に要する経費の充当については , 修繕工事の一環としての経費であることから , 原則として修繕 積立金から取り崩すこととなる ( マンション標準管理規約 ( 単棟型 ) コメント 32 条関係④ ) 。 2 適切である。記述の通り , 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料も専門的知識を有 する者を活用することに必要な費用も共に通常の管理に要する経費に該当し , 管理費から充当さ れる ( マンション標準管理規約 ( 単棟型 ) 27 条 5 号 , 9 号 ) 。 3 適切である。管理費等の額については , 各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出する ものとし , 管理費等の負担割合を定めるに当たっては , 使用頻度等は勘案しない ( 同 25 条 2 項 , 同コメント 25 条関係① ) 。記述の通りである。 4 適切である。記述の通り , 収支決算の結果 , 管理費に余剰を生じた場合には , その余剰は翌年 度における管理費に充当する。また , 管理費等に不足を生じた場合には , 管理組合は組合員に対 して標準管理規約第 25 条第 2 項に定める管理費等の負担割合により , その都度必要な金額の負担 を求めることができる ( 同 61 条 2 項 ) 。 〇マンション標準管理規約 ( 役員 ) 正解 1 1 適切である。監事は , 管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し , その結果を総ムに報土 じ、・エヾに一 しなければならず , 理事から必要な証憑書類等を提出させることが必要であり , 理事会に出席し て意見を述べることができる ( マンション標準管理規約 41 条 1 項・ 3 項 ) 。 2 適切ではない。監事は , 管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めると きは , 臨時総会を招集することができる ( 同 41 条 2 項 ) 。自ら招集することができるのであり , 理事長に要請するのではない。 3 適切ではない。理事長は , 毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し , その承認を得なけれ ばならない。また , 理事長は , 毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て通常総会に報告 し , その承認を得なければならない ( 同 58 条 1 項 , 59 条 ) 。監事の会計監査が必要なのは , 収支 決算案である。 4 適切ではない。理事及び監事は組合員のうちから選任されるもので , マンションに現に居住し ていることは要件ではない。近年の改正点である ( 同 35 条 2 項 ) 。 〇管理組合の会計処理 ( 仕訳 ) 正解 4 題意より平成 27 年 3 月分の仕訳であるから , 借方は資産の増加として普通預金 150 万円とその時 点での未収入金 2 万円 + 1 万円の合計 3 万円を資産の増加として計上する。貸方は , 2 月以前分と して合計 10 万円の入金があったのであるからこれを計上する。次に発生主義による 3 月分としての 管理費収入は入金分 24 万 + 未収入金分 2 万の合計 26 万 , 同様に 3 月分の修繕積立金収入合計は入金 分 , 未収入金分合計で 14 万をそれぞれ貸方に計上する。さらに , 管理費 , 修繕積立金 4 月分合計 103 万円が入金されているから , これらを前受金で負債の増加として , まとめて貸方に計上する。 以上より , 正しい仕訳内容は 4 となる。 〇管理組合の会計処理 ( 仕訳 ) 正解 3 不動産法律セミナー 問 1 5 ーノ 38 ー ノノ / 2 硼イ
出版案内 ☆不動産法律セミナーバックナンバー☆ 2014 年 1 1 月号 1411-7005003 2014 年 12 月号 1412-7005003 2015 年 1 月号 1501-7005003 2015 年 2 月号 1502-7005003 2015 年 3 月号 1503-7005003 2015 年 4 月号 1504-7005003 2015 年 5 月号 1505-7 5 3 2015 年 6 月号 1506 -7 5003 2015 年 7 月号 1507-7 5003 2015 年 8 月号 1508-7005 開 3 2015 年 9 月号 1509-7005003 2015 年 10 月巧 1510-7005003 ※ 2009 年 1 2 月号までは定価 950 円 ( 税込 ) です。 現在 , 在庫は 2009 年 1 月号以降分のみあります ( 2010 年 IO 月号を除く ) 特集①行政書士ファイナル試上模試 / ②管理業務主任者試上模試 / ③行政書士一般知 識等肢別チェック / 行政書士テーマで攻略する民法講座・応用力をつける記述式レッスン・マン ション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組合の運営 Q & A 特集①平成 26 年度宅建主任者本試験問題と詳細解説 / ②マンション管理士・管理業務主任 者マイナー科目の肢 70 ファイナルチェック / 行政書士ステップアップ行政法・行政法出るとこ ポイント講座・応用力をつける記述式レッスン・マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべ き管理組合の運営 Q & A 特集平成 26 年度行政書士本試験問題と詳細解説 / 行政書士ステップアップ行政法・行政法 ・応用力をつける記述式レッスン・マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組 合の運営 Q & A 特集①平成 26 年度マンション管理士本試験問題と詳細解説 / ②受験・実務ガイダンス ( マンション管理士 ) / 行政書士ステップアップ行政法・テーマで攻略する民法講座・応用力をつける 記述式レッスン・マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組合の運営 Q & A 特集①平成 26 年度管理業務主任者本試験問題と詳細解説 / ②実験・実務ガイダンス く管理業務主任者〉 / 行政書士行政法出るとこポイント講座・ステップアップ行政法・応用力をつ ける記述式レッスン・マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組合の運営 Q & A 特集①測量士補試上模試 / ②土地家屋調査士合格者アンケート調査 / 行政書士ステッ プアップ行政法・テーマで攻略する民法講座・応用力をつける記述式レッスン・マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組合の運営 Q & A 特集①合格対策ガイダンスー宅地建物取引士 / ②土地家屋調査士記述式レッスン【土地】 / ③行政書士法改正ポイント整理 ( I ) / ④マンション管理士・管理業務主任者受験と実務 のための法令改正の要点整理 / 行政書士分野別択一肢トレーニング・ステップアップ行政法宅建士 個数・組合せ問題対策講座ピジ法 3 級・ 2 級を一気に攻略 特集①司法書士改正会社法・商業登記法ポイント整理 ( I ) / ②測量士補から土地家屋調査士へ 向けた学習法 / ③土地家屋調査士記述式レッスン【建物】 / ④行政書士法改正ポイント整理 ( Ⅱ ) / 行政書士分野別択一肢トレーニング・ステップアップ行政法・テーマで攻略する民法講座宅建士個数 ・組合せ問題対策講座マンション管理士 & 管理業務主任者実務上知っておくべき管理組合の運営 Q & A 管理業務主任者出題科目別演習 特集①司法書士改正会社法・商業登記法ポイント整理 ( Ⅱ ) / ②測量士補本試験問題と詳細解説 / ③土地家屋調査士記述式レッスン【区分建物】 / 行政書士記述式セミナー・ステップアップ学習【一般知識】 ビジ法 3 級・ 2 級を一気に攻略宅建士個数・組合せ問題対策講座管理業務主任者出題科目別演習 特集①土地家屋調査士 ( 午後の部 ) 誌上模試 / ②平成 26 年度土地家屋調査士本試験問 題 ( 午前の部 ) と詳細解説 / 行政書士記述式セミナー・ステップアップ学習【一般知識】・分野別択一肢トレー ニング・テーマで攻略する民法講座宅建士個数・組合せ問題対策講座管理業務主任者出題科目別演習 特集①宅地建物取引士誌上模試 / ②平成 27 年度司法書士試験の分析と平成 28 年度対策 / ③マンション管理士・管理業務主任者受験と実務のための法令改正の要点整理 / 行政書士 記述式セミナー・ステップアップ学習【一般知識】・ビジ法 3 級・ 2 級を一気に攻略宅建士個数・組合せ問 題対策講座管理業務主任者出題科目別演習 特集①《速報版》平成 27 年度土地家屋調査士本試験問題 ( 午後の部 ) と解説 / ②平成 27 年度 土地家屋調査士 ( 午前の部 ) と解説 / 土地家屋調査士不在者・相続人不存在の財産管理の実務行政 書士記述式セミナー・ステップアップ学習【一般知識】・分野別択一肢トレーニング・テーマで攻略する 民法講座宅建士個数・組合せ問題対策講座管理業務主任者出題科目別演習 ※ 2015 年 11 月号の商品コードは , 1511- 7005003 です。 1 5
問 1 6 A が区分所有している専有部分 ( 本問において以下「本件専有部分」という。 ) を B が貨 借している場合に関する次の記述のうち , 民法 , 借地借家法 ( 平成 3 年法律第 90 号 ) の規 定及び最高裁判所の判例に照らして , 誤っているものはどれか。 B が本件専有部分について必要費又は有益費を支出した場合 , A は , 賃貸借契約の終了時にこ れを償還しなければならないが , A は , 裁判所に請求することにより , その償還について相当の 期限の許与を受けることができる。 2 B が本件専有部分を A の承諾を得ることなく C に転貸しその使用をさせた場合でも , A は , AB 間の賃貸借契約を解除できないことがある。 3 A が本件専有部分を B に賃貸し , B がそこに居住した後に , A が本件専有部分を c に売却して その旨の登記を C に移転した場合でも , C は , B に対して , 本件専有部分の明渡しを請求するこ とはできない。 4 本件専有部分の一部が B の過失によらずに滅失した場合において , 残存した部分のみでは B が 賃借をした目的を達せられないときは , B は , AB 間の賃貸借契約を解除することができる。 問 7 マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント ( 平成 15 年 4 月 9 日国総動第 3 号。国土交通省総合政策局長通知。以下 , 「マンション標準管理委託契 約書」という。 ) に関する次の記述のうち , 最も適切なものはどれか。 1 マンション管理業者は , 事務管理業務 , 管理員業務 , 清掃業務 , 建物・設備管理業務の管理事 務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。 2 マンション管理業者は , 管理組合に対し , 管理事務の処理状況及び管理組合の会計の収支の結 果を記載した書面を交付し , 管理業務主任者をして , 報告をさせなければならず , また毎月末日 までに , 管理組合に対し , 前月における管理組合の会計の収支状況に関する書面を交付しなけれ ばならない。 3 管理組合又はマンション管理業者は , 契約を更新しようとする場合 , 有効期間が満了する日の 前月末日までに , その相手方に対し , 書面をもって , その旨を申し出るものとする。 4 マンション管理業者が委託業務を行うマンションについて , 滅失 , き損 , 瑕疵等の事実を管理 組合が知った場合でも , 特段の事情がある場合を除いて , 管理組合はその状況をマンション管理 業者に速やかに通知する必要はない。 問 8 マンション標準管理委託契約書に関する次の記述のうち , その内容が適切なものはいくつ あるか。 アマンション管理業者が , マンション管理適正化法の規定に違反し , 業務停止の処分を受けた場 合 , 管理組合はその事実をもって管理委託契約を解除することはできない。 イマンション管理業者は , 管理事務を行うため必要があるときは , あらかじめ管理組合理事長の 承諾を得たうえで管理組合の組合員の専有部分への立入りを請求することができる。 ウマンション管理業者は緊急に行う必要がある業務で , 管理組合の承認を受ける時間的余裕がな いものについては , 管理組合の承認を受けないで実施することができるが , この場合において , マンション管理業者は , 速やかに , 書面をもって , その業務の内容及び実施に要した費用の額を 管理組合に通知しなければならない。 エマンション管理業者は , 管理事務を行うため必要なときは , 管理組合の組合員及びその所有す 不動産法律セミナー 一月ィー ノノ / 2 硼 5
2 . 民法 ( 「契約」及び契約の特別な類型とし ての「委託契約」を締結する観点から必要 なもの ) , マンション標準管理委託契約書等 3 . 建物及び附属設備の維持又は修繕に関 する企画又は実施の調整に関すること 4 . マンションの管理の適正化の推進に関 する法律に関すること 5 . 上記 1. から 4. に掲げるもののほか管理 事務の実施に関すること マンション管理士・ 管理業務主任者 もの ) , マンション標準管理委託契約書等 簿記 , 財務諸表論等 建築物の構造及び概要 , 建築物に使用され ている主な材料の概要 , 建築物の部位の名 称等 , 建築設備の概要 , 建築物の維持保全 に関する知識及びその関係法令 ( 建築基準 法 , 水道法等 ) , 建築物の劣化 , 修繕工事の 内容及びその実施の手続きに関する事項等 マンションの管理の適正化の推進に関する 法律 , マンション管理適正化指針等 建物の区分所有等に関する法律 ( 管理規約 , 集会に関すること等管理事務の実施を行う につき必要なもの ) 等 出題分野はマンション管理士試験と重複しているところが多いですが , 管理業務主任者試 験では実務的な出題 , 特に標準管理委託契約書 , 会計処理 ( 仕訳等 ) 等からの出題がかなり みられるので要注意です。会計処理 ( 仕訳等 ) が苦手な方は簿記 3 級程度のテキストで概要 を把握しておく必要があります。 ウ初受験の方は , 時間配分に慣れていないと思われるので実際の問題 ( 過去問でまだ目にし たことのない 50 問題 ) を規定の時間 ( 120 分 ) で実際に解答してみることです。そこで , 自 分なりに時間配分に慣れておくことです。 ェ管理業務主任者試験の傾向として , 設問が「適切なものはいくつあるか」という個数問題 , 「適切なものの組合わせはどれか」という組合わせ問題といったものが数問出ることがあり ます。この手の設問にも慣れておくことが必要です。 オ日頃からマンション管理に係る情報 ( テレビ報道 , 新聞等 ) は , こまめにメモを取ってお くとよいでしよう。建築基準法 , 消防法など法令改正や専門用語 ( たとえば , 防災に関する ェスカレーターの「かかり代」 , 「長周期地震動」 , 「スロッシング」 , 「インフラストラクチ ヤ」 , 「 ls 値」 , 「住宅用火災警報器」 , 「新耐震基準」など ) , その他 , 「「公開空地」 , 「 CAD 」 , 「 BOD 」 , 「アルコープ」 , 「カーテンウォール」」などの特殊な用語が出てきた場合 , わから なければ設問自体が理解できずお手上げになってしまいます。 オ過去数年間の過去問はすべてマスターしておいてください。全く同じ出題はなくても類似 の問題は結構あります。 力ある用語 , たとえば「コンクリートの中性化」という意味は分かっていたとしても , そこ から派生する用語「 pH 」 , 「コンクリートの特徴」 , 「鉄筋の特徴」 , 「中性化の試験」 , 「フェ ノールフタレイン」などの意味も口から出てくるように訓練しておくことです。 キすべての受験者に共通することですが , 健康管理には重々気を付けてください。当日 , 歯 ノノ / 2 硼 5 ーノ磑ー 不動産法律セミナー
4 正しい。理事長は , 未納の管理費等及び使用料の請求に関して , 理事会の決議により , 管理組 合を代表して , 訴訟その他法的措置を追行することができる ( 同 60 条 3 項 ) 。また , 敷地の一部 の電話事業者への賃貸は , 敷地及び共用部分等の第三者の使用に該当し , 総会の決議が必要であ る ( 同 16 条 2 項 ) 。 〇区分所有法 ( 集会の招集 ) 正解 4 1 正しい。区分所有者の 5 分の 1 以上で議決権の 5 分の 1 以上を有するものは , 管理者に対し , 会議の目的たる事項を示して集会の招集を請求することができる。この請求がされた場合におい て , 2 週間以内にその請求の日から 4 週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられな かったときは , その請求をした区分所有者は集会を招集することができる ( 区分所有法 34 条 3 項 , 4 項 ) 。記述の通り , その請求をした区分所有者の連名で招集通知を発することができる。 2 正しい。管理者がないときは , 区分所有者の 5 分の 1 以上で議決権の 5 分の 1 以上を有するも のは , 集会を招集することができる。ただし , この定数は規約で減することができる ( 同法 34 条 5 項 ) 。よって , 区分所有者の 10 分の 1 以上で議決権の 10 分の 1 以上を有するものが招集通知を 発することができる旨の規約の定めは有効である。 3 正しい。集会の招集通知をする場合において , 会議の目的たる事項が規約の設定 , 変更又は廃 止に係る決議事項であるときは , 記述の通り , その議案の要領をも通知しなければならない ( 同 法 35 条 5 項 ) 。 4 誤り。専有部分が数人の共有に属するときは , 共有者は , 議決権を行使すべき者 1 人を定めな ければならないが , その議決権を行使すべき者がないときは , 集会の招集通知は共有者の 1 人に すれば足りる。全員に通知する必要はない ( 同法 35 条 2 項 , 40 条 ) 。 〇区分所有法 , マンション標準管理規約 ( 総会 ) 正解 1 1 最も拒否できる可能性が高い。組合員は , 書面又は代理人によって議決権を行使することがで きる。この場合 , 組合員又は代理人は , 代理権を証する書面を理事長に提出しなければならない ( マンション標準管理規約 ( 単棟型 ) 46 条 ) 。代理人の総会出席は , 本人が出席しない場合を前提 としており , 組合員本人が出席するのであれば代理人の出席は不要であるから , 弁護士であって も出席を拒否できると考えられる。 2 出席を拒否できる可能性は低い。総会には , 組合員のほか , 理事会が必要と認めた者は出席す ることができる。題意より , 防犯カメラ設置プランについての説明を理事会から求められている のであるから , そのセキュリティ会社の従業員が出席を拒否される可能性は低いといえる。 3 出席を拒否されることはない。肢 1 の通り , 組合員は , 書面又は代理人によって議決権を行使 することができる ( マンション標準管理規約 ( 単棟型 ) 46 条 ) 。組合員から委任状を受け取り依 頼された代理人であるから , 総会に出席することができる。 4 出席を拒否できる可能性は低い。区分所有者の共同生活上の障害が著しく , 行為の停止等の請 求によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を 図ることが困難であるときは , 他の区分所有者の全員又は管理組合法人は , 集会の決議に基づき , 訴えをもって , 相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求する 問 32 不動産法律セミナー ー 7 谿ー ノノ / 2 硼イ
管理業務主任者 ができる ( 民法 611 条 ) 。条文通りの基本事項である。 〇マンション標準管理委託契約書 正解 2 1 適切ではない。マンション管理業者が委託されて行う管理事務の内容は , ①事務管理業務 ( マ ンション標準管理委託契約書別表第 1 に掲げる業務 ) , ②管理員業務 ( 同別表第 2 に掲げる業務 ) , ③清掃業務 ( 同別表第 3 に掲げる業務 ) 及び④建物・設備管理業務 ( 同別表第 4 に掲げる業務 ) であり , 管理業者は , ①の管理事務の一部又は② ~ ④の管理事務の全部又は一部を第三者に委託 することができる。すなわち管理事務のうち , ①事務管理業務についてはその全部の再委託はで きない ( マンション標準管理委託契約書 3 条 , 4 条 ) 。 2 最も適切である。マンション管理業者は , 管理組合の事業年度終了後〇月以内に , 管理組合に 対し , 当該年度における管理事務の処理状況及び管理組合の会計の収支の結果を記載した書面を 交付し , 管理業務主任者をして , 報告をさせなければならない。また , 管理業者は毎月末日まで に , 管理組合に対して前月における管理組合の会計の収支状況に関する書面を交付しなければな らない。記述の通りである ( 同 9 条 1 項・ 2 項 ) 。 3 適切ではない。管理委託契約を更新しようとする場合 , 契約の有効期間が満了する日の 3 月前 までに , その相手方に対し , 書面をもって , その旨を申し出るものとされている ( 同 21 条 1 項 ) 。 4 適切ではない。マンション管理業者も管理組合も , 委託業務を行うマンションについて , 滅失 , き損 , 瑕疵等の事実を知った場合には , 速やかに , その状況を相手方に通知しなければならない ( 同 12 条 1 項 ) 。 〇マンション標準管理委託契約書 正解 3 ア適切である。管理組合は , マンション管理業者が , ①銀行の取引を停止された時 , 若しくは破 産 , 会社更生 , 民事再生の申立てをしたとき , 又はこれら申立てを受けたとき , ②マンション管 理業者が合併又は破産以外の事由により解散したとき , 及び③マンション管理業者が登録の取消 しの処分を受けたときには , 管理委託契約を解除することができる。記述の通り , 業務停止処分 を受けた場合には , それだけを理由に契約を解除することはできない ( マンション標準管理委託 契約書 18 条 2 項 ) 。 イ適切ではない。マンション管理業者は , 管理事務を行うため必要があるときは , 管理組合の組 合員等に対して , その専有部分又は専用使用部分 ( 「専有部分等」 ) への立入りを請求することが できる。この場合において , マンション管理業者は , 管理組合の組合員等がその専有部分等への 立入りを拒否したときは , その旨を管理組合に通知しなければならない。立入りの請求に際して , 事前に管理組合理事長の承諾を得ることは義務付けられていない ( 同 13 条 1 項・ 2 項 ) 。 ウ適切である。マンション管理業者は , ①地震 , 台風 , 突風 , 集中豪雨 , 落雷 , 雪 , 噴火 , ひょ う , あられ等又は②火災 , 漏水 , 破裂 , 爆発 , 物の飛来若しくは落下又は衝突 , 犯罪等の事由に より , 管理組合のために緊急に行う必要がある業務で管理組合の承認を受ける時間的な余裕がな いものについては , その承認を受けないで実施することができる。この場合において , 管理業者 は , 速やかに , 書面をもって , その業務の内容及びその実施に要した費用の額を管理組合に通知 しなければならない ( 同 8 条 1 項 ) 。 ノノ / 2 硼イ ーノ 35 ー 不動産法律セミナー
・マンション管理士試験の合格率は 8 % 前後という難関なので私には無理でしようか ? その思いがある以上 , 合格はおばっかないでしよう。受験の目的が明確であれば , 難関であ ろうとチャレンジ精神に変わりはありません。マンション管理のプロとして活動したい , ステ イタスを得たいなどの熱い思い , それが合格への後押しをしてくれるのです。合格率を気にし ていてはチャレンジできません。 ・受験対策の心構えは ? ア受験日が迫ってきても , 初受験で必ず合格してみせるという意気込みをもっことです。 「初回が駄目でも次回があるさ」という思いがあれば , 「負け」組の中に入ってしまいます。 イ受験日が迫ってきても一心不乱に勉強することです。この時期は今までの勉強の要点が整 理され , 記憶もインブットされています。この集中力が合格・不合格の別れ道になります。 「 1 日が貴重」という意識を常にもっことです。 ウ出題範囲はすでにご確認のことと思いますが , 下表を再確認してください。テキスト及び 過去問等で履修してきた中で苦手な分野は , 単にそれらにアンダーラインをひくのでなく , ノートに要点を書きこんでみることです。自分自身で書いたものは頭から離れないものです。 1 ) マンションの管理に関す る法令及び実務に関するこ と すること 化の推進に関する法律に関 4 ) マンションの管理の適正 すること 属施設の構造及び設備に関 3 ) マンションの建物及び附 に関すること 2 ) 管理組合の運営の円滑化 建物の区分所有等に関する法律 , 被災区分所有建物の再建 等に関する特別措置法 , マンションの建替え等の円滑化に 関する法律 , 民法 ( 取引 , 契約等マンション管理に関する もの ) , 不動産登記法 , マンション標準管理規約 , マンショ ン標準管理委託契約書 , マンションの管理に関するその他 の法律 ( 建築基準法 , 都市計画法 , 消防法 , 住宅の品質確 保の促進等に関する法律等 ) 等 管理組合の組織と運営 ( 集会の運営等 ) , 管理組合の業務と 役割 ( 役員 , 理事会の役割等 ) , 管理組合の苦情対応と対策 , 管理組合の訴訟と判例 , 管理組合の会計等 マンションの構造・設備 , 長期修繕計画 , 建物設備の診断 , 大規模修繕等 マンションの管理の適正化の推進に関する法律 , マンショ ンの管理の適正化に関する指針等 工上表をみてお分かりのとおり , 出題範囲が広いです。時間が迫ってきたので不得手な分野 をとばして一か八か ( 山を掛ける ) という考えは禁物です。国家試験ともなれば , そうやす やすとはいきません。奥深くとはいかなくとも全般的な知識を広範囲にインブットしておく 必要があります。 オ出題は年々高度になってきています。マンション管理に関する主な裁判例もひととおり確 認しておく必要があります。 カ初受験者は受験に際し , 要領がわからず戸惑いがあるかと思います。以下の点に注意して 不動産法律セミナー ノノ / 20 ノ 5
の弁済 , 財産の換価処分 , 相続人の捜索 , 特別縁故者への相続財産分与手続 , 最終的には国庫 への帰属手続などを行うもので , 高度の法的知識や経験が必要となります。したがって , 申立 人が推薦する者を選任するのではなく , 家庭裁判所が専門的な知見を有した , 公正中立な第三 者を選任することが望ましいと考えられています。 6 審理・審判 家庭裁判所は , 相続の開始 , 相続財産の存在 , 相続人不存在の事実 , 利害関係の有無等を確 認します。家庭裁判所の職権により , 関係官署等への調査嘱託や照会が行われることもありま す。 家庭裁判所が , 適法な申立てがあり , 財産管理を開始する要件が満たされていると認めると きには , 相続財産管理人を選任する審判を行い , 他方 , それらが満たされていないと判断する ときには , 申立を却下する審判を行います。 7 選任の公告 家庭裁判所は , 相続財産管理人選任後 , 相続財産管理人選任の公告を行います。 下記のような公告が , 裁判所の掲示場等に掲示され , かっ , 官報にも掲載されます。 相続財産管理人の選任 次の被相続人について , 相続人のあることが明らかでないので , その相続財産の管理人を次 のとおり選任した。 平成 27 年 ( 家 ) 第〇〇〇〇号 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇番〇号 申立人〇〇〇〇 本籍〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇番地 , 最後の住所〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇番〇 号 , 死亡の場所〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇番〇号 , 死亡年月日平成〇年〇月〇日 , 出 生の場所〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇番〇号 , 出生年月日昭和〇年〇月〇日 , 職業〇〇 被相続人亡〇〇〇〇 事務所〇〇県〇〇市〇〇町〇〇法律事務所 相続財産管理人弁護士〇〇〇〇 〇〇家庭裁判所 相続財産管理人の権限 , 職務内容等 1 相続財産管理人の権限 ( 1 ) 相続財産管理人は , 不在者財産管理人と同じく財産を管理しますが , それにとどまらず , 相続債権者や受遺者への弁済 , 財産の換価処分 , 特別縁故者への相続財産分与手続 , 最終的 には国庫への帰属手続などを行います。したがって , 相続財産管理人は , 相続財産の管理権 改良行為 , 利用行為を行うことができます ( 民法 953 条 , 民法 28 条 ) 。各行為の具体例等 相続財産管理人は , 権限の定めのない代理人と同様 , 民法 103 条に定める保存行為 , ( 2 ) ①管理権限 限に加え , 清算権限も有しています。 不動産法律セミナー ー刀 8 ー ノノ / 20 ノ 5
問 ア 11 マンションの管理費の滞納に関して , 管理業務主任者 ( マンション管理適正化法第 2 条第 9 号に規定するものをいう。以下同じ。 ) が管理者等 ( マンション管理適正化法第 2 条第 4 号に規定するものをいう。以下同じ。 ) に対して説明した次の記述のうち , 適切なもののみ の組合せはどれか。 滞納管理費の総額は 50 万円ですから , 民事訴訟法の「少額訴訟」の手続によらなければなりま せん。 イ管理費を滞納している区分所有者が行方不明になっている場合でも , 訴訟を提起することがで きます。 ウ当マンションの規約には管理費に関する遅延損害金の定めがありませんが , 民法所定の法定利 率である年 5 分の割合による遅延損害金を請求することができます。 ェ管理費を滞納している区分所有者が既に破産手続開始の決定を受けていますので , この区分所 有者は , 破産手続開始決定の日の翌日以降の管理費については支払義務を免れることになります。 1 2 3 4 問 1 ア , イ , ア , ア , 12 ウ ウ 、工 イ , 工 区分所有者が納入する管理費及び修繕積立金に関する次の記述のうち , マンション標準管 理規約及びマンション標準管理規約コメント ( 単棟型 ) ( 平成 23 年 7 月 27 日国土動指第 3 号 , 国住マ第 18 号。国土交通省土地・建設産業局長 , 同住宅局長通知 : 以下「マンション標準 管理規約」という。 ) の定めによれば , 適切でないものはどれか。 長期修繕計画の作成等のための劣化診断 ( 建物診断 ) に要する経費の充当については , 管理費 からは取り崩すことができるが , 修繕積立金からは取り崩すことができない。 2 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料及びそれらについて専門的知識を有する者を 活用することに必要な費用は , 通常の管理に要する経費に該当する。 3 管理費等の額については , 各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとし , そ の負担割合を定めるに当たっては , 共用部分の使用頻度は勘案されない。 4 管理費に余剰を生じた場合には , その余剰は翌年度における管理費に充当され , 逆に管理費等 に不足を生じた場合には , 管理組合は組合員に対し各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて 算出する管理費等の負担割合により , その都度必要な金額の負担を求めることができる。 問 13 管理組合の監事に関する次の記述のうち , マンション標準管理規約の定めによれば , 適切 なものはどれか。 1 管理組合の監事は , 監査を実施するにあたって , 理事から必要な証憑書類等を提出させるとと もに , 理事会に出席して意見を述べることができる。 2 管理組合の監事は , 管理組合の業務の執行及び財産の状況について , 不正があると認めるとき は , 臨時総会の招集を理事長に求めることができる。 3 管理組合の理事長は , 毎会計年度の収支予算案を , 監事の会計監査を経て , 通常総会に提出し , その承認を得なければならない。 4 管理組合の監事は , そのマンションの現に居住する組合員のうちから総会で選任され , 管理組 不動産法律セミナー ノノ / 20 ノ 5
管理業務主任者 ことができるが , この場合において , 集会の決議をするには , あらかじめ , 当該区分所有者に対 し , 弁明する機会を与えなければならない ( 区分所有法 58 条 1 項・ 3 項 ) 。したがって , この弁 明は一般に決議をする総会において与えられるべきであり , 当該組合員は出席可能と思われる。 〇区分所有法 ( 管理規約 ) 正解 4 ア有効である。各共有者は , 共用部分をその用方に従って使用することができる ( 区分所有法 13 条 ) 。よって , 区分所有者は , 共用部分に対する共有持分のいかんにかかわらず , 共用部分をそ の用法に従って使用することができる旨の規定は当然に有効である。民法の原則では , 「各共有 者は , 共有物の全部について , その持分に応じた使用をすることができる。」 ( 民法 249 条 ) と規 定されているが , これでは , 工ントランスホールや階段 , エレベーター等はじめ共用部分の使用 について , 区分所有者の持分によって差異が生じることになり , 不都合だからである。 イ有効である。区分所有法上 , 代理人による議決権行使についての制限 , 強行規定はなく , 設問 のように代理行使を区分所有者等に限定する規約の定めも有効である。なお , マンション標準管 理規約では , 近年の改正により委任状による代理人の範囲について , 標準管理規約本文で特に限 定的に列記されておらず , 「組合員が代理人によって議決権を行使する場合の代理人の範囲につ いて規約に定めておくことも考えられるが , その場合には , 総会は管理組合の最高の意思決定機 関であることを踏まえ , 組合員の意思が総会に適切に反映されるよう , 区分所有者の立場から利 害関係が一致すると考えられる者に限定することが望ましい。」とされている ( マンション標準 管理規約 46 条 , 同コメント第 46 条関係 ) 。 ウ有効である。共用部分の保存行為は各共有者がすることができるが , 規約で別段の定めをする ことも可能である ( 区分所有法 18 条 1 項・ 2 項 ) 。よって , 記述のように管理者が行う旨の定め も有効である。 ェ有効である。集会の招集の通知は , 会日より少なくとも 1 週間前に , 会議の目的たる事項を示 して , 各区分所有者に発しなければならないが , この期間は , 規約で伸縮することが可能である ( 同法 35 条 1 項 ) 。よって , 5 日前までとする規約の定めは有効である。 以上より , ア ~ 工すべてが有効であるから , 正解は 4 となる。 〇マンション標準管理規約 ( 議決権・総会の決議 ) 正解 3 1 適切である。題意より , 甲マンションでは議決権割合を 1 住戸 1 議決権としているから議決権 総数は 60 である。次に組合員総数は , 単独名義で 1 住戸所有が 53 , 共有名義すなわち住戸 1 戸が 数人の共有に属する場合 , その議決権行使については , これら共有者をあわせて一の組合員とみ なすから 3 , そして単独名義で 2 住戸を所有しているのが 2 名であるから総計 58 となる ( マンシ ョン標準管理規約 ( 単棟型 ) 46 条 2 項 ) 。 2 適切である。総会の会議は , 議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。 1 住戸 1 議決権であるから , 議決権総数 60 の半数 30 以上の出席が , 総会の成立要件である ( 同 47 条 1 項 ) 。 3 不適切である。総会の特別決議事項は , 組合員総数の 4 分の 3 以上及び議決権総数の 4 分の 3 以上で決するものであり , 議決権総数は 60X 3 / 4 = 45 , また組合総数は , 58X 3 / 4 = 43.5 < 44 問 35 ノ 7 / 20 ノイ ーノイアー 不動産法律セミナー