住宅 - みる会図書館


検索対象: 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック
62件見つかりました。

1. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

格は手ごろだけれど今まで住んでいた人の跡が気になる、という点に 対応して出てきた商品がリニューアル住宅である。中古の戸建やマン ションを宅建業者が買い取り、間取りを変更したり内装をやり替える などの手を加え再販するという手法で、売上件数を伸ばしてきてい る。中古住宅を購入する顧客にとって、自分でリフォームするとして も予算に限りがあり、どこをどの程度すればいいのかなかなか分かり にくい上に、リフォーム業者に相談すると言いなりになりそうで不安 なものである。 リニューアル住宅は、必要なリフォームが行われているだけでな く、間取りが変更されたり魅力的な建具が使われたりと、中古住宅と は異なった新たな魅力も加えられているものも多く、価格的にも新築 と中古の間というリーズナプルなレベルに設定されている。顧客に とっては、新築に近い感覚で購入することができ、リフォームなどの 余計な出費の心配がない上に、安心して資金計画が立てられ、商品的 にも魅力を感じる仕上がりになっている。 これに似た手法として、古いオフィスビルに手を加え住宅に作り変 える、コンバージョンという手法を使ったビルもある。ビルが建てら れた頃はオフィスニーズの立地だったものが、何十年か経過するうち に住宅としてのほうが、利用価値の高い立地に変わってしまった場合 などに使われる手法である。アメリカの都市部では大々的に取り入れ られているが、日本では建築規制や技術的な難度が伴い、まだ事例が 多くない状況である。 今後も、既存の住戸や建物に商品的な付加価値を加えて作り変える という手法は、ストック住宅や既存ビルの数が多いだけに、広がって いくと見込まれる。 1 70

2. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

営業と取引のヒント たものである。成約確率の高いエリアを対象にして、売却物件の依頼 を得るための販売促進活動を行うことになる。 購入希望の顧客の獲得を目指す場合にも、エリアや様々な顧客リス トといったものを対象にして、ターゲットの絞り込みを行う。工リア を選択する場合は、初めて住宅を購入する第一次取得者を対象とし て、住宅を購入できるだけの安定的な収入のありそうな顧客が住んで いる賃貸住宅・社宅・公務員住宅などを、ターゲットとして絞り込 む。既に所有している住宅を売却して、新たに住宅を購入する第二次 取得者を対象とした絞り込みは、売却物件収集と同様成約実績や売却 中物件を参考にして、ターゲットエリアの絞り込みを行う。 また、人が住居を移す場合にはそれなりの理由があり、その理由を ヒントにして対象とするターゲットの絞り込みを行うことも有効的で ある。 Ⅳー 2 ターゲットから反響を得る 選定したターゲットに対してどのようにアプローチするかによっ て、潜在している顧客が、自社に向けて見込みどおり反響してくれる のか、結果は大きく変わってくる。ターゲットを畑に例えるならば、 どんなに土壌のいい畑であっても、耕し方や手入れの仕方の良し悪し で、作物の出来不出来が大幅に違ってくるということである。ター ゲットに対して、顧客からの反響を得られる可能性が少しでも高く、 更に少しでもコスト効率のよい販売促進手段を選んだ上で、実施して いくことになる。 105

3. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

トラブル時の対応 ことができることになる。なお、中古の建物は建築後の建物の経年劣 化や自然損耗などがあり、一般的に瑕疵であるかどうかの判断がかな り難しい状況である。このため、中古住宅の売買では、瑕疵担保責任 ( 品 民 法 住宅の品質確保の 促進等に関する 宅地建物取引業法 法 律 確法 ) 消費者契約法 法律が規定する「瑕疵担保責任」 ・契約の解除または損害賠償の請求は、買主が「隠れた瑕疵」 の事実を知ってから 1 年以内にする必要がある。 ・売主は、瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしても、知って いて告げなかった事実については責任を免れることができな ・宅建業者が売主の場合、その目的物の瑕疵担保責任の期間に ついて、引渡しの日から 2 年以上となる特約をする場合を除 き、民法に規定するものより責任に不利となる特約をするこ とはできない。 例えば、瑕疵担保責任の期間を引渡しの日から 1 年とする特 約を付けた場合、この特約は無効となる。 ・新築住宅の場合、売主は、引渡しの日から 10 年間、住宅の 「基本構造部分」について、瑕疵担保責任を負うことが義務 付けられている。 基本構造部分とは、「住宅の構造耐カ上主要な部分または雨 水の侵入を防止する部分として政令で定めるもの」と規定さ れている。 ・新築住宅とは、完成後 1 年未満のもので、かっ、人が住んだ ことがないものを言う。 ・「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契 約を言う。 ・消費者契約の目的物に隠れた瑕疵がある時に、当該瑕疵によ り消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除 する条項は、無効となる。 141

4. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

営業と取引のヒント を対象として、各種の広告を使った広範囲で多人数に向けた販売促進 活動や、個別訪問などの一本釣り的営業を組み合わせて、繰り返して いくことになる。 このように営業のやり方が異なるため、営業活動の重点を法人とす るか個人とするかという、対象の選別をすることが必要となる。法人 を対象とした営業活動は、それぞれが持つコネクションを使った営業 や、紹介を使ったルート営業にウェイトが置かれるであろうが、一方 個人を対象として営業活動を行う場合には、対象の絞り込みとそこに 対しての販売促進活動の内容が重要なポイントとなる。法人営業は 個々人により手法やルートなどの個別性が強いため、ここでは住居系 に絞って話を進める。 成約を目指すためには、そもそも世の中に眠っている潜在顧客を見 つけ出し、顕在化させなくてはならない。住居系の取引を成約させる ための顧客獲得ステップとしては、住宅を購入したいと思っていた り、住宅を売却したいと思っている顧客がいると見込まれるエリアや リストの目安をつける。そして、そこに対して様々な販売促進活動を 仕掛け、住宅売買検討中の顧客を探し出すということになる。このよ うに、水面下に眠っていた検討顧客を探し出せれば、後は営業マンの セールスカで、成約に結び付けることになる。 売却物件の収集を目的として、ターゲットとなる顧客の絞り込みを 行うためにエリアを選定する。この場合、まず、レインズデータなど から売却物件の成約実績や売却中物件を把握した上で、売却物件が出 現しやすい場所を、団地や 1 丁目 2 丁目といった位の単位の広さで抽 出する。「この団地では年間 20 件は取引が成約していて、現状の売却 中物件数が 5 件」といった、具体的なポリュームが見えてくればしめ 103

5. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

購入の影響 住宅の購入にあたり影響を受けたこと ( 分譲住宅 ) 0.0 景気の先行き感 家計収入の見通し 地価 / 住宅の価格相場 住宅取得時の税制等の行政施策 従前住宅の売却価格 金利動向 26.4 14.7 10.0 20.0 30.0 ↓ 22.4 40.0 31.0 12.3 7.9 10.7 22.0 ロプラス影響ロマイナス影響 36.2 35.6 40.0 50.0 45.5 42.6 50.0 60.0 60.0 住宅の購入にあたり影響を受けたこと ( 中古住宅 ) 0.0 景気の先行き感 家計収入の見通し 地価 / 住宅の価格相場 住宅取得時の税制等の行政施策 従前住宅の売却価格 金利動向 10.0 20.0 30.0 23.4 19.3 20.4 13.1 5.8 5.9 7.8 31.4 18.9 14.3 34.3 25.4 ロプラス影響ロマイナス影響 104 2004 年国土交通省「住宅市場動向調査」より

6. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

住宅ローンを有する世帯 20.0 80.0 8 40.0 注文住宅 65.2 分譲住宅 72.0 中古住宅 。、 54.9 住宅ローンの平均年間支払額 = 年間支払額 ー返済負担率 30.0 160.0 140.0 120.0 間 100.0 払 80.0 額 60.0 万 当 40.0 20.0 0 25.0 125.4 124.5 104.2 17.8 20.0 ( 返済負担率【 % ) 19.3 19.3 10.0 中古住宅 注文住宅 分譲住宅 資料 : 2004 年国土交通省「住宅市場動向調査」より 1 26

7. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

マンション管理業者の双方の対応が必要ということで、国のマンショ ン管理適正化策の一環として、 2001 年にマンション管理士とマンショ ン管理業務主任者というふたつの資格が作られた マンション管理士は、管理組合の運営や管理に関して所有者などの 相談に応じて助言や指導などを行う業務を行う。また、マンション管 理業務主任者はマンション管理業者の規模に応じて一定数の設置を要 し、管理事務の委託時に重要事項の説明をするなどの業務を行う者で ある。特にマンション管理業務主任者は、管理業者に取って一定数の 確保が求められており、今後管理する住戸が増える一方の状況下で、 その存在はますます重要性を増していくであろう。 ここで取り上げた新しいプレーヤー達のすべてが、すでに十分力を 発揮して活躍しているというわけではなく、まだ試行錯誤しながら業 務に取り組んでいるものもある。しかし、顧客ニーズに応えるため、 従来のやり方を打破しながら進もうとしていることが、何よりの魅力 である。このような新しいプレーヤーが活躍していくことが、ビジネ スチャンスを拡大し、不動産マーケットを広げていくことに結びつい ていくことになると考える。 Ⅵー 2 ニュービジネスの台頭 ライフスタイルの多様化や少子高齢化といった、顧客ニーズや社会 環境の変化していく状況において、今後の住宅需要も一定の新築に対 する需要は継続するものの、従来の量的ニーズより住宅の質や、そこ 168

8. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

社業を発展させる その提供 ・大都市においてインターネットにより路線別の売買平均 価格情報の提供を普及させる ー = 市場の評価が長続きする質の高い住 宅リフォームを実現 ① インターネットを活用したリフォーム事業の再編 ・インターネットによる標準契約書の提供、事業者情報提 供システム、対話型費用見積もりシステム、バリアフ リー化診断システム等 ② リフォームし易い住宅や住宅部品の開発普及 ・耐久性の高い SI 住宅の開発、住宅部品の取り付け部分の 標準化 ③ 、耐震、省エネ改修等の重点的推進 バリアフリ 3 . アクションプログラムの効果 以上の施策を具体化することにより、 2015 年における住宅市 場は以下のとおりになるものと見込んでいます。 ①中古住宅流通市場の規模は現在より倍増 ②リフォーム市場は 3 割増に拡大 ③住宅の耐用年数はアメリカ並みに 40 年以上 ④リフォーム市場の拡大により約 22 万人の新たな雇用が発生 今後の予定 早急に実施する必要性の高い上記施策については、来年度に も具体化するよう今年度中に制度設計に着手します。 資料 : 国土交通省住宅局住宅政策課 163

9. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

国土交通省の住宅市場整備行動計画 2001 年 8 月 23 日 住宅市場整備行動計画 ( アクションプログラム ) の公表について 1 . 国土交通省では、本年 3 月に決定された住宅建設五箇年計画 を受け、消費者が安心できる住宅市場の整備に必要な施策を住 宅市場整備行動計画 ( アクションプログラム ) に取りまとめま したので、公表します。 2 . アクションプログラムのポイント ( 主要施策 ) ー = 安心して売買できる市場を作る ① ② ③ ④ 162 中古住宅の検査、性能評価・表示システムの導入 ・買主に代わって中古住宅の維持管理状況を目視で簡易に 検査点検してくれる 一定のルールに基づき中古住宅の性能を評価・表示して くれる マンションの維持管理履歴情報の登録制度の導入 ・大規模修繕等リフォーム・メンテナンス履歴情報を登録 し、マンションの区分所有者や購入予定者の求めに応じ て公開 中古住宅の質・管理状況を考慮した価格査定システムの 導入 ・履歴情報・現況調査の結果等を考慮した価格査定システ ムの構築 インターネット上での中古住宅の成約価格情報の蓄積と

10. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

社業を発展させる 〇不動産オークション 中古住宅の売却を行おうとする場合は、宅建業者に依頼して買い手 を探してもらうほかは、売主自ら行うしか方法がない。売り手は少し でも高い売却価格を希望し、買い手は少しでも安い価格での購入を希 望するが、それを入札・セリといった公開された場で行うのが、不動 産オークションであり、現在いくつかの宅建業者で行われている。 不動産売買取引は、価格という要素以外にも、取引スケジュールや 資金準備など、いくつかの取引条件が合わないと進められないという 複雑さを伴うが、これらをうまく整理した上でオークションが取り行 えるようにしている。一般のネットオークション取引が広がる中で、 売主・買主にとって価格の透明性が高い方法のひとっとして、この手 法が顧客ニーズに応え、受け入れられていくであろう。 〇インスへクションと瑕疵保証 中古住宅を購入する顧客にとって、取引する建物がどれくらい傷ん でいるのか、引渡しを受けてから壊れたり故障したりしないかといっ た不安が常に付きまとい、このことが中古住宅流通の阻害要因とも なっている。新築住宅に比べ中古住宅の流通量が圧倒的に多いアメリ 力では、中古の戸建住宅の取引を行う際には、インスペクションと呼 ばれる住宅性能検査の実施が、都市部の取引では必ず行われている。 わが国でも、この住まいの健康診断といったものを行う検査会社が 数年前から出てきていたが、国でも力を入れて「既存住宅の性能表示 制度」という制度を作り、 2002 年 12 月からスタートしている。現在国 の性能表示制度と民間のインスペクションが並存している状況である が、どちらも受注がいまひとつ伸び悩んでいる状況である。しかし、