すが、これは大切な仕事でもある しせんかい じゅんかんてつだ のです。自然界の循環を手伝って いるのです。死んだ動物や植物を ぶんかい えいようぶん 分解して、その栄養分を土などに 返すという仕事です。 食べようと思っているくだもの ぶんかい やバンを、カビに分解されるのは こまります。でもカビは、木など のかたいものや、動物のふんなど ぶんかい のきたないものも分解してくれる もくざいとりよう のです。カビは、木材、塗料、か べ紙、たたみなど身のまわりにあ るほとんどのものを消化して、や えいようぶんか くに立つ栄養分に変えることがで きるのです。 ほうし かくだい アオカビの、胞子をつくる部分の拡大 写真 ( X2855 ) 。菌糸の先の丸い形をした ほうし ものが胞子だ。 きんし しんきん 真菌とはどんなもの ? しんきん 真菌は植物でも動物でもない。植物のように光合成を行って自分で自分の食べ物をつくらないし、 動物のようになにかを「食べる」こともしない。そのかわり、食べ物に入りこんて、そこに生えて しんきん きせい 栄養分をすいとるのだ。真菌は死んだりくさったりした動物や植物に生えるか、寄生するものがほ とんどだ。 しんきん 真菌はふつう、菌糸とよはれる目には見えない細い糸として成長する。真菌の体は、その糸がか らみあったものだ。胞子とよはれる「たね」を何百万個もつくって、数をふやす。 こうごうせい えいようふん しんきん きんし ほうし せいちょう せ第 五ロ ほうし しんきん とても小さな真菌の「たね」のこと。 胞子 いじようげんそけっこう ぶんかい ぶっしつ ぶっしつ 分解 : ふたつ以上の元素が結合してできた物質 ( 化合物 ) が、よりかんたんな物質に分かれること。 こうごうせし、 にさんかたんそ ごうせい 光合成 . 植物が太陽光のエネ丿レギーをつかって、ニ酸化炭素と水からデンプンを合成すること。 きせい えしはう 寄生 ある生き物がほかの生き物の体のなかや表面にすみつき、そこから栄養をとって生活すること。 こうせいぶっしっさいきんころ せいちょう 抗生物質 細菌を殺したり、成長をとめたりする薬。 15
近づいてよく見ると、ほこりは ほんとうにいろいろなものからで きているのがわかります。ほこり せんい いるい のなかには、衣類から出る繊維の くずもあれば、かみの毛や死んだ こんちゅう 昆虫の一部もあります。さらに食 はい べ物のくずやたばこの灰、木くず、 かふん 花粉、たぶん土もあるでしよう。 せいぶん でも家のほこりの成分でとても多 いものは、わたしたちの皮ふのか けらです。 皮ふを食べるダニ わたしたちの皮ふはいつも入れ かわっていて、新しい皮ふができ ると古い皮ふは、はがれ落ちます。 このはがれ落ちた皮ふは、チリダ だいこうぶつ ニとよばれる生き物の大好物なの △チリダニが皮ふのかけらを食べているところ ( X637 ) 。チリダニには目がないが、触 しょっ です。 るい がい 落とす皮ふが家のほこりにまじ チリダニのふんと、脱皮のときに だっぴ まったく害がありません。しかし チリダニそのものは、人間には にんげん チリダニのアレルギー 卵は、 40 個から 1 OO 個です。 たまこ ります。メスが一生のうちに産む り、そのあいだに 4 つの段階があ だんかい になるのにだいたい 1 か月かか ら約 1 か月生きます。卵から成虫 やく せいちゅう たまこ せいちょう はなんでも食べます。 食べ物のくすなど見つけた食べ物 ふですが、そのほかカビ、花粉、 かふん います。食べ物はおもに人間の皮 にんげん こりのたまったすみなどにすんで や、家具、なにかのわれ目や、ほ りません。チリダニはじゅうたん 8 本で、昆虫のように 6 本ではあ こんちゅう のなかまです。だから、脚の数は チリダニなどのダニ類は、クモ きのうかく 覚と嗅覚をつかって行動する。 り、人によってはそれが問題にな 物質が、敏感な人にアレルギーを びんかん ります。ふんや皮ふのなかの化学 ぶっしつ 引き起こすのです。アレルギーの しようじよう 症状は、くしやみが少し出るだけ はせん息を起こす人もいます。 ですむこともありますが、なかに かふん せいしよくさいまう せいし かふんしゅし 花粉 . 種子植物のオスの生殖細胞 ( オスの動物の精子にあたる ) 。花粉のつぶは、おなじ しゅし しゆるい らんさいまう がったい 種類の花の卵細胞と出合うと合体し、つきの世代となる種子が生まれる。 アレルギー : なにかをすいこんだり、食べたり、あるいはなにかが皮ふについたりした かじようはんのう ほっ ときに、体が過剰に反応すること。くしやみや発しん、はきけなどが起きることがある。 だっぴ 毛や羽、皮ふをぬぐこと。 説皮 てきごうせい てきほうほう ぶっしつ ぶっしつ 化学物質 : 化学の研究対象となる物質。また、化学的な方法を用いて人工的に合成され 水を飲まなくてもだいじようふ ひつよう チリダニは、水を飲む必要がない。わたしたちのまわりの空気 すいしようき には、水蒸気がふくまれている。チリダニは息をするときにその すいしようき 水蒸気も体にとりいれるのだ。しかし空気がとてもかわいている すいしようき と、水蒸気がとりこめないので、チリダニはやがて死んでしまう。 かいせつ 用語解丿 たいしよう すいじようき せん息 た物質。 ぶっしつ 水蒸気 . 気体になった水。わたしたちのまわりの空気にも、水蒸気がふくまれている。 すいじようき 気道がちちみ、せきやたんが出て呼吸困難を発作的にくりかえす病気。 こき 0 うこなんほっさてき
0 あ アオカビ アメーバ アリ 5 アレルギー きん ウ工ルシュ菌 21 工ンテロバクター・クロアカ 工ンべロープ 27 おうしよく きゅうきん 黄色ブドウ球菌 20, 21 かつおぶし 仮足 25 かそく 化学物質 7 , 23 ぶっしつ 0 か 0157 21 1 3 カード カビ かふん 花粉 がほう 芽胞 かんづめ 缶詰 カンピロバクター きせい 寄生 きそく 偽足 きゅうにゆう 牛乳 きんし 菌糸 げんせい 原生動物 けんびきよう 顕微鏡 こうこうせい 光合成 こうせいぶっしつ 抗生物質 細菌 さいきん 0 さ コロニ 酵母 こうぽ 酵素 こうそ さくいん 1 2 , 1 3 , 1 6 , 1 9 25 , 26 14 , 1 5 20, 21 サルモネラ 20, 21 さん 酸 1 2 , 1 3 , 1 9 14 , 1 5 25 7 バイオフィルム 24 , 25 はいすいかん 排水管 24 , 25 , 26 0 は 23 さんそ 酸素 しお 塩づけ じゅくせい 熟成 しようか 昇華 しようかかん 消化管 しようゆ しよくちゅうどく 食中毒 しんきん 1 1 1 9 9 , 1 3 1 8 , 1 9 20, 21 , 23 20, 21 1 2 , 1 3 , 1 9 ハエ 5 , 9 バシラス・セレウス 21 真菌 5 , 1 0, 14 , 1 5 しんくう すいじようき 1 8 , 1 9 バター はっこう 発酵 バン ビール びせいぶつ 微生物 ひもの ひょうはくざい : 西白剤 づめ びん詰 1 0, 1 1 , 1 2 , 1 3 5 , 1 0, 14 5 , 1 0, 1 1 , 1 3 , 14 5 , 1 2 , 23 , 24 , 25 , 25 1 8 27 水蒸気 7 す 酢づけ 1 9 ストレプトコッカス・サーモフィ ルス 1 2 ぜん息 7 せんもう 繊毛 25 , 26 , 27 フリーズドライ きん ブルガリア菌 1 8 1 2 1 3 1 9 21 , 22 , 23 7 14 , 1 5 , 1 6 せんもうちゅう 繊毛虫 そうこ 倉庫ダニ だいちょうきん 大腸菌 だっぴ 脱皮 7 るい ちょうえん チーズダニ チーズ ダニ類 25 8 , 9 20 9 5 , 9 , 1 2 , 1 3 , 1 9 7 , 8 ぶんかい 分解 べんもう 鞭毛 ほうし 胞子 ホ工ー 14 , 1 5 20, 21 14 , 1 5 1 5 25 14 , 1 5 5 1 5 1 3 , 1 6 , 1 7 1 0, 1 1 , 14 27 1 9 , 20, 22 , 23 , 25 , 5 , 1 2 , 1 3 , 1 6 , 1 7 , 1 8 , 26 腸炎ビブリオ 21 ちょうかんしゆっけっせいだいちょうきん 腸管出血性大腸菌 0 な 毒素 20, 21 どくそ デンプン つけもの チリダニ 21 ほこり 6 , 7 ほしがき 1 8 きん ボツリヌス菌 21 0 ま・や・ら・わ みそ 1 2 , 1 3 , 1 9 幼虫 8 , 9 ヨーグルト 5 , 1 2 , 1 3 れいとう 冷凍食品 1 8 レトルト食品 1 9 レンネット 13 ようちゅう 6 , 7 1 2 , 1 3 , 1 9 1 0, 1 1 1 2 , 1 3 ワイン ワムシ 5 , 1 0, 1 1 26 , 27 なっとう サイクロバクター さいまう 細胞 5 さっきんざい 殺菌剤 25 30 1 7 生ごみ 22 にさんかたんそ ニ酸化炭素 1 0, 1 1 にゆうさん 乳酸 1 2 , 1 3 ノロウイルス 21
さっきんざいひょうはく さいきん ふつう、いちばん先にやってく 細菌の食べ物があるしめった場 細菌をまもります。殺菌剤や漂白 ざい ぶっしつ さいきん るのはアメーバです。アメーバは、 所の表面には、バイオフィルムが 剤は、この物質にまもられた細菌 きそく かそく こうか 偽足 ( 仮足 ) とよばれる指のよう すぐにできます。バイオフィルム にはほとんど効果はありません。 とっき はいすいかん バイオフィルムをとりのぞくに な突起部分をのばして動き回りま ができるのに、台所の冰管はと はいすいかん てき はい は、ブラシでこすったりゴシゴシ ても適したところです。流しの排 す。排水管の表面に体を動かない びせいぶつ すい こてい あらったりしなければなりませ ように固定し、体をのばすように 水には、微生物が食べられるもの がふくまれているからです。バイ して前に進みます。食べるときは、 ん。 きそくさいきん 偽足で細菌やそのほかの食べ物の オフィルムは、川のなかの石やわ バイオフィルムを食べる まわりをかこんで、ぜんぶ飲みこ たしたちの歯の表面、それにコン びせいぶつ 微生物 タクトレンズにまでできることが んでしまいます。 あっ バイオフィルムが大きく厚くな あります ! おく せんもうちゅう りはじめると、バイオフィルムを 遅れてくる原生動物は、繊毛虫 びせいぶつ せんもうちゅう せんもう バイオフィルムは です。繊毛虫には繊毛とよばれる 食べるほかの微生物がやってきま げんせい どうやってできる ? 小さな「毛」があります。泳き回 す。そのほとんどは、原生動物と さいきん バイオフィルムは、細菌がつく よばれるグループです。 るのも、食べ物をとるのも、繊毛 さいきん はいすいかん を動かして行います。 ります。細菌はぬれた排水管の表 せいちょう 面にくつつくと成長をはじめ、数 がふえるにつれて、ねばねばした ぶっしつ 物質をたくさんつくりはじめま す。その物質でおたがいをくっ とう つけあい、高い塔やキノコのよ とう うな形をつくるのです。塔やキ ノコ形のあいだは水の流れる通 さいきん 路になり、それぞれの細菌に水 や食べ物がとどきます。 ぶっしっさいきん ねばねばした物質は細菌をお たがいにくつつけるだけではな がい く、まわりの害になるものから さいきん げんせい せんもう ぶっしつ せんも - ちう たい肥のなかの、繊亳蚕 ( 緑の部分 ) と細菌 ( 赤と青の部分 ) ( X1785 ) 。繊 ち 0 うせんも - さいきん 虫は繊亳をつかって、細菌などの食べ物 を自分のロまで運ぶ。 せ三 - 五ロ ひょうはくざいせんい げんせい ぎそく やくざい 漂白剤 . 繊維や食品などを白くする薬剤。 さいきん ふくざっ さいまうそしき たんさいまう 原生動物 細菌よりも複雑で大きな細胞組織をもつ単細胞生物。 とっき ほしよく さしまうしつ 偽足 ( 仮足 ) : 白血球やアメーバなどに見られる、細胞質から一時的につくられる突起。捕食、移動のときにつかわれる。 はつけっき 0 う かそく いどう 25
びようげんきん 食中毒を起こすおもな病原菌 とくちょう 気をつけたい食品 予防法 特徴 病原菌 けんすう かねつ 食品を高温で加熱 卵・肉類 発生件数がとても多い サルモネラ せんばん し、じよう ちょうかんしゆっけっせいだいちょうきん オー 食品を 75 ℃以上で 1 分以上加熱 品全般・井戸水 腸管出血性大腸菌 ( 0157 ) きわめて毒性の強いべロ毒素を出す ぎよかいるい ぎよかいるい けんすう ちょうえん 魚介類は水道水でよくあらう。食品は中心部までし 魚介類とその加工食品 発生件数が多く、 6 月から 10 月にかけて多発 腸炎ビブリオ かねつ っかり加熱 ぞうしよく おにぎり・もち・おはぎなど 黄色ブドウ球菌 食品のなかで増殖するときに毒素をつくる。毒調理のときにしつかり手をあらう ぶんかい かねつ 素は加熱しても分解されない ちょうない かねつ トリ肉とその加工食品・井 ニワトリ、ウシ、ブタの腸内にすみ、解体時に食品を高温で加熱 カンピロバクター どみす おせん 戸水 肉を汚染する ぞうしよく かねつ ねつ ごはん類・めん類 熱に強く、増殖力も強い。毒素は加熱してものこりもののごはんやめんをつかった調理はさける / ヾシラス・セレウス ぶんかい 分解されない しんせんしよくざい かんづめ かんづめ どくせい いずし・缶詰・びん詰 きわめて毒性の強い毒素を出す。芽胞をつく新鮮な食材をよくあらってつかう。ふくらんだ缶詰、 ポツリヌス菌 ねっ さんそ レトルト食品は食べない ると熱に強い。酸素がないと増殖 きゅうしよくびよう いかれいきやく たいりよう べつめし、 たいりよう 「給食病」の別名があり、大量調理食品でた調理後はすぐに食べる。のこったら 10 ℃以下に冷却 大量に調理されたカレー ウ工ルシュ菌 がほう ねつ シチューなど びたび発生。芽胞をつくると熱に強い にまいがい とうき カキなどを調理するばあい、十分に加熱する カキなどのニ枚貝 冬季に多発 ノロウイルス しゆるい 大腸菌にはいくつかの種類があり しよう ます。そのなかにはふだんから小 ちょう だいちょう 腸から大腸にかけてすんでいて、 がい なにも害にならないものもいます が、重い食中毒を引き起こす種類 もあります。 食中毒をふせぐには りようり 食べ物の料理のしかたに注意を しよくちゅうどく すれば、食中毒にはならないはず です。生の食べ物は食べる前によ くあらい、肉にはちゃんと火がと おっているかどうかしらべてから りようり 食べます。つくった料理は、ぜっ ばん たいひと晩じゅう出しっぱなしに しないことです。 きんしくちうどく △ポツリヌス菌が養申毒を引き起こすことはめったにないが、この菌の養十毒では死ぬ どくそ ばあいもある。つくりだす毒素はとても強力で、知られている毒物のなかでももっとも 強いもののひとつである。 しよくちゅうどく ようはっ びようげんきん どくせい いどみず いじようかねつ どくそ どくそ きゅうきん おうしよく かいたいじ るい どくそ がほう どくそ きん ぞうしよく きん かねつ だいちょうきん 一ゞ翫第グ しよくちゅうどく きんしくちうどく どくぶつ せ三 - 五ロ しよくちゅうどく ぶっしつ さいきん しぜんどく 食べ物を食べて起こる病気。細菌によるもの、キノコ・フグなどの自然の毒によるもの、メチルアルコールなどの化学物質に 食中毒 よるものがある。 しようちょうだいちょう しようかかん しようか えしはうき 0 うしゅう こうくう いんとう くだ にゆうるい 消化管 : 食べ物を消化して栄養を吸収するための管。ほ乳類ではロ腔からロ因頭・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸まで。 べんもうさし一まう うんどうせい とっき 鞭毛細胞の表面にある、長くて運動性のある糸のような突起。 がほう さんしよう 芽胞 : 23 ページのコラム参照。 じ 0 うにしちょう 21
びせいぶつりよう 微生物を利用した食べ物の いろいろ なっとう [ 生 ] みそ しようゆ △チースによっては、細菌だけでなくカ ビもくわえる。ブルーチーズでは、カビ もよう が青いしま模様をつくる。 つけもの さいきん さいきん チーズをつくる細菌 チーズをつくるときは、ヨーグ しゆるいさいきん ルトづくりとおなじ種類の細菌を つかいます。ヨーグルトとおなじ きゅうにゆう さいきんさん ように細菌は酸をつくり、牛乳を かためてすっぱい味にします。さ らにチーズづくりでは、レンネッ こうそぎゅうにゆう トという酵素も牛乳にくわえま きゅうにゆう す。レンネットは牛乳を白いかた えきたい まり ( カード ) と水のような液体 ( ホ工ー ) に分けるはたらきをし ます。 っきの作業では、ホ工ーをとり のぞいてから、カードを切り分け て塩をまぜます。塩をまぜると、 はっこう 発酵がゆっくりになります。その おかげでチーズはあまりすつばく なりません。 カードはしぼり器にかけて水け をさらにとり、それから数週間か じゅく ら数か月かけて熟成させます。熟 さい せい 成のあいだにもチーズのなかの細 どくとく きん 菌はゆっくりふえて、チーズ独特 のかおりをつけていきます。 ヨーグルト 生乳 20 % ピル ヨーグルト ビール かつおぶし じゅくせい じくせい じのくせい △チーズはすずしい場所で熟成される。熟成したチーズにも生きた細菌がいるが、チー さん ズを食べたとき胃のなかの酸で死んでしまう。 さいきん 五ロ きんにく に 0 うさんさんみ むしよくえきたい さんいっしゅにゆうさんきんはっこう 乳酸酸味があり無色の液体。酸の一種で乳酸菌の発酵によってできる。また動物の体内でもつくられ、筋肉のなかにたまるとつかれ げんいん の原因になる。 しげき すさんせい ふしよくせいぶっしつ すっぱくて刺激の強い、腐食性の物質。レモンや酢は酸生 ぶっしつ さし当まう たんじゅんえしはうぶんぶんかい 酵素・生きた細胞が、食べ物を単純な栄養分に分解するときなどにつかう化学物質。 さん こうそ 13
食べ物に生えるカビ 英語では、食べ物がいたむと「カビが生えた」とよくいいます。食べ物が げんいん だめになるのは、カビが原因のことが多いからです。カビは真菌で、バンや しんきん ビールをつくるのにつかう酵母も真菌のなかまです。 えいご しんきん きんし しんきん カビが生える ほかの真菌とおなじように、カビも菌糸という ほうし はんしよく 細い糸でできていて、胞子を出して緊殖します たとえば、オレンジにカビが生えると、どんな さんしよう さいしょ ( 右ページのコラム参照 ) 。最初にあらわれる白い ことが起こるのでしようか ? きんし さいしょ 点は、菌糸がからみあったものです。それが緑色 最初、カビは小さな白い点に見えますが、やが きんし ていど に変わるのは、カビの体 ( 菌糸 ) の上の小さなく てそれがひろがっていきます。ある程度の大きさ になると、まんなかあたりが緑色に変わり、緑の きに胞子がつきはじめるからです。 部分はあっという間に大きくなります。そして 4 、 分解は大切な仕事 5 日後には、オレンジ全体が緑色のカビでおおわ カビは、食べ物をだめにするのでこまりもので れているはずです。 カビの一生 くきの先から ほうし 胞子がまい上 がる ほうし か ぶんかい ・を ほうし 胞子 ほうし 胞子から 、芽が出る きんし 菌糸 きんし 菌糸が生える 菌糸があみ目状 にひろがる じよう きんし くオレンジの上の緑色のカビは、アオカ ビだ。ある種類のアオカビからは大切な 薬がつくられる。抗生物質のペニシリン だ。アオカビは、食べ物をとりあう競 さいきん 相手の細菌をやつつけるのに、その抗生 ぶっしっぷき 物質を武器としてつかう。 しゆるい こっせいふっしつ こうせし、
さいきんぞうしよく せいけっしようどく △缶詰工場はとても清潔で消毒もしてあるので、細菌は増殖することができない。 ほうほう の方法は、食べ物に塩をくわえる かんづめ しお 缶詰にする 酢につける : 塩をくわえる ことです。塩をくわえると、細菌 かんづめ は水分が十分にとれなくなり、ふ ほとんどの細菌は酸の多い場所 缶詰にする食べ物は、熱をくわ きゅうにゆう さいきんころ をきらいます。チーズが牛乳より えて細菌を殺したうえで、びった えることができません。みそ、し えんぶん さいきん ようゆ、つけものなど、塩分の高 りとふたをするので、新しい細菌 長もちするのも、ひとつはこのた かんづめ い食べ物は長いあいだくさること も入ってきません。缶詰の食べ物 めです。食べ物を酢につけると、 さいきん さん がありません。バターにも塩をく 酸のはたらきで、細菌はふえなく には、くさらないで何年ももつも やさい づめ なり長くもちます。野菜、魚など わえることが多く、肉や魚のなか のがたくさんあります。びん詰や ほそん しお いろいろな食べ物を酢づけにする にも、塩づけにして保存するもの レトルト食品なども、おなじしく ことができます。 があります。 みで食べ物がくさるのをふせぐの さいきんせいちょう 細菌の成長をとめるもうひとつ です。 かんづめ き さいきん ねつ しお 五ロ きあつひくじようたい ぶっしつ てき 真空 : 物質がまったく存在しない空間。また、人工的につくりだされた、ひじように気圧が低い状態のこともいう。 ちよくせつこたい ちよくせっすいじようき こたいえきたい ちよくせつ 昇華 . 氷が直接水蒸気になるように、固体が液体にならずに直接気体になること。また、気体が直接固体になること。 そんざい しようか 19
ざい 剤をかけられても生きていられる し、食べ物や水がなくても長けれ ば数か月も生きていけるのです。 チーズダニ チーズダニも小麦を食べること こっ がありますが、とくにチーズが好 そうこ 物です。倉庫ダニとおなじで、あ たたかくしめった場所がすきなの れいぞうこ で、冷蔵庫に入れておけば、チー ズにこのダニがふえることはない でしよう。チーズダニがはびこる と、チーズは灰色の粉でおおわれ ます。それはチーズダニとそのふ 0 、、ヾ式 ん、それに脱皮した皮ふのまざっ たものです。 たいていのチーズは、ダニがふ えると食べられなくなります。と ころが、ドイツのアルテンブルク しゆるい では、できたばかりのある種類の チーズに、わざとチーズダニをく じゅくせい わえて、そのまま熟成させます。 はいいろこな チーズが灰色の粉でおおわれる と、ちょうど食べごろになるので こミ す。このチーズは「アルテンブル ガーチーズ」とよばれています。 な第ま、一 ~ ~ 噌読ツ気、ト . ー ハエの頭に乗って移動するダニ ( 写真の左と小 上に、ハエの目が見える ) 。ふつうはダニに乗 こんちのう られていても昆虫になんの害もないが、ダニ の数が多 0 、と、押し 0 ぶされたり死んだりす ~ ることさえある。 ダニはヒッチハイカー しようけん ダニは条件のよくない場所から出ていきたいとき、自分より大 しゆるい きな生き物に乗せてもらうことがよくある。いろいろな種類のダ いどう こんちゅうあし ニが、自分より大きな昆虫の脚などにしがみついて移動する。 ぶつ せを - 五ロ へんたいき せいたい ようねんきようちゅうがいかんせいたい ようち檜うこんちう 幼虫 . 昆虫・クモなどの幼年期。幼虫の外観は成体と異なり、成体になるために変態期をへなければならないこともある。 こうそ ぶんかい じ 0 くせい 食べ物が酵素の作用によって分解され、風味・うまみが出ること。
食べ物がくさる ! げんいん 食べ物がくさるのは、カビだけが原因ではありません。細菌も大きな原因 さいきん です。食べ物にはふだんから少しだけ細菌がいますが、それがふえはじめる げんいん と食べ物の味が悪くなり、病気の原因になったりするのです。 げんいん さいきん 化学物質を出して、それを食べ物に ぶっしつ ありません。そのかわりに酵素という こうそ 細菌には、食べ物を食べるためのロが さいきん 食べ物がくさるしくみ たり、病気の原因になったりします。 げんいん の数がとてもふえると、食べ物の味が悪くなっ ( 右ページのコラム参照 ) ふえていきます。細菌 さいきん さんしよう 細菌は新鮮な食べ物にもいて、条件がそろえは じようけん さいきんしんせん 上にもいるのです。 ますし、かべや机や家じゅうのほとんどのものの つくえ 動物、植物にもいます。空気中にもただよってい わたしたちの皮ふの上にも、ペットやそのほかの わたしたちのまわりには、いつも細菌がいます。 さいきん 16 き 0 うにゆう ふりかけます。酵素は食べ物を、 こうそ ないでいると、すぐにくさってしまう。 りに出される。それでも冷庫に入れ で熱する ) をして細菌を殺してから売 さいきん 牛乳はふつう、低温殺菌 ( 低い温度 ていおんさっきんひく