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検索対象: 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック
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1. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

営業と取引のヒント を対象として、各種の広告を使った広範囲で多人数に向けた販売促進 活動や、個別訪問などの一本釣り的営業を組み合わせて、繰り返して いくことになる。 このように営業のやり方が異なるため、営業活動の重点を法人とす るか個人とするかという、対象の選別をすることが必要となる。法人 を対象とした営業活動は、それぞれが持つコネクションを使った営業 や、紹介を使ったルート営業にウェイトが置かれるであろうが、一方 個人を対象として営業活動を行う場合には、対象の絞り込みとそこに 対しての販売促進活動の内容が重要なポイントとなる。法人営業は 個々人により手法やルートなどの個別性が強いため、ここでは住居系 に絞って話を進める。 成約を目指すためには、そもそも世の中に眠っている潜在顧客を見 つけ出し、顕在化させなくてはならない。住居系の取引を成約させる ための顧客獲得ステップとしては、住宅を購入したいと思っていた り、住宅を売却したいと思っている顧客がいると見込まれるエリアや リストの目安をつける。そして、そこに対して様々な販売促進活動を 仕掛け、住宅売買検討中の顧客を探し出すということになる。このよ うに、水面下に眠っていた検討顧客を探し出せれば、後は営業マンの セールスカで、成約に結び付けることになる。 売却物件の収集を目的として、ターゲットとなる顧客の絞り込みを 行うためにエリアを選定する。この場合、まず、レインズデータなど から売却物件の成約実績や売却中物件を把握した上で、売却物件が出 現しやすい場所を、団地や 1 丁目 2 丁目といった位の単位の広さで抽 出する。「この団地では年間 20 件は取引が成約していて、現状の売却 中物件数が 5 件」といった、具体的なポリュームが見えてくればしめ 103

2. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

営業活動とルール 的な不安感が広がってきた。このような中で、個人の権利と利益を保 護することを目指す個人情報保護法が制定され、 2003 年 5 月から一部 が施行されていたが、 2005 年 4 月より全面的な施行に至った。この法 律は、個人情報を取扱っている事業者に、守らなくてはならない義務 と対応を規定し、違反行為には行政罰や刑事罰が課せられるという厳 しいものである。 個人情報保護法でいう個人情報とは、生存する個人に関する情報で 特定の個人を識別可能なものとされている。具体的には、氏名・生年 月日のようにその情報をみればあの人のことと分かってしまうような ものや、画像や音声といったものも広く対象としている。そして、 れらの個人情報を体系的に整理した集合物をデータベースといい、 データベースが 5 , 000 以上の個人情報で構成されるものを保有する と、個人情報取扱事業者としてこの法律の対象となる。 ただし、個人情報データベースには他人が作成したものも含まれ、 宅建業者の場合レインズ会員であれば、例え自社のデータベースが 5 , 000 未満だとしても、個人情報取扱事業者となる。つまり、宅建業 を営めば、個人情報保護法を遵守しなければならないということにな る。 個人情報保護法が事業者に義務づけているものに、次のものがあ ・個人情報を収集する際には、利用目的を明確にする。 ・目的以外で利用する場合には、本人の同意を得る。 ・個人情報を収集する際には、利用目的を通知・公表する。 ・情報の漏洩がないよう対策を講じ、従業者だけでなく委託業者も監 督する。 る。 97

3. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

きな格差があり、取引や契約締結においてどうしても消費者が不利に なる。そこで、消費者の自己責任を問える環境を作るためにルールを 定めようとしたものが、消費者契約法である。この法律は、消費者と 事業者との間の契約において、事業者の一定の行為によって消費者が 誤認したり困惑した場合に、その契約を取り消すことができることと し、また消費者の利益を擁護しようとしたもので、 2001 年 4 月より施 行された。宅地建物の取引においても、売買・交換・賃貸借などすべ ての契約や媒介契約が、消費者と事業者との契約であれば適用される ことになる。 この法律では、消費者契約を対象としており、消費者契約とは消費 者と事業者との間で締結される契約のことをいい、消費者同士や事業 者同士の契約は、適用の対象にならない。ーこでいう消費者とは、事 業者としてまたは事業のために契約の当事者となる場合を除いた個人 のことだけをいい、事業者とは、法人その他団体と事業としてまたは 事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。つまり宅 建業者は、株式会社や有限会社などの法人業者に加え、個人業者も事 業者に該当する。宅地建物の取引に関連する、消費者契約法の対象と 個人の一般顧客に分譲する契約。 ・宅建業者が売主となり、マンション・一戸建・宅地を、法人でない なる契約は、主に次のようなものがある。 ・仲介業者が、一般の個人から不動産の売買・交換・貸借の斡旋を依 締結する賃貸借契約。 ・賃貸マンション・アパート・貸家の経営者が、個人である賃借人と めに行う契約。 ・宅建業者が個々の物件について、法人でない個人と売却や購入のた

4. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

後は法務局に行けば、誰でも自由にその内容を確認することができ る。この結果として、事業資金の借り入れ、人材の募集を始めとした あらゆるビジネスの場面で、個人に比べて会社のほうが信用力が高く なる。全国で宅建業者は 13 万社あるが、そのうち法人として営んでい るところが約 8 割で、残り約 2 割が個人で営んでいるといった状況で ある。ただし、首都圏の 1 都 3 県では個人の割合が低く、約 9 割が法 人として営んでいる。 会社にするメリットとして、責任が有限のためにリスクが少ないこ とと、税制上に有利な場合があるということも挙げられる。責任が有 限というのは、業績が悪化したり倒産した場合に、個人事業であれ ば、その事業主個人の財産すべてが債務の対象となるため、失うリス クがある。一方、一般の会社の場合は、出資者は自分の出資した金額 の範囲でしか責任を取る必要がないのである。このため、個人名義の 宅地建物取引業者の個人・法人の別 ロ個人 目法人 ( 単位 : 社 ) 3 ~ 度 年 132 , 440 社 28 , 305 度 年 130 , 298 社 27 , 232 100 % 40 60 80 20 資料 : 国土交通省総合政策局不動産業課「宅地建物取引業法施行状況調査」

5. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

開業のための手続き 人だけを対象とせず、広く一般の人々に対して、 2 回以上の宅地また とを指している。つまり、ある会社の社員だけといったように特定の の業とは、不特定かっ多数の人に対して、反復継続して取引を行うこ また、宅建業は上記の① ~ ③を業として行うこととしているが、 ということである。 主と借主を結び付けるだけで、代わって契約締結をすることは不可能 思表示を行えるが、媒介の場合は売主と買主、交換したい人同士、貸 いは、代理の場合の代理人は、依頼人に代わって契約成立のための意 宅地建物取引業者数の推移 ( 業者 ) 160 , 000 140 , 000 120 , 000 100 , 000 80 , 000 60 , 000 40 , 000 20 , 000 0 ロ個人 ロ法人 ( 注 : 各年度末の数字 ) 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 資料 : 国土交通省総合政策局不動産業課「宅地建物取引業法施行状況調査」 ( 年度 ) 29

6. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

個人情報保護法制の体系イメー 基本理念 基本方針の策定 国の責務、施策 ・地方公共団体等への支援・苦情処理のための措置等 地方公共団体の責務、施策 報告徴収、助言、勧告、合・ヘ 主務大臣 ( 事業等所管官庁 ) による ・第三者提供の制限・開示・訂正・利用停止・その他 ・利用目的による制限・適正な取得・安全管理措置 個人情報取扱事業者の義務 ・苦情の処理のあっせん等 ・保有する個人情報の保護・区域内の事業者等への支援 シ 個人情報の 保護に関する法律 官民を通じた基本法 部門 ) ( 公的 ? 叩 個を , 個国第塗 の ・個人の同意なく、第三者に情報提供してはならない。 ・本人からの求めに応じて、情報を開示する。 ・公開された個人情報が事実と異なる場合は、訂正や削除に応じる。 ・個人情報の取り扱いに関する苦情に対して、適切かっ迅速に対応す る。 顧客から住所や名前などを聞くとき、その情報をダイレクトメール など営業に利用するとき、個人情報が記載されたカードや契約書など を保存したり処分したりなど取り扱うときには、すべて上記の義務が 課せられる。このため、事前に対応方法を決めておき、実施しなけれ ばならない。そして違反があると、主務大臣の命令違反の場合 6 カ月 以下の懲役または 30 万円以下の罰金、報告義務違反の場合 30 万円以下 の罰金が科せられる。 宅建業者の事故例としては、物件紹介の電子メールを複数の顧客に 発信した際に、送付先を BCC とせず送付したため、送付者全員に皆 98

7. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

④有限会社 株式会社の株主と同じように、間接有限の責任を負う社員で構成さ れている。比較的少人数の出資者で簡易な手続きで会社運営ができ、 社会的信用もあり、個人で起業する場合にやりやすい形態である。 合名会社、合資会社は、社員が無制限に責任を負うため、現在では ほとんど利用されておらず、これから起業する場合は株式会社か有限 会社のどちらかになる。 会社と個人事業の比較 会 社 個人事 業 社会的信用が高い 会社に比べて低い ・・・資本金・役員・会社規模によって ・・・周りからみただけでは財務体 決算内容などが公開の対象となっ 質や責任者などが不明確であ ている。 る。 会社自体が負い、株式会社・有限会 任社の場合は株主や出資者に出資額以個人がすべて負担する 上の責任は及ばない 会社組織によって株主総会、取締役 意思決定 、代表取締役など会社の機関が決個人がすべて決める める 事業の継続性解散などの事由がない限り存続する個人の死亡によって終了する 会社のものであり、会社の所有者で 益 ある出資者には一定条件のもと、配儲けはすべて個人のもの 利 当として配分される ①損益通算できる ①損益通算に制限がある 金②一定税率 ②累進課税 ③費用計上できる範囲が広い ③費用計上できる範囲が狭い 信 用 カ 責 税 22

8. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

免許申請に必要な書類 ( 東京都知事免許の場合 ) 書類の要否 書類ーの 0 名称 法人個人 1 0 0 免許申請書 ( 第一面 ~ 第五面 ) 相談役及び問、 5 % 以上の株主・出資者等の名簿 「添付書類 ( 4 月 ( 第一面、第ニ面 ) 【法人申請のみー 身分証明書 ( 代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、専任 〇 〇 の取引主任者、政令使用人、相談役、顧問の全員について必要 ) 登記されていないことの証明書 ( 代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、 0 4 執行役、専任の取引主任者、政令使用人、相談役、顧問の全員について必要 ) ※民法の改正 ( 平成 12 年 4 月 ) により、新たに追加された書類 5 代表者の住民票【個人申請のみ】 略歴書 ( 代表取締役、取締役、監査役、代表執行役、執行役、専任の取引主 任者、政令使用人、相談役、顧問の全員について必要 ) 「添付書類⑥」 7 専任の取引主任者設置証明書「添付書類 ( 3 ) 」 6 宅地建物取引業に従事する者の名簿「添付書類 ( 8 リ 9 専任の取引主任者の顔写真貼付用紙 ( 顔写真を添付 ) 1 0 法人の商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書【法人申請のみ】 11 宅地建物取引業経歴書ー添付書類 ( 1 ) 』 ( 第一面、第ニ面 ) 決算書 ( 表紙、貸借対照表及び損益計算書 ) 【法人申請のみ】 ※新設法人は「開始貸借対照表」を添付する。 13 資産に関する調書「添付書類 (7)J 一個人申請のみ】 1 4 納税証明書 ( 税務署発行。様式その 1 ) ※新設法人は添付不要。 〇 〇 15 誓約書ー添付書類囘」 、 0 0 0 16 事務所を使用する権原に関する書面「添付書類向ー 0 17 事務所付近の地図く案内図〉 0 0 1 8 事務所の写真 〇 〇 ロの番号の書類は「法定様式」。購入される方は都庁内の用紙販売所で購入することが ( 注 ) 1 できる ( ダウンロードはできません ) 。 1 ~ 18 の書類の他、審査の必要上、別に書類の提出が必要となることがある。 ◇作成する部数 ロ正本 1 部、副本 ] 部の合計 2 部 ( 副本は、受付後控えとして申請者に返却。 ) 資料 : 東京都「宅建業免許申請の手引き」 順序 2 3 〇一 ~ 。 0 0 0 0 x 0 x 0 0 0 0 〇 0 〇 6 1 2 2 34

9. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

消費者契約法の適用を受ける契約 事業者 事業者 ( 非宅建業者 ) 事業者 消費者 消費者 売主 ( 宅建業者 ) 買主 消費者 消費者 事業者 事業者 ( 非宅建業者・宅建業者 ) 消費者 消費者契約法の適用 宅建業法の効力規定が 優先して適用される。 適用有り 適用有り なし 適用有り なし たことにより消費者が困惑し、それにより契約の申し込みや承諾の 意思表示をしたとき。 これらの事実を理由とする取消権の行使は、追認することができる ときから、 6 カ月以内に行わなければならない。宅建業者が取引を行 うに際しては、売主・代理・媒介というすべての立場において消費者 契約に当たるか確認を要する。そして、該当する場合には、取消し原 因となるような不適切な勧誘行為を行わないようにすることや、契約 書に消費者契約法で無効となってしまうような、不当な条項を含まな いなどの対応をしなければならない。 Ⅲヨ 0 個人情報保護法について 近年のコンピューターの高性能化や小型化と、インターネットなど の普及によって、個人情報の IT 処理が急速に広く浸透し、個人も企業 も利便性が大いに向上した。しかし一方で、不正利用や情報の漏洩と いった事故も多く起きてきており、個人情報の取り扱いに対する社会 96

10. 不動産業 独立・開業と実務ハンドブック

開業のための手続き 不動産などを担保に出したりしていなければ、会社を失ったとして も、個人の財産にまで累が及ぶことはないという安心感がある。 また税制の違いにより、個人の事業所得が大きくなると、その事業 を会社として行うほうが税務上有利になる。個人で行う場合は、超累 進課税率をとっている所得税と住民税が、最大合わせて 50 % の課税と なるが、会社の場合は原則 30 % の均一課税で、事業税などを含めても 個人の事業所得より低くなり、利益が高くなるほど会社のほうが有利 といえる。この外にも、会社の場合は社長本人が役員報酬や役員退職 金を受け取ることにより、所得分散が図られ必要経費として扱われる ことや、自動車などを会社名義で購入するなど必要経費の範囲も広 一言で会社といっても、商法上次の 4 種類に分けられている。 ①合名会社 社員が全員、事業に対して無制限に責任を負う。社員同士の信頼関 係が重視され、債務者からみると取引の安全性が高いが、今では少数 で、昔からやっている酒造会社などにみられる程度である。 ②合資会社 責任形態が、無制限の社員と有限の社員とで構成されている。最近 では、この形態の会社はほとんどみられなくなった。 ③株式会社 出資者である株主が、有限の責任を負う。企業所有と経営が制度的 に分離されており、株主としての地位である株式の譲渡は、原則とし て自由である。広く資本を集めて永遠性のある企業形態とするため に、株式会社は最適なものである。 21