の最小単位を分子と考え ればうまく説明できるのね ! 物理や化学の法則が成り立っための重要な数 にアポガドロの法則 ( アポガドロ数 ) 化学反応を見事に説明したかに思えたドルトンの原子 論ですが、思わぬ落とし穴がありました。ドルトンの当 初の理論ではゲイⅡリュサックの気体反応の法則を説明 できなかったのです。この矛盾を解決したのがアポガド ロです。アポガドロは、実際の気体は複数の原子からな 」で存在し、分子が気体の性質を決める 基本単位であるという説を発表しました。この理論に基 づくと「水素 2 〕酸素 1 から水蒸気 2 が得られる」時の 反応が矛盾なく説明できたのです。 アポガドロは、「温度、圧力、体積が同じであれば、 気体の種類にかかわらず同じ数の分子を含む」というこ とも主張しています。そして現在では、 bD の に含まれている原子の数を し、物質の分子数を数える基準にしています。 原子論の困難を解決ー 分子 ( ① ) 炭素原 アポガドロ数 と定義 KEYWORD 炭素 1 2 原子 同じ炭素原子でも、原子核内の陽子物質が通常は分子の状態で存在する や中性子の数に違いがある場合があという考え方はアポガドロの発表当 る。炭素原子の中で大多数を占める時は学会に受け入れられず、その価 のが、陽子と中性子の合計がの値が再認識されたのは発表から半世 炭素原子である。 紀も経過してからだった。 096
一分子を考えないと 説明できない化学反応の法則ね 原子論を打ち砕く ? 一気体反応の法則 ドルトンの原子論発表から 2 年ほど後の 1805 年、 フランスの は、 2 種類以上の気 体が反応する時、同じ圧力、同じ温度の元であれば、反 応する気体の体積と生成される気体の体積には簡単な 整数比が成り立っという法則を発見しました。これが 1808 年に発表された「一 則」です。実際 に、水素と酸素が反応して水 ( 気体なので水蒸気 ) がで 1 〕 2 と きる場合、水素〕酸素〕水蒸気の比率は 2 ・ う簡単な整数比になります。 原子論は、ドルトンが発表した最初の説の形式では、 気体反応の法則を説明できません。そのためドルトンは この法則に反対しました。この法則は酸素の気体が、酸 素原子が 2 個ついた からできていると考 えることで説明できるのです。 分子の理解へとつながる ゲイⅡリュサック ( ) 酸素分子 ( プ ) 体 反 応 の 法 KEYWORD 酸素分子 ジョセフ・ルイ・ケイ = リュサック 複数の原子によって構成される、物フランスの化学・物理学者で、ほか 質の最小単位。ドルトンは最初、酸にも独自にシャルルの法則を発見、 素は酸素原子一つ、水は酸素と水素発表した。その他にも大気の温度、 の原子が一つずつで構成されている湿度と気圧の関係など、多くの研究 と考えた。 を行った。 0 %
2 時間目 / 化学の時間ト en 引す 定義 元素が出す特性 x 線の波長は、 原子の原子番号と関係がある ■ X 線発生管 陽極調べる原子 フィラメント 特性 X 線は電子の 入れ替わりて出る 特性 X 線は原子核の周囲 の電子に、陰極からの電子 が衝突してはじき出された のち、別の電子がそこに移 動する時のエネルギーの差 が X 線になる。 陰極 X 線 ーモーズリーの法則の公式 = 侈 - り 原子番号か特性 X 線の 波長からわかる 1 特性 X 線の波長を入とす ると、原子番号 Z は左記 の式で求められる。。と 6 は波長の特徴ごとに異なる 定数である。 もっと知りたい 0 、 ニホニウム 2016 年、理化学研究所が 発見した第 113 番元素が ニホニウムと命名されまし た。ニホニウムは自然界に存 在せず、ビスマスという元素 に亜鉛を高速でぶつけて合成 されたものです。 人工元素は壊れやすい ニホニウムのような人工元素 は、不安定なため短時間で壊 れてしまいます寿命が極度に 短くて特性 >< 線が測定できな い原子は、壊れる時の現象か ら間接的に元素の合成を証明 します。 107
2 国住国国国 時間目 すべてはっふ。からできている 空気は圧縮すると小さくなる 漬物は塩で水分を抜いているワ 原子論のヒントとなった ポイルの法則 ポイル・ンヤルルの法則 ファント・ホッフの法則 質量保存の法則 定比例の法則と倍数比例の法則。 ドルトンの原子論 灰になると軽くなるのはなぜ ? ピンポン玉のへこみは温めて直せ ヒ学の寺間ンケミストリーは世界を救う 082 084 086 088 092 田四国国ロ国 物理や化学の法則が成り立っための重要な数 身近にある化学反応 気体反応の法則 アポガドロの法則 物質の分解の法則 物質の化合の法則 ポーアの原子モデル 元素周期の法則 原子論を打ち砕く ? 原子の正体を解き明かすー 周期表の並び順には理由がある 1 つの物質が 2 つ以上に変化 073 096 1 02 094 098 100 1 04