ナナホシ - みる会図書館


検索対象: えりなの青い空
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1. えりなの青い空

亠よ、 おく の奥まで入ってきた。 むね 胸の奥に入って、そこから体中に広がる気がする 風がないので、新聞紙は静かだ。おしゃべりをしない。葉っぱがきれ いだ光がまぶしい。雨のふるまえより、日ざしが強くなったと感じる。 空にむかって手をのばしてみた。手のひらに、光の熱がったわってくる そのとき、びつくりするよ、つなことが、おこった。 てんとう虫が、のばした手の甲に止まったのだ。オレンジに黒い星の あるナナホシだ。ナナホシは、えりなの手の上で、もぞもぞ動いて指を のばり始めた。くすぐったいのをがまんして、じっとしていると、中指 しゅんかん のてつべんでばっとハネを広げた。広げた瞬間、ハネは光をあびて、 かがや キラッと輝いた ナナホシがとびたつ。えりなの指から高くとんで行く。ねころんだま ハイハイと手をふってみた。