ている。 ターとしてネットワークに参入した。 ( , なお、近年の地球環境問題の深刻化と アジア太平洋地球変動研究ネ 情報整備の重要性増大に伴い、一九九一」 , ットワーク (< ) 年五月に 2ZLLJC 管理理事会は O 日ー C) を OLLI>C.D から独立させ、 2ZLLJC の直 - 」 Asia-Pacific NetWO 「 k fO 「 GIobaI Change Research 轄組織とした。 ー Z 0 地球環境研究の推進には、世界的な協 力が必要であ 2 学術レベルではー C.DO ( インフォテラ ) 等の国際協同研究プロジェクトが実施 されている。これらを支援する政府レベ ルの取組みとして、南北アメリカ、欧州・ 国連環境計画 (DZIUL 、Ⅳ頁 ) の運営アフリカ、アジア太平洋の三大地域こと する国際情報源照会システムで、環境にに、政府間の地球変動研究の支援組織が 関する情報を求める利用者に対し、どこ」 , 設置されている O<CZ は、その一つと でその情報が入手できるかを知らせる国して構築された。 際ネットワークのこと。一九七五年に設 ( 我が国は、 <CZ の事務局を環境庁に 立され、事務局がナイロビの DZLLJC 本おいて引き受けており、具体的な活動を 関係各国及び国際機関と協力して支援し 部内に置かれている。 一九九七年三月現在、ー ZLLOFU.J 日「てきている。 一九九七年三月には第一一回政府間会合 C< への参加国数は一七四カ国であり、 登録されている情報源数は、約八 000 が開催され、地球環境変化の人間社会的 一 ( うち国内登録機関数五一九件 ) となっ側面研究への支援活動を含む科学的活動 ている。 について各国の意見か一致するとともに、 我か国では、環境庁国立環境研究所 ( 支援すべき科学的活動選定手順等につい 頁 ) が代表機関 ( ナショナル・フォーカても検討された。 ルポイント ) となっており、国内外からの「なお、 <IZ に関するホームページ 依頼に対して情報源照会回答業務を行っ (http://www.rj ョ .O 「 . Jp/ap コ ) も開設されている。
砂漠化 △ 1 ▽ なぜ砂漠化が進むのか 砂漠化とは、砂漠化防止条約によれば、 「乾燥地域、半乾燥地域、乾燥半湿潤地 域における気候上の変動や人間活動を含 む様々な要素に起因する土地の劣化 (Land Deg 「 adation) 」である。この場合、土 地とは、土壌や水資源、地面の表層や植 生などを含む概念であり、劣化とは、降 雨や風による土壌の流出や河床への堆積、 長期間をかけた自然植生の多様性の減少、 土地の塩化など、土地に作用する一つ又 は複数のプロセスによって生じる土地資 源の潜在力の減少をいう。 一九七七年に頁 ) の主催に より開催された国連砂漠化防止会議 (United Nations Conference on Desertifica ・ tion) において、「砂漠化とは、土地の持っ 生物生産力の減退ないし破壊であり、終 局的には砂漠のような状態をもたらす として定義されていたが、その後の研究 や議論をもとに、砂漠化問題を世界的な 土地劣化という広い枠組みの中にとらえ る必要性等から、より正確な新しい定義 が必要になったものである。 主な砂漠化の原因としては、新しい砂 漠化の定義の中に明示されているように、 地球的規模での大気循環の変動による乾 燥地の移動という気候的要因と乾燥地及 び半乾燥地の脆弱な生態系の中でその許 容限度を超えた人間活動が行われること によるインパクトという人為的要因の二 つが考えられている。 気候的要因としては、下降気流の発生 又は水分輸送量の減少などによって乾燥 が進むことにより引き起こされ、地球的 規模の気候変動によって、さらに砂漠化 が進行していると言われている。 人為的要因としては、草地の再生能力 を超えた家畜の放牧 ( 過放牧 ) 、休耕期間の 短縮等による地カの低下 ( 過耕作 ) 、薪炭材 の過剰な採取が考えられている。これら のほか、かんがい農地の塩類集積の問題 がある。これは、かんがいが行われる際 に、過剰なかんがいや水路からの漏水等 のために地下水位の上昇が起こったり、 あるいは塩類濃度の高い地下水を用いた りするといった不適切なかんがいが行わ れることにより、水分が蒸発した後に水 に含まれていた塩類が集積してしまい 塩化によって農地が荒廃、劣化してしま うことである。 また、植生や土地基盤の弱い乾燥地で は、耕作などで地面が裸地状態になり、 乾季には風食、雨季には水による侵食が 起こりやすく、土壌の流出に伴い砂漠化 が起こり、進行していく場合もある。 以上のように、砂漠化の原因としては、 気候的要因及び人為的要因が考えられる テーマ篇 X ーく 1 〉 1 0 6
0 W O アジア・太平洋経済社会委員会国連開発計画 (• z 世界銀行 環境政策委員会 OECD Economic and SOCial CommiSSion fO 「 ー lnternational Bank fO 「 Reconstruction and Asia and the Pacific Envi 「 onment POlicy Com ョ ittee ・ DeveIop ョ ent ()O ュ d Bank) U nited Nations Development Prog 「 amme 一九七〇年に環境委員会として設置さ ( 一国連経済社会理事会の下部機構の地域一・国連システムの実施する途上国技術協正式名称を「国際復興開発銀行 ( ー日 れ、九ニ年に現在の名称に変更された委員会の一つとして一九四七年に設立さカ活動を推進する資金供与機関として一」」日 ) 」といい二九四五年に発効した国 ①経済と環境政策の統合 ( 経済的手段の ( れた ( 七四年に改称されるまでは、 LLJO< 九六六年に設立された。の任務際復興開発銀行協定に基づき国連内の機 活用、気候変動の経済的側面等 ) 、②環境 LLLLI ) 。 UJCOO<Q- 本来の目的はアジアのは、国連システムを通じ途上国のあらゆ関として設けられた。同銀行は、戦争に の状況 ( 国別環境保全成果レピュー、環境【戦後復興を図ることであったが、現在でる経済的、社会的分野の開発促進のため、より破壊された加盟国の復興及び開発を 指標、環境統計等 ) 、③総合的な汚染防止は、アジア、太平洋地域の経済社会開発技術援助を行うことにある。 2ZOI は援助するために、資金の貸付や民間貸付 管理 ( 廃棄物、エネルギーと環境、技術とのための協力機関として、種々の地域協国連総会、経済社会理事会の管轄下に置に対する保証を行っている。 、 ~ 環境等 ) 、④化学品 ( 既存化学物質の安全・カプロジェクトなどを行っている。 LLIO かれる国連組織であ 2 四ハカ国の理事世界銀行の業務は、開発途上国におけ 性点検、試験法カイドライン等 ) に関する ~ O<CL の加盟国は、アジア太平洋地域の国を擁しており、管理理事会と事務局かる開発プロジェクトを通じて環境と深く サプ・グループが設置され「各国の環境担中の国四三 ( うち準加盟一 0 ) 及び地域ら構成されている。また、国連総会の委かかわっており、その資金提供が環境破 当省庁等の専門家の参加のもと、客観的外の国五ラランス、オランダ、ロシア、託により各種の特別目的基金・計画の管壊につながっていると非難されることも な分析作業及びそれに基づく政策提言英国、米国 ) の四ハカ国から構成されてい理を委任されている。環境問題との関わ少なくない。このため、世界銀行は国際 ( 必要に応以上位の理事会において「決る。 UJC.DO<O- 総会の下に「農業・環境委りでは、地球環境ファシリティ (OLLJIL 、金融機関の中で最も早くから環境問題に 定」ないし「勧告」を採択できる ) を行員会」が設置されており、ニ年に一回開催頁 ) を ( 頁 ) 及び世界銀行着目し、一九八 0 年には 2ZLUCL 頁 ) っている。さらに、 OLLJOO 内の他の委」されている。また、 U.JCJ)O<L 事務局にとともに運営しているほか、地球サミツや他の多国間援助機関とともに、「経済開 員会との協力活動か重要性を増しており、 ~ 産業・人間居住・環境部環境課が置かれト ( 頁 ) のフォローについても途上国発に係る環境政策と手続に関する宣一言」一 貿易と環境に関するガイドライン、環境ており、総会で承認された環境に関するの援助を中心に取組みを行っている。事を採択し、八六年には「自然地域管理に関 税等に関する検討が進められている。 活動計画につき開発の際の環境配慮の」務局の本部はニューヨークに設置されてする政策」を採択している「更に、ハ七年 実施など種々の環境プロジェクトを行っ』おり、毎年通常六月管理理事会が開催さには環境局を新設し、九一年七月には、 ている。 れる。 熱帯林の商業伐には融資しないことを 含む「新林業政策」を発表するなど、環境 配慮に取り組む体制を固めたところであ
地球環境問題の見取り図 地球の環境が悪化する原因 宇宙服の役割を果たす地球の環境 感や安定感なども人間にとって欠かせな 二つには、環境は、人間の活動から出 る不用物や汚染物質を受け入れ、同化す る役割を果たしている。仮に、環境が汚 染物質を薄めたり、分解したりする働き を持っていなかったら、私たちが現在の ような高度な経済活動を営む一」とは不可 能となってしまう。 地球の環境は、地球が宇宙でまとって いる大きな宇宙服のようなものである。 あるいは、地球全体を宇宙船に見たてる こともできよう。この宇宙服や宇宙船の 機能がおかしくなるのが、環境問題だ。 環境が果たしてきている二つの役割が正 常に機能しなくなってきたのである。 豊かさと貧困の陰で進む環境汚染 私たちを取り巻く地球の環境は、空気、 水、土や動植物、微生物などが微妙な系 をなしている。この環境の中で私たちは 生き、日々の暮らしを営んでいる。この ような環境と人間の関係は大きく一一つに 分けられる。 一つには、環境は、人間の活動に対し 原材料を提供している。例えば、燃料を 燃やしてエネルギーを取り出そうとする と、空気が要るが、空気は地球の産物で ある。暮らしの場面でも、例えば、アメリ 力で売られている薬の二五 % は植物の成 分をほとんどそのまま使ったものである など、私たちは環境から資源を取り出し ている。物だけでなく、自然公園などの 美しい環境によって生じる精神的な充足 地球環境問題の原因の一つは、環境へ の配慮が十分でないまま人間の活動が余 りにも大きく、また、高度になりすぎた ことにある。 特に、第一一次世界大戦以後人間の活動 が大変なス。ヒードで拡大している。二〇 世紀初頭の世界のは、今日のフラ ンス一国の程度しかなかったとい う。人間の活動が大きくなればなるほど、 環境から多くの物質が資源として利用さ れ、他方では、汚い物質や危ない物質が 環境へと捨てられることになる。かって は、地球の環境は無尽蔵にあるように思 われていたが、大気は対流圏でわずか一 一一キロ程度の厚みしかなく、海洋の深さも 最大で一〇キロ程度だ。このような地球を とりまく薄い膜の中で人間の活動の影響 が出始めたのだ。 原因の二つ目は、人間の活動の内容が テーマ篇 ーく 1 〉 0 1 2 0 1 3
海洋汚染△ 2 ▽ 海洋汚染の影響 「海洋汚染の影響」というとき、海洋を汚 染する物質が海洋に流れ込んで水質を悪 化させることだけではなく、沿岸部の開 発によってもたらされる景観の喪失、野 生生物の生態系への悪影響、沿岸の浸食、 温室効果ガスの増加による気候変動によ ってもたらされる海面水位の上昇、沿岸 部の冠水、生態系の変化並びに海洋資源 の開発によってもたらされる漁業資源の 枯渇、生態系の変化等も含めて「海洋環境 の悪化」として広くとらえられている。 海洋汚染の原因となる汚染物質の海洋 への流入は、全地球的に見て陸域起源の 汚染物質が河川等を経由してもたらされ るものが全体の七割、船舶の活動によっ てもたらされるものが一割、海洋投棄に よるものが一割といわれている。これら により栄養塩類の過度の流入による海域 の富栄養化、油による海産物・野生生物 及び海岸の汚染、合成有機化合物・重金属 類・放射性廃棄物による海洋の浄化機能 の障害、浮遊するプラスチックごみによ る野生生物への絡まりや呑込み等の様々 な海洋汚染の影響が指摘されている。 海洋汚染の中でも最も古くから知られ ているのが油による汚染であり、タンカ ーから排出される油を含んだ。ハラスト水 やタンククリーニング水は海面を覆う油 膜や廃油ポールとなって海洋を汚染して いった。しかしながら、これらの油汚染 の管理は国際的に規制措置が取られ、依 然として不法に排出されることによると 見られる廃油ポールの漂着が認められる ものの、全体としては減少している。ま た、船舶事故による大規模な油流出事故 が沿岸部付近で発生した場合、漁業、エ 業、船舶航行といった経済的な活動の他、 海洋の環境を激変させるほどの影響を沿 岸部に及。ほす。一九九七年一月に島根県 隠岐島沖において、発生したロシア船籍 タンカー「ナホトカ号」による大規模な 油流出事故は六一一四〇キロリの油を流出さ せ、付近の漁業活動、観光産業等に甚大 な影響を与えたほか、事故当時が荒天の ために油回収作業が遅れたこともあって 生態系全般への影響が懸念された。疾病 鳥については、一三〇〇羽以上の保護・収 容が確認されており、より長期の海洋汚 染の影響を把握するには長い期間の環境 = = 査が必要である。 国際的には、数度にわたる船舶事故に よる大規模な油流出事故の経験から、事 故防止及び被害対応のための様々な取組 みがなされてきているが、湾岸危機の際 のように四〇〇万。ハレル ( 約六三万キロ ) に 上ると見られる原油の流出が人為的に行 われるような場合にあってはその努力も テーマ篇 Ⅵーく 2 〉 0 7 2 0 7 3
環境にやさしい 暮らしの工夫 「 , 昭和六三年七月環境庁に設置された はらしと環境に関する研究会」の報告 身近な都市生活型公害から地球規模 の環境問題まで暮らしと環境との関わり はますます深まっている。この報告書で は、生活様式の見直しゃ様々な環境保全 ( 一活動への参加など、国民に対し環境保全 のための具体的な行動を行っよう提言し ( ~ ている。そのため、家庭における工夫や、 リサイクルなどの地域活動から地球環境 保全活動まで、一 00 項目に近い具体的 な提言を行っている。さらに、エコロジ ~ 「カルこフィフスタイルのための社会シス テムとして、ゴエコマーク」事業など市民 参加のシステムを推薦するとともに、エ 《コロジカルな企業活動についても触れて いる。水質汚濁、大気汚染などの問題だ けでなく、その背景となる資源、エネル ギー、廃棄物や身近な生き物など、幅広 いテーマを扱い、集大成したものである。 大蔵省印刷局黛一五 0 五円。 用語篇 9 出版物
りつつあ 2 環境問題以外の課題についより幅広い活動を行っている団鉢でも途 ての具体的な政箜案能力を問われるよ、上国の環境保全への貢献を重点的に取り 上ける傾向にある。 うになってきている 日本の地球環境関係民間団体 ~ ~ 公益信託地球環境日本 基金 ( 地球環境 ZOO ) The Japan T 「 ust fO 「 Global E n く一「 onment ( 環境保全のためには、政府による強制、地球環境日本基金は、環境疔の許可を や事業だけでなく、民間の自主的な活動受けて、〔一九九一年七月に設立された募 も必要である。地球環境保全の分野でも、金型の公益信託である。信託元本から生 国内の民間活動から生じる地球環境へのまれる収益金と寄付金収入から、開発途 悪影響を軽減したり、海外における環境上地域における環境保全に役立っ各種の 保全努力を支援したりすることを民間の。事業に助成を行い、地球環境の保全に貢 ( 一公益的活動として行うことの意義は高い。献することを目的としている。 地球環境への国民の関心が高まるにつれ、この公益信託への寄付金については、 ごの分野で活動する民間団体も増えてき」。〔税制の優遇措置を受けられる。また、「 ている。 000 万円以上の寄付金については、寄 」」のようなものには、官庁の認可を受」〔 ' 付者の名称を冠した特別の基金を設定す けて法人格を持つ「世界自然保護基金日。一ることができる仕組みとなっている。 本委員会プ「緑の地球防衛基金」や r 地球 環境財団」などと、任意団体として活動し ている「地球の友日本」「熱帯林行動ネッ 、トワーク」「地球環境行動会議 (OUJ<) 」 、」一「持続可能な開発のための日本評曇 などとがある。さらに、』「日本国際ボラン ディアセンタ」」 C)>O) などのかねて
◎改良かまどにより燃料薪炭材消費料を減らす ( チャド ) 、を第議を ◎ N G 0 による植林活動 ( チャド ) 彎気 ( 写真提供 : 緑のサヘル ) 業開発、土壌浸食の防止などについての 。フロジェクトが行われている。 さらにの活動に対する政府の支 援としては、例えば、地球環境基金によ り、 ztO が行う環境保全活動に対し、 補助金を交付している。砂漠化防止活動 については、九五年度には、八つの Z へ の O に対し計四四〇〇万円の補助金が交付 された。活動内容は、アフリカのチャド 供 真で育苗所の設置、燃料とする木が少なく 写 てすむ改良かまどの普及などを行ってい る「緑のサヘル」、中国山西省でカラマッ やリンゴなどの植林活動を行っている 「緑の地球ネットワーク」などがある。 今後の取組みの方向 砂漠化問題は、物理的、生物的、政治的、 社会的、文化的及び経済的要素の複雑な かかわり合いによって生じる問題である が、現在までの取組みは、技術面が先行 し、社会経済的アプローチが十分とはい えないものが多くあった。 したがって、今後は住民の真のニーズ を組み入れた社会経済的なアプローチを 重視する必要がある。 また、砂漠化防止に対する支援はその 地域における住民の主体的な取組みを支 援するという視点から行うことが重要で ある。このため、砂漠化防止のプロジェ クトの実施においては、計画段階から地 域住民の意見を取り込む必要がある。ま た、事業の実施についても、共同事業の 形をとることが望ましい。なお、このよ うに。フロジェクトへの住民参加を図るた めには、住民の教育、普及啓発等による 能力形成が不可欠である。 砂漠化対処条約では、砂漠化の影響を 受けている国が、砂漠化防止行動計画を 策定し、実施することが中心的な位置を 占めているが、今後、我が国においても、 前記の視点を踏まえ、砂漠化防止行動計 画の策定・実施を支援していく必要があ る。
0 巴ー目ー目 - ー区当日ーー △ 1 ▽ 地球の温度は、太陽から流れ込む日射 丁ネルギーと、地球自体が宇宙に向けて 出す熱放射との。ハランスによって定まる。 太陽から流入する日射は大気を素通りし て地表面で吸収される。日射を吸収して 加熱された地表面からは赤外線が熱放射 されるが、大気中には赤外線放射を吸収 する「温室効果ガス」と呼ばれるガスが あり、地表面からの熱を吸収してしまう。 吸収された熱の一部は下向きに放射され るため、地表面はより高い温度となる。 この効果を「温室効果」という。 地球温暖化とは、人間活動の拡大に伴 う温室効果ガスの排出量の増大により温 室効果ガスの大気中の濃度が高まり、「温 室効果」が強められ、地表面の温度が気候 の自然な変動に加えて上昇することであ る。その結果、海水の膨張や極氷の融解 に伴う海面上昇や、気候メカニズムの変 地球の温暖化 どうして地球が温暖化するのか 化に伴う異常気象の頻発等が生じるおそ れがあるとされており、人類にとって非 常に大きな影響を及ぼす問題である。 温室効果ガスにはさまざまなものがあ るが、一一酸化炭素 ( C02) 、メタン ( c 工し、亜酸 化窒素 ( N20 ) 、対流圏オゾン 6 し、クロロフ ルオロカーポン ( フロン〕 OLLO) の五つの 物質が代表的である。さらに大気中の水 蒸気も大きな温室効果を持っことが知ら れている。 現在得られている知見によると、大気 中の一一酸化炭素濃度は、産業革命以前の 段階では二八〇程度であったもの が、その後徐々に増加し、一九九四年に は三五八程度にまで達している。 また、他の温室効果ガスの大気中濃度も おおむね一一酸化炭素より大きく増加して おり、このまま温室効果ガスの放出が続 けば各種の温室効果ガスの一一酸化炭素換 算濃度の総和は、来世紀中頃には産業革 命以前の一一倍に達するとみられている。 これらの温室効果ガスの排出には、し すれも人間の生活・生産活動が大きく関 与している。一一酸化炭素は物を燃やす際 に発生し、石油・石炭などの化石燃料使用 量にそれそれの有する炭素分の割合を乗 じたものがおおよその発生量とされる。 各国別の化石燃料起源の一一酸化炭素排出 量を求めると、一九九四年で我が国の排 出量は世界で第四位である。メタンにつ いては、推計だが、排出量の六〇ー八〇 % が農業、ゴミ、化石燃料の使用等の人 間活動によるものである。フロンは一〇 〇 % 人為的なものである。対流圏オゾン は、メタンの酸化反応、また、工場・自動 車などから排出される窒素酸化物や炭化 水素が光化学反応を起一」す結果発生する と言われており、亜酸化窒素については テーマ篇 Ⅲーく 1 〉 0 3 2 0 3 3
生物の多様性の減少△ 2 ▽ Ⅷ なぜ生物の多様性を守らなくてはならないのか 基本的な要素となっていることから、多 生物種は一度絶滅すれば再び人間の手 「生物の多様性」とは地球上の生物の多 で作り出すことができない。種の絶減は 様な生物が生存できるということは地球 様さとともにその生息環境の多様さをも その種が持っ固有の価値を永久に喪失す 環境の健全性を一小す指標ともいえる。 一小す一一 = ロ葉である。 ることを意味する。未知のまま絶滅して 様々な生態系が構成するネットワーク 「生物資源」とは人間が利用できる、又は いく種も、その種特有の価値を内在して を維持・回復することにより効果的な野 利用可能な資源として生物をとらえた表 生生物保護が可能になることは言うまで 現である。人間はこれらの生物資源を食 おり、その中には医薬品の開発や農産物 もない。 の品種改良に役立つなどの人類の将来に 料や燃料又は衣料品や装飾品、医薬品の わたる生存に不可欠な価値も含まれてい さらに、同じ種でも異なる遺伝子形質 材料として、自由に入手し利用してぎた。 る。 を持っ個体 ( 個体群 ) が多く存在すること しかし、人口の増加に伴い生物資源の利 また、生物種は生物資源としての消費 は、人間にとって経済的な有用性の観点 用がますます増加するにつれ、生物資源 からだけでなく、将来の気候変動や病気 や生産の利用価値といった人類にとって が再生産できる限度を超え、生物の多様 の発生などに耐え、また、近親繁殖によ 直接的な価値のみならず、学術研究やレ 性の減少が見られるようになった。 クリエーションなど非経済的利用価値、 る活性の低下の危険を回避し、その種が 先に示したように、野生生物種の数は 存続していくためにも重要である。 人々が野生生物や生態系に対して関心・ 確認されたもので約一七五万種、未知の 生物種の絶減を防ぎ、多様性に富んだ 共感を感じる存在価値といったものも含 ものを含めれば七〇〇万から一一〇〇〇万 まれ、我々に様々な精神的なうるおいを 生物の世界を子孫に引き継ぐことは、現 種以上に及ぶと推定されているが、これ 代の人類が総力をあげて取り組むべき課 与えてくれる。 らの野生生物種が、様々な人間の活動に さらに、地球上のすべての種は、人類 題といえよう。 より生物の歴史上かってないス。ヒードで 絶減しつつある。 と地球環境を共有し、生態系を構成する テーマ篇 0 8 6 0 8 7