A e ndix トラ技 3 相ブラシレス実験キットでやってみよう / 1 シャント方式レス & レス制御の 実験用マイコン・プログラム ! ( 省略 . vp = 6 まで記述 ) 本稿の 内容を 試してみ こい人へ ■ RX62T マイコンのプログラム ・山・谷割り込み処理の追加 「」の判別も実施する Harm03 ( 房 / ☆ 3 次調波加算☆ / ( 連載第 9 囘参照 . [ 1 0] 3 次調波加算 ル・ソフトウェアにある「 iolib_inv. c 」のモジュールを変更して使用する [ 13 ] 部分の処理 . [ 13 ] は , サンプ 図 6 (b) のフローにおける [ 1 1 ] リスト 1 山・谷割り込み処理への追加部分 ン CHarm03();] では , 電圧指令の大小関係を判別す 回 , 2016 年 4 月号 ) を実施します . このサプ・ルーチ 3 相電圧指令に対して , 3 次調波加算処理 ( 連載第 9 [ 13 ] の処理の概要を示します . リスト 1 に , 本文中図 6 ( b ) における追加部分 [ 11 ] refu0 refv0 refw0 Vuc1*R2Edc0; Vvc1*R2Edc0; Vwc1*R2Edc0; 電圧指令を変調率に換算 ( ー 1 . O ~ 1 . O) (R2EdcO = 1 / ( 24.0 [ Ⅵ / 2 ) ) [ 11 ] 3 パルス・シフト制御 ノ☆ pulse shift ☆ / / ☆バルス・シフトは谷割込みで実施☆ / nif (YT_cnt = = Ⅳ P ] に応じて処理を実施Ⅳ P = 1 ~ 6 ) switch (VP_MODE) シフト量を計算するモジュール ( リスト 2 ) case 1 : case 2 : 3 : Shift uvw (refuO, refwO, refvO) ー dU0=dMax0 ー dV0=dMin0; dW0=0.0; break; 各相ことのシフト量の設定 るので , ついでに電圧パターン・モード ( 本文では 「」 , ソフトウェアでは「 VP_MODE 」定義 ) を求め るように変更しました . 「パルス・シフト制御」は複雑に見えますが , 大小 の比較を行うだけの処理です . シフト量の計算部分は , サプ・ルーチン化しています ( リスト 2 ). 谷割り込みで式 ( 1) の補償を , 山割り込みでは前回 の谷割り込みの補償量をそのまま使って , 式②の補 償を行います . リスト 1 の最後の部分で読み出しているサプ・ルー チン Cinverter—set—uvw ( ) ; ] は , サンプル・ソフト ウェアに付属していたものを改良して使います ( リス ト 3 ). 最小相の補正量を計算し , グローバル変数 dM 。 , d 物 0 に値を返す 元の電圧指令 ( 変調率指令 : 肥ん。 , 「 e , 肥 ( ) を引数として , 最大相 , リスト 2 パルス・シフト制御における補償量の計算処理 リスト 4 に パルス幅変調部分 ( インバータの素子 ・バルス幅変調と A ー D タイミング設定 イコンのマニュアルを参照して下さい . ー D 変換の開始トリガの設定を変更します . 詳細はマ るために , アナログ入力の読み込み方式 , ならびに A 3 シャント抵抗方式を 1 シャント抵抗方式に変更す ・ A ー D 変換器の設定変更 Shift uvw(refu0, refvO, refwO) ー break; dW0=dMin0; dV0=0.0; dU0=dMax0 ー void Shift uvw(float MaxV ′ float float Ma0;/* 最大相と中間相の差☆ / float M 土の / ☆中間相と最小相の差☆ / Ma0 = MaxV ー MidV; if(Ma0 > dTmin) 0. のた補正しない☆ / dMax0 ま else MidV ′ float MinV) 最大相の補正量計 refuO refv = refv0 refw = refw0 十 dUO; 十 dV0 : + dW0 ー 各相を補正 ( パルス・ シフト ) [ 式 ( 1 ) ] 「谷割り込み」で補正 した分を「山割り込み」 でキャンセル [ 式 ( 2 ) ] refw, YT cnt, VP MODE); 「 12 」パルス幅変調 - / - A ー D タイミング設定 ( リスト 4 ) 最小幅 ( d ) 以上であれは 補償しない dU0; dV0; dW0; ンシスタ技術 2016 年 10 月号 set uvw (refu, ′ else た山割込み : 辻褄合わせソ refu = refu0 refv refv0 refw0 refw dMax0 = dTmin ー MaO; / ☆不足分の補正☆ / 最小相の補正量計算 if ( M 土 0 > dTmin) M 土 0 = MidV ー MinV; 最小幅 ( d ) 0. の / ☆補正しない / dMin0 = 以上であれは 補償しない dMin0 = Mi0 ー dTm 土 n ☆不足分の補正 ( 負の値 ) ☆ / 173
リスト 3 A ー D 変換器の初 期設定変更 1 シャント抵抗方式を採用す るので , 12 ビット /A- D コン バータの初期設定を変更する void H lnit (void) / ☆ * 12 ビット A ー D コンバータ☆ソ = 0x2C / ☆ S12AD0. ADCSR. BYTE / ☆ S12ÄD0. ADANS. WORD = 0X3303 3 シャント抵抗方式の設定 だ 1 サイクル・スキャン mode 大 / / OPA_EN= AN000 ′ AN001 ☆ / S12AD0. ADCSR. BYTE S12AD0. ADANS. WORD S12AD0. ADSTRGR. WORD 0x0E; 0X0303 ー / ☆ single mode ☆ / / ☆ OPA EN= AN000 ′ AN001 ☆ / 0X0019 ー / ☆ GTADTRAO,BO ☆ / ダブル・データ・ レジスタを使用す る設定に変更 を駆動するタイマの設定 ) と , A ー D 変換開始の設定の ソフトウェアを示します . このソフトウェアも , サンプル・ソフトウェアをベ ースに改良しています . ローカル変数「 it ー A 」「 it-B 」が , 1 シャント抵抗を流れる電流をサンプルする二つのタ イミングです . 基本的には , 電圧パターン・モード ー甲に応じて設定します . デッド・タイムが挿入され ることを考慮して , その分だけ前倒しに設定します . S12AD0. ADDROB : 電圧最大相 SI 2AD0. ADDROA : 電圧最小相 納されます . A ー D 変換結果は , 次に示すそれぞれレジスタに格 it-B : 電圧最大相の検出タイミング it-A : 電圧最小相の検出タイミング 各タイミングを次に示します . 174 ような「制御」であると言えます . く足塚恭〉 いて , 最も期待できそうな技術は , レス & レスの ストを上げずに性能だけ上げる」という命題にお 求ポイントを謳えない限り採用されません「コ コストを上げてまでの性能改善は , よほどの訴 ました . クトル制御を導入しようという技術トレンドはあり が中心であった白物家電においても , 本格的なべ レス & レス制御が実用化された当時 , 120 。通電 コストを上げずに性能を上げる 一石ニ鳥 ! く足塚恭〉 当てます . この結果 , 相電流情報が得られます . ターンモード V アに従って , 相電流ん , んなに割り これらの A ー D 変換結果を , 本文表 1 に示す電圧パ リスト 4 バルス幅変調 / A ー D タイミング設定処理 図 4 ( b ) の「 [ 12 ] パルス幅変調 / A ー D タイミング設定」のモジュール部 分 . PWM の設定後 , A ー D 変換の起動タイミングを設定する void inverter set uvw(float u ′ float v ′ float unsigned short YT unsigned char VP MODE) int itemp_u, itemp_v, 土 temp ー w;/ ☆ GPTO ~ 2 ・ヘび ) 言殳定イ直☆ / int it_A; / ☆最小相の電流検出タイミング☆ / int 土 t ー / ☆最大相の電流検出タイミング☆ / / ☆ U 相のタイマ・セット☆ / itemp_u= (int) ( ( ー u + 1.0 ) ☆ ( (float)—inv—hpeak) + ( (float)_inv deadtime) ) ー 「谷」で設定 . 「山」のタイミングで転送される GPTO. GTCCRC GPTI. GTCCRC GPT2. GTCCRC itemp_u; itemp_v; itemp_w; 電圧パターン・モードレ H に応じて , 電流サンプル・ タイミングを設定 / ☆ 1 シャント電流検出のためのタイミング設定☆ / if()T cnt==l) / ☆ switch ()P MODE) 土セ B 6 : it A = break; it B = 5 : it A break; it B 4 : it A = break; it B 3 : it A break; it B 2 : it A break; it B 1 : it A = ¯br e ak : GPTO. GTADTBRB GPTO GTADTBRA break; 土む B -default:it A else{} 谷☆ / デッド・タイム分を補正 itemp_w itemp_u 土 t emp_v itemp_u 土 t emp_u itemp_y itemp_w itemp_v itemp_v itemp_w itemp_u itemp_w 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 itemp w 十 itemp—u + 土 nv deadt ime ー 土 n ▽ deadtime ー deadtime ー 土 n ▽ deadtime ー de adt ime ー deadtime; deadtime; deadtime ー de adt ime 土れ V 土 nv 土 nv xnv 1 れ V 土 n ▽ deadtime; inv deadtime あ 土 n ▽ deadtime ー 1nv deadtime; 土 n ▽ deadtime ー it A; 土 t B : / ☆バッファ転送☆ / / ☆バッファ転送☆ / GPTO による A-D 起動 のタイミング設定 トランタ技術 2016 年 10 月号
キットで実験 / モータのセンサレス制御技術 [ レス & レス・べクトル制御編 ] 「山」で転送 ( バ、ソファ利用 ) GPTO. GTCNT ( 三角波キャリア ) GPTO. GTADTBRA : GPTO. GTADTBRB 時間 シャントからの アナログ入力あ 0 A=D 変 A-D 変換 SI 2AD0. ADDROA A ー D 変換値を保存 するレジスタ SI 2AD0. ADDROB 次の「谷割り込み」で A ー D 変換結果を利用する 図 3 1 シャント方式での電流検出 RX マイコンの「ダブル・データ・レジスタ機能」を使って , 同じアナログ入力端子の A ー D 変換値を , ニつの異なるレジスタへ保存する . 次の「谷」 割り込みで , これらの変換結果を利用する 表 1 1 シャント抵抗から検出した電流と相電流 の関係 A ー D 変換結果のレジスタの値「な ( 12AD0. ADDROA ) 」 と隔(12AD0. ADDROB) 」を , 各相に割り当てて , 相 電流を再現する 電圧パターンを モードア」 1 2 3 4 5 6 なる場合があります . リンギング電流は , モータへの 配線の長さなどでも変化します . この通電幅ですが , 前回 ( 連載第 14 回 , 2016 年 9 月号 ) 詳しく解説したように , 3 相の電圧指令の大小関係で 決められます . 電圧最大相と電圧中間相の「差」が , そのまま電圧最大相の電流の通電期間に比例します ( 第 14 回の図 7 のんの通電幅は , 電圧最大相 / と電 圧中間相圻 / 0 の差に比例している ). 同じように , 電 圧最小相と電圧中間相の「差」は , 電流最小相の電流 の通電期間幅に比例します ( 第 14 回の図 7 のなり . こで , 電圧指令は 3 相交流ですので , 実際には , 大小関係が時々刻々変化します ( 例えば , 第 14 回の図 6 ). よって , 条件によっては , これらの電圧指令の「差」 がゼロになる場合があります . 圄相電流を読み出しやすくする 3 相駆動 三角波キャリアの周波数は , これまでの実験で設定 電圧の位相ずらし技術「バルス・シフト」 してきた値 ( 10 kHz) とすると , キャリアの「山」と「谷」 ・正しい電流値を読むのに必要な時間輻を確保する の時間は 50 [ = ( 1 / 10000 ) / 2 ] になります . すると , 前回 ( 連載第 14 回参照 , 2016 年 9 月号 ) , 1 シャント 仮にリンギング時間を 10 とした場合 , 「山」「谷」 抵抗方式を実現するには , シャント抵抗を流れる電流 期間の 20 % ( = 10 / 50 X100 % ) もの期間が必要に の通電幅を確保する必要があることを説明しました なります . ( 第 14 回の図 7 ). 制約条件の一つは , デッド・タイム これを解決する手段として , 「パルス・シフト制御」 間一 ( サ - ン・プ - ルーー、一一ソ - フトウェアでは 3 に設定 ) ーであーーーーーーーを - 用います ( 連載第 14 回に 2016 年 9 月一号の図 8 . り , この値以上の通電幅が必要になります . もうーっ 図 4 に , パルス・シフト制御の事例を示します . は , スイッチングに伴うリンギング期間です . これは PWM 制御を行う場合は , 3 相の電圧指令レ , 新 , 0 , 実測しないとわかりませんが , 5 ~ 20 us 程度必要に ル 0 ) をいったん変調率 ( デューティ比 ) に変換して , ンシスタ技術 2016 年 10 月号 167
私たちはリモコンの OEM メーカーで魂 0000 小口ット請負ま魂 1 台からでも、開発・製造・販売致します ダイセン取扱い商品 プリント基板関連商品 リモコン関連商品 ・リモコン送信器 ・コネクタ変換基板 リモコン受信ユニット ・にピッチ変換基板 ・ユニバーサル基板 ・リモコン受信ボード オリジナル電子キット ・ Ethernet 関連機器 ・学習リモコンユニット 教材ロボット関連商品 無線通信モジュール ・ロボットプログラミングキット ・ 2.4GHz 帯通信モジュール・ロポットオプション商品 ・ BIu etooth ・ WiFi ORIGINAL PCBs オリジナル基板を取り揃えております。 リモコンの種類 弊社取扱リモコンには、光 ( 赤外線 ) 、電波 (2.4GHz 帯、 920MHz 帯 ) の 2 種類があります。 宿 赤外線で最大 10m 、電波で最大 200m の到達距離です。 それぞれ特徴があリますので使用目的に合わせて選んで 頂けます。 コネクタ変換 : Connector Breakout ビッチ変換 :IC Breakout ユニバーサル基板 : Universal PCBs ロポットプログラミングキット ロポット教材に最適 てグ けン たミ ぶラ 選グ を口 C-StyIe はマウス操作だけ でプログラミングでき、 遊びから初めて「 ( 言語」 が自然と理解できるソフト です。 エ一当 をー 中学校技術分野教科書指導書掲載中 ー http ・//daisen-netstore.com/ 会社タイセン電子工 Edutainment を実現 !い ロボットのプログラミングを楽しみながら、 ~ 子供遅の考える力を養います。 〒 556-0005 大阪市浪速区日本橋 4 丁目 9-24 ( 06 ) 6631-5553 ( 06 ) 6631-6886 http://www.daisendenshi.com LED 制御 中学校技術分野教科書掲載中 変数制御 AI ha X 可。 アルアア・エクスプローラ ビルド画面 . 辷ー第慶 まずはお気軽に お問い合わせください。 DAISEN 12 ンタ技術 2016 年 10 月号
パルス・シフトに よるリプルの増加 開始 開始 [ 1 ] 割り込み [ 1 ] 割り込み 電圧パターン・ 判別 ( 山・谷 ) 判別 ( 山・谷 ) モードから , シャント電流 の A ー D 変換値 [ 2 ] 相電流の再現 [ 2 ] A ー D 変換処理 」と」を スタート 三相に割り当 てる [ 3 ] 電流検出値の の変換 [ 3 ] 電流検出値の の変換 [ 4 ] 軸誤差△の。の [ 4 ] 軸誤差△ % 。の 演算 [ 5 ] PLI* 算 [ 5 ] PLL 演算 [ 6 ] 速度制御 [ 6 ] 速度制御 [ 7 ] 電流制御 [ 7 ] 電流制御 [ 8 ] の b\./ の更新 [ 8 ] % の更新 [ 9 ] 電圧指令の [ 9 ] 電圧指令の 逆変換 の逆変換 電圧パターン・ モード「 / 尸」を [10] 3 次調波加算 判別 [ 1 0] 3 次調波加算 [ 1 1 ] パルス・ 最大相と最小相 [ 1 1 ] パルス幅変調 シフト制御 の補償を実施 PWM の設定と [ 1 2 〕位相更新 [ 12 ] パルス幅 同時にダブル・ 変 */A-D データ・レジス タイミング設定 タの設定を行う 終了 (a) 位置センサレス [ 1 3 ] 位相更新 レスのフロー ( 連載第 1 3 ロ , 図 2 ) 終了 (b) レス & レス制御のフロー 図 6 センサレス・べクトル制御のフロー これまでの連載で解説してきたアルゴリズムを利用して制御ソフトウェ ア全体を構成する 補償量が小さくなるので , 波形のひずみも少なくなり ます . 今回は , パルス・シフトとして最も簡便な方式で実 験しましたが , さまざまな改良案がすでに報告されて いるので , 試してみるのはいかがでしようか ( l) ◆参考文献◆ ( 1 ) Y. Murai, et al. ; "Three ー phase Current Waveform Detection on PWM lnverters from DC link Current- Steps", IPEC Yokohama'95 ( 1995 ー 4 ). 4. OA 0.0 〔 V 〕細 0.0 0.0 20 ℃ 25.0 15.0 時間 Cs] (a) オシロスコープによる観測波形 10.0 5.0 0.0 4. OA 0.0 0.0 0.0 25.0 20.0 15.0 時間 Cs] (b) マイコン内部での再現波形 図 7 実際の相電流波形とマイコン内部の再現波形の比較 ( 8 開 r/ min ) 1 シャント抵抗方式による相電流の再現試験波形 . 実際のモータ電流と , マイコン内部で再現した波形を比較した . おおむね相電流が再現されて いる 10.0 5.0 0.0 ②福本哲哉 , ほか : 「 3 相 PWM インバータの直流電流検出に よる交流電流演算の一手法」 , 電学論 D , 127 , N 。 .2 , pp. 181 ー 188 ( 2007 ー 2 ). ( 3 ) 青柳滋久 , ほか ; 「直流母線電流からの 3 相交流電流再現に おける PWM パルス修正法の提案」 , 電学論 D, 130 , N 。 .4 , pp. 401 ー 406 ( 2010 ー 4 ). トランシスタ技術 2016 年 10 月号 170
流が 500mA だと満充電までに何時間もかかります . USB の規格が 3.0 になり , 充電電流が 900mA に増 えました . さらに USB Battery Charging 1.2 により , 1.5A の規格も登場したため , 専用充電器の電流供給 能力は 0.9 ~ 1.5 A へと増加しました . これに伴い , USB モバイル・バッテリの出力電流 も 1 A に移行し , エネルギ源にリチウム・イオン蓄電 池を使用する製品が一般的になりました . 表示されている mAh がそのまま充電できる訳では ない / 電圧変換時のロスが結構ある 25 mAh のリチウム・イオン蓄電池を内蔵した USB モバイル・バッテリは , 10 開 mAh を 2.5 時間供給 することはできません . 電池電圧 ( 42 ~ 3.0 V) から 5 V に変換するときに , 昇圧時の電圧上昇による電流減少 と昇圧型 DC ー DC コンバータによる変換ロスが発生す るためです . 電池電圧が 3.7V のとき , 約 1.5 倍の 5. OV に昇圧し ているので , 電池から約 1.5 倍の電流が流れます . また , 昇圧型 DC ー DC コンバータには電圧変換による損失が あります . 変換効率は 70 ~ 90 % です . 変換効率が 85 % だとすると , 出力は次の通りです . 出力電流 = 電池電流 x ( 3.7 V / 5.0 V) x 0.85 ( 効率 ) この状態が継続したとすると , 電池容量 2500mAh で 1000mA 負荷では 1.6 時間程度しか供給できません . さらに電圧低下や昇圧型 DC ー DC コンバータの効率悪 化を考慮すると , 1.25 時間程度になります . リチウム・イオン蓄電池の電流容量を半分にした値 を負荷電流で割った程度の時間しか使えません . の機器との間で通信による認証 ( ネゴシェーション ) 充電電流が 1 A 以上の規格では , 充電器と負荷側 ・同じ 5 V です . ・すが , 形状は同じで下位互換性があります . 電圧は USB 1.0 / 1.1 / 2.0 と USB 3.0 ではピン数が異なりま を規格もあります . ・規格があります . 2.4A やそれ以上まで供給可能な このほかに表 A に示すように USB 規格外の独自 ・ USB Battery Charging 1.2 : 1.5 A ・ USB 3.0 : 900 mA ・ USB 2.0 : 100 mA または 500 mA ・ USB 1.0 / 1.1 : 100 mA または 500 mA 給能力は , それぞれ次の通りです . USB 規格で定められたポートからの最大電流供 LJSBjt{-- トの電流供給能力 を を 104 0 ピンキリ / 電源の回路構成と効率 USB モバイル・バッテリの回路構成は , エネルギ 源に使われる電池によって異なります . 次の 2 種類が 主流です . ・昇圧型 DC ー DC コンバータ・・・ 5V 未満の電池で使 われる 単 3 型乾電池を 2 本使用するタイプや , リチウム・ イオン蓄電池 1 セルを使用するタイプに用いられます . 整流方式により損失に差が発生する 昇圧型 DC ー DC コンバータには図 1 ( a ) の構成のダ イオード整流方式が一般的です . 整流ダイオードの が 0.5V 程度あり , 10 % 程度の損失が発生します . 図 1 (b) に示すのは , 損失を低減してより高効率に 昇圧できる同期整流方式の昇圧型 DC ー DC コンバータ です . 整流ダイオードの代わりに低 ON 抵抗の MOSFET を ON/OFF させて整流します . 損失を大幅 に低減できるので効率が向上し , 10 % 程度長く電池 が使用できます . USB モバイル・バッテリは , 使っていないときも 内部回路の動作用に小電流が流れていることが多く , 電池残容量が減少します . ほとんどの USB モバイル・ バッテリには , 自己消費電流や昇圧型 DC ー DC コンバ ータの形式など , 待機時の消費電力について記載があ りません . 保護回路の追加が必須 USB モバイル・バッテリを 5 V 電源として使用する 使っていないときも電力が消費する ります . 認証しないと , 規格の最大電流を流せない を行い , 機器に応じて充電電流を制御する場合があ 表 A 急速充電も / USB ポートを用いた最新充電規格 こともあります . 策定元 USB ー IF (USB lmplementers Forum) クアルコム クアルコム アップル 中国通信規格 規格名 USB 1.0 / 1.1 / 2.0 USB 3.0 Lightning Charging 12 USB Battery USB 3.1 充電電流 100 mA または 500 mA 900 mA 1000 mA 1500 mA 1800 mA 最大 2400 mA Quick Charge 1.0 最大 2500 mA Quick Charge 2.0 最大 4000 mA ンシスタ技術 2016 年 10 月号
1.00 0.75 ~ 0.50 0.25 0.00 c ー 0.25 —0.50 ー 0.75 ー 1 . OC 0 入力波形 ( 余弦波 ) とサンプリング個数の条件を変更してシ ツール SKDSP で時間ドメインの特性をシミュレート 図 10 ディジタル・フィルタ・プログラム作成支援 0 m ⅱ第 to 姦 MD6 0 人力波形 ( 余弦波 ) 記 = 1.0 出力波形 人力波形 の指定 サンプリング個数 人力波形の 1. 周波数 tHzI 2. 振幅 3 , 位相鬥 1000 0.1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 timeCms] 0 入力波形 0 出力波形 0 4. オフセット 5. 入力回数 2000 ー 6 出力の表示倍率 1 16 い ロ 有効化 7 ログメモリのま那艮 実行亠」メモリの初期化 ミュレートする rator 、、・ 02 部分分数展開結果の表示 十 S 00 十 015 十 02S2 十 .. k わ 0 十 b15 十わ 252 十 . 実行ボタンを押すたびに伝達関数内のメモリ ( 1 / z ) をクリアするかどうかを選択 Ze 「 03 ー 8 ヨ 1 , PO に一 8 ] 10 , ー 8310 convert k: 0.010000 ( 行に ientS : ー 831 bl = 0.99 bO= 1495-8 al = 16620 ℃ aO = 6.90561 E7 5 config 極点の数値人力 零点の数値入力 部分分数展開への変換ボタン autO d052 WindOW. 図 11 部分分数展開計算機ユーティリティ ( 並列積分器の分離用 ) SKDSP のユーティリティ機能は , ほかに , 固定小数点数値 ( Q フォーマット ) と実数の間の変換 , dB 表示とリニア表示 の間の変換用計算機機能がある グリーン・エレクトロニクス ? 歩ン・ No. 18 好評発売中 / 定価 : 本体 2,400 円十税 B5 判 128 ページ 従来の MOSFET と同じように使える / 高安全性・高信頼性ノーマリ OFF 型誕生 / 30MHz / 10kW スイッチング超高速 GaN トランジスタの実力と応用 GaN ( ガリウム・ナイトライド ) , SiC ( シリコン・カーバイド ) など , 新しい半導体材料によるパワー・デバイスが実用化されて きており , 実際の製品への応用が広がりつつあります . 本書では , これら新パワー・デバイスの特長を生かした活用方法を探求し ていきます . 高電圧動作のパワー・エレクトロニクス回路を高速にスイッチングすることが可能となるため , 数 kW クラスのパワ 一回路を小型かっ軽量に実現できるようになります . CQ 出行反杠 190 〒 112-8619 東京都文京区千石 4-29-14 販売部 TEL. 03-5395-2141 ンシスタ技術 2016 年 10 月号
プロうラマコル遅延装置 ー朝 リを - ト制御式 16ns 連続可変遅延装置 MOdeI 83Dg3P16n ・装置概念図 操作・表示部 0 ~ 1 ns/ 1 &2ns 切換・・ -- ・ -- 電動式可変長同軸管 02.4.8ns 切換式 固定長同軸ケープル ~ 凵一に 25GHz フルプロ 0 ラマプル 同軸ラレーライン / 可変位相器 帯域 20GHz に及び、世界最高の忠実な波形と長寿命・高信頼性を確保。 一任意の遅延時間を与える 50n 構造の機能部品ラインストレッチャー アナログ回路では広帯域フェーズシフターとして各種変調・復調方式や フェーズアレー動作等広い用途に適応し安定した動作も確保。 DCæ25GHz(Max) 可変範囲 : 500ps/1ns/2ns 分解能 : 0.2ps / 0.5ps / lps 電子リモートコントローラブル 入出力 2 回路構成 2ch でのトラッキング動作可 両 ch 直列接続により可変範囲を 2 倍に 拡大できる便利な構造となっている。 ◆応用 ・ 4Gbps/10Gbps MUX/DEMUX のスキュウー調整 ・直交変復調移相調整 ・ VCO / シンセサイザーの位相雑音測定用直交検波移相器に マニュアル可変 遅延器 / フェースシフ日一 DC-v25GHz(Max) 可変範囲・ 200PS マニュアル可変 / 半固定・ 廉価な組込みコンポーネントとして ◆電気的性能 ・周波数特性 ・ DC'V25GHz Max. (CDX-PS200-25G) ・位相可変範囲 Max. 240 。 @3GHz ( 約 360 。 @4.5GHz) ・標準減衰量 0.5dB @6.OGHz Max. 0.8dB @6.OGHz ・入出力インピーダンス 50G W40(mm)XT9.7(mm)XL113(mm) 、調整ツマミ・ロックネジ機械的位置モニター 電圧可変型遅延器 L 、 S 、 C 、 X 、 Ku 、 K バンドフェーズシフタに対応 ◆性能・仕様 ・周波数特性 ・ 10MHz&3GHz ( 23 団 013-AA) ・ 150MHz-v 13GHz ( 23D ⅱ 01 13-AA) ・遅延時間可変範囲 入出力周波数 : Ku 帯 ( 1 2 ~ 18GHz) く 400PS / 3GHz ( 23 団 013-AA) 入力電力 : 十 10dBm 以下 く 200PS / 13GHz ( 23D ⅱ 0113-AA) 出力電力 : 0 士 3dBm 以下 ( 入力電力 OdBm の時 ) ーセットリングタイムく 5 s 変換利得 : ー 52dB 土 3dB 0.5dB @6GHz/Typ. 雑音指数 (NF)ö59dBtyp 入出力遅延時間 : 40 矮 s 士 3 %@16.5GHz 注 ) ユーザ各位の御要望、当社の品質管理等に伴って、お断りなしに仕様の一部を変更、向上させて頂く事があります。 株式会社キヤノトックスソスアムズ E-mail.info@candox.。。.jp URL.http://www.candox.。。.jp 〒 361 ・ 0 図 5 埼玉県行田市押上町 1 5-21 TEL. 048-564-0500 / FAX. 048-564-0501 ンタ技術 2016 年 10 月号 0 CDX-ATi011 各部 電源部 DC 電源 ※切換は低損失半導体スイッチを使用 ー 0 ~ 16ns の連続的 ( 切換時間 1 OOns typ. ) 遅延時間変更が可能 ー電動式可変長同軸管により安定な動作が可能 一高精度 (±3ps 以下 ) の遅延時間再現性を実現 ( ゼロ点校正後 ) ーイーサネット TCP/IP. リモートコントロールでプログラマブルな遅延設定が可能 外部 PC 等 I/O 部 (LAN) 制御部 駆動回路 INPIJT OUTPIJT ——ACIOOV リを - ト制御式 2ns 連続可変遅延装置 ModeI 83Dg3P02n ー O&2ns の連続的遅延時間変更が可能 ー電動式可変長同軸管により安定な動作が可能 一高精度 (±8ps 以下 ) の遅延時間再現性を実現 ( ゼロ点校正後 ) ■ィーサネット TCP/IP. リモートコントロールでプログラマブルな遅延設定が可能 Ku 帯 ( 1 2 - 18GHz) のバルスド RF 信号を 404S 遅延して出力する事が可能です。 光送受信機を使った遅延装置のため、小型化と軽量化及び良好な利得が得られます。 実運用に近い状態での試験が可能になります。 ■簡易プロック図 CDX-PS200 レ - 号ーハルス用 40us 遅延装置 E/O 入力 ホーンアンテナと組み合わせた例 光ファイバー 、 MOdeI 23Di013 シリーユ 遅延装置外観 19
1 ms の間 42 V 程度まで電圧が低下する状態になるこ とがわかりました . 負荷電流が増加するタイミングと 重なると , さらに電圧が低下します . また , 次のよう な使い方をすると強制的に電源がシャットダウンされ ます . ・約 14 秒間無負荷状態が続くと ー・約 70 分間負荷電流が 200mA 以下の状態が続く 予想ではありますが , 本製品の専用コントロール IC では , 出力先がリチウム・イオン蓄電池であるか どうかを定期的にチェックしているようです . ときど き出力電圧を変更し , 出力電流の変化を監視していま す . 200mA 以下の定電流状態が 1 時間以上継続する のは , 何らかの充電制御異常と判断し , 充電を停止し ているのでしよう . 過剰なまでの保護機能といえます . 図 15 ハイエンド US B モバイル・バッテリの保護機能の一部と 思われる動き リチウム・イオン蓄電池の充電制御の異常などによ る発火事故などが過去に多く起きたことから , 専用コ ンダーシュートが 10 us の間発生しています . ントロール IC を使って安全性を重視したためだと思 1GHz の CPU を使っていたら , 10000 クロックは動 います . 作します . 過渡的には一般的な定格である 5 V の一 5 % を守れていないことになります . リチウム・イオン蓄電池の充電に特化して設計され 野外実験用の 5V 電源として使用する場合には , た USB モバイル・バッテリは , ハイエンド品ほど保 答性の悪さによる瞬間的なアンダーシュートが発生し 護回路の動作により勝手に電源が落ちるなど , 製作や ます . 実験に使用できないことがあります . 急激に無負荷となったときも同様に , オーバーシュ 逆に , ローエンド品は単純な昇圧コンバータだけで ートが発生します . 電圧は 62 V に達しており , 5 V 構成されており , 保護回路も少なくて結果として製作 に対して + 20 % を超える過電圧状態となっています . や実験に使用可能となる事もあります . 回路の耐圧にも注意する必要があります . USB モバイル・バッテリは一定の電流を供給する 目的で作られているので , 過渡応答による電圧変動は ・ハイエンド USB モバイル・バッテリ ( 3400 mAh リ 大きく , 外部機器を接続したときはトラブルに至る可 チウム・ポリマ蓄電池使用 ) 能性があります . たとえば CPU のスリープからの起 図 14 に示すのは , 負荷電流を 0 A → 1.5 A → 0 A と 動時や , マイコン基板の USB コネクタに外部機器を 変化させたときの電圧の変化です . 変動に対する応答 接続したときの高速な電流変動による大幅な電圧低下 は非常に遅いです . 変化時には約 800mV , 5V に対 により , CPU が暴走を起こす可能性もあります . して一 16 % のアンダーシュートが発生しています . 最近では , 出力容量が非常に大きなモバイル・バッ その後 , 4ms で 5V まで回復します . 電圧の復帰も階 テリも販売されています . 使用する最大電流の数倍の 段状で , ディジタル的な制御が行われているようです . 電流能力の製品を選んで使用すれば電圧低下の問題も 過剰な保護機能 ? いくらか軽減できます . しかし , 製作や実験に使用す CP ー V3BW ( ソニー ) は , 専用のコントローラに独自 るには , 過渡応答への対策が必要です . の保護機能を実装しているようで , 充電以外の使い方 本稿ではページ数の都合により問題の対策方法まで をすると自動シャットダウンしてしまうようです . 掲載できませんでしたが , 対策用の外部回路付 USB 無負荷状態と負荷状態を切り替える変動テストを何 ケープルの製作なども別の機会で紹介したいと思いま 度か測定したとき , 図 15 のように数百 ms ごとに , 約 す . 規格書解説から物理層のしくみ , 基板・ FPGA ・ソフトウェア設計 , コンプライアンス・テストまで LJSB 3 0 設計のすべて 野崎原生 / 畑山仁 / 永尾裕樹編著 A5 判 512 ページ定価 : 本体 3 , 800 円 + 税 負荷電流 ・ 1 ・ A ク 0 ⅳ・ ときどき電圧が大幅に低下している 応 好評発売中 / CQ 出版杠 http://shop.cqpub. CO. jp/ 110 トランシスタ技術 2016 年 10 月号
特集 Li イオン / en 可 00P / コイン厄 T 電池入門 プロローグ 1 2 3 4 5 6 、 7 5V 出力 1 V/Div 5V 出力 200mV/Div 十 12V のオーバーシュート ンサ敏 ・コンデンサ充電 1 ー 1 . OV のアンダーシュート スパイク・ノイズが大きい ・負荷電流 500mA/Div 負荷電流 200mA/Div 2 ① om リ ~ 工ロ増 OOMA 瓮 図 13 スタンダード USB モバイル・バッテリの負荷電流変化時の 図 12 ローエンド USB モバイル・バッテリの負荷電流変化時の 電圧変動 電圧変動 出力コンデンサの容量が大きいので放電と充電に時間がかかり , 電圧変 約 1 V のアンダーシュートが 100 us の間発生する 動がゆるやか . ただし , スパイク・ノイズが大きい 小容量の出力コンデンサでは負荷急変に耐えられな ・ローエンド USB モバイル・バッテリ ( 単 3 型乾電 池 2 本 ) 図 12 に示すのは , 負荷電流を 0mA → 2 開 mA → 0mA 今回実験した製品はいずれも , 昇圧型 DC ー DC コン と変化させたときの電圧の変化です . 電圧変動は 300 バータの出力コンデンサに小型のセラミック・コンデ ンサが使われていました . 寸法より容量は 47 F 程度 mVp-p です . 5V に対して 6 % の電圧降下が発生して と推測されます . この容量では電源の応答速度が遅く , います . コンデンサだけで負荷急変分の電流をまかなう場合 , 非常に大きな電圧低下が発生すると予想されます . 負荷急変があることが想定されていないモバイル・ バッテリで負荷急変を起こすと出力電圧がどのように 変動するかを測定してみます . 量イ的いよツ 5 な 4 - リ ロ / 1 訂論 2 ロ第 ・スタンダード USB モバイル・バッテリ ( 3000 mAh リチウム・ポリマ蓄電池使用 ) 図 13 に示すのは , 負荷電流を 0mA → 8 開 mA → 0mA と変化させたときの電圧の変化です . 変化時には約 IV のアンダーシュートが発生しています . その後 , 約 100 4 s で 4.9 V まで回復します . 5 V に対して一 20 % のア 5V 出力 200hV/Div 遅い電圧復帰 5V 出力 20.0rhV/D.iV . ・階段状に電圧が 復帰している 大きなスパイク状 . の変動 800mV の電圧低下・ 負荷電流 1 A/Div 負荷電流 1 A/Div 200 の 0 繼 れ 00 AQ (b) アンダーシュート部の拡大 0 ・ AQ (a) 全体 図 14 ハイエンド USB モバイル・バッテリの負荷電流変化時の電圧変動 約 800mV のアンダーシュートが 4ms の間発生している 109 トランシスタ技術 2016 年 10 月号