最新アナログ旧の要 / CMOS トランジスタ技術入門 ポーラでも高精度タイプは入力バイアス電流の補償回 + INPUT に接続し , なー 1 の誤差電圧を + で補 路が挿入されているため , 標準タイプの NJM4558C 償する回路です . この回路は = の条件が必要な よりも 1 桁以上低い値です . しかし , CMOS OP アン 上に , 入力オフセット電流による誤差が発生します . プには遠く及ばないことがわかります . したがって , 入力バイアス電流が問題となるアプリケ ーションでは , CMOS OP アンプが有効です . ・微小電流の / / レ変換などハイ・インピーダンス用 途では CMOS のほうが良い ・周囲温度が高いときは温度特性もチェックして選 入力バイアス電流は , ハイ・インピーダンスが要求 択する されるアプリケーションでは重要です . 例えば光セン 入力バイアス電流で有利な CMOS OP アンプですが , サの微小な電流を電圧に変換するような〃「変換回路 温度上昇とともにバイアス電流が増えます . 図 8 ( a ) を例に考えてみます . に CMOS OP アンプ NJU7077 の入力バイアス電流の 図 7 ( a ) の回路の入出力特性は次式となり , 右辺の 温度特性を示します . 第 2 項が誤差要因となります . このように温度によって入力バイアス電流が増えて いく原因は , 図 8 ( b ) のように士 INPUT 端子に接続さ 垢砒 = 1 ーー 1 れている ESD (ElectroStatic Dischage, 静電気放電 ) この入出力特性をグラフ化したものを図 7 ( b ) に示 保護素子であるダイオードです . この保護ダイオード します . 入力バイアス電流の向きが一方向なので , 誤 には逆バイアスがかかっているので , わずかに電流が 差は片方にのみ現れます . システムの許容範囲を超え 流れます . 高温になるとそのリーク電流が増加し , 入 る誤差が生じた場合は対応が必要です . カバイアス電流の増加につながります . バイアス電流により発生するオフセット電圧を簡易 車載用途では動作温度が高くなっており , リーク電 的に対策する方法として , 図 7 ( c ) に示す回路があり 流レベルでも問題となるケースがあります . 常温だけ ます . これは , 帰還抵抗 1 と同一抵抗値を でなく , 使用温度範囲を考慮して使う必要があります . による誤差 = ーー RI きゞ田 4 八医 d 〇 十 十 RI の値が大きいと 誤差は大きくなる % = RI ーー RI なによる誤差 (a) / / / 変換ロ路 (b) 入出力特性 図 7 入力バイアス電流は帰還抵抗の値が大きいほど影響が出る ( c ) のようにすれば誤差を打ち消せるが , + と / 8 ーの違い ( 入力オフセット電流 ) もあるのでゼロにはならない 0 RI = R2 としてなーによる 誤差を + により補償 (c) 入力バイアス電流による 誤差の低減ロ路 R2 な + 理想特性 % = RI 1 0n 1 n 1 OOp 区 1 0p r-< 1 00f 1 0f / 1 ↓ DI D3 —INPUT 十 INPUT / 4 D2 D4 DI, DI のリーク電流をそれぞれ んとするとその差分が入力端 子に流れる (b) CMOS OP アンプ NJU7077 の 人力保護ロ路 25 50 75 1 00 1 25 己相入力電圧ーⅣ ] ーー 条件 / + = 5 Ⅵ V-=OV, 0 財 = 2.5V (a) CMOS 〇 P アンプ NJU70 の人力バイアス電流対温度特性例 図 8 CMOSOP アンプは温度が上がると入力バイアス電流が大きくなる傾向がある 入力にある静電気放電 ( ESD ) 保護ダイオードの漏れ電流が影響している トランシスタ技術 2016 年 10 月号 1 50 145
①人力オフセット電圧 CMOS > バイボーラ バイボーラのほうが温度特性も 含め , 優れた特性を示す ( オフ セットを消す特殊な回路をもつ オート・ゼロ , アンプを除く ) ②入力バイアス電流な CMOS くバイボーラ の関係になる . CMOS OP アンプ選択の最大の要因 ③人力換算雑音電圧 / CMOS > バイボーラ バイボーラの大きな優位点 . CMOS は低周波領域で雑音 大の傾向が強くなる 最新アナログ旧の要 / CMOS トランジスタ技術入門 いる . この消費電流はバイボーラでは困難 CMOS では 14A 前後の製品がリリースされて CMOS くバイボーラ ④消費電流 ( 低消費電流タイプ ) —INPUT 十 十 INPUT ⑤出力 Low レベルん乙 ↑な CMOS くバイボーラ CMOS のほうが低いレベルまで出力可能 単電源動作時に重要な特性 . 多くの製品で 〇 TPUT ⑥出力振幅ん CMOS > バイボーラ CMOS のほうが出力振幅は大きく , 大電流ではその差は顕著になる 図 2 CMOSOP アンプとバイボーラ OP アンプの電気的特性を比較 ンシスタ技術 2016 年 10 月号 オート・ゼロ・タイプを除けば一般的です . オフセット電圧をキャンセルする回路を内蔵している 度ドリフト , とも優れた値を示します . この傾向は , - ーーーーー , , ーーーー - ーー - - ーーーよ - - り - 入力オフ - セ - ッ -- ート電圧および入力オフセッート電石 バイボーラ OP アンプのほうが CMOS OP アンプ 電圧の特性と示したものです . この図からわかるよう バイボーラ OP アンプ NJMOP1772 の入力オフセット 図 3 は高精度 CMOS OP アンプ NJU7077 と , 高精度 大きい ・高精度品でもバイボーラより最悪値のばらっきが 入力オフセット電圧が大きめ 特性に注目して , その差異を確認していきます . CMOS OP アンプとバイボーラ OP アンプの電気的 を忘れた特性で発生するトラブルを未然に防げます . 気的特性の大きな違いを知っておくと , うつかり確認 意識する必要はありません . とはいえ , それぞれの電 注目すればよく , CMOS なのかバイボーラなのかを OP アンプを選択するときは , 具体的な電気特性に など入出力端子にかかわる特性に違いがあります . 入力バイアス電流 , 入力オフセット電流 , 出力振幅 特性の比較を示します . 図 2 に CMOS OP アンプとバイボーラ OP アンプの ■電気的特性の違い CMOS ならではの特性 ルスイング特性の品種が多くなっています . 電源電圧や GND 電圧に近い電圧を出力できる出力フ 最も良い特性を持つ品種は CMOSOP アンプになっている項目が多い ・センサの微小信号を増幅するときはオフセットの 小さい品種を選ぶ センサはあらゆる機器に搭載され , その数は増加の 一途を辿っています . センサ信号の多くは微小な DC 信号のため , 入力オフセット電圧はセンサ精度に影響 します . オフセット電圧新 0 を含んだ OP アンプの等価回路 は図 4 ( a ) のように表現できます . 図 4 ( b ) の非反転アンプの入出力特性を求めると , 次式で表されます . ou こ 1 Ä 出 P 2 1 CM 〇 S 高精度タイプ NJU7077 巧 0 max max ty P typ バイボーラ高精度タイプ NJMOPI 2 入力オフセット CuV] 1 00 1000 高精度特性は , CM 〇 S よりもバイボーラのほうが良好 図 3 高精度 OP アンプの入力オフセット電圧はバイボーラのほ うが小さく微小電圧の増幅に向く CMOS OP アンプでも高精度品なら 1004V 台の小さな入力オフセット 電圧が得られるが , より小さいオフセットが必要ならバイボーラになる 143
0 0 は理想 OP アンプの外に移して考える 十 センサ 信号 入力オフセット電圧 きゞ c-C 田 4 八 d 〇 0 し一 OUT PUT 十 INPUT Rn / 1 / 1 理想特性 % = 1 十 RI s センサ信号 による誤差を含んだ人出力特性例 (c) = 1 十 ー 1 + による誤差 (a) を含んだ〇 P アンプ (b) を含んだ非反転アンプ 簡易等価囘路 図 4 入力オフセット電圧はゲインの大きなアンプほど影響が大きくなる センサなどの小さな信号を大きく増幅したいとき誤差の原因になる 相違点は , 入力バイアス電流でしよう . ただし , : センサ信号電圧 [V], 巧 0 : 入力 図 5 に , OP アンプの入力段の回路形式を示します . オフセット電圧 [V] MOSFET は電圧駆動なので DC 電流は流れませんが , 右辺 , 第 1 項が理想の入出力特性で , 第 2 項は入力 バイボーラ・トランジスタは電流駆動なのでべース電 流が流れます . NPN 入力では入力バイアス電流は OP オフセット電圧による誤差となります . この入出力特 性の関係を図 4 ( c ) に示します . 圻 0 の極性により理想 アンプに流れこみ , PNP では OP アンプから流れ出し 特性のプラス側とマイナス側に誤差が現れます . ます . 図 6 に入力バイアス電流のデータを示します . バイ OP アンプで増幅するようなセンサ信号は微小なの で増幅度 ( 1 + 2 訳 1 ) が高く設定されます . 圻 0 の影響 が無視できないため , 高精度のセンサにおいては低入 1 00n バイボーラ汎用タイプ NJM4558C カオフセット電圧が要求されます . 10n バイボーラ高精度タイプ NJMOP1772 ・オフセット温度ドリフトの影響を受ける用途 車載品などは真冬から真夏までの屋外を想定するの で , 一般家電製向け製品より過酷な条件で使われるケ ースがあります . 常温でのオフセット電圧だけでなく , 入力オフセット電圧温度ドリフトが問われます . 常温 でのオフセット電圧はキャリプレーションで補正する ことを前提にすると , むしろ温度特性の小さいことの ほうが重要な場合もあります . 2 入力バイアス電流がとても小さい ・バイボーラより桁違いに小さい CMOS OP アンプとバイボーラ OP アンプの最大の —INPUT 0 し 細 100p 1 0p R 1 P 1 00f 1 0f CMOS 高精度タイプ NJU7077 1 0 5 0 同相入力電圧 CV] 図 6 入力バイアス電流は CMOS 0 P アンプのほうが圧倒的に 小さくて使いやすい バイボーラでも高精度品なら汎用品より良いのだが , CMOS のほうが さらに小さい —INPUT 十 INPUT 入力バイアス電流はトランジスタのべース電流として流れを 直流のゲート電流が流れない NPN と PNP 人力では流れる向きが逆になる (b) バイボーラ OP アンプ (a) CMOS OP アンプ 図 5 CMOS とバイボーラで OP アンプの入力回路を比較 MOSFET の直流的なゲート電流はほばゼロなので , CMOSOP アンプの入力に流れるバイアス電流もほばゼロ トランシスタ技術 2016 年 10 月号 144
GHz 超 A ー D / D ー A コンバータの標準インターフェース規格 JESD204B なしです . 図 3 (b) は同じ条件で D ー A コンバータの ② JESD204B 対応 CHI から 221 MHz を出力させたときの出力スペクト A-D コンバータの評価ポード ラムです . データ数は 16383 サンプルです . ・分解能 14 ビット , サンプリング 1 Gsps の 基板の回路図 , 部品表 , 基板配置図 , ガーパ・ファ イル , 制御ソフトウェア , ユーザーガイド ( マニュアル ) AD9680-100 を搭載 のファイルは , アナログ・デバイセズ社の Web サイ 写真 3 に示すのは , JESD204B インターフェースを 搭載した A ー D コンバータ AD9680 ー 1000 ( アナログ・ トよりダウンロードできます . デバイセズ ) の評価基板です . 図 4 にポード全体のプ ロック構成を示します . AD9680 ー 180 は , 14 ビット分解能の IGspsA-D コンバータが 2 個入った素子です . 500M—1.25Gbps の変換速度と JESD204B インターフェースを内蔵して います . 〃 Q 信号を直接ディジタル変換することがで き , 通信機器に利用されています . JESD204B のレーン数は 4 本です . アナログの入力 帯域は 2 GHz あるので , ある程度のアンダーサンプリ ング・システムにも対応します . JESD204B の動作は , サプクラス 1 に対応しているので , デバイス・クロッ ク以外に SYSREF と SYNC ~ 信号が必要です . これ す一を ・物 : 新 ・宀第 1 FMC コネクタ ( 裏面に 実装 ) アナログ (CH-B) 入力 差動トランス デュア丿レ D-A コン AD9860 AD9860 評価ポード ADS7 コントロール・ポード クロック入力 . 0 0 0 差動トランス アナログ (CH-A) 入力 FMC コネクタを介して接続 写真 4 FPGA を搭載したデータ・キャプチャ・ポード ADS7 ー 写真 3 14 ビット分解能の 1 Gsps A ー D コンバータを 2 個搭載す V2EBZ と AD9680-1000 評価ポードの接続方法 る AD9680 ー 1000 評価ポード 0 デュアル A ー D コンバータ AD9680 ( アナログ・デバイセズ ) コンバタ FMC コネクタ 差動トランス 差動トランス OESD 一 204B 。 インタ x4 レーン INA 差動人力 ディジタル囘路 ( ADS7 制御ボード ) へ A-D S PI SYNCA4 SYSREF クロック INB 差動人力 SYSREF Ext SYSREF Ext Clock Ext DSYSREF Ext FPGA Clock 図 4 写真 3 の JESD204B 対応 A - D コンバータ評価ポードの全体構成 トランシスタ技術 2016 年 10 月号 クロ、ソクロ路 内部クロック 1 GHz 163
負荷となる 抵抗成分 の R 新 DC-DC コンバ = タで学ぶ電源の基本と高効率イ ドレイン電流あ ドレイン電流あ …ドレイン電圧あ ドレイン電圧あ M 1 ターン・オフ時のスイッチング損失 P 500mA (b) ON → OFF のとき ( ターン・オフ ) VDID ターン・オン時のスイッチング損失 P 5 0 0 mA (a) 〇 FF → ON のとき ( ターン・オン ) 図 8 パワー MOSFET の ON / OFF 時に発生するスイッチング損失のようす MOSFET Si7308DN で実験した実測波形 ・入出力電圧差が大きい場合はダイオードによる損 失が大きくなる ダイオードの順方向降下電圧の影響は , パワー MOSFET が OFF している間 , つまりダイオードに電 流が流れているときに現れます . ダイオードに電流が 流れた時に電力の損失島 e は次式となります . 島加 = ( 1 (D) ん 積層セラミック・ロー・サイド側の積層セラミック・ キャパシタ パワ—MOSFET キャパシタ が大きいほどダイオードによる電力損失は増加 図 9 入出力電圧の比が大きいときは同期整流回路を使うと損失 します . 低減にはダイオードにが小さいショット が減る キー・バリア・ダイオード (schottky barrier diode) 電流の流れる期間が長くなるダイオードを電圧降下の小さい MOSFET を使うのが一般的です . に置き換える ( 1 ーっ ) が増加するとダイオードの損失 P 市は増 加します . ( 1 ー D) が大きくなる条件は , D が小さな 入力電圧 = 12 V, 出力電圧 = 12 V 時→の = 0.1 値になるときです . 式 ( 1 ) から , D が小さいときは入 入力電圧 = 24 V, 出力電圧 = 25 V 時→ D = 0.1 カ電圧砒と出力電圧の差が大きいときです . 入力電圧 = 48 V, 出力電圧な = 3.3 V 時→つ = 0 9 入力電圧と出力電圧の差が大きいとき , ダ 入力電圧と出力電圧との差が大きいと , バック・コ イオードの電力損失 % は増加するのです . ンバータのデューティ・サイクル D は 0.1 程度になる ダイオードの電力損失 Pd 加を根本的に減らすのが 図 9 の同期整流型バック・コンバータ (synchronous ことが普通です . ハイ・サイド側 MOSFET の ON 時間はかなり短い rectification buck converter) です . この回路はダイ ので高速に ON / OFF できるデバイスが必要 オードに流れるタイミングでパワー MOSFET Tr2 を このとき , ハイ・サイド側のパワー MOSFET Tr1 ON させ , ダイオードの電力損失島加を減らす目的 の動作は , 時間的な余裕が少なくなります . オン時間 で実用化されました . が小さな値なので , ターン・オンしたら直ぐにタ ーン・オフする必要があります . ・入出力電圧の差が大きいときは MOSFET の選択 スイッチング周波数 4 Ⅳ = 500 kHz ( スイッチング周 が重要 期 T = 2 (s) でデューティ・サイクル D = 0.1 の場合を 入出力電圧の差が大きいとデューティ・サイクル D ー考えーーてみましょーう、一一一 ON 時間 % れ -- は・ - ・・・・ - = ・ -- T us x 0.1 = 200 ns です . 仮にターン・オン時間やター 入力電圧と出力電圧との差が大きいバック・コンバ ン・オフの時間が各 50 ns とすると , ON 時間 % 〃の半 ータでは , 式 (1) から , デューティ・サイクル〃が小 分は損失が発生するスイッチング途中 ( 図 8 ) になり , さな値にならざるを得ません . 実例をあげましよう . ンタ技術 2016 年 10 月号 /oss loss C.4 既 ハイ・サイド側のフェライト・コアの パワ—MOSFET インダクタ 入力電圧 T 「 2 129
研究室で役に立つ / アナログ回路集 E C C ( 乙 O っ乙 O 十 1 4 4 ー C 乙 ワ」っ ") 乙・ら ) ( 0 ワー 8 0 ) O 〔 8 巴ー上区ロ AI の影響を 受けにくい + VDD 0 ロ 00 ロ 0000 〔 : 0 ロ 000- 一 0. A2 を駆動 十 十 AI を駆動 ー Vss A2 の影響を受けやすい 図 5 2 回路入り OP アンプの一般的なピン配置 1 00 200 周波数 [MHz] 図 6 AD8055 相当のアンプを 2 回路入りにした AD8056 のクロ ストーク特性 影響を受けやすいほうと受けにくいほうがあるので , 使い分けたほうが 良い 1 ◆参考・引用 * 文献◆ ( 1 ) AD8055 / 8056 データシート , アナログ・デバイセズ社 . ( 2 ) FU-627SLD-F1 データ・シート , 三菱電機株 . ( 3 ) PMEG2()()5BELD データ・シート , NXP セミコンダクターズ社 . ・コラム高速 OP アンプ AD8055 の代替 AI にはゲインを 40dB 稼いで帯域が 100MHz を超 . ー今回の回路では , lst ポール周波数が高いことか : ら AD8055 を採用しました . 私は , 自分用の OP ア える OP アンプが必要です . 昔はほとんど無かった ーンプ・データベースを作るときに , 必ず lst ポール のですが , 今では手に入るようになってきました . く松井邦彦〉 : ・周波数も調べています ( 私だけ ? ). その中から lst ーポール周波数が高めの品種を抜き出したのが表 A です . lst ポール周波数が 1 MHz を超えるような OP ア ・ンプは品種が少なく , その点で AD8055 は貴重な高 速 OP アンプです . 欲を言えば , 電源電圧が士 15V : まで動作可能ならなお良かったと思います . しかし , ) 出力 ー無いものねだりはできませんので , 図 A が AD8055 ーの代替として検討できる回路構成です . AD8055 の <30dB 〉 く 40dB 〉 オープン・ループ・ゲインは 70 dB 程度なので , 高 ー速 OP アンプを 2 個使います . 初段で 40dB , 後段で 図 A lst ポール周波数が 1 MHz 超の高速 OP アンプ AD8055 : 30dB 稼いでいるので , トータル 70dB のゲインに が手に入らないときは OP アンプを 2 個使ったこのような回 ーなります . ただしこのような回路を作るには , 路を検討してみてはいかが ? ( ただし , 難易度はとても高い ) 、 表 A AD8055 の代替として検討できる lst ポール周波数が高い OP アンプ lst ポール ゲイン一 3 dB メーカ名 消費電流 タイプ型名 電源電圧 周波数 周波数 アナログ・デバイセズ 16 mA A D8045 28 kHz 10 開 MHz 3.3 ~ 12 V バイボーラ アナログ・デバイセズ AD8061 2 開 0 kHz 2.7 ~ 8 V 6.8 mA 3 開 MHz 入力 マキシム M AX4412 200 kHz 1.7 mA 500 MHz 2.7 ~ 5.5 V アナログ・デバイセズ 13.5 mA AD8000 400 kHz 4.5 ~ 12 V 1500 MHz アナログ・デバイセズ 電流帰還 AD8009 2 開 kHz + 5 ~ 士 6 V 14 mA 1 開 0 MHz テキサス・ THS3100 8 開 kHz 4.8 mA 90 MHz 土 5 ~ 士 15 V ンスツルメンツ テキサス・インスツルメンツ 14 mA 0 PA656 2 開 kHz 58 MHz 士 5 V FET 入力 アナログ・デバイセズ 19 mA AD4817 2 開 kHz 1050 MHz 5 ~ 10 V 195 トランシスタ技術 2016 年 10 月号 3.3k 1 00 Q 十 ー入力 ( 十 1 0 Q
1.00 0.75 ~ 0.50 0.25 0.00 c ー 0.25 —0.50 ー 0.75 ー 1 . OC 0 入力波形 ( 余弦波 ) とサンプリング個数の条件を変更してシ ツール SKDSP で時間ドメインの特性をシミュレート 図 10 ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援 0 m ⅱ第 to 姦 MD6 0 人力波形 ( 余弦波 ) 記 = 1.0 出力波形 人力波形 の指定 サンプリング個数 人力波形の 1. 周波数 tHzI 2. 振幅 3 , 位相鬥 1000 0.1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 timeCms] 0 入力波形 0 出力波形 0 4. オフセット 5. 入力回数 2000 ー 6 出力の表示倍率 1 16 い ロ 有効化 7 ログメモリのま那艮 実行亠」メモリの初期化 ミュレートする rator 、、・ 02 部分分数展開結果の表示 十 S 00 十 015 十 02S2 十 .. k わ 0 十 b15 十わ 252 十 . 実行ボタンを押すたびに伝達関数内のメモリ ( 1 / z ) をクリアするかどうかを選択 Ze 「 03 ー 8 ヨ 1 , PO に一 8 ] 10 , ー 8310 convert k: 0.010000 ( 行に ientS : ー 831 bl = 0.99 bO= 1495-8 al = 16620 ℃ aO = 6.90561 E7 5 config 極点の数値人力 零点の数値入力 部分分数展開への変換ボタン autO d052 WindOW. 図 11 部分分数展開計算機ユーティリティ ( 並列積分器の分離用 ) SKDSP のユーティリティ機能は , ほかに , 固定小数点数値 ( Q フォーマット ) と実数の間の変換 , dB 表示とリニア表示 の間の変換用計算機機能がある グリーン・エレクトロニクス ? 歩ン・ No. 18 好評発売中 / 定価 : 本体 2,400 円十税 B5 判 128 ページ 従来の MOSFET と同じように使える / 高安全性・高信頼性ノーマリ OFF 型誕生 / 30MHz / 10kW スイッチング超高速 GaN トランジスタの実力と応用 GaN ( ガリウム・ナイトライド ) , SiC ( シリコン・カーバイド ) など , 新しい半導体材料によるパワー・デバイスが実用化されて きており , 実際の製品への応用が広がりつつあります . 本書では , これら新パワー・デバイスの特長を生かした活用方法を探求し ていきます . 高電圧動作のパワー・エレクトロニクス回路を高速にスイッチングすることが可能となるため , 数 kW クラスのパワ 一回路を小型かっ軽量に実現できるようになります . CQ 出行反杠 190 〒 112-8619 東京都文京区千石 4-29-14 販売部 TEL. 03-5395-2141 ンシスタ技術 2016 年 10 月号
固定小数点化設定 システムを択してください デノヾイス種類選択 当 P66 こ ! を 1 p / Ou 印 u 切レジスタを択してください lnput 0 : 材豆」」を」 Output R20 減部・船ー、、 ~ を」 TinyDSP の人力レジスタ ( 人力数値を受け取るレジスタ ) と . 出力レジスタ ( 演算結果を出力するレジスタ ) の指定 入力値の最大範囲を指定 ・ Qn mode=ON の場合 ( 本画面 ) 入力値の Q フォーマット ( Qn ) と入力範囲を指定 ・ Qn mode=OFF の場合 人力値の絶対値の最大値を指定 ( Q フォーマットは . この最大値を固定小数点形式 に変換したときに 1 から一 1 の間となる最小の Qn とする ) ・積分器を並列に付加するオプション選択時 ( 本画面 ) ここで指定した周波数で得られるゲインを 出力最大値として固定小数点化する ・積分器を従属に付加するオプション選択時 積分器出力の Q フォーマット ( Qn ) を指定する . Qn が大きければ低い周波数でオーパフローするが 小数点精度は高い . Qn が小さければオーパフローしにくくなるが 小数点精度は低い . 図 6 ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援ツール SKDSP で , ディジタル・フィルタの固定小数点変換指定をする TinyDSP への数値入力レジスタと結果出力レジスタの指定と , 固定小数点イヒ処理では内部演算でオーパフローが発生しないことが最優先条件になるの で , フィルタへの入力値の最大範囲を指定する 2 プログラムメ刊の一部を定数として利用する場合、チ 1 ッりしてください。 0. DD 命令を有効化する ) プログラム・メモリの一部を定数として使用 する LDD 命令を有効化する場合に ON 3 入力の Q 叱、入力び鬚直びを設定してくだ & 、 . 。 ( n = 小数部ビット長 ) 10 8. -0.1 min: 4 このフィルタが保証する最幼周波数を入力してください 固定小数点化した ディジタル・フィルタのポード線図 プロジェクトツール ヘルプ ゲイン コンフィグレーション 画面とフィルタ・デー 群遅延特性 タ画面の切り替えタブ Group DeIay 0.5 ) 10 0.0005 0 工 900 z 平面内の極とゼロ点の位置 P を Z ” 0 円 ot フすイル Bode Plot 5 0 5 0 7 2 4 3 F 「 eq 宿 H 幻 10 OZ 部 0 X 厄 4 2 1 10 10 10 1 位 一 0 一 aspqd ステップ応答 step Response インパルス応答 lse Response 50 50 一 5 0 5 öSUOC 一 52 」 ー 50 三す ! すすおヤすをド丁・「 ! ド第を・ 0.0 25 5.0 7.5 10 12.5 15 .0 1 ア . 5 200 5 P 50 ep 25 1 4 2 「爬叩印 cv 旧 4 FormuIa, Coefficient 1 十 0 】 IZ ・ 10 100 75 0 10 10 Diagram Code # ー - Transfer FurKtiOn ー # 38.78134241020534Z 一 2 ) 83.61027961512922Z ^ ( ー 1 ト ! -0.11328125Z 当ー 2 ) .88671875Z ^ ← 1 ) 十 1.0 DSP シミュレータ R7 : q10 ( 16 , 5 は 0 ) 起動ボタン RO ・ Q8 ( 16 フ , 8 ) # ーー Memories ー RO.output,nonlntegralOutput R1:x MD6602 Tin y DSP 用 R3:defay R4 : 2 な 0 「 プログラム・ソース コード出力 R7:input と + み 012 ・ ! 1 十 001Z a01 = 0.11328125 b00 = 4.759765625 21 = -4.1044921875 kO = 8921875 a11 = -1.0 b10 = 廴 0 b11 = 1.0 kl = 0.10587000767353853 ョ 01 npu 【 a1 ー 固定小数点化した 伝達関数の 数式と係数値 フィルタ構造の ダイアグラム ( 計算順序を示す ) 38M 78M 24 / M 、 hea memo 図 7 ディジタル・フィルタの生成結果を表示したディジタル・フィルタ・プログラム作成支援ツール SKDSP の画面 TinyDSP 用のアセンブラ・ソース・コードも自動生成される . これを統合化開発環境 IDE ー MD660x に渡して , プログラム全体を完成させる トランシスタ技術 2016 年 10 月号 188
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 出力電流 CA) (a) CCM モード 図 13 旧 L8117 を使った DC ー DC コンバータの効率特性 彙幅広い入力電圧範囲で高い効率を実現している ロ一第ロロロ = ロ第を彡ロロロロ . ロ第 llll ロロロロロロ = ロ第妻ロロロロ 0 ロ . ロ爨豊ロロロ 00 ロ . ロ - 一一 0 ロロ 00 ロ . ロ第を彡ロロ 00 ロ . ロ第宿ロ 00 ロ . が 85.3 ℃となっています . ック・キヤノヾシタ (multilayer ceramic chip capacitor) 図 1 5 に , スイッチングと出力側に現れるリプル電 が採用されて低 ES. (Equivalent Series Resistance) な 特性のため , リプル電圧は正弦波状④になっています . 圧を示します . この評価ポードは出力側に積層セラミ △ : 300.3kH ~ △ : 300.3kH ~ ph 端子の電圧 @: 300.3kH ~ @: 300.3kH ~ スイッチング スイッチング 周波数 周波数 人力電圧 DC48V ph 端子の電圧 人力電圧 DC24V 出力電圧 約 12V 出力電圧 約 12V 6 May 2016 6 Mav 2016 (a) 48V 入力時 図 12 入力電圧を変えた時はデューティ・サイクルが変わっている 図 4 と見比べても , 確かに入力電圧 x デューティ・サイクルで出力電圧が決まっている (b) 24V 入力時 1 00 98 ん = 18V - 96 94 24V 92 30V 90 36V ′ 88 42V 48V 86 54V 84 60V 82 の 8 乙・ O ( 0 O C) ( 0 乙・つ」 0 8 ( 0 乙・ 0 0 ) O) 0 ) C) 0 ) 8 8 8 60V → 1 2V と五の 降圧でも効率が良い 42V 48V 54V 60V 8 1 0 1 2 1 4 1 6 1 8 20 出力電流 CA] (b) DEM モード Min 27-0 。 C 53 図 14 旧 L8117 評価基板の発熱のようす 12V20A ( 240W ) を連続出力させても温度上昇は許容範囲 1 - 、トャ挙 + 嘩ヰ + トを 約 50mV 彡ノ QJ な 低かカ がら タだ E カ ンな出 ヾよ ャう のの価 側波評 カ弦 7 い 出正 132 トランシスタ技術 2016 年 10 月号、
示すダイアログ・ボックスが表示されます . この中で は , TinyDSP への数値入力レジスタと結果出力レジ スタの指定など , TinyDSP プログラム生成に必要な 条件を指定します . また , 固定小数点化処理では内部演算でオーパフロ ーが発生しないことが最優先条件になるので , フィル タへの入力値の最大範囲を指定します . さらに積分器 の付加オプションに関係する条件 ( 低周波時の扱い ) を 入力します . それぞれ図 6 の中の説明を参照してくだ さい . ・ディジタル・フィルタを固定小数点形式に変換する 図 6 の画面で [ OK ] ボタンを押すと , 固定小数点形 式に変換されたディジタル・フィルタの結果が図 7 の ように表示されます . 特性情報としては図 5 と同じも のが改めて計算されて表示されます . この画面には , TinyDSP 用のアセンプラ・ソース・コードも自動生 成され表示されます . コピーまたはセープして , 統合 化開発環境 IDE ー MD660x に渡して , プログラム全体 を完成させてください . SKDSP の便利機能 ・ TinyDSP シミュレータ機能 固定小数点化したディジタル・フィルタの特性は図 7 のように表示されましたが , これは , 生成した伝達関 ディジタル制御電源用マイコン MD6602 のすべて 数展開 ( 並列積分器の分離用 ) 用計算機 ( 図 11 ) があり 間の変換 , dB 表示とリニア表示の間の変換 , 部分分 その他 , 固定小数点数値 ( Q フォーマット ) と実数の 的なプログラムを確定させる必要があります . タは , 使用条件や使用範囲をよく吟味した上で , 最終 体に精度が悪化しています . 固定小数点形式のフィル すが , 低周波領域でのゲインの飽和は消えますが , 全 ています . 入力振幅を小さくした特性を図 9 に示しま 10Hz 以下ではオーパフローが起きてゲインが飽和し まま使ってシミュレーションしたものです . 周波数が る最低周波数を 10Hz としたもので , その条件をその して入力振幅の最大値を 0.1 , フィルタ特性を保証す 例えば , 図 8 に示したフィルタは , 設計時の条件と 間ドメインの特性をシミュレーションできます . の特性をシミュレートしたり , 図 10 に示すような時 その上で , 図 8 や図 9 に示すような周波数ドメイン の演算処理をシミュレートします . 丸め処理やオーパフロー処理含め正確に TinyDSP 内 内に生成した TinyDSP プログラムを実際に動作させ , を忠実に模したシミュレータを内蔵しています . 図 7 SKDSP 内には , MD6602 の TinyDSP のハードウェア ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援ツール の 16 ビット固定小数点で演算したものではありません . 数を元に数学的に計算したものです . 実際に TinyDSP 90 80 70 60 c50 840 30 20 10 1 ディジタル・フィルタ伝達関数 から算出した理論値 TinyDSP(16Ev ト固定小数点 ) の 命令で計算したフィルタ特性 1 03 1 02 10 frequency[Hz] 0 伝ー 0 定結果 人力値の振幅 約 10Hz 以下でオーパフロー 1 04 1 ゲイこゆ単位 ◎ 0 なし ◎第 0 線形 3. 報 ます . 90 80 70 60 c50 840 30 20 10 0 1 オーパフローはない 小数点 ) の命令で計篁した TinyDSP(16Ev ト固定 人力値の振幅 フィルタ特性 1 ゲインの単位 ◎聞 0 なし ・対数 0 線形 立相鬥 0 区巧 0 0 1 0 理論値 1 04 1 02 1 03 frequency[Hz] 0 伝皴 0 転果 図 8 ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援ツール SKDSP で周波数ドメインの特性をシミュレートした 波数 10 Hzr 設計一した 2P2Z シミュレーション結果 . 設計時の条件として入力振幅の最大値を 0.1 , フ イルタ特性を保証する最低周波数を 10 Hz としてシミュレーションした . 周波数が 10Hz 以下ではオーパフローが起きてゲインが飽和しているの がわかる ンシスタ技術 2016 年 10 月号 図 9 ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援ツール SKDSP で入力振幅を小さくして周波数ドメインの特性をシミュレート 入力振幅 0.1 , 最小周波数 IOHz で設計した 2P2Z フィルタに振幅 0.005 の信号を入力したときの TinyDSP シミュレーション結果 . 低周波領域で のゲインの飽和は消えたが , 全体に精度が悪化している . 固定小数点形 式のフィルタは , 使用条件や使用範囲をよく吟味する必要がある 189