なかった方は , 「企業会計原則注解〔注 5 〕経過勘定 項目について」を確認してほしい。 第 4 問 ( 設問 1 ) 新設備に取り替えるときの投資額 ( 税引後差額キャ ッシュフロー ) は , 次のとおりとなる ( 単位 : 万円 ) 。 投資額 売却収入 ※売却損益によるタックスシールド 合計 ー 3 , 600 1 , 400 800 ー 1 .400 目指せ ! 経営コンサルタント / 【中小企業診断士試験】実力養成セミナー ・新設備 760 ( 売却額 ) ー 360 ( 簿価 ) = 400 ( 固定資産売 却益 ) 費用 ) x ( 1 ー税率 ) + 減価償却費 x 税率 ・税引後キャッシュフロー = ( 収益ー現金流出に伴う からのキャッシュフローの差額を算出する。 公式を活用して , 1 ~ 3 年度の減価償却費および経費 ャッシュフローは各期末に発生するもの」を算出する。 次に , 「減価償却費およひ現金経費の節約に伴うキ れ , その分 , 税金を払う必要がある。 簿価よりも高く売却できるので , 売却益が計上さ よって , —400x40%= ー 160 万円 ※売却損益によるタックスシールドの算出過程 ・現設備の現在の簿価 = 7 , 000 ( 取得原価 ) ー 900 ( 減価 償却費 ) x 4 ( 経過年数 ) = 3 , 400 万円 ・ 1 , 400 ( 売却額 ) ー 3 , 400 ( 簿価 ) = ー 2 , 000 ( 固定資産売 却損 ) よって , 2 , 000x40 % = 800 万円の税金を節約するこ とができる。 以上を踏まえ , 新設備に取り替えるときの投資額 ( 税引後差額キャッシュフロー ) は次のとおりとなる。 ー 3 , 600 ( 新設備取得原価 ) + 1 , 400 ( 売却収入 ) + 800 ( 売却損益によるタックスシールド ) = ー 1 , 400 万円 ( 設問 2 ) 設問文の制約「設備売却損益に伴うキャッシュフ ローは売却と同時に発生するものとする。また , 減価 償却費およひ現金経費の節約に伴うキャッシュフロー は各期末に発生するものとする」について , それぞれ に分けて算出することにする。 まず , 最終年度 ( 3 年度 ) の設備処分に伴う差額キ ャッシュフローを算出する ( 単位 : 万円 ) 。 税引後の 現金利益 ( の増減 ) 減価償却費の タックスシールド キャッシュフロー合計 現設備 900 x0.4 = 360 ( 7 , 000 ー 700 ) + 7 = 0 900 360 万円 新設備 500X ( 1 ー 0.4 ) = 300 設問文 5 , 000 千円の 費用削減 1 , 0 8 0 X 0 . 4 = 4 3 2 ( 3 , 600 ー 360 ) + 3 = 1 , 080 732 万円 よって , 新設備ー現設備の差額キャッシュフローは , 732 ー 360 = + 372 万円となる。 以上の結果より , 各年度の税引後差額キャッシュフ ローは以下のとおりとなる ( 単位 : 万円 ) 。 1 年度 減価償却費および経費節約からの 372 差額キャッシュフロー 設備処分の 差額キャッシュフロー 新設備への取り替えに伴う 差額キャッシュフロー 372 2 年度 372 372 3 年度 372 80 452 売却時の簿価 ( 取得原価の 10 % ) 売却収入 ( 3 年後の見積売却価格 ) ※売却損益によるタックスシールド 設備処分に伴うキャッシュフロー合計 現設備 700 400 1 20 520 新設備 360 760 ー 160 600 よって , 新設備ー現設備の差額キャッシュフローは , 600 ー 520 = + 80 万円となる。 ※売却損益によるタックスシールドの算出過程 ・現設備 400 ( 売却額 ) ー 700 ( 簿価 ) = ー 300 ( 固定資産 企業診断 2016 / 8 その分 , 税金が節約できる。 簿価よりも低い売却のため , 売却損が計上され , よって , 300x40 % = 120 万円 売却損 ) 以上で , 投資額と毎期の差額キャッシュフローが , 算出できる。この値をもとに , 資本コスト 7 % の複利 現価係数で , 毎期の差額キャッシュフローを割引き , 現在価値を算出する。 そして , 取替投資からもたらされる現在価値と , 投 資額の差額キャッシュフローとの差額である正味現在 価値を算出し , この取替投資案の採用か否決を助言す ることになる。 ( 設問 3 ) 設問 1 と設問 2 の結果により , 新設備への取り替え 投資の正味現在価値は以下のとおりとなる。 ・ 372 x 0.945 + 372 x 0.873 + 452 x 0.816 ー 1,400= ー 354.872 # ー 354.87 よって , 正味現在価値がマイナスのため , この取替 投資は否決することを助言する。 133
第 1 問 ( 配点 30 点 ) 費の変動費・固定費別集計は以下のとおりである。 D 社の平成 27 年度の売上原価と販売費・一般管理 ョンを行うこととした。 業利益べースの損益分岐点分析に基づくシミュレーシ D 社では , 売上高と利益の関係を把握するため , 営 第 2 問 ( 配点 20 点 ) 点を ( c に 40 字以内で説明せよ。 五入すること ) して ( b ) 欄に示したうえで , その問題 称を ( a ) 欄に示し , 数値を計算 ( 小数点第 3 位を四捨 れる点を特徴づける経営指標を 2 っ取り上げ , その名 社との比較を通じて , D 社の財務上の問題点と思わ D 社の財務諸表を用いて経営分析を行い , 同業他 売上原価 販売費・一般管理 変動費 2 , 007 100 固定費 1 , 937 781 合計 3 , 944 881 D 社は , 平成 28 年度の営業利益目標を平成 27 年度 の 3 倍としている。平成 28 年度は平成 27 年度と限界 利益率と固定費が同じであると仮定した場合の目標売 上高 ( 単位 : 百万円 ) を ( a に , 売上高と固定費が同 じであると仮定した場合の目標限界利益率 ( 単位 % ) を ( b に , 売上高と限界利益率が同じであると仮 定した場合の目標固定費 ( 単位 : 百万円 ) を ( c に それぞれ整数で示せ。 第 3 問 ( 配点 20 点 ) D 社では , 平成 27 年度のキャッシュフローの増減 内訳の把握と , 平成 28 年度のキャッシュフローの予 ( 設問 1 ) 想を行うこととした。 企業診断 2016 / 8 し , 次の事項以外考慮する必要はない。 ローの予想額を示せ。なお , 単位はそれぞれ百万円と D 社の平成 28 年度の営業活動によるキャッシュフ ( 設問 2 ) ローの区分に記載し , 単位はそれぞれ百万円とすること。 取利息および支払利息は営業活動によるキャッシュフ 金およひ現金同等物の増減額を ( d に示せ。なお , 受 欄に , 財務活動によるキャッシュフローを ( c に , 現 ローを ( a に , 投資活動によるキャッシュフローを ( b ) D 社の平成 27 年度の営業活動によるキャッシュフ 目指せ ! 経営コンサルタント / 【中小企業診断士試験】実力養成セミナー 解答の際に端数が出る場合は , 解答の最後の段階で , ャッシュフローは各期末に発生するものとする。 る。また , 減価償却費およひ現金経費の節約に伴うキ うキャッシュフローは売却と同時に発生するものとす なお , 実効税率は 40 % とする。設備売却損益に伴 きる。新設備と現設備の資料は , 以下のとおりである。 毎年 5 , 000 千円の現金流出を伴う経費の削減が実現で 設備 ) を導入することである。新設備の導入により , 現在稼働中の機械 ( 現設備 ) に替えて , 新型の機械 ( 新 用した新たな設備投資を計画中である。その概要は , D 社は新製品を生産・販売するための空き地を活 第 4 問 ( 配点 30 点 ) ュフローの区分に記載するものとする。 ・受取利息および支払利息は営業活動によるキャッシ 納付するものとする。 税等の中間申告による納付額は , 平成 28 年度中に ・平成 27 年度末の未払法人税等と平成 28 年度の法人 のとする。 ・受取利息と支払利息に関する経過勘定項目はないも 平成 27 年度の法人税等の 2 分の 1 とする。 ・平成 28 年度の法人税等の中間申告による納付額は , ・減価償却費は 40 百万円とする。 ・貸倒引当金は平成 27 年度と同額とする。 百万円 , 支払手形・買掛金は 604 百万円とする。 ・受取手形・売掛金は 515 百万円 , 棚卸資産は 475 ・特別利益と特別損失はないものとする。 のみで , それぞれ平成 27 年度と同額とする。 ・営業外収益は受取利息のみ , 営業外費用は支払利息 ・営業利益は平成 28 年度の営業利益目標とする。 小数点第 3 位を四捨五入すること。 取得原価 残存価格 耐用年数 減価償却方法 設備取替までの経過年度 現時点での見積売却価格 3 年後の見積売却価格 ( 設問 1 ) 現設備 7 , 000 万円 700 万円 7 年 定額法 4 年 1 , 400 万円 400 万円 新設備 3 , 600 万円 360 万円 3 年 定額法 760 万円 新設備に取り換えるときの投資額 ( 税引後差額キャ ッシュフロー ) はいくらになるか。 ( 単位 : 万円 ) 129
第 2 問 I 営業活動による 管理会計の観点から営業利益レベルにおける損益分 キャッシュフロー 岐点分析が問われている。現状の収益構造の分析から , 税引前当期純利益 営業利益目標を達成するための目標売上高 , 目標限界 減価償却費 受取利息 利益率 , 目標固定費を定めるための問題である。 支払利息 まず , 27 年度は , 次のとおりになる ( 百万円 ) 。 売上債権の増加額 ( 1 ) 売上高 4,900 棚卸資産の減少額 仕入債務の減少額 ( 2 ) 変動費 2,007 + 100 = 2 , 107 ( 3 ) 限界利益 ( 1 ト ( 2 ) = 2 , 793 利息の受取額 ( 4 ) 限界利益率 ( 3 ) + ( 1 ) = 57 % 利息の支払額 ( 5 ) 固定費 1 , 937 + 781 = 2 , 718 法人税等の支払額 営業活動による ( 6 ) 営業利益 ( 3 ) ー ( 5 ) = 75 キャッシュフロー 以上を踏まえて , 計算過程は以下のとおりとなる。 Ⅱ投資活動による キャッシュフロー ・平成 28 年度の営業利益目標 75 x 3 = 225 投資有価証券の ・目標売上高 売却による収入 投資活動による ( 225 + 2718 ) + 57 % = 5 , 163.1 ・・ # 5 , 164 キャッシュフロー ・目標限界利益率 Ⅲ財務活動による キャッシュフロー ( 2718 + 225 ) + 4,900 = 60.06 ・・・ % 61 % 短期借入れによる収入 ・目標固定費 2 , 718 ー ( 225 ー 75 ) = 2 , 568 長期借入れによる収入 なお , 目標売上高と目標限界利益率は , 小数点以下 財務活動による キャッシュフロー を切り上げなければならない。なぜなら , 小数点以下 Ⅳ現金および 現金同等物の増加額 を切り捨ててしまうと , 営業利益が営業利益目標 225 V 現金および 百万円より少なくなり , 営業利益目標が達成できない 現金同等物期首残高 からである。 Ⅵ現金および 現金同等物期末残 第 3 問 ( 設問 2 ) 設問にある条件から , キャッシュフローを計算する 間接法で作成した営業活動によるキャッシュフロー 問題である。出題パターンは , 実績 B / S と P / L から は下図表のとおりである ( 単位百万円 ) 。 キャッシュフローを計算する出題と , 文章にある条件 28 年度 I 営業活動による から予想キャッシュフローを計算する出題がある。 キャッシュフロー 税引前当期純利益 ( 設問 1 ) 減価償却費 間接法で作成したキャッシュフロー計算書は , 右上 受取利息 の図表のとおりである ( 単位百万円 ) 。 支払利息 売上債権の増加額 なお , この設問のように計算結果のみが問われてい 棚卸資産の減少額 る場合は , 営業活動によるキャッシュフローを計算す 仕入債務の減少額 るほうが計算の正確性が増し , 時間短縮にもなる。 利息の受取額 ( 1 ) 現金およひ現金同等物の増加額 326 ー 252 = 74 利息の支払額 法人税等の支払額 ( 2 ) 投資活動によるキャッシュフロー 84 ー 82 = 2 営業活動による ( 3 ) 財務活動によるキャッシュフロー キャッシュフロー ( 420 ー 396 ) + ( 736 ー 700 ) = 60 なお , 経過勘定項目とは , 前払費用 , 前受収益 , 未 ( 4 ) 営業活動によるキャッシュフロー 払費用 , 未収収益のことである。言葉の意味がわから 74 ー 2 ー 60 = 12 企業診断 2016 / 8 計算過程など 27 年度 30 44 △ 10 55 △ 30 480 ー 510 = △ 30 1 1 481 ー 470 = 11 △ 35 598 ー 633 = △ 35 65 10 経過勘定項目はない 経過勘定項目はない △ 55 △ 8 △ 4 ー ( 12 ー 8 ) = △ 8 12 84 ー 82 = 2 ( 売却益はない ) 2 2 24 420 ー 396 = 24 36 736 ー 700 = 36 60 74 326 ー 252 = 74 現金同等物はない 252 現金同等物はない 326 計算過程など 1 80 75 X 3 十 10 ー 55 = 1 80 40 △ 10 55 △ 5 510 ー 515 = △ 5 △ 5 470 ー 475 = △ 5 6 604 ー 598 = 6 261 10 経過勘定項目はない 経過勘定項目はない △ 55 △ 8 ー ( 12 + 2 ) = △ 14 △ 14 202 132
中小企業経営・政策② ( 中小施策利用ガイドブック ) 第 1 次試験・ 直前対策 問題 ( 設問 2 ) 「経営の相当程度の向上」について , 誤っているも のはどれか。 ア 3 ~ 5 年で経営が相当程度向上する。 イ 3 年計画の場合 , 付加価値額は 9 % 以上の伸び 率である。 ウ 5 年計画の場合 , 経常利益は 10 % 以上の伸び 率である。 工経常利益は通常の会計原則とは異なり , 営業外 収益は含まない。 オ付加価値額に代わり , 1 人当たりの付加価値額 でもよい。 ( 設問 3 ) 経営革新計画における「付加価値額」の算出方法と して最も適切なものはどれか。 ア経常利益 + 人件費 + 減価償却費 イ税引前当期純利益 + 租税公課 + 減価償却費 ウ営業利益 + 租税公課 + 減価償却費 ェ営業利益 + 人件費 + 減価償却費 オ経常利益 + 租税公課 + 減価償却費 第 1 問 中小企業基本法における中小企業の定義に関する記 述について , その正誤の組み合わせとして最も適切な ものを下記の解答群から選べ。 a 従業員数 250 人の運輸業 ( 資本金 4 億円 ) は , 中小企業と定義される。 b 従業員数 60 人の衣料品販売店 ( 資本金 4 千万 円 ) は , 中小企業と定義される。 c 従業員数 130 人の卸売業 ( 資本金 2 億円 ) は , 中小企業と定義される。 【解答群】 a : 正 b c : 誤 ア a : 正 イ b : 三 b a ・誤 c ・誤 ウ c : 正 a : 誤 b : 三 、工 a : 正 c : 正 b : 三啌 オ 第 2 問 次の文章を読んで , 下記の設問に答えよ。 中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新の支援 策を受けるには , 経営革新計画の承認を受ける必要が 第 3 問 地域資源を活用した新商品・新サービスの事業化の ある。経営革新とは , 事業者が新事業活動に取り組み , 支援を受ける場合について , 誤っているものはどれか。 経営目標を設定し , 経営の相当程度の向上を図ること ア新商品・新サーヒ、スの開発・販路開拓を行うた である。 めに , 「地域産業資源活用支援事業計画」を作成 ( 設問 1 ) する。 イふるさと名物応援事業補助金には , ①地域産業 新事業活動について , 誤っているものはどれか。 資源活用事業 , ②小売業者連携支援事業の 2 事業 ア新商品の開発または生産を行う。 イサービスの新たな提供の方式を導入する。 がある。 ウマーケティングなどの専門家による支援を受け ウ従業員を新たに採用するなど新しい雇用を創出 する事業を行う。 ることができる。 工食品関係の事業では , 食品流通構造改善促進機 ェ他社ではすでに採用されている技術・方式であ 構による債務保証などを受けられる。 るが , 自社では初めて活用する。 オ地域団体商標の登録料の減免ができる。 オ商品の新たな生産または販売の方法を導入する。 企業診断 20 ] 6 / 8 [ 特別付録 ] 中小企業経営・政策
投資活動 CF (a) 項目 ( 単位 : 百万円 ) ( 単位・百万円 ) 有形固定資産の取得による支出 投資キャッシュフロー 財務活動 CF (a) 項目 長期借入れによる収入 財務キャッシュフロー 目指せ ! 経営コンサルタント / 【中小企業診断士試験】実力養成セミナー ロー (FCF) の現在価値は次のとおりである。 永遠に一定金額が定期的に入るフリーキャッシュフ ( 1 ) 基本知識を確認する (b) 金 (b) 金 ー 64 ー 64 額 十 40 十 40 額 FCF ・ PV = PV : 理論価格 ( 現在価値 ) , FCF : フリ ュフロー , r : 資本コスト ( 割引率 ) ( 2 ) 基本知識から解答を導く ーキャッシ ( 1 ) 与件を確認し , 平成 27 年度のキャッシュフロー 計算書を作成する 投資キャッシュフローの計算では , 脚注に「 D 社 の平成 27 年度期間内での設備・備品の売却・取得は ない。また , 車両運搬具の売却はない」とあり , 固定 資産の増加は車両運搬具の購入だったことがわかる。 購入額は , 以下の計算で算出する。 ・今期購入額 = 対前年度増加額 49 + 減価償却費 (20 ( 減価償却費 20 百万のうち , 5 百万円は設備・備品 で発生している ) ・今期購入額 = 49 + 15 = 64 符号はマイナス ( 設問 2 ) 設問 1 のキャッシュフロー計算に基づき , D 社の キャッシュフローの状況を述べる設問である。 ( 1 ) キャッシュフロー計算書から増減の要因を抽出す る ① D 社の本業の成果を示す営業キャッシュフローは , 35 百万円の黒字である。 ②しかし , 投資キャッシュフローを賄うまでにはなっ ていない。 ③長期借入を行って , キャッシュフロー全体で黒字と ( 設問 1 ) 第 3 問 なっている。 企業診断 2016 / 8 るものである。 ストの関係を理解させ , M&A 実施の判断材料とさせ け取れる場合の企業の理論価値と , 要求される資本コ する設問である。永久に一定のキャッシュフローが受 定額永続価値計算の算出方法・公式の理解度を確認 設問 1 については , フリーキャッシュフローの値は 提示されているので , これを資本コストで割り引く収 益還元法で企業価値を求めることができる。今回は , 買収提案額を企業価値が上回れば , べンチャー企業 X 20() ( 百万円 ) 15 ( 百万円 ) ・ PV = と買収提案額 FCF 社を買収する価値があると考える。 125 法で企業価値を求めることができる。今回は , 買収提 れているので , これを資本コストで割り引く収益還元 設問 2 でも , フリーキャッシュフローの値は提示さ ( 2 ) 基本知識から解答を導く ッシュフローの成長率 (r>g) ュフロー , r : 資本コスト ( 割引率 ) , g : フリーキャ PV : 理論価格 ( 現在価値 ) , FCF : フリーキャッシ ・ PV = FCF のとおりである。 くフリーキャッシュフロー (FCF) の現在価値は次 永遠に一定の割合で , 受け取れる金額が増加してい ( 1 ) 基本知識を確認する 定し , M & A 実施の判断材料とするものである。 ュフローが手に入る場合の理論価値 ( 現在価値 ) を算 設問 2 では , 永続的に一定割合で増加するキャッシ 出題した。 取れる場合の現在価値の算出方法 ( 永続価値計算 ) を 設問 1 では , 永久に一定のキャッシュフローが受け 確認する設問である。 一定成長永続価値計算の算出方法・公式の理解度を ( 設問 2 ) あれば買収は妥当と考えることができる。 よって , r 7.5 % となり , 資本コストが 7.5 % 以下で
客維持活動を行っていないことや , 売上拡大のターゲ ⅲ ) 売上高経常利益率 ットを若年層にしたことも関係している。 与件文および財務諸表には , 営業外損益に関して問 改善策は適切な顧客維持活動を行い , D 社の強み 題となる記述がないため , 売上高経常利益率は選択し である「心と体がゆったりとくつろげる旅」を , ハン ない。 ディキャップを抱える顧客や高齢化したリピート顧客 以上を勘案すると , 収益性指標として「売上高営業 に提供することで , 新たな需要を創出することである。 利益率」が問題点を表す経営指標として考えることが また , これらの市場は手がかかり大手では敬遠され できる。「売上高営業利益率」悪化の原因も , 「売上高 ているため , 価格競争回避が可能な市場でもある。 総利益率」の悪化と , 「売上高対販売費・一般管理費 ②効率性に関して 率」の悪化に分解して指摘できる。 効率性悪化の原因を , 特注バスの稼働が不十分なこ ( ②率性指標について とと遊休土地の存在とした。特注バスの稼働率向上は , 効率性を評価する指標のうち , 代表的なものに「売 ハンディキャップを抱える顧客や高齢化したリピート 上債権回転率」 , 「商品 ( 棚卸資産 ) 回転率」 , 「固定資 顧客をターゲットとした収益性改善策を実施すること 産回転率」がある。本事例においては , 棚卸資産がな で実現できる。なお , 遊休土地については , 第 3 問に いため , 「売上債権回転率」 , 「固定資産回転率」につ おいて , インターネット専業旅行会社であるべンチ いて検討する。 ャー企業 X 社の買収のための調達資金となるため , i ) 売上債権回転率 改善策としての言及は必須ではない。 与件文および財務諸表から , 売上債権に関して問題 したがって , D 社の改善策は , 特注バスを訴求し となる記述がなく , 総資産に占める比率も小さいので た ( 付加価値の高い ) 自社企画ツアーの販売となる。 選択しない。 ⅱ ) 固定資産回転率 固定資産回転率は , 前年度に比べて指標が 5.45 回か 第 2 問 ( 設問 1 ) ら 5.36 回 ( 2 , 212 / 413 ) とやや悪化している。これは , 本設問は , 正確なキャッシュフロー計算書の作成ス 有形固定資産として , 平成 27 年度に体に負担の少な キルを確認するものである。減価償却費と固定資産の い特注バスを Y 国拠点に追加配置したが , 十分に稼 対前年度増減から算出する車両運搬具の購入額がポイ 働していないことが推察できる。数年前に購入した国 内リゾートの所有地が活用できていないことも原因と ントである。 して指摘できる。 図表 4 キャッシュフロー計算書 以上を勘案すると , 効率性指標として「固定資産回 営業活動 CF 転率」が問題点を表す経営指標として考えることがで ( 単位 : 百万円 ) (a) 項 目 きる。さらに , 問題点を絞り込む指標として , 「有形 十 1 9 固定資産回転率」も考えられるが , 貸借対照表から有 十 20 形固定資産と無形固定資産の切り分けが明確にできな ー 28 いため , 「固定資産回転率」の指摘のほうが望ましい 十 1 4 と言える。 ( 設問 2 ) 本設問は , 設問 1 で指摘した問題点と原因から改善 十 25 策を導く設問である。 十 29 ( 1 ) 設問 1 で解答した原因から改善策を検討する 十 28 ①収益性に関して 収益性悪化の原因を , ( 付加価値の低い ) 格安航空 十 35 券の販売と新規の社員採用とした。さらに , 適切な顧 124 ( b) 金額 税引前当期純利益 減価償却費 営業外収益 営業外費用 売上債権の増加額 仕入債務の減少額 その他流動資産の増加額 その他流動負債の増加額 営業外収益 営業外費用 法人税等の支払額 営業キャッシュフロー 断 業 企
・中小企業診断士第 2 次試験対応・ 0 事例問題解法シミュレーション② 実戦 ! 新製品の生産・販売を目指した設備投資 事例 計画などにより ROA の改善を目指す 木製家具製造メーカー D 社の事例 田畑ー佳 小松崎哲史 http://www.aas-clover.com AAS 京都代表 AAS 京都・合格コーチ より , 解答用紙と各設問の構造化京都・金沢アシストゼミ担当 中小企業診断士・税理士 シートがダウンロードできます。中小企業診断士 財務・会計事例 めである。しかしながら , 取引先からの品質管理への 厳しい要請などで , 事業の見通しは決して明るいとは 創業 50 年の D 社 ( 資本金 5 , 000 万円 , 売上高 49 億円 ) - 言えなしゝ。 は大都市近郊の木製家具メーカーである。ダイニング このような中 , D 社では , 生活空間にこだわりを 用テープル , チェア , スツールなどを主力としている。 持っ消費者に対応するべく , 木製収納家具を新製品と して生産・販売することを検討している。 なお , かって工場の敷地であった空き地の活用に , D なお , D 社社長は ROA ( 総資本利益率 ) の改善を 社社長は頭を悩ませている。 近年の販売実績は , おおむね好調である。というの 目指したいと考えている。 も , 塗装や接着材に有害物質が含まれないものを使用 し , 消費者の健康や , 安全志向にマッチした製品だか らである。また , 主な取引先である , 消費者に対して ライフスタイルの提案を積極的に展開しているインテ リア用品・生活用品を取り扱う小売店や , 製造小売型 (SPA) の大型小売店の売上が比較的好調であるた 損益計算書 D 社 平成 27 年度 ・例題 貸借対照表 ( 単位 . 百万円 ) D 社 D 社 同業他社 平成 26 年度末平成 27 年度末平成 27 年度末 1 , 207 1 , 300 896 326 1 36 252 480 510 400 △ 6 △ 6 △ 4 470 364 481 1 , 128 754 1 , 174 648 648 234 1 , 378 1 , 378 682 △ 936 △ 980 △ 294 84 82 1 32 2 , 381 2 , 428 1 , 650 資産の都 流動資産 現金・預金 受取手形・売掛金 貸倒引当金 棚卸資産 固定資産 土地 建物・機械装置 減価償却累計額 投資有価証券 資産合計 負債の部 流動負債 支払手形・買掛金 短期借入金 未払法人税等 固定負債 長期借入金 負債合計 純資産の部 資本金 利益準備金 別途積立金 繰越利益剰余金 純資産合計 負債・純資産合計 ( 単位 : 百万円 ) 同業他社 平成 27 年度 売上高 売上原価 売上総利益 販売費・一般管理費 営業利益 営業外収益 営業外費用 経常利益 特別利益 特別損失 税引前当期純利益 法人税等 当期純利益 3 , 870 3 , 078 792 724 68 22 4 , 900 3 , 944 956 881 75 ( 10 ) 55 ( 55 ) 30 0 0 30 682 386 290 6 468 468 1 , 150 1 ℃ 26 598 420 8 736 736 1 , 762 1 , 033 633 396 4 700 700 1 , 733 ( うち受取利息 ) ( うち支払利息 ) 42 8 っこ 4 ・ 8 8 4 ・ 1 ー 0 乙 22 2 452 24 500 1 , 650 26 6 600 34 666 2 , 428 26 6 600 648 2 , 381 断 1 一一口 業 企 128
目指せ ! 経営コンサルタント / 【中小企業診断士】実力養成セミナー 売挂淦 , 旅行前払金 , 旅行前受金なども増加してい るが , 売上高の増加に対する比率を確認しないと , 問題点かどうかは指摘できない ・売上高が増加したにもかかわらず , 営業利益は減少 している ・営業利益が減少した理由は , 売上原価と販売費・ 般管理費の売上高に対する比率の変化を確認する 必要がある ・営業外収益と営業外費用には変化はなく , この部分 が論点である可能性は低い ・従業員は 4 名増加した ( 2 ) 与件を確認する 与件の問題点をしつかりと把握したうえで , 指標を 選択する。限られた時間の中で解答に結びつく与件を もれなく拾うためには , 総資本経常利益率を圧迫して いる原因として , 収益性 , 効率性に絞って抽出してい く必要がある。 与件を確認した結果では , 事業拡大のための格安航 空券の販売・新規社員の採用 , 特注バスの追加配置・ 遊休土地などがあり , これらが総資本経常利益率の低 下に影響を与えていることがわかる。 第 1 問 ( 設問 1 ) ( 3 ) 主要な経営指標について , 平成 26 年度と平成 27 本設問は , 経営比率分析に関する設問である。設問 年度を比較する ( 2 ) で , 収益性 , 効率性についての問題点がいくつか 1 で経営比率の名称を挙げ , 平成 27 年度の数値を算 抽出されたため , 与件から経営指標を絞り込んでいく 出し問題点と原因を指摘する。「 D 社の総資本経常利 アプローチが使える。 2 期間の経営指標を比較するこ 益率を圧迫している原因として , 特に問題となる経営 指標を 2 っ挙げて」とあることから , 収益性 , 効率性 とにより , 問題点を検証する。安全性指標は , 総資本 に関する問題点から各々 1 つ抽出する。 経常利益率の悪化とは直接関係がないため , 除外する。 ( 4 ) 問題点となる指標を絞り込み , 原因を特定する ただし , 与件の記述などから特に重要な問題点を売 ①収益性指標について み取る必要がある。数値の比較だけで問題点を抽出す i ) 売上高総利益率 るのでなく , 与件との因果関係を重視した指標を抽出 前年度に比べて , 指標は 14.71 % から 13.65 % と悪化 するためである。 している。これは , 与件文および財務諸表から , 平成 ( 1 ) 財務諸表を見て大まかな傾向をつかむ 27 年度に若年層をターゲットとした格安航空券の販 B/S と P / L および付属データ ( 従業員数 ) から , 売を開始したことが収益性悪化の原因であると指摘で 大まかに次の特徴が見えてくる。 ・総資産が増加しており , 特に車両運搬具の増加が大 きる。 ii ) 売上高営業利益率 ・負債も増額しており , 特に長期借入金の増加が目立 売上高総利益率同様 , 前年度に比べて指標は 1.89 % から 023 % ( 5 / 2 , 212 ) と悪化している。これは , - つ 平成 27 年度に売上拡大の必要性から , 新規に社員を ・減価償却費も増加したが , 車両運搬具の増加と関係 採用したことが収益性悪化の原因であると指摘できる。 があると考えられる 企業診断 2016 / 8 第 3 問 ( 配点 25 点 ) ( 設問 1 ) 7.5 % ( 設問 2 ) 2.5 % ( 設問 3 ) 問題点は , 顧客情報の社外持ち出しなど個人情報管理 体制の不備である。対策は , ①個人情報管理責任者を 設置する。②個人情報取り扱いルールを定め社員教育 を行う。③個人情報へのアクセス権限を設定すること である。 第 4 問 ( 配点 20 点 ) ( 設問 1 ) (a)2,000 席 ( b ) 13 百万円 ( 設問 2 ) 17.5 百万円 ・解説 ニ 1 一卩 123
( 設問 1 ) 第 3 問 ( 配点 25 点 ) 来年度 , 収益が最も期待されるのは何席仕入れた場 D 社に M&A 仲介会社よりインターネット専業旅 合か。また , そのときの期待収益額はいくらか。仕入 行会社であるべンチャー企業 X 社の買収提案があった。 れ席数を ( a に , 期待収益額 ( 単位 : 百万円 ) を ( b フリーキャッシュフロー (FCF) を使った企業価値 算定により , 買収価格の妥当性を評価することにした。 に解答せよ。 ( 設問 2 ) 買収提案額は 200 百万円であり , 買収後の投資効果と 仮に完全情報が入手できる場合に , 完全情報の入手 して期待される年々のキャッシュフローは 15 百万円で に対して支払うことができる最大金額 ( 単位 : 百万 ある。投資にあたっては土地の売却により資金調達す 円 ) はいくらか ( 端数が出た場合は , 小数点以下第 2 るものとする。なお , のれん代償却や M & A にかかわ 位を四捨五入すること ) 。完全情報とは , 来年の景気 る統合コスト , 土地の売却に伴う損益等は考慮しない。 カ実に予測できることを意味している。 ( 設問 1 ) X 社の買 D 社の資本コストが何 % 以下であれば , 収は妥当であると考えるか。ただし , フリ ーキャッシ ュフローは一定とする ( 端数が出た場合は , 小数点以 第 1 問 ( 配点 30 点 ) 下第 2 位を四捨五入すること ) 。 ( 設問 1 ) ( 設問 2 ) ① a 涜上高営業利益率 ( b023 % D 社の資本コストが 10 % とした場合は , X 社のフ ( c 取益性に問題がある。原因は , ①格安航空券の販 リーキャッシュフローが毎年何 % 一定成長するならば , 売で売上高総利益率が低下し , ②社員の採用で販 買収する価値があると考えることができるか ( 端数が 出た場合は , 小数点以下第 2 位を四捨五入すること ) 。 売管理費が増加していることである。 ( 設問 3 ) ② a ) 固定資産回転率 ( b ) 5.36 回 ( c 砌率性に問題がある。原因は , @爵注バスを追加 D 社がインターネット事業に参入するにあたり , 個 購入したが十分稼働していない , ②国内リゾート 人情報保護法が定める個人情報取扱事業者に該当する 所有地が遊休化していることである。 見込みである。個人情報の適正管理の観点から , D ※① ~ ②は順不同 社の現状の問題点とその対策を 100 字以内で説明せよ。 ( 設問 2 ) 適切な顧客維持活動によるリピート率の向上と特注バ 第 4 問 ( 配点 20 点 ) スの稼働率向上で , 収益性と効率性を改善する。具体 来年度の繁に期における航空券の座席数の仕入数を 的には , 高齢者やハンディキャップを持っ顧客に , 体 確定しなければならない。過去の経験から景気が上向 に負担の少ない特注バスを訴求した自社企画ツアーを くと旅行需要は拡大し , 不況になると旅行需要は低迷 することがわかっている。航空会社との契約上 , 仕入 販売する。 れた座席の返却は行えない。また , 座席を大量に仕入 第 2 問 ( 配点 25 点 ) れ , 不況となった場合には販売価格を下げてでも売り ( 設問 1 ) 切る必要がある。来年の景気予測と限界利益の関係に ついて , 以下の関係が成り立っ場合に各設問に答えよ。 ( a ) 35 百万円 ( b ) ー 64 百万円 ( c 加百万円 ( 設問 2 ) 限界利益 営業キャッシュフローはプラスであるが , 特注ノヾスの ( 単位 : 百万円 ) 購入による投資キャッシュフローのマイナスを賄えて 示 ( 確率 ) 500 席仕入 1 , 000 席仕入 2 , 000 席仕入 不況 ( 20 % ) いない。長期借入金による財務キャッシュフローによ 普通 ( 50 % ) り補っている。 好況 ( 30 % ) ・解答例 LO LD LO 企業診断 2016 / 8 122
ナ セ 成 実 企 中 ン タ サ ン コ 営 経 せ 目 ト / 財務・会計 ( ファイナンス ) 対象商品をあらかじめ決めた値段で買う権利を 〈オプション取引》 「コール・オプション」 , 対象商品をあらかじめ決め 例題 た値段で売る権利を「ブット・オプション」と呼ぶ。 次のグラフは , あるオプション取引の損益図表を表 損益図表 ( ペイオフ・ダイアグラム ) とは , このオ プションの購入者と販売者それぞれに発生する損益を している。このグラフに関する記述として , 最も適切 なものはどれか。 グラフで表したものであり , 問題中のグラフはコー ル・オプション ( 対象商品をあらかじめ定めた価格で 買う権利 ) の損益を表している。 図表オプション取引の種類 権利の購入 権利の販売 コール・オプ コール・オプ 対象商品をあらかじめ決め ションの売り た値段で買う権利 ンヨンの買い ブット・オプ ブット・オプ 対象商品をあらかじめ決め た値段で売る権利 ションの売り ションの買い この損益図表はコールオプシ ア x : 前述のように ョン ( 買う権利 ) の損益を表している。 イ〇 : オプションの買い手は権利行使日に株価が 3 , 000 円を下回ったとき , オプションを放棄すると 考えられる。 ウ x : この損益図表よりコール・オプションの買い 手は , 株価が 3 , 000 円を上回ったときにはオプショ ンを行使することにより , 3 , 000 円で取得した株式を , その時点の株価で売却することによる差額利益を 獲得することができる。 一方 , 3 , 000 円以下に下がった際にはオプション を行使する意味がないため , オプションを放棄する ことになる。このときの権利行使価額は 3 , 300 円で はなく 3 , 000 円である。 ェ x : この損益図表より , オプションの売り手は株 価が 3 , 000 円以下の際にはプレミアムを受け取った 分だけの利益を得ることになり , 株価が高くなれば なるほど , 得られる利益は減少 ( 損失が拡大 ) する ことになる。 よって , 「イ」が正解となる。 文川実 ( 日本マンパワー講師 / 中小企業診断士 ) 樋野昌法 ( 日本マンパワー講師 / 中小企業診断士 ) 損益 十 300 円 株価 3 , 000 円 3 , 300 円 ー 300 円 アこの損益図表より , オプションの買い手は権利行 使日に株価が 3 , 000 円になったとき , 3 , 300 円で売却 可能であることがわかる。 イこの損益図表より , オプションの買い手は権利行 使日に株価が 3 , 000 円を下回ったとき , オプション を放棄すると考えられる。 ウこの損益図表より , オプションの権利行使価格が 3 , 300 円であることがわかる。 工この損益図表より , 株価が高くなればなるほど , オプションの売り手が得られる利益は増加するこ とがわかる。 解答 イ オプション取引における損益図表 ( ペイオフ・ダイ アグラム ) に関する問題である。 対象商品を売買する権利をオプションと呼ぶ。その 権利を売ったり買ったりする取引がオプション取引で ある。 企業診断 2016 / 8 111