4 利用者からの申請を受けて訪問調査が行われ、要支援・要介護の認定がなされます。 これらは、ケアマネジャーが担当する業務ではありませんが、流れを理解してお くことが大切です。 ) 訪問調査と要支援・要介護認定 己事項として具体的な状況が記入されます。 介護保険の利用は、申請から始まります。 調査の際には実態をよく把握するために、質 介護が必要になり、本人がサービスを受けた 問だけでなく、立ち上がり動作などを見るこ いと思ったときには、要支援または要介護の ともあります。 認定を受けなくてはなりません。そのために また、利用者はかかりつけ医もしくは市町 は、居住している市町村に申し込みをします。 村の指定医師に受診して、主治医意見書を書 申請は本人や家族だけでなく、地域包括支援 いてもらわばなりません。この主治医思見 センター、民生委員、居宅介護支援事業所、 書と調査を合わせて、介護認定が行われます。 省令で定められた介護保険施設で代行するこ ともできます。 申請をすると、市町村職員または、委託さ れた訪問調査員が利用者の自宅や入院先を訪 要支援・要介護認定は ] 次判定と 2 次判 問します。訪問調査員は、ケアマネジャーと 定に区分されます。基本調査をもとにコン ちがい、利用者が選ぶことはできません。介 ピュータによる判定を行い、必要があれば主 護保険更新のたびに、ちがう調査員が来るこ 治医の意見書を加味して ] 次判定を行いま ともあります。そして、利用者の体の状況、 す。さらに、各市町村内にあり、福祉の専門 介護が必要な状況などに関して、基本調査項 職の委員 5 人程度で構成される「介護認定 目の口頭質問を行います。 審査会」にはかられます。ここでの結論と主 チェックだけではわかりにくい項目は、特 治医意見書を合わせ 2 次判定が行われます。 ニ = ロニ = 判定は 1 次判定と 2 次判定に 分けられる 38
、定結果はおよそ 1 か月後 , ・ - 0 ル、い口 め、利用者からの誤解や不満につながるケー スも多いようです。 要支援・要介護認定の結果は、申請からお よそ 30 日程度の日数を経ると、新しい介護 有効期間は 6 か月 保険証と一緒に利用者のところに郵送されて 要支援・要介護認定の有効期間は、新規・ きます。 区分変更は原則 6 か月となっています。しか もし、要支援・要介護認定の結果に納得が し、認定期間中でも状態が悪くなったり、反 いかなければ、やり直しをしてもらう方法も 対によくなったりして、要介護度が自分に見 あります。要支援・要介護認定の結果は、必 合ってないと感じたときには期間の満了を待 ずしも疾病の重さとは比例せず、どのくらい たずに変更の申請をすることができます。 介護が必要なのかによって区分されているた ケアマネジャーの仕事 メをー要支援 1 要介護認是までの流れ 被保険者 認定調査 保険者 コンピュータによる 1 次判定 1 次判定 2 次判定 介護認定 審査会 0 主月 申 定 - 三 市町村 判定結果の通知 認定決定の通知 39
施設サービスが行われる介護保険施設は 3 種類 3 の 在宅での生活や介護が困難な場合などに、介護保険施設で利用できる介護サー ビスのことです。 介護保険施設 ケアマネジャーの試験をチェック一 ①指定介護老人福祉施設 ( 特別養護老人ホーム ) 特別養護老人ホーム ( 通称 : 特養 ) に入所する、要介護者 の日常生活上の世話 ( 入浴、排泄、着替え、食事の介護など ) 、 機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う施設。 特別養護老人ホームは老人福祉法に基づく施設であるが、介 護保険法に基づき指定を受けることで指定介護老人福祉施設と なり、施設サービスの対象となる。 名称が似ているけれど まちがえないようにし よう ! 2 介護老人保健施設 介護老人保健施設に入所する、要介護者に、在宅に戻るため のリハビリテーション、看護、医学的な管理のもとでの介護や 機能訓練、その他必要な医療や日常生活の世話を行う施設。 2008 ( 平成 20 ) 年 5 月から新たに、介護療養型老人保健 施設ができた。これは療養病床の転換や削減にともない創設さ れ、医療体制を充実させている。看護師が 24 時間体制で勤務。 0 3 病院等での治療は必要ないが、症状が慢性期に入り医療を必 要とする要介護者が、長期療養のために入所する、療養病床の ある病院や診療所。療養上の管理、看護や医学的な管理のもと での介護や機能訓練、必要な医療を行う。 ※介護療養型医療施設は、 2011 年度までに廃止され、①②な どに転換される。 指定介護療養型医療施設 145
まちがえた問題はロ欄にチェックしようよ 試験にトライ 介護保険の被保険者について正しいものはとれか。 ロ 1 第 1 号被保険者のうち受給権者となりうるのは、要介護者と要支援者である。 ロ 2 第 1 号被保険者は、市町村の区域に住所を有する 40 歳以上 60 歳未満の医療保険加入者 である。 ロ 3 生活保護受給者であっても国民健康保険以外の医療保険に加入しているものは、第 2 号被 保険者となる。 ケアマネジャーの試験をチェック 解答と解説 1 〇記述のとおりである。 2 x 第 1 号被保険者は、市町村の区域に住所を有する 65 歳以上の人である。 3 〇国民健康保険は生活保護受給者に適用除外であるが、その他の医療保険に加入していれば 第 2 号被保険者となる。 試験にトライ 要支援・要介護認定について正しいものはどれか。 ロ 1 市町村は介護の必要度が低下したと認められ、本人からの申請があれば、要介護状態区分 を変更することができる。 ロ 2 認定の内容に不服があれは、都道府県に設置された介護保険審査会に審査請求をする。 ロ 3 2006 年度より「要介護 1 相当」の者が状態の改善の可能性が高い場合は、「要支援 2 」と されることになった。 まちがえた問題はロ欄にチェックしようい 解答と解説 1 x 介護保険法第 30 条には、職権による要介護状態区分の変更があり、市町村は本人からの 申請がなくても行える。 2 〇記述のとおりである。 3 〇要介護 1 相当の者は、状態の維持または改善の可能性が高い場合は、要支援 2 、それ以外 は要介護 1 の判定が下される。 129
まちがえた問題はロ欄にチェックしよう一 試験にトライ 介護保険の保険給付について正しいものはどれか。 ロ 1 サービス利用時に被保険者証の提示がなければ、保険給付の対象にはならない。 ロ 2 特例居宅介護サービス費の支給に関しては、償還払いになっている。 ロ 3 訪問看護を利用した場合、医療保険と介護保険の両方から給付が受けられる場合、医療保 険が優先される。 ケアマネジャーの試験をチェック 解答と解説 1 x 要介護認定をすまさす、緊急時にやむなくサービスを利用した場合、償還払いを受けるこ とができる。 2 〇記述のとおりである。 3 x 介護保険が優先される。 ! はちがえた問題ばロ欄にチェックしよう 0 第 試験にトライ 指定居宅介護支援事業について正しいものはどれか。 ロ 1 指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援の提供により利用者に対する事故が発生し た場合は、速やかに市町村、利用者の家族等に連絡をしなければならない。 ロ 2 利用者及びその家族の個人情報は、サービス担当者会議で用いることは禁止されている。 ロ 3 事業所は都道府県知事による指定を受け、 6 年ことの更新制である。 解答と解説 1 〇基準第 27 条第 1 項に定められている。 2 x 利用者やその家族の代表から文書により包括的な同意を得ている場合はこの限りでない。 3 〇記述のとおりである。 131
地域包括支援センターは、介護保険法改正によって新たにつくられた機関です。 ここには、主任ケアマネジャーが配置され、相談・助言・指導などの業務にあたっ ています。 0 地域包括支援センターの役割 それの相談業務にあたっています。 主任ケアマネジャーは、 2005 年の介護 地域包括支援センターは、地域住民の保健・ 保険法改正により創設されたもので、地域包 福祉・医療の向上、心身の健康維持や生活の 安定などを目標に、地域における総合的なマ 括支援センターでの相談、プラン作成、ケア ネジメントを行い、問題解決に向けての取り マネジャーへの支援などを行います。 居宅や施設のケアマネジャーの仕事は、要 組みを実践していく機関です。この機関は、 2005 年の介護保険法の改正に伴い創設さ 支援や要介護者の支援を行います。しかし、 れました。ここでは、①高齢者の実態を把握 地域包括支援センターでは、「要支援 ] 、 2 」 する総合的な相談窓口機能、②介護予防マネ に認定された人、非認定であるがこれから要 ジメント、③権利擁護事業、④介護サービス 介護・要支援になるおそれのある「特定高齢 者」を対象に、地域において介護予防サービ 以外のさまざまな生活支援も含む包括的・継 スの提供をマネジメントしていきます。 続的マネジメントを目標としています。 そのためには、主任ケアマネジャーは、関 夛主任ケアマネジャーの役割 連機関相互のネットワークをつくり上げて、 地域の高齢者の支援体制を強化していく役割 地域包括支援センターには、総合的な相談 窓口機能として社会福祉士、介護予防マネジ を担っています。 具体的には、民生委員、ボランティア団体、 メントとして保健師、包括的・継続的なマネ ジメント・ケアマネジャーの支援として主任 福祉事業者、自治会の人々などと、地域ケア ケアマネジャーなどの職員が配置され、それ についての会議を開くこともあります。また、 64
①介護支援分野 保険給付の種類 要介護 1 ~ 5 の認定を受けた人に対する給付 ①夜間対応型訪問介護 ②認知症対応型通所介護 3 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護 3 地域密着型特定施設入居者生活介護 ⑥地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 ■居宅サービス チェックー 1 ・地域密着型サービス 《訪問サービス》 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リ八ビリテ - ション 居宅療養管理指導 ( 医師・薬剤師などから ) 通所介護 ( ディサービス ) 通所リハビリテーション ( デイケア ) 短期入所生活介護 ( ショートスティ ) 短期入所療養介護 ( ショートスティ ) 特定施設入居者生活介護 ( ケア八ウス・有料老人ホームなど ) 福祉用具貸与 特定福祉用具販売 ①② 3 ④⑤⑥①①⑨そ⑩・・ ■施設サービス 介護保健施設サービス 介護療養施設サービス ■居宅介護支援 ■住宅改修 3 市町村特別給付 ②介護予防給付 要支援 1 ・ 2 の認定を 受けた人に対する給付 ( 横だしサービス ) ①②以外の給付で、特別な事情によ り要介護・要支援状態の軽減、悪化 の防止のために市町村が条例で定め、 独自に給付するもの。たとえば、配 食サービスや移送サービスなど。 上乗せサービス ( 支給限度額の 引き上け ) 区分支給限度額 横たしサーヒス ( 介護保険法に 市町村特別給付 ( 介護 定められた給付 ) 保険法以外の給付 ) ■介護予防サーヒス ①介護予防訪問介護 ②介護予防訪問入浴介護 3 介護予防訪問看護 ④介護予防訪問リ八ビリテーション 3 介護予防居宅療養管理指導 0 介護予防通所介護 ①介護予防通所リハビリテーション ①介護予防短期入所生活介護 ⑨介護予防短期入所療養介護 ⑩介護予防特定施設入居者生活介護 ・介護予防福祉用具貸与 ②特定介護予防福祉用具販売 ①介護予防認知症対応型通所介護 ②介護予防小規模多機能型居宅介護 3 介護予防認知症対応型共同生活介護 ■地域密着型介護予防サービス ィー CN CO ー介護予防支援 ■住宅改修一 134
おうえき 応益負担 気おうのう 応能負担 ■力、・ 介護支援サービス ~ 介護認定審査会 ー介護保険制度 給付管理 ケアプラン 援助困難事例 QOL 客観的に見て援助が必要とされるケースでも、本人や家族の拒否などにより、援助に困難を ともなう事例。また、地域でのサービスを受けることなく、孤立した状態にある高齢者や家 族などの場合もこれにあたる。 介護保険制度にみられるように、受けるサービスの質と量に応じて費用を負担する方式。社 会保障制度の費用の負担方式の 1 つ。 利用者の負担できる能力 ( 収入の額など ) により受けたサービスの費用を負担する制度。所 得再分配の考えに基づき、低所得者は、税金、社会保険料などを減免し、高所得者は、より 高い負担率を課すという仕組み。 要介護者などが保健・医療・福祉に関する多様なサービスを適切に利用できるようにマネジ メントすること。ケアマネジャーや介護支援事業者が行う。ケアマネジメントともいう。 保健・医療・福祉に関する学識経験者から構成される市町村に設置された附属機関。要介護・ 要支援認定に関しての審査・判定を行う。 1 997 年介護保険法が成立し、 2000 年 4 月から施行された。この制度の目的は、「加齢 にともなって生する心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排泄、食 事等の介護、機能訓練、看護、療養上の管理その他の医療を要する者等」が「その有する能 力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」必要な保健医療サービス、福祉サー ビスを給付する仕組みをつくり、「もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ること」 と規定されている。 (Quality of Life) 生活の質。精神的な満足感、幸福感も含めてとらえられる。生活全般に ついて満足が得られるような自立した生活を送り、 QOL を高めることが、医療・介護・福 祉分野の目標になっている。 介護サービスが実施されたのち、利用者に提供されたサービス実績を確認し、国民健康保険 団体連合会に報告する業務。 要介護者や要支援者が利用するサービスを盛り込んだ計画をいう。在宅の要介護者は居宅介 護サービス計画。介護保険施設に入所している要介護者は施設サービス計画、要支援者は介 護予防サービス計画と呼ばれる。 、ケアマネジメント利用者のニーズに合った資源を開発し、他職種との連携を図りながら地域ケアシステムを構 こうくう ロ腔ケア 国民健康保険 団体連合会 ( 国保連合会 ) 築させていくこと。介護支援サービスと同義で使われることも多い。 ロ腔の清掃、歯科治療、摂食・嚥下のリハビリテーションなどにより、疾病予防、 QOL の 向上をめざす。 国民健康保険の規定に基づき設立された公的法人で、都道府県ことに設置されている。介護 保険の保険給付にかかる費用の請求があったときには、支給限度額内のサービスであるか否 かを審査し、事業者や施設に支払いをする。支払額は保険者である市町村に請求する。 157
②保健医療サー分野【基礎・総合】 格保持者は免除、総合は医師、歯科医師のみ免除されています。 基礎は 15 問、総合は 5 問出題されます。基礎は医師、歯科医師、医療系の国家資 ・ー保健医療サービス分野の 構造を知ろう 保健医療サービス分野の試験は、基礎と総 合に分かれていますが、境界が不明瞭なため、 両方勉強しておいたほうがよいでしよう。こ の分野の内容は、主に居宅・施設サービス、 高齢期の特徴や疾患、介護技術などから成り 立っています。 保健医療サービス分野の構造 訪問看護、介護予防訪問看護 ( 訪問リ八ビリテーション、居宅療養管理指導、 居宅サービス ( 介護予防サービス含む ) ・通所リノリテーション、短期入所療養介護、介護予防短期入所療養介護など。 2 施設サービス 3 高齢者の特徴 高齢期に多い疾患 6 介護技術 リハビリテーション 雇高齢者への医学的な対応 136 介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設など。 ・生活不活発病、脱水など。 アルツノ \ イマー病、せん妄など。 排泄介助、食事介助、ロ腔ケアなど。 リ八ビリテーション資源、基礎知識など。 ターミナルケア、急変時の対応など。
①介護支援分野 介護保険制度について ( 1 ) ・傾向と学習ポイント・ ケアマネジャーは介護保険制度に基づく資格であり、介護保険制度に関 しては、詳しく出題される傾向にあります。改正情報にも注意しましよう。 ①介護保険法の総則 介護保険法の総則には、目的、保険者、国の責務などの基本的事項が 述べられているので、覚えておくことが大切です。また、被保険者につ いては毎年出題される傾向にあります。被保険者の資格要件については、 第 1 号被保険者、第 2 号被保険者ともにまちがえることのないようにし たいものです。 さらに、最近では、住所地特例や資格喪失についての出題もされてい るので、項目別に表にまとめるなどの工夫をして覚えておきましよう。 ②要介護認定・要支援認定 毎年必す 2 ~ 4 問は出題されている傾向にあります。要介護者・要支援 者の基準、申請から認定までの流れなどを理解しておくことが大切です。 認定審査については、過去にはあまり出題されていませんでしたが、 最近では出題されています。また、認定の更新や要介護状態区分の変更 などについても学習しておきましよう。 認定に関するところは、毎年出題されるので、十分に時間をさいて勉 強することが大切です。 128