査受診の指示を受けた患者」を新たに加えた。一方で、定 額徴収の対象外としている「ほかに当該診療科を標榜する 医療機関が地域にない場合」に関しては、各病院の個別判 表 2 ◎ 2016 年度改定に関して 3 月 31 日の疑義解釈資料で示された主な項目 ・ ( 項目について、手術の開始から終了までに 0 時をまたぐ場合、手術が終 了した日を手術当日として評価する ・原則として異なる病棟群への転棟はできないが、入院中に新たな疾患を 発症し、治療のために別の診療科への転科が必要となったことに伴う転 棟などは可能。やむを得す転棟した場合は入院期間を通して 10 対 1 の入院 基本料を算定する。既にレセプト請求している場合は、前月まで遡ってレ セプトを取り下げ、修正して請求し直す ・療養病棟入院基本料 2 の所定点数の 95 % の点数は、 (1) 25 対 1 看護配置、 ( 2 ) 医療区分 2 ・ 3 の患者割合 50 % 以上ーーーの両方を満たさない場合にも 算定できる。ただし、 2016 年 3 月末時点で継続して 6 カ月以上療養病棟入 院基本料 1 または 2 を届け出ている病棟で、かっ看護配置が 30 対 1 以上で ある場合に限る 下回る場合がある患者は医療区分 2 に該当する ・退院支援加算 1 を算定する場合は、同加算を算定できる入院料を届け出 ている病棟全てで要件を満たす必要がある ・移動時などに安全確保のために短時間固定ベルト等を使用する場合は、 使用している間、職員が介助等のために常時付き添っている場合に限 り、身体的拘束の実施日にかかる「所定点数の 60 % の点数」を適用しない ・認知症ケア加算の算定に当たって、認知症の確定診断は必要ない ・認知症ケア加算 1 の施設基準にある認知症ケアチームの専任看護師は、 精神科リエゾンチームの専任看護師と兼務可能 ・認知症ケア加算 1 の施設基準で医師に求められる「認知症治療にかかる 支援事業」に基づいた「認知症サポート医養成研修」とする ・認知症ケア加算 1 の施設基準で看護師に求められる「認知症治療にかか る適切な研修」は以下のいずれかとする (1) 日本看護協会認定看護師教育課程「認知症看護」の研修 ( 2 ) 日本看護協会が認定している看護系大学院の「老年看護」および 「精神看護」の専門看護師教育課程 ( 3 ) 日本精神科看護協会が認定している「精神科認定看護師」 ・認知症ケア加算 2 の施設基準で看護師に求められる「適切な研修」は以 下のいずれかとする (1) 都道府県および指定都市で実施する「平成 28 年度看護職員認知症対 応力向上研修」 ( 2 ) 日本看護協会「平成 25 年度一般病院における認知症患者看護のマネ ジメント」「平成 27 年度急性期病院で治療を受ける認知症高齢者の 看護」「平成 28 年度インターネット配信研修 ( リアルタイム ) 認知症 高齢者の看護実践に必要な知識」 ( 3 ) 日本老年看護学会「認知症看護対応力向上研修」 ( 4 ) 日本精神科看護協会「認知症の理解とケア」 ( 5 ) 日本慢性期医療協会「看護師のための認知症ケア講座」 ( 6 ) 全日本病院協会「病院看護師のための認知症対応力向上研修会」 ( 7 ) 独立行政法人地域医療機能推進機構 ( 」 CHO) 本部研修センター「認 知症看護研修」 ( 8 ) 社会福祉法人恩賜財団済生会「認知症支援ナース育成研修」 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度 7 対 1 、 10 対 1 の病棟群単位の届け出 療養病棟入院基本料 退院支援加算 認知症ケア加算 回復期リハビリテーション病棟入院料 は、実績指数の算出で除外する患者も含めて行う する患者を除いて判断する。旧・ 1 人当たりのリ八ビリ提供単位数の計算 病棟から退棟した患者数が 10 人以上かどうかは、実績指数の算出で除外 ・アウトカムに基づく評価について、前月までの 6 カ月間に回復期リハビリ ウォッチ 2016 診療報酬改定 断に任せるとしつつ、「通常用いる交通手段により病院から 15 分程度で移動できる距離に同じ診療科を標榜する医療 機関があるケース」は定額徴収の対象になるとした。 リを実施」という要件については、専従医師として届け出ている医師に限 らず、病院として行っていればよい ・ 2016 年 1 月時点で許可病床数 500 床未満で、地域包括ケア病棟入院料を 2 病棟以上届け出ていた病院が、 2016 年 1 月以降に増床によって許可病床数 500 床以上になる場合、地域包括ケア病棟は 1 病棟以下にする必要がある ・ 2016 年 1 月時点で地域包括ケア病棟入院料を 2 病棟以上届け出ており、か つ許可病床数 500 床以上、または救命救急入院料、特定集中治療室管理 料、八イケアユニット入院医療管理料などを届け出ている病院で、 2016 年 出る場合、地域包括ケア病棟は 1 病棟以下にする必要がある ・認知症地域包括診療料の算定要件にある「内服薬が 5 種類以下」につい ては、投薬期間が 2 週間以内の臨時の投薬は除く ・衛生材料等提供加算は、訪問看護指示料または精神科訪問看護指示料 料を算定していない月に必要かっ十分な量の衛生材料または保険医療材 料を提供しても、衛生材料等提供加算は算定できない ・薬剤師がいない場合でも、薬剤部門に医師などを配置し、後発医薬品の品 質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価して後発品の採用を決定 する体制が整備されていれば外来後発医薬品使用体制加算を算定できる ・新しい処方箋様式にかかる必要事項が記載されていれば、従前の様式を 取り繕って使用しても差し支えない。従前の処方箋様式の在庫が残って いる場合、必要事項を記載すれば既にある従前の様式をそのまま使用す ることも差し支えない ・心大血管疾患リハビリテーション料 (l) の施設基準にある「循環器科ま たは心臓血管外科の医師が、心大血管疾患リハビリを実施する時間帯に 常時勤務しており、心大血管疾患リハビリの経験を有する専任の常勤医 師が 1 名以上勤務していること」という要件について、前者の医師が後者 を兼ねることも可能 ・心大血管疾患リ八ビリテーション料 (ll) の施設基準にある「心大血管疾 患リ八ビリを実施する時間帯に循環器科または心臓血管外科を担当する 医師 ( 非常勤を含む ) および心大血管疾患リ八ビリの経験を有する医師 ( 非常勤を含む ) が 1 人以上勤務していること」という要件について、前者 の医師が後者を兼ねることも可能 ・目標設定等支援・管理料を算定している患者で医療保険のリ八ビリを実 施する場合、月額で算定される介護予防通所リハビリなども含め、介護 保険のリ八ビリを受けた日数が 1 カ月に 5 回を超えないようにする ・目標設定等支援・管理料とリ八ビリテーション総合計画評価料は同一月 に併算定できる ・定額徴収の対象とならない「特定健康診査、がん検診等の結果により精 密検査受診の指示を受けた患者」について、「がん検診等」の「等」には 公的な制度に基づく健康診断が含まれる ・定額徴収の対象とならない「地域にほかに当該診療科を標榜する保険医 療機関がなく、当該病院が外来診療を実質的に担っているような診療科 (l) 当該地域において通常用いる交通手段によって病院から 15 分程度で 移動できる距離に同じ診療科を標榜する医療機関がある場合、 ( 2 ) 当該 診療科において、紹介状を有しない患者に対し、選定療養として定額負 担の徴収の実績を有する場合ーーについては、該当しない 地域包括ケア病棟入院料 認知症地域包括診療料 訪問看護指示料、精神科訪問看護指示料 処方料 リハビリテーション 大病院の外来受診時の定額負担 May 2016 NIKKEI HeaIthcare 出典 : 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について ( その 1) 」
教えて ! 執筆◎ 江篭平紀子 ( 医療法人ゆうの森・事務課長 ) 監修◎ 永井康徳 ( 同理事長 ) 大好評の書籍「たんぽば先生の在宅報酬算定マニュアル」の発刊に携わった医療法人ゆう の森・事務課長の江篭平紀子氏が執筆を担当し、「たんぽば先生」の愛称で親しまれる理 事長の永井康徳氏が監修を務め、複雑な在宅報酬の仕組みを Q & A 形式で解き明かします。 2016 年度診療報酬改定は、「病院完結型」から、地 域全体で患者を診る「地域完結型」の医療提供体制 への転換に重きが置かれた。これに伴って在宅医療 では、基本の報酬となる在宅時医学総合管理料恠 医総管 ) や特定施設入居時等医学総合管理料 ( 特医 総管 ) が抜本的に見直された。そこで A 診療所では、 在宅報酬に詳しい医療事務従事者が、所属する在宅 医や訪問看護師にその仕組みを講義することになった。 B 医療事務従事者今改定における管理料の見直し の主なポイントを挙げると、 (1) 月の訪問回数に応じた 管理料の区分け、②患者さんの重症度による点数の 段階分け、 ( 3 ) 同じ建物に住む診療患者の人数に応じ た点数の細分化ーーになります。 C 医師これまで以上に複雑になった感じだね。 D 看護師しかも、特医総管の名称が施設入居時等 医学総合管理料 ( 施設総管 ) に変わり、対象となる施 ク気ス在宅報酬 たんばば先生 2016 年度改定で在医総管など はどのように見直された ? A 診療所での 2016 年度診療報酬改定に関 する勉強会 参加者 : B 医療事務従事者、 C 医師、 D 看護 師 0 設も増えたんでしょ ? B 医療事務従事者そうです。管理料の改定に伴い、 重症な患者さんで算定できた加算も見直されました。 改定内容をしつかり把握しましよう。 イラスト◎やまもと妹子 問題 2016 年度改定における在宅医療の管理料の見直しについて正しい記述は どれてしようか ? ( 複数回答 ) ① 重症度の高い患者については、より高い管理料を算定できるようになった。 ② 月 1 回の訪問診療では管理料を算定できない。 3 サービス付き高齢者向け住宅は施設総管の対象施設となった。 ④同じ建物に住んでいる診療患者の人数に応じて、管理料が 3 段階に細分 化された。 ⑤「重症者加算」は「頻回訪問加算」に名称が変更され、点数が引き上けら れた。 105 May 2016 NIKKEI Healthcare
事前登録制 50 心 地域医療構想時代を生き抜く 病院の経営戦略 開催 ! 医療マネジメントセミナー 2016 S u m m e 「 下記 EB サイトよ 0 ) お申し込みください ! 2025 年に向けた医療提供体制を示す「地域医療構想 が、昨年から各都道府県で策定か進み、数年内には各県の 医療計画に反映されることになっています。地域医療構想で は 2025 年の入院患者数の推計をベースに、「高度急性期」 「急性期」「回復期」「慢性期」の四つの医療機能別に、医療 提供体制の再編が図られます。 構想の策定には都道府県の自主性が重んじられることと なっていますが、地域医療構想に基づく医療提供体制の再 編は国策であり、この春の 2016 年度診療報酬改定は地域医 療構想とリンクしたものとなっています。また 2018 年度の改 開演 10:OO ( 開場 9 : 30 予定 ) 定では、さらにその方向が色濃くなっていくものと思われます。 コクヨホール ( 東京・品川駅前 ) そこで日経ヘルスケアでは、 7 月 3 日に「地域医療構想時代 http://www.kokuyo.co.jp.com/hall/access/ を生き抜く病院の経営戦略」と題するセミナーを実施いたし 。日経ヘルスケア ます。 竹中工務店、ミサワホーム、 本セミナーは、医療経営に携わる皆様に向け、講師に、 山田ビジネスコンサルティング れからの医療提供体制の行方を左右する厚生労働省の担 、医師・医療機関勤務の方完全登録制 当官や医療行政にも影響力を持つ病院経営者らにご登壇い ※下記 WEB サイトにてお申し込みくたさい。 ただき、将来の医療経営の行く先を探ってまいります。 この機会に本セミナーへの皆様のふるってのご参加をお 日経ヘルスケア定期購読者 5 , 000 円 ( 税込み ) 一般の方 10 , 000 円 ( 税込み ) 待ちしております。 〈基調講演〉 地域とともに歩む医療 ~ 地域医療構想から次期医療計画へ向けて ~ ( 仮 ) 厚生労働省医政局地域医療計画課長 迫井正深氏 受講料 セミナープログラム ( 予定 ) 地域とともに歩む医療 ~ 地域医療構想から次期医療計画へ向けて ~ ( 仮 ) 厚生労働省医政局地域医療計画課長迫井正深氏 地域医療構想と 2016 年度診療報酬改定を踏まえた経営対応 ( 仮 ) 全日本病院協会会長、社会保障審議会医療部会委員西澤寛俊氏ほか 竹中工務店、ミサワホーム、山田ビジネスコンサルティンク ※プログラム・講演タイトル等は変更になる場合がございます。詳しくは、下記サイトにてご確認ください。 http://ac.nikkeibp.(0.jp/nhc/imsl 6s/ お問い合わせ日経 BP 社読者サービスセンターセミナー係 TEL 03-5696-1111 ( 代表 ) 土日、祝日を除く 9 ℃ 0 ~ 1 7 : 00 ※電話でのお申し込みは受けておりません。 セミナーのお申し込み・詳細はこちら
パネルディスカッション キーバーソンが読み解く、改定の狙いと積み残された課題 2025 年に向けた効率的な医療提供を 全国自治体病院協議会会長逶見公雄 氏 7 対 1 入院基本料について全国自治体病 院協議会 ( 全自病協 ) が会員に実施した緊急 アンケートでは、約半分の病棟が、「重症者 25 % 」の新基準を満たしていた。なお、旧基 準による重症者の平均は 15 ~ 20 % だった。 リハビリテーション医療は、社会科学に近 い側面を持つが、そういう曖昧さは許されな い転換点を迎えた。 2000 年以降、リハ関連 の診療報酬は目まぐるしく変化。 PT ・〇 T ・ ST 有資格者は約 23 万人まで伸びたが、資格取得 後 5 年未満が半数を占め、専門医養成も追い ついていない。急性期は、医師の廃用症候群 への関心不足、看護師の早期離床取り組みの 不足、 PT ・〇 T ・ ST ・ MSW の不足が課題である。 今後、ほとんどの病院は、 7 対 1 病床を堅持 する方向だが、「℃ U と地域包括ケア病棟の 調整で維持できなければ、『病棟群』を選択 せざるを得ない」という病院もあった。今改 定で全自病協が強く要望してきた「総合入 院体制加算 1 の施設基準緩和 ( 化学療法 ) 」 などは認められたが、「初再診料における同 一日複数科受診」は認められなかった。 今後の診療報酬は、経済財政諮問会議の 経済・財政一体改革推進委員会が主導して いくだろう。院長や事務長はリータシップ を発揮し、開設者とのノ←トナーシップ、職員 のプロフェッショナルシップで、良い医療を 効率的に地域住民に提供していってほしい。 成果主義への転換を図るリハビリ 回復期リハビリテーション病棟協会常任理事石 ) 日誠氏 回復期リハは、供給過剰な地域もあるほ どに病床数もスタッフも増えたが、 1 人当た り実施単位数と曰 M 利得が比例していな い。要介護高齢者を減らすため、国はリハ ビリ医療に大きな期待をしている。今後は 急性期の入院短縮で慢性期の充実へ 日本慢性期医療協会会長武久羊三氏 の後の慢性期病院での入院期間も短くな り、 1 日当たりの FIM 向上点数を示す FIM 効率も向上する。 特殊で高度な医療を行う「高度急性期」 ( 広域急性期 ) 病院には、遠方からも患者は 回復期以外にもアウトカム評価が導入され、 成果主義は強化されるだろう。回復期リハ 病棟の実効性を高めるには、配属スタッフの 強化、教育研修体制の充実により、真の実 力をつけることが重要である。 来るが、「地域急性期」の病院は手術や処置も 月並みで、患者も近隣からしか来ないので地 域包括ケア病棟に転換すべきである。高度 急性期を除き、これからの病院は、疾病の治 療だけでなく、患者が日常生活に速やかに帰 れるような「リハビリカ」と「ケアカ」がなけ れば成り立たない。日慢協会長として、療養 病床の「慢性期治療病棟」としての充実を唱 えてきたが、ようやく現実になりつつある。 急性期病院の入院期間は諸外国の 5 倍に も及んでおり、回復期や慢性期の病棟での 成果を悪化させている。これを短縮できれ ば、日本で課題とされる寝たきりは少なくな る。急性期病院での入院期間が短いと、そ 2006 年度の診療報酬改定で 7 対 1 入院 基本料が導入された際は、日本の看護師が 世界レベル並みの手厚い看護を提供できる 体制を強く意識していた。ただ、病院単位 で設定してしまったのが大きな問題であり、 今では機能分化で是正に向かっている。 大病院の受診を抑制するために最も効果 的なのは、紹介状なしの初診料の引き上げ より、むしろ再診料の見直しである。再診 病診連携でかかりつけ医機能を発揮 日本医師会副会長 / 中央社会保険医療協議会委員松原謙ー 氏 で 2500 円以上の負担が増えれば、患者は 地域医療に戻ってくるだろう。急性期の大 病院で治れば、自宅の近くの診療所あるい は病院に戻るのが望ましい。大病院の医師 は疲弊している。きちんと病診連押・ 三り、三り、 7 ゝロ彡・ロ′′ 連携の体制を取りつつ、医療資源をうまく 分配しながら、国民が最も良い医療を受け て、良くなれば再び自宅近くのかかりつけ医 に診てもらうという流れを作らなくてはい けない。 83
2016 診療報酬改定の影響と 病院大再編時代の勝ち残り策 人口動態、病院数、病床数、地域医療構想などを 掛け合わせて架空医療圏を設定 ! 特別セミナーのこ案内各種テータから医療需要ャ 毒当三 2016 年 6 / 18 ( 土 開催 ! 超速報 改定直後の実績テータを基に徹底分析 ! 120 名限定 本セミナー 3 つのホイント 社会保障・税一体改革における「 2025 年モデル」の実現に向け、 2016 改定は従来の「病院完結型」から、地域 全体で患者を診る「地域完結型」の医療提供体制への転換に重きを置いた内容となりました。 2012 ・ 2014 改定に 比べて派手さはありませんが、広範囲にわたってきめ細かく報酬が見直されたのが特徴です。一方で、地域医療構 想の策定は各都道府県で着々と進み、医療圏ごとに地域完結型の体制づくりが動き始めようとしています。 「将来、自院は地域においてどのような役割を果たすべきか、どんな病棟構成にすべきか」 早めにしつかり見定めることか病院経営の最重要課題となっているのは言うまでもありません。地域の他院の動向 などを考慮するだけでなく、 DPC データや医療需要データといった病院運営に関する多くの指標を的確に分析し、 自院の方向性を打ち出すことが不可欠です。 本セミナーでは、改定直後の明らかになったばかりの実績データを駆使し、 2016 改定の影響や対応を分析する ほか、架空の医療圏を設定した上で各種データを分析、高度急性期から一般急性期、回復期、慢性期までカテゴ ごとに今後の病院の具体的な生き残り策を指南します。これからのデータ重視時代・病院大再編時代を勝ち抜 くためのコツやノウハウを学べる 1 日になること確実です。 Ⅳ / ノ第 い株 株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優氏 , : ' < 講師経歴 > 1977 年生まれ。コンサルティング会社のアクセンチュア株式会社に入 社し、金融機関 ( 主に保険会社 ) の業務改善等を担当。その後、医療系コンサルティン グ会社に転職し、急性期病院向けに診療内容を基点とした経営改善に従事。 2012 年に株式会社メテイチュアを設立。医療介護・健康関連の情報提供サービスやアプリ ケーション開発のほか、医療機関・健康保険組合向けのコンサルティングを手がける。 [ 講師 ] < 講師経歴 > 1958 年生まれ。都内の河北総合病院入職後、亀田総合病院の分院 などの計 18 年間にわたる医事課中心の病院勤務を経て 99 年より現職。専門は診療 報酬制度からの病院経営戦略立案。現在、急性期、ケアミックスを中心に 1000 床 以上から 100 床未満まで多くの病院の経営コンサルティングを行っている。 2012 年 1 0 月より「日経ヘルスケア」で「コンサルタント工藤高の病院経営最前線」を連載中。 本セミナーの詳細・お申し込みは、インタ - ネットから
コンサルタント 工藤高の 病院経営ー the front line 最 今年 1 月、クライアントの公立 A 病院 あった。そして、 2 月にまとめられた「個 ( 600 床 ) を訪問したときのこと。「救急 別改定項目について」では、「退院調整 搬送患者地域連携紹介加算と地域連 加算を発展的に見直したことに伴い、 携診療計画管理料が 2016 年度診療報 一部の算定回数が少ない項目について 酬改定で廃止されるって本当なんです は廃止する」ことが示され、救急搬送患 へきれき か。青天の霹靂です ! 」。循環器病棟の 者地域連携紹介加算などを含む八つの 看護師長を経て医療連携部の責任者 報酬項目の廃止が決まった。 となった女性部長が、怒りで髪を振り こうした報酬を算定していなかった 乱しながらこう詰め寄ってきた。まさし 病院には影響がないが、 A 病院のよう く「怒髪天を衝く」勢いだ。 に地域連携に注力してきた病院には痛 手となる。普段は温厚な医療連携部長 見た目ははしご外しのようたが・・・ が怒るのも無理はない。ただ、代替の 実はこの A 病院は、昨年 12 月号の当 報酬が新設されたのも事実。筆者は 3 連載で取り上げた高次救急病院。大学 月に A 病院を訪問した際、「今改定では 病院を除くと、自他ともに認める県内ナ はしごが外されたように見えますが、は ンバーワンの三次救急病院である。同 しごの角度が険しくなったというのが適 院では 2015 年 1 月まで、後方医療機関 切でしよう。実際、従来より要件の厳し と連携して 7 日以内に入院患者を転院 い『退院支援加算 1 』という点数が新設 させた場合に算定できる救急搬送患者 されました」と医療連携部長に伝えた。 地域連携紹介加算 ( 1000 点 ) の算定件 加算 1 なら年 356 万円の増収に 数はゼロだった。それが昨年 4 月には 4 件、今年 1 月には 25 件に増加 ( 図 1 ) 。筆 2016 年度改定では、退院調整加算 者の紹介で、同加算を月 30 ~ 40 件算 を含む医療・介護連携関係の点数が大 定していた B 病院を見学し、そのノウハ きく見直された。「入院から在宅等へ」 ウを学んだことが大きく寄与していた。 の流れを加速させ、地域包括ケアシス 確かに、退院促進関連の複数の報酬 テムの実現に向けアクセルが踏み込ま を整理する方針は改定議論の早期から れたといえる。一般病棟における「退院 調整加算」は「退院支援加算 2 」となり、 入院期間で三つ ( 340 点、 150 点、 50 点 ) に分かれていた点数が 190 点に統一 算定要件の高い加算 1 ( 600 点 ) と、新 生児特定集中治療室管理料 (NICU) などの算定患者を対象とした加算 3 退院促進関連の報酬見直しが打撃に 何としても退院支援加算 1 の算定を ! ( 株 ) MM オフィス代表工藤高氏 河北総合病院 ( 東京都杉並区 ) などの病院事務 部門に 18 年間勤務した後、 ( 株 ) MM オフィス設 立。診療報酬制度の分析に基づく病院経営戦 略コンサルティングを得意としている。 NIKKEI Healthcare May 2016
特別広告企画 キーバーソンカき明かす 改定の狙いと医療機関への影響度 2016 年度の診療報酬改定においては、「 2025 年モテル」の実現に向け、 7 対 1 病床 の絞り込みをはじめ、医療の機能分化・再編の流れが加速している。厚生労働省担 当官の講演に加え、医療行政のキーパーソンによるパネルティスカッションを行う セミナ = グ催され、分場禺た瞥の聴衆が、熱心に耳を傾けた。 「徹解剖 ! 2016 年度診療報酬改定」誌上レビュー ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢ ⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅡⅢⅡ 0 主催 : 日経ヘルスケア 日時 : 2016 年 3 月 1 2 日 ( 土 ) 会場 : THE GRAND HALL ( 東京・品川 ) 協賛 : ミサワホーム 7 対 1 入院基本料では、施設基準に 基調講演 2016 年度診療報酬改定の なっている「自宅等に退院した患者の 割合」は 75 % から 80 % に引き上げられ 概要とポイント た。また、 10 対 1 一般病棟は、看護職 厚生労働省保険局医療課長宮嵜雅則氏 員・看護補助者の手厚い夜間配置を実 施している医療機関、重症者を受け入 れている場合に評価が加えられた。 地域包括ケアシステムを一層推進 7 対 1 の要件を見直し 一方、慢性期医療では、療養病棟入 改定の議論の中で最も時間を割かれ 2016 年度の診療報酬改定は、診療 院基本料 2 について、医療区分 2 ・ 3 の たのが、入院医療の機能分化・強化で 報酬の引き上げ率の平均が 0.49 % ( 医 患者の受け入れ 5 割以上を要件化した ある。 7 対 1 病棟で密度の高い医療を 科 0.56 % 、歯科 0.61 % 、調剤 O. 17 % ) の 必要とする患者の受け入れが適切に評 ほか、医療区分 2 ・ 3 の患者像をよりき プラス改定となった。これは医療費べ め細かく適正に評価した。 価されるよう、一般病棟用の「重症度、 ースでは約 2100 億円に相当し、この使 医療・看護必要度」の見直しが行われ、 前回改定で新しく作られた地域包括 途を巡って議論され、中央社会保険医 ケア病棟は、検証調査が行われ、入院 療協議会において細目が決定された。 重症者の割合の基準は 25 % に引き上 料の包括範囲から、手術・麻酔にかか げられた。 すなわち、①地域包括ケアシステム る費用を除外するなど、見直しが加え 7 対 1 病棟の基準の厳格化に伴い、 の推進と、病床の機能分化・連携を含 200 床未満の病院においては 2018 年 られた。 む医療機能の分化・強化・連携、②か 次回改定では、各都道府県の地域医 3 月末まで重症者割合の基準を 23 % と かりつけ医等の評価など、患者にとっ 療構想や病床機能報告が出そろうた する経過措置が設けられた。さらに、 て安心・安全で納得できる医療の実現、 「病棟群単位」の届け出の仕組みが導 め、それを受けて、どのように診療報酬 ③重点的な対応が求められる医療分野 に反映させていくかについて、より深い 入。病棟群単位の入院基本料を選択す の充実、④効率化・適正化を通じて制 議論がなされることになる。 る場合、年度内に届け出る必要があリ、 度の持続可能性を高める・一一の 4 つの 一方で、かかりつけ医の充実を図ると 4 病棟以上を持つ医療機関は複数病棟 視点に基づいたものである。 ともに、患者に適切な医療機関を受け を 10 対 1 病棟にしなくてはならない。 2025 年に向けて地域包括ケアシス てほしいとの思いから、紹介状なしで大 テムの構築が進み、前回、前々回の改定 さらに、 2017 年 4 月以降は 7 対 1 病棟 病院を受診した場合の定額負担が導入 はその医療面からの取り組みに主眼が の病床数を一般病棟全体の 6 割以下に 置かれたが、今回はさらに強化される。 縮小することになる。 された。 82
( 1200 点 ) も新設された。また、従来の 地域連携診療計画管理料 ( 900 点 ) は 「地域連携診療計画加算」 ( 300 点 ) とし て退院支援加算 1 または 3 の加算として 組み替えられた。加算 1 では最大 900 点 ( 600 点 + 300 点 ) を取れるわけだ。 加算 1 と 2 の要件を比べると、点数の 高い 1 では退院困難者の抽出、患者や 家族との面談、カンファレンスの実施で より早期の退院調整に取り組むことが 求められる。 2 病棟に 1 人の職員配置、 20 カ所以上の他医療機関や介護事業 所との連携も施設基準に盛り込まれた。 さらにケアマネジャーとの連携実績と して、「過去 1 年間の介護支援連携指導 料の算定件数が一般病棟入院基本料 等 ( 同指導料の算定できるものに限る ) の算定対象病床数に 0.15 を乗じた数で あること」が要件になっている。ケアマ ネジャーからよく聞く「病院は敷居が高 い」という問題の解消のため、退院支援 加算 1 の要件に工夫が施された上、介 護支援連携指導料は 300 点から 400 点 にアップした。 A 病院は年 90 件 ( 600 床 x0.15 ) の同指導料の算定が最低必要 だが、医療連携部の頑張りで年 200 件 以上を算定しており問題はなかった。 地域連携診療計画加算も、従来の地 域連携診療計画管理料と同件数を算 定できるとすると、退院支援加算 1 を届 け出れば A 病院の退院調整関連の年間 収入は、 2015 年度の 865 万円から改定 後は 1222 万円となり、 356 万円 ( 41.1 % 増 ) の増収になる ( 図 2 ) 。一方、加算 2 だと 515 万円もの減収となってしまう。 2 病棟に 1 人の専任配置が障壁に 筆者は「加算 1 の取得しか選択肢が 図 1 ◎ A 病院における救急搬送患者地域連携紹介加算 ( 2016 年 3 月末で廃止 ) の算定件数 ( 単位 : 件 ) 24 25 4 4 月 5 月 5 38 3 月 6 月 3 項目 4 / 月 7 8 月 2015 年 改定前 9 月 13 △計 件数 581 682 384 1 , 844 合計 384 1 , 844 件数 1 0 月 1 1 月 金額 1 2 月 1 月 2 月 2016 年 退院調整加算 ( 14 日以内 ) 退院調整加算 ( 15 ~ 30 日以内 ) 退院調整加算 ( 31 日以上 ) 地域連携診療計画管理料 救急搬送患者地域連携紹介加算 340 150 50 900 1000 占数 退院支援加算 1 地域連携診療計画加算 退院支援加算 2 改定後 点 600 300 190 1 , 9 / 5 , 400 円 1 , 023 , 000 円 290 , 500 円 3 , 456 , 000 円 1.910 , 000 円 8 654 900 円 金額 1 1 , 064 , 000 円 1 , 152 , 000 円 1 2 21 6 000 3 503 600 円 図 2 ◎退院支援加算 1 と 2 を 算定した場合の年間収入シ ミュレーションと改定前後 の収入比較 ( 2015 年度の実 績を基に試算 ) 3 , 561 , 100 円 の増収に 5 , 15L300 円 の減収に ありません」と部長に伝えたが、部長は なぜか顔を曇らせた。問題は職員配置 の要件にあったのだ。「退院調整部門へ の専従看護師 1 人 ( 社会福祉士でも可 ) の配置は退院調整加算と同じなので大 丈夫だけど、退院支援の専従職員を 2 病棟に 1 人以上、専任で配置が求めら れるのが問題なのです」と言う。 A 病院には、集中治療室 (ICU) やハ イケアユニット (HCU) などを合わせて 全部で 14 病棟ある。そうすると、退院 調整部門の専従 1 人のほか、 14 病棟で 7 人の専任職員が必要になる。同院に は 8 人が在籍していたが、社会福祉士 1 人が 3 月末で退職する予定だったのだ。 そこで急きょ人材を募集、幸い 2 人を 採用できた。ギリギリの 8 人体制では、 1 人が突然退職したりしたら要件を満た せなくなる可能性があったほか、病床回 転率を上げて後方医療機関との連携を より強化するためにはマンパワーが必要 との判断から 2 人を雇用したわけである。 A 病院は来るべき地域包括ケア時代に 向け、最終的には 10 人まで増員する方 針を打ち出している。 今年 4 月初旬に同院を訪問した際に 筆者は、「『地域ナンバーワン高次救急 病院』の貴院が退院支援加算 1 を取得 していないなんて洒落になりませんから ね」と医療連携部長に話しかけた。す ると彼女は、「加算 1 の届け出のめどが 立ち、増員してもらえることになったの で、医療連携部の悩みも、今改定への 個人的な恨みもなくなりました。『退院 支援』と『退院私怨』の問題は完全解消 です ! 」といつもの明るさで答えた。 しやれ May 2016 NIKKEI HeaIthcare
病院経営座談会 2 0 ー 6 診療報酬改定を乗り切る戦略 もうーっの選択肢として、 SCU の維 を立ち上げました。 このスタッフと医 持にこだわるとすれば、 7 対 1 病床を 10 療相談室の MSW が協力して入院患者 の退院調整を進め、新たに組み替えら 対 1 にランクダウンすることも考えられ ます。しかし、年間 1 億 6600 万円もの れた退院支援加算を算定しにいく予定 減収になりますので、あり得ない。 です。ただ、「加算 1 」は人員配置などの そうすると現状の病床構成で、重症 ノ、一ドルが高いため、まずは「加算 2 」を 患者を集めることしか方策はありません。 届け出ました。 救急入院については今、二次医療圏内 「加算関連を取りこほさない」 における脳疾患の救急搬送件数の約半 数を既に受けていて、これ以上のシェア ー一退院支援加算は皆さん、届け出る を増やすのは難しいかもしれません。残 いように準備を進めています。 のではないですか。 金岩ええ、うちは加算 1 です。 る方法は、地域の医療機関と連携し、 4 月の段階では、退院支援加算 1 のほ 予定手術となるような患者を紹介して 内田同じく加算 1 です。 か、精神疾患診療体制加算、下肢末梢 もらうこと。特に、脳卒中患者が減少す 播間私のところも加算 1 です。 動脈疾患指導管理加算、乳房の MRI る春期に、そうした患者を受け入れられ 山口それはうらやましい。当院は専 撮影加算などを届けました。 5 月には認 れば、通年での基準クリアが少し楽に 従スタッフの確保が困難で、今いる看 知症ケア加算 1 と看護職員夜間配置加 なると思われます。従って、地元の開業 護師を回せる余裕はないので、地域で 算 1 を、 6 月にはハイリスク褥瘡管理加 医の方々などとの連携を進めるための 定年退職した看護師の方を新たに採用 算を届け出る予定です。このほか、現 " 営業活動 " に力を入れる予定です。 するなどして、加算 1 へのランクアップ 在 20 対 1 の医師事務作業補助体制加 山口うちも、同じく営業活動に努めま を図りたいと思います。 算は、クラークをあと 6 人増やし、 15 対 1 す。ますは低迷している回復期リハビ ーーー新設の認知症ケア加算の算定はど にランクアップしたいと思っています。 リ病棟の稼動率を上げたいので。その うされますか。 あと結構、電子的な情報提供のやり取 一環として、 4 月 1 日付で地域連携室を 山口もちろん取りにいきます。けれど、 りも点数がついているので、少し設備投 立ち上げました。それまで急性期の基 これも加算 1 の要件は、 600 時間の研修 資はかかるけれども、今年度の課題に 幹病院などからの転院依頼を医療相談 を受けた看護師の配置などハードルが したいと考えています。 室の MSW ( 医療ソーシャルワーカー ) 高いので「加算 2 」の予定です。田舎に ーーーそれらの加算を取っていくとダメー に担ってもらっていました。けれど、地 認定看護師なんていないですよ。厚労 ジが大きかったといわれていた急性期 域連携に本腰を入れるため、専門部署 省は何を考えているのかとうらみ節もこ 病床のマイナス分を相殺できますか。 ばしたくなります。 金岩はい。マイナスを埋めて、 3000 播間うちも加算 2 を届ける予定です。 万 ~ 4000 万円のプラスが見込めます。 内田当院は加算 1 です。 ーーー播間さんのところは医療区分の見 金岩同じく加算 1 です。当院は、 400 直しで月 100 万円の減収になるとのこ 床規模で、いろんな病床機能があり、か とでしたが、その補填策はありますか。 っそれなりに様々な専門職種を抱えて 播間うちは、 7 月から、 60 床の療養病 います。今回は、改定項目が多岐にわ 床のうち 10 床を地域包括ケア病床に切 たっていて、よくよく見ると、加算関連 り替える予定です。当院では看護師を で、うちで算定できるものが結構あった 10 対 1 近く配置しており、データ提出加 りする。そうした報酬は取りこばしのな 算 2 の算定も今年 4 月に認められました。 0 46 NIKKEI Healthcare May 2016
に下がったのが響いています。例えば アユニット入院医療管理料の算定患者 脳梗塞について、うちの平均在院日数 の 8 割だった。ところが、今改定で、同 の実績は 11 日であり、 2016 年度の医療 入院医療管理料の届け出病床に入院 機関別係数を加味して 11 日間の包括収 している全ての患者の 8 割に変更され 入を見ると、改定前より約 6 万円下がっ た。当院の場合、 HCU の 2 ~ 3 床は常 ている。ちなみに、減少幅は 20 日間なら 時空いていて、そこに一般病棟入院基 2 万円、 30 日間なら 1 万円で、入院日数 本料の算定対象患者が入院するケース もあります。今回の見直しで、そうした が長い方が改定のダメージが小さい結 Ⅱ CU の非該当患者も含めると看護必 果になっています。 ーーー新しい看護必要度基準への対応は 要度基準のクリアが難しくなるので、 HCU を 2 床減らして地域包括ケア病床 いかがですか。 内田あくまで前年の実績に基づくシ に振り向けることにしました。 ミュレーションですが、 200 床未満の基 ーー美原記念病院も 7 対 1 の急性期病 安 に専 準である「 23 % 以上」に対して決して余 棟がありますが、影響はいかがですか。 定加門 裕がある状況ではありません。先ほど 内田当院は脳・神経疾患の専門病院 の「 ICU や HCU に重症患者が集まる」 で、 DPC / PDPS 対象の急性期 1 病棟 経え領 と同じ様に、 SCU に重症患者が集まる 45 床のうち、 3 床が脳卒中ケアユニット 、域 ため、 7 対 1 病床は基準のクリアが厳し (SCU) 、 42 床が 7 対 1 病床です。急性期 は 士也て くなります。特に脳卒中患者は冬期 ( 12 ・ 病床の日当点は約 8 万円で、平均在院日 1 月 ) に増加し、春期 ( 5 ・ 6 月 ) には減少 数は約 8 日。当院も DPC/PDPS の改定 ぉ 士或の するので、年間を通じて見ると、何かし による影響が大きく、患者層が全く同じ らの対策が必要と考えています。 場合、改定後は年間 1500 万円の減収、 ぼ . 貝 「司 率にして 1.5 % 程度のダウンとなります。 っ献ハ アウトカム評価は影響小さい ? 当院の場合は、脳卒中関連の診断群 を フ か その対策については後ほどお聞き 分類点数 ( 1 日当たり包括点数 ) が大幅 したいと思います。では、次に地域包 な し 括ケア病棟の影響度を教えていただけ い なマ ますか。奥州病院と京都民医連中央病 院が、届け出をされていますが。 山口奥州病院では、地域包括ケア病 棟入院料が 2014 年に新設されると、同 年 4 月に、 10 対 1 病棟 36 床全てをいち 早く切り替えました。現在、地域包括 公益財団法人脳血管研究所・ ケア病棟のほか、医療療養病棟 60 床、 美原記念病院 回復期リハビリ病棟 48 床の計 3 病棟構 所在地 : 群馬県伊勢崎市 病床数 : 189 床 ( DPC 病床 45 床 CSCU3 床、 7 対 成で運営しています。 1 一般 43 床 ] 障害者 45 床、回復期リ 八ビリ 99 床 ) 前回の改定で一般病棟を全て地域 関連施設 : 診療所、介護老人保健施設、特別養 護老人ホーム 包括ケア病棟に転換したのは、地域の 内田智久氏 公益財団法人脳血管研究所・ 美原記念病院医療情報室長 1976 年群馬県生まれ。 99 年美原記念病院 医事課入職。 2008 年から医事課長、 13 年 から医療情報室長 43 May 2016 NIKKEI Healthcare