ヴェッテル - みる会図書館


検索対象: モーターマガジン 2015年 11 月号
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1. モーターマガジン 2015年 11 月号

イタリア GP で今季 7 勝目をあげたルイ ス・ハミルトン ( メルセテス AMG ) 。ニュー スペックのパワーユニットを手に入れて、 ライバルとの差を広げたように見える。 ばならない計算だ。 ドラマは彼が 3 位を走行中の周 目に起こった。ゴールまで残り 1 周。 彼もチ 1 ムも、ハンガリーでの 勝利の幸運がまだ続いていると信じ ていた。ところが、突然、彼のフェ ラーリの右後輪がバーストしたの だ。 3 位表彰台の夢が吹き飛んだば かりか、ひとっ間違えば大事故にな るところだった。 ヴェッテルは怒りを隠さなかっ た。「こ、つい、つアクシデントは許せ ないハーストした場所がコースの 違うところだったら大事に至ってい たところだ。 3 位表彰台を逃した点 も悔しいが、我々がなにを言っても 言も聞いてくれない ヴェッテルはピレリのタイヤの性 能への歪女を露わにする。実はこの ヴェッテルのタイヤバ 1 ストに先立 ち、金曜日の練習走行 2 回目にロズ ベルグのタイヤがハ 1 ストしてい る。原因はコ 1 スに落ちたデブリな どの外的要因ということで結論は出 ていた。しかし、ヴェッテルは自分 の身に降りかかったアクシデント に、我慢がならなかったようだ。あ ちこちのインタビュ 1 でピレリを責 めた。だが、。 ヒレリはヴェッテルの ロ撃に対して自分たちには責任はな いとして、次のようなメッセ 1 ジを 出した。 「 2013 年Ⅱ月、ピレリは 1 セッ トのタイヤで決められた周回数以上 を走らないようにチ 1 ムに申し出を 行ったが拒否された。。 ヒレリの申し 出は、プライムタイヤ 1 セットで レース距離の半分以上は走行しない 133

2. モーターマガジン 2015年 11 月号

独走モードへ。 約 1 カ月の夏休みを経て、 8 月 日、サ 1 カスはベルギーへ移動 した。スパ・フランコルシャンがそ の舞台。トリッキーなコーナ 1 、長 いストレート、そしてかの有名な オ 1 ・ルージュ。このコースを速く 走るには、エンジンパワー、クルマ のバランス、そしてドライバーの 流の腕前が要求される。 そして、ここでポールポジション を獲得したのは、またしてもルイス・ ハミルトンだった。「このコースを 速く走るにはクルマに理想的なセッ トアップがなされていることと、ド ライバーが最高の走りのリズムを掴 むことだ。今回は幸運なことにその 両方が揃った」とハミルトン。 1 周 7 にも及ぶ長いコースで、 3 セッションの最後に、なんと 2 周に わたってベストタイムを刻んだ。そ して予選 2 番手にチ 1 ムメイトの一一 コ・ロズベルグが入り、メルセデス 1 履 .11 Be ね G 宿 P け / 席畆 12 ーね″ G 宿 P け / 席 13 $ 加 ga ′ 0 G P け 2015 0 シーズン終盤に向けて、ルイス・ハミルトンの快進撃が始まろうとしている ノ、ンガリー GP ではその強さにやや陰りが見えたが ベルギー GP で勢いを取り戻し、イタリア GP では圧巻の走りを見せた 今月は高速レースとして知られるべルギー GP とイタリア GP で蘇っオ ハミルトンとメルセデス AMG の速さの秘密に迫ってみたい 文 = 赤井邦彦 / 写真 = 金子博 AMG FI 、 0 、 0 、」 0 CO の 2 台がグリッド最前列を占の後ろでも、パスト 1 ル・マルドナー めることになった。 ド、セバスチャン・ヴェッテル、カ ハミルトンはこのロズベルグの追ルロス・サインツまでがトップ川を い上げを脅威に感じたというが、そ埋めたが、ボッタスからヴェッテル 0 れは本当だろうか予選のタイム差までの 7 人が 0 ・ 3 秒以内にひしめ物 は 0 ・ 5 秒、この差は決定的と言えく大接戦の予選になった。 るもので、これだけ離れたら決勝 ハミルトン快勝の陰で レースでは勝負にならない。つまり、 タイヤバ 1 スト事件発生 本心ではハミルトンはロズベルグを 決勝レースは単調に展開され、 何とも思っていないのではないか。 ミルトンかスタートからゴールまで そんな感じの予選だった。 予選 3 番手はウィリアムズのバル独走で勝利した。 2 位にはロズベル テリ・ボッタス。高速域の伸びるウグが入ったが、彼がトップを走った ィリアムズのマシンはスパに適してのはハミルトンがタイヤ交換にピッ おり、好タイムか期待された。チー トインした引周目だけ。ハミルトン ムメイトのフェリペ・マッサはボツの俊足ぶりがうかがえる。そして、 3 位には久しぶりにグロ 1 ジャンが タスから 0 ・—秒遅れただけだが、 グリッドは 7 番手。ふたりの間には入賞、ロータスにとっても実に久し ロ 1 タスのロメイン・グロ 1 ジャン、ぶりの表彰台となった。ただ、グロー フォースインディアのセルジオ・ベジャンの 3 位入賞はまさに「棚から レス、レッドプルのダニエル・リカばた餅」といった幸運の賜だった。 ルドと 3 人が割って入った。マッサそこにはヴェッテルを襲ったタイ ャパ 1 ストというトラブルがあっ た。ヴェッテルは 1 回のタイヤ交換 でレースを走り切る作戦を立てた。 彼とフェラ 1 リ、加えてヴェッテル 担当のピレリのエンジニアと 3 人 で、タイヤ交換 1 回作戦を立てた。 他のドライバ 1 はいずれも 2 回のタ イヤ交換を予定したが、その裏をか かねばメルセデスを打ち破る ことができないと踏んだのだ。そし てヴェッテルはソフトコンパウンド タイヤでレースをスタートし、周 目が終了した時点でミディアムタイ ヤに交換した。レースは周で争わ れるため、ヴェッテルは残り四周を ミディアムタイヤで走り切らなけれ

3. モーターマガジン 2015年 11 月号

ドこと、オプションタイヤ 1 セットで リアでもタイヤ問題が起こった。 モ % 以上を走行しないこと、とい、つ またもハミルトンが独走 独もの。この条件によると、今回のス そして再びタイヤが問題に びパではタイヤ 1 セットで走ることの 結論から先に一言えば、続くイタリ できる最大周回数は周となる」 レースをエキサイティングなものアもハミルトンの圧勝で終わっ にするために、あえてライフを設定た。ポールポジションからスタートよ して一度も首位の座を奪われること して開発しているというのだ。 ヴェッテルの突然のリタイアで、なく、圧倒的な強さで勝利をもぎ増 かわりにグロ 1 ジャンが 3 位に入賞取った。今季 7 勝目、キャリアでは した。表彰台の 3 人以外にとれば後通算鬨勝でアイルトン・セナの記録 味の悪いレースたった。とくに にあと—勝と迫った。ただ、イタリ ヴェッテルとフェラ 1 リにとれば、アではチ 1 ムメイトのロズベル 次のレースがイタリアだけに、グがゴールまで 2 周というところで 禍根を残してベルギーを去ることに エンジンをプロ 1 させ、いつものメさ 無念の思いがあったに違いないでルセデス 1 ー 2 フィニッシュは見ら きれば 3 位表彰台でレースを終え、れなかった。彼はハミルトン、ヴェッさ 地元のレ 1 スに向けて調子を上げてテルに次いで 3 位を走行中にエンジ いきたかったはずだ。そして、イタンから火が出てストップ。これで選 手権をリ 1 ドするハミル トンに点差をつけられ、一夏 チャンピオンタイトル争 広いに黄信号が灯った。 2 位にはベルギー とでひと悶着あったヴェッ テルが入った。優勝した ハミルトンからなんと な秒も離されての不甲斐な い 2 位ではあったが、イ うタリアのフェラ 1 リファ ンはレ 1 ス内容などど、つの 6 でもよく、フェラーリの ス 2 位入賞に湧いた。 レースの単調さとは対コ 照的に、ゴ 1 ル後のモン ~ 迷 ツアのコース上は熱狂的 ~ 咼 なイタリア人に埋め尽く ニされた。彼らの多くはフェ 2015 AIlianz ⑩ノ 1 ・ , 第旅鬆いな第洋 ニを ; = 必三いン / - 輩を第物第第ツ。 ' = をトをみ ベルギー GP でも快走を見せたセバスチャン・ヴェッテル ( フェラーリ ) 。しかし、このあと 3 位表彰台を目前に突然のタイヤバーストのためリタイア。続くイタリア GP では 2 位入賞を果たしている。 MOtO 「 Magamne 134

4. モーターマガジン 2015年 11 月号

ラーリレッドと言われる赤い服を着言いながら、それでもラップタイム ており、モンツアはさながら赤い絵を上げていった。その結果、 2 位 の具で塗られたようになった。彳 皮らヴェッテルとの差は秒にも広がっ にとれば、 2 位フェラ 1 リがすべてたのだ。 であり、それをドライプしていたの チームの指示の理由はこうだ。も がヴェッテルだろうが誰だろうが関しがタイヤ内圧間題を重視し 係なく、また優勝が誰の手に渡ったてペナルティを科す場合には、その かなどまったく関心なし。それがペナルティは結果に秒のタイム追 フェラーリファンであるイタリア人加がなされるだろうという読みが の真骨頂と一言えた。 あったのだ。そのため、 2 位との差 ところが、レ 1 ス後、もしかすれを秒以上に広げていなければなら ば「フェラーリ優勝」というファンない。結果的にお咎めなしになった にとれば驚天動地の歓喜の瞬間が訪が、もしチームの読みどおり秒の れる可能性があると囁かれた。またペナルティが科せられていたらどう してもタイヤに関する間題が発生しなっていたか。ヴェッテルとの最終 ていたからだ。 的なタイム差は秒 042 だった。 といっても今回はバ 1 ストなどのそれにしても、近年のグラン 技術的な問題ではなく、優勝したハプリで 2 位に秒もの大差をつけて ミルトンのリアタイヤの空気圧が、優勝したドライバ 1 はいない。チー ル 1 ルで決められた最低内圧・ 5 ムから指示があったとはいえ、それ を 0 ・下回っていたをなにごともなかったかのように成 のだ。おまけにチームメイトのロズし遂げるハミルトンの力には恐ろし ・エクレス ベルグのタイヤは規定値より 1 ・ 1 ささえ感じる。 も低かった。 トンカいみじ / 、も一言ったよ、つに、、 の技術委員ジョー ハウミルトンは近代では希なスーパート アーは丁寧に調査をし、結果的には タイヤウォーマーの不備などが原因 で、故意に内圧を下げたものでない ことが判明、ハミルトンの優勝はそ のまま承認されることになった。し かし、たしかにレース終盤、メルセ デス陣営は混乱していた。か らタイヤ内圧問題に関して指摘を受 けたチームは、トップを走るハミル トンに「理由は聞かす、可能な限り 速く走れ」と繰り返し指示を出した。 ハミルトンは「精一杯走っている これ以上速く走ることは無理だ」と 0 FI 第 11 戦ベルギー GP ( 8 月 23 日 ) 順位ドライバー ( チーム ) L ノ、ミルトン 1 位 ( メルセデス AMG ) N. ロズベルグ 2 位 ( メルセデス AMG ) R. グロージャン 3 位 ( ロータス・メルセデス ) D. クピアト 4 位 ( レッドプル・ルノー ) S. ペレス 5 位 ( フォースインディア・メルセデス ) F. マッサ 6 位 ( ウィリアムズ・メルセデス ) K. ライコネン 7 位 ( フェラーリ ) M. フェルスタッペン 8 位 ( トロロッソ・ルノー ) V. ポッタス 9 位 ( ウィリアムズ・メルセデス ) M. 工リクソン 10 位 ( ザウバー・フェラーリ ) FI 第 12 戦イタリア GP ( 9 月 6 日 ) 順位ドライバー ( チーム ) L ノ、ミルトン I 位 ( メルセデス AMG ) S. ヴェッテル 2 位 ( フェラーリ ) F. マッサ 3 位 ( ウィリアムズ・メルセデス ) V. ポッタス 4 位 ( ウィリアムズ・メルセデス ) K. ライコネン 5 位 ( フェラーリ ) S. ペレス 6 位 ( フォースインディア・メルセデス ) 、 . ヒュルケンベルグ 7 位 ( フォースインディア・メルセデス ) D. リカルド 8 位 ( レッドプル・ルノー ) M. 工リクソン 9 位 ( マクラーレン・メルセデス ) D. クビアト 10 位 ( レッドプル・ルノー ) FI 第 13 戦シンガポール GP ( 9 月 20 日 ) 順位ドライバー ( チーム ) タイム ( 周回数 ) / グリッド S. ヴェッテル 2 : 01 : 22.118 ( 61 周 ) / 1 1 位 ( フェラーリ ) D. リカルド 2 位 + L478 秒 / 2 ( レッドプル・ルノー ) K. ライコネン 3 位 + 17.154 秒 / 3 ( フェラーリ ) N. ロズベルグ 4 位 + 24.720 秒 / 6 ( メルセデス AMG ) V. ポッタス 5 位 + 34.204 秒 / 7 ( ウィリアムズ・メルセデス ) D. クピアト 6 位 + 35.508 秒 / 4 ( レッドプル・ルノー ) S. ペレス 7 位 + 50.836 秒 / 13 ( フォースインディア・メルセデス ) M. フェルスタッペン 8 位 + 51.450 秒 / 8 ( トロロッソ・ルノー ) 9 位 C ・サインツ + 52.860 秒 / 14 ( トロロッソ・ルノー ) F. ナスル 10 位 + 90.045 秒 / 16 ( ザウバー・フェラーリ ) タイム ( 周回数 ) / グリッド 1 : 23 : 40.387 ( 43 周 ) / 1 + 2.058 秒 / 2 + 37.988 秒 / 4 + 45.692 秒 / 12 + 53.997 秒 / 5 + 55.283 秒 / 7 + 55.703 秒 / 14 + 56.076 秒 / 15 + 61.040 秒 / 3 + 91.234 秒 / 13 dstad 高速コースを得意とする ウィリアムズ。ベルギー GP ではセッティングに失 敗して実力を出し切れな かったが、イタリア GP で は 3 位、 4 位に入賞した。 写真はイタリア GP で 3 位 に入ったフェリペ・マッサ。 タイム ( 周回数 ) / グリッド 1 : 18 : 00.688 ( 53 周 ) / 1 + 25.042 秒 / 3 + 47.635 秒 / 5 + 47.996 秒 / 6 + 68.860 秒 / 2 十 72.783 秒 / 7 + 1 周 / 9 + 1 周 / 15 + 1 周 / 10 + 1 周 / 14 チームランキング 1 位 : メルセデス AMG 2 位 : フェラーリ 3 位 : ウィリアムズ・メルセデス 4 位 : レッドプル・ルノー 5 位 : フォースインディア・メルセデス 6 位 : ロータス・メルセデス 7 位 : トロロッソ・ルノー 8 位 : ザウバー・フェラーリ 9 位 : マクラーレン・ホンダ 10 位 : マルシャ・フェラーリ ドライバーズランキング 1 位 : L. ハミルトン ( メルセデス AMG ) 2 位 : N. ロズベルグ ( メルセデス AMG ) 3 位 : S. ヴェッテル ( フェラーリ ) 4 位 : K. ライコネン ( フェラーリ ) 5 位 : V. ポッタス ( ウィリアムズ 6 位 : F. マッサ ( ウィリアムズ ) 7 位 : D. リカルド ( レッドプル ) 8 位 : D. クビアト ( レッドプル ) 9 位 : S. ペレス ( フォースインディア ) 10 位 : R. グロージャン ( ロータス ) 463 310 198 139 69 50 41 26 17 0 ( 第 1 3 戦シンガポール GP 終了時 ) 252 211 203 107 川 1 97 73 66 39 38 ライハ 1 た 「いまを走っているドライバー の中で、スー ハースタ . ーはハ、、、ルト ンだけだ。アピアランス、行動力、 注目度など、すべての点において彼 は飛び抜けている。もちろん誰も真 似のできない実力を身につけている ことは疑いがない速さでも彼がピ カイチだ」 ベルギとイタリアを見 る限り、ハミルトンの速さは揺るぎ そうにない。 優勝争いどころか 2 戦連続周回遅れとなったマクラーレン・ホン ダ ( 左・バトン ) 。元王者でもスピード不足はいかんともしがたい。 135