金融 - みる会図書館


検索対象: 週刊エコノミスト 2017年3月14日号
33件見つかりました。

1. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

銀の異次元金融緩和策に考えられる。 す弋 伴う超低金利の恩恵を受 、日銀が容認する国債利回り だ総 けてきた はマイナス 0 ・ 1 % からプラス 0 ・ だが、川年国債利回り ( 長期金利 ) 1 % 程度となっているため、金融機 が昨年Ⅱ月中旬からプラス圏に浮上関は国債に手を出しにくい状態にな ま妙当 し価格 ( 株価に相当 ) っている。国債は現状の利回り水準 には逆風と考えられるようになっ が極めて低いだけでなく、購入後、 た。信用力の高い国債利回り上昇に国債利回りが上昇 ( 価格は下落 ) し より、に利回り商品であるー た場合に含み損を抱えてしまう。国 —価格が、下落 ( 利回りは上債利回りの低下 ( 価格は上昇 ) を期 イト 昇 ) する可能性があったためだ。 待し、売却益を狙うことも難しくな しかし、実際には価っている。 格は堅調に推移している。代表的な さらに金融機関が利回り確保のた 指数である東証指数は、 2 めに行っていた外国債券投資も難し カ 017 年に入っても 1800 得近 い状況になっている。特に利回りが 上家 辺の高い淼で推移している。この 2 % 半ばと比較的高くなっている米 値資 は投 水準は、日銀の異次元緩和策が始ま国債は、金融機関の有力な投資先で った年 4 月以降でも、Ⅱ年Ⅱ月かあったが、トランプ大統領の政 1 . 託個 信が ら年 6 月と年 3 月から年 9 月策が読みづらく、リスクを回避 と合わせて 1 年程度しかない。 するためのヘッジコストが高くなっ 投金 つまり、現状の価格ている。金融機関は、差損を避 は高値水準にある。 けながら米国債投資をっという選 日の 択を取りにくいのだ。 このように年と比較すれば、金 2015 年との類似点 融機関の投資拡大は期待できるが、ー 本 の 日 ー— e 価格が高値圏で推移 ー— e 価格が大幅に上昇する も している理由は、金融機関がー ことはないだろう。その理由は年 に「投資せざるを得ない」状の h- を取り巻く環境が、 くだ 況に置かれているためだ。年 7 月年と似ているためだ。最も大きな にマイナス 0 ・ 3 % まで低下した長類似点として、日銀の金融緩和が期 証人 期金利はプラス圏まで上昇。この点待できない点が挙げられる。 だけ見れば、前述の通り金融機関は 価格は、日銀の大規 こ狙 ー—より国債を選択すると模な金融緩和策の公表の恩恵で高値 東個 日 圏まで上昇してきた。例えば年は 1 月末のマイナス金利策の導入決定 で、 5 月までー価格は上 昇した。その一方で年は、前年川 月末に追加金融緩和に踏み切ったこ ともあり、目立った金融緩和を実施 しなかった年である。このため年 と年の東証指数の推移 は、図の通り大きく異なる。 また片年は米国の政策だけではな く、独仏など欧州が「選挙の年」に なるため海外情勢が波乱含みという 点でも新年に類似している。年は 中国の景気先行き懸念で、 7 月から 9 月にかけての株価急落はじめ海外ト 市場の大幅な調整によって、国内不一ス 動産の収益で投資家に分配している ーであっても影響は避けコ られなかった。 続く低金利の恩恵 さらに年は、外国人投資家が大 幅な買い越しとなったことも年の 価格の下落要因となり そうだ。リ 1 マン・ショック後の外 国人投資家は、年間べ 1 スで見れば 売り買いが交錯し、大幅な買い越し を行ったことはない。つまり年は、 久々に買い越した外国人投資家の売 り圧力かー価格にはマイ 4 ナスに働く可能性が高いと考えられ る。

2. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

のもう一つの「金融引き締め」に注意 場では、米連邦制度理事巨大なバランスシ 1 トを維持する連邦公開市場委員会 (ßæoäo) で ハランスシ 1 トを縮小するには、 会が今年、何回の ことは、金利上昇すれば含み損が発今年投票権を持っシカゴ連銀のエバ 償還分の再投資を中止または減額す 利上げを行うか、いつ行われるかに生するなどにとって大きなリ ンズ総裁は 2 月 9 日、「バランスシ 1 ることが必要で、買い需要の減少か 注目が集まり、高官の発言やスクを抱えた状態だ。実際に、今年トの静止点 ( 縮小の終了 ) は 1 ・ 5 ら金利上昇の圧力がかかる。バラン 重要経済指標からそれを予想しよう になってから数人の高官が、兆ドル」と述べており、現在のバラン一スシートの規模変化と金利の関係に としている。イエレン議長は バランスシ 1 ト縮小開始に対して積スシートから 3 兆ドルの縮小余地があついて、Ⅱ年にバ 1 ナンキ議 2 月日、米上院銀 ~ 簒員会の公聴極的な発言を行っている。中でも、 ることを一小唆している。 長 ( 当時 ) が「 2000 億ドルの資産 ' 、 , 会で「利上げに当たって新政権の財 購入は 0 ・ % の利下げに相当する」 政刺激策の計画を待っ必要はなく、 と発言している。もし、逆も真なり 5 経済見通しは利上げを支持してい なら「 2000 億ドルのバランスシ 1 る」と発言。は今年複数回の ト縮小は 0 ・ 5 0 」 2 ツの上げに相当 , ト 利上げに前向きで、引き締め方向の する。 0 ・ % の利上げ A 」はス 金融政策変更が妥当だと考えている の最近の利上げ幅 1 回分でもある。 一ことが改めて確認された。 が保有する債券は、片年にコ 市場ではまだ注目度は高くない 約 2000 億ドル、絽年に約 3700 が、利上げ以外にもが取り得 億ドルの償還を迎える。もし、償還分 る引き締め方向の金融政策がある。 の再投資を中止すれば、利上げに加 それはの「バランスシ 1 ト縮 えて片年には利上げ 1 回分、絽年に 月」の開始だ。は 20085 は 2 回分の追加的な金融引き締め効 年、 3 度にわたって米国債や住宅 果をもたらす。こうした金融引き締 ローン担保債権などを大量に買い入 めは、住宅ロ 1 ン金利や企業への融 れる量的金融緩和 (CQ) を実施し、 資金利の上昇につながり、上昇速度 のバランスシ 1 トは以 ~ 則 が速すぎると景気の腰を折る恐れが の 1 兆ドル弱から 4 ・ 5 兆ドルへと膨れ ある。しかし、引き締めの手を緩め 上がった。は終了したためこれ すぎても、景気の過熱によってイン フレ懸念が高まり、過度に金利が上 。以上、バランスシートは拡大してい ないが、現在は保有する債券の満期 昇する。に求められるのは「針 償還分を再投資しており、縮小もし の穴を通す」制御だ。容易ではない。 ていない状態だ ( 真意一到 ) 四 「針の穴」を通す金融政策が求められる ( イエレン FRB 議長 ) 2017.3.14

3. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

をッ第っ 4 ョョ「 ) ~ 宿→ ( をミリ ( 1 ( ■物 国の金融政策は、引き締め策 内総生産成長率が 6 ・ 7 に転換したのか % だったのに対し、最低の遼密奢は 霙銀行の中国人民銀行は 1 月下 マイナス 2 ・ 5 % 、最も高い貴州省 究 研 旬から 2 月初旬にかけ、商業銀行に ・ 5 % であった。 では川 色 任 主 資金を提供する金利である「中期貸 不動産価格も主要都市とそれ以外 公 し出しファシリティ 1 (ä=g-v) 」や では価格や販売量に差がある。また、 限 有第磁 「常設貸し出しファシリティ 1 ( 昨年 3 月末以来の購入制限強化によ 」などを、それぞれ 0 ・ 1 % 引きチ り価格は落ち着き始めている一方、 行 上げた。さらに、人民銀行は、 20 オ 複数の住宅保有が珍しくない庶民の ナ 16 年 1 月から毎営業日実施してい 資産価値を維持し、過度の価格下落 イ み ャ た公開市場操作を、 2 月 4 日から 6 を防ぎたい意図もあるだろう。 チ 営業日連続で実施を見送った。高水 第一一に、米国が政策金利の引き上 準の流動性を念頭に、量的緩和の縮 げ期にあるなかで、人民元レ 1 トが み 月に動いている 値下がり傾向にあり、人民元を売り 物価は上昇している。 1 月の わ 一、外貨に交換する資金の流れ ( 資本流ト 金 者物価指数 (0 —) 上昇率は前年 出 ) が続く。これがマネ 1 サプライス 礙細 同月比 2 ・ 5 % 増、工業品卸売物価 ( 広義の貨幣供給量 ) の減少につなが 指数は同 6 ・ 9 % 増まで り、金融引き締め効果を生んでいる。コ 高まった。市場では「中国の政策金 これを相殺するには、むしろ緩和的工 利も引き上げられるのではないか」素材の価格上昇を意識して、金融政一方、製造業向けの貸出比率は総じな政策運営が求められる。 との連想が働いている。 策をこれまでより引き締め気味に運て低く、江蘇省ではその比率は年 第三に、齠について、片年は 0 営する意図が明らかとなった。 に % に満たなかったという。 が 2 % 台半ば、は 4% 程 ところが、 2 月日に公表された 人民銀行は 2 月日、「通貨政策執度の上昇率にとどまり、インフレは 資金を実体経済へ 1 月の社会融資総量 ( 純増額 ) は、行報告」で、「資産バブル抑制及びそれほど高進しないとの公算であ ここで当局の政策姿勢を回顧する 3 兆 7 377 億元 ( 約礙兆円 ) と、『脱実向虚 ( 資金が実体経済から離脱る。特には、鉄鋼と石炭業に と、年月の「中央経済工作会議」統計公表以来最高の記録的水準 A 」なし虚業へと向かう ) の防止』」を強調おける過剰生産能力解消に伴う価格 では、片年の金融・財政政策につい った前年同月を 7 ・ 5 % 上回った。 した。金融政策は単純な引き締めで反発の影響が大きく、その後の両産 て「積極的な財政政策、穏健 ( 中立内訳をみると、委託貸し付けや信託はなく、不動産や理財商品などへ向業における増産もあり、大幅な価格 的 ) な金融政策」の既定路線を、年貸し付け、手形が急増しており、企かっている資金を実体経済へと回帰上昇は持続しにくいとみられる。 に続き年も維持するとしていた。業間の貸し付けや理財商品 ( 資産運させたいということであろう。 当面の中国経済には「上向く原動 ただし、工作会議後の公表文書には、用商品 ) の増加を反映したデータと 冀凧には三つの要因も考えられる。力も下振れリスクもある」 ( 人民銀 金融政策に「穏健中性」との表現も なっている。貸し出しの内訳も、不第一に、地域、業種、企業で景況行 ) 。金融政策も引き続き、微妙なか 加わっており、これにより不動産や動産向け貸出比率は上昇傾向にある感に格差があること。年の実質国じ取りが求められるだろう。 0 かじ取りが難しい人民銀行 イ

4. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

0 すると楽観しているヘッジファンドマン・ショック以降の世界的な金融る 特に極右政党・国民 がロング ( 買い持ち ) を積んでいる。緩和が関係している ただ、価格は投機筋が思、つほど上が 世界にマネ 1 があふれる中、マイ戦線 (=z) のルペン っていないので、ひとたびヘッジフナス金利政策を導入している欧州や党首が支持を広げるフ ランス大統領選の行方 アンドが売りに回れば、ドル台に急日本をはじめ先進国が軒並み低金利 る となり、投資先がこれまで大きなウは、その後の欧州の選い . \ 、。、落する恐れがある」と指摘する。 エートを占めていた債券市場から、挙にも大きな影響を与き卦 トランプ政権の誕生以降、米国の 、んることになりそ、つこ 銅の先物市場などにも投機マネ 1 が株式や資源、通貨へと多様化してい 時効 だ。欧州の政治リスク 流れ込んでいるため、同様のリスクる ( ハーの図 2 ) 。 要因を抱えている が高まれば、「有事のが トランプ政権が掲げる減税やイン なぜ投機マネ 1 が資源投資に向か フラ投資などの景気刺激策によって金」が買われるように、上 の っているのか。それは、年のリ 1 人々のインフレ予想が高まっている資源価格の上昇要因と 原 なるだろう。 ことも、実物資産であるコ と モディティ 1 への投資が増 使えない 金 えている要因と見られる。 期 「過去の教科書」 長 国際金融市場に詳しい豊 成 島逸夫・豊島 & アソシェイ 現在、従来は資源価株 ッ代表は「米利上げが 3 月、格の下押し圧力とされと 6 月とも難しくなれば、短てきたドル高や米金利ル 調 京 期的なリターンを求める投上昇、株高が同時に起 東 4 海 図 資家のマネ 1 が一段とコモきている 東 グ ディティ 1 に入ってくると 楽天証券経済研究所 いうシナリオは十分に考えの吉田哲・コモディテ ム れ られる」と話す。 ィアナリストは「金融 年 プ 05 所 さらに、政治リスクもコ ~ 緩和によって『過去の 52 出 モディティ 1 への投資要因教科書』が当てはまら となっている。トランプ大なくなりつつある」と指摘する。 のため、景気が良いと思えば、株や 統領が保護貿易や移民排斥吉田氏は「資金があふれ、投資家コモディティ 1 などが同時に上昇す お るという流れになっているのではな などの主張を繰り返す米国はいろいろな投資先を物色してい に加え、英国の ( 欧州る。株を見ていた人が、コモディテ いか」と分析する カ連合 ) 離脱決定以降に歪女イ 1 や通貨にも投資するようにな過去の教訓や経験が、きかないー 定化している欧州主要国のり、一見関係のない投資対象の値動 ー。片年の資源相場は、そんな未体 選挙の不確実性も増してい きか連動しているように見える。こ験ゾーンに突入したよ、つだ。 ルペン氏が支持を広げるフランス大統領選は大きな政治リスク ン . S & P500 米 10 年債利回り W 羽原油先物 4 4 17 / 1 ( 年 / 月 ) 工コノミスト 2017.3.14

5. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

長候補」の資質そのものに疑問を呈した。 次期議長候補が金融政策ルール提唱 妥協案の楽観論も の独立性に最大の危機 共和党は、が金融政策ル 1 ルに従う ′金融政策は、利上げに積極的なタカ派ッチャ 1 であるテイム・デューイ 1 氏だ。元 ことを義ける監視強化法案を提案してい が主張するよ、つに機械的なル 1 ルに沿幹部で、現在オレゴン大学教授のデュる。しかしこの法案には、の独立性が って実行すべきか、慎重なハト派が支持する 1 イ 1 氏は、 2 月 1 日付プログで「は、失われるとの懸念がある。 裁量を重視すべきか。トランプ大統領の就任年 4 回利上げの見通しを発表しただけで、『計金融政策ル 1 ルを理論としてまとめた「テ に伴い、 ' 米連邦鬻制度理事会 ( ) 高官画』ではなかった。見通しは、状況に応じてイラ 1 ・ル 1 ル」を提言したスタンフォ 1 ド 人事の大幅な刷新が予想されるなか、水面下修正するものだ。また、イエレン氏は『高圧大学のジョン・テイラ 1 教授は、 2 月 2 日付 では、対立する学派の議論が熱を帯びている。経済を許容する』と表明したことはなく、マプログで「金融政策ルール化の機運が、米国 2018 年 2 月にのイエレン議長のクロ経済の研究課題として提唱したに過ぎな のみならず欧州でも高まっている」と述べた。 IIIIZ 任期が満了する。トランプ氏が任命する新議い」と擁護した。 テイラ 1 氏も、次期議長の有力候補の 長の有力候補の一人とみられる米フ 1 バ 1 研 デュ 1 イ 1 氏は続けて、「ウォ 1 シュ氏は一人で「がまず実行するのが自然だ」ト を長期的で一費した戦略がないと非難すと言及した。 ス 一一一究所のケビン・ウォーシュ上席研究員が、 1 ・月日付の『ウォ 1 ル・ストリ 1 ト・ジャー るが、刻々と変化するデ 1 タに対応して利上 こうしたなか、ジョ 1 ジ・メイソン大学金 ナル』紙に寄稿した。「ちょ、つど 1 年ほど前、 げの回数やペ 1 スを決めることこそ、戦略だ。融政策研究所のスコット・サムナ 1 所長は 2 コ 株価が川 % 急落した局面で、は『 0 ・短視的なのは、ではなくウォ 1 シュ氏月日付の政治評論サイト「ザ・ヒル」で「工 壇 % ずつ、年 4 回の利上げをする』との従来である」と批判。そして「本当に、ウォ 1 シ は基本的にテイラ 1 ・ル 1 ルに従い、 外 の計画を撤回した。だが、昨年肥月に株価がユ氏は理事だったのか」と、「議れることを余儀なくされた場合は、議会に事 回復すると利上げするなど、市場との対話が 後報告することにすればよい。そうすること うまく機能しなかった。また昨年川月、イエ で、の独立性は維持できる」と、妥協 レン氏がインフレ増進と失業率低下を狙い 案を提示した。 『高圧経済』を許容する意思を表明したが、 1 また、英『フィナンシャル・タイムズ』紙 月中旬の講演では、『米経済をずっと熱いまま た長のコラムニストであるギャビン・ディビス氏 し議 にしておくのは危険で賢明でない』と述べる は 2 月四日付紙面で「イエレン氏は『テイラ など、一貫性がない」と批判した。 ・ル 1 ルを採用すれば、政策金利が最大 4 ヒ氏 物、こ逸二第両 ブッシュ ( 息子 ) 政権下で理事を務 % に上昇する。経済成長を阻害し、失委十を めたウォ 1 シュ氏はさらに、「は、実行 、ー行高める』と述べた。だが、実際には法案に抜 可能な長期戦略を発表し、堅持すべきだ」と 、ー融テけ道が作られ、は金融政策の裁量を維 述べ、金融政策のル 1 ル化を提唱した。 、ーで持できるだろう」と楽観視している。 猛然と異を唱えたのが、有力なウォ ( 岩田太郎・在米ジャ 1 ナリスト ) を 2017.3.14 5

6. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

一方、塾打部は、現な無業者が再び雇用機会を得ること政と同調的・受動的な金融政策」の 在の完全失業率 ( 4 ・ 8 % ) が、米経済の真の回復につながると組み合わせは、米プリンストン大学 は過去と比較してもかなりの考えられる。そして、もし、これがのクリストファ 1 ・シムズ教授の提 低水準にあるため、米国経済トランポノミクスで実現するのであ唱する「物価水準の財政理論 (ßæe は完全雇用に近いと考えてい れば、表面上の完全失十のさらな A+-Ä) 」の世界そのものである。 ると思われる。部る低下が実現しなくとも、労働参痂従って、来年以降 ( すなわち、ト にとって、トランポノミクス率の上昇を通じて雇用環境はさらに ランポノミクス 2 年目 ) には、米経 による財政拡張とそれに同調改善する可能性が高まる。 済は総需要が拡大し、同時にインフ 以上のような話をトランプ大統領レ率も上昇していく公算が強まるの を ~ を毒 , 4 的なの緩和的な金融政 策への転換は、将来のインフが理解しているか否かは定かではなではなかろうか。もっとも、現状の レ圧力の上昇につながると考 いたか、トランポノミクスが目指成長率 ( 実質成長率のトレン えていると思われる。 す「雇用の拡大」は、このように解ドは 2 % 程度 ) を老蘆すると、制御 両者の見解の相違は、低水釈することが可能ではなかろうか。不可能なインフレ率の高騰となるリ 準で推移している「労働参茄 スクは低いと思われる。 率」をどう解釈するかにかか むしろ、マ 1 ケットにとってのリ いずれ利上げ路線を放棄 っている。「労働参加率」と スクは、今年前半のの金融政ス ) ーベ 1 スの「受動的な供給増」に は、 !2 歳から歳までの全人口に占 トランポノミクスによる財政拡張策スタンスである。ここで言及した 応じるのであろうかこれは現時点める就業者と完全失業者の合計値のは川月からの新会計以降になるようなロジックでいけば、はコ では微妙である。イエレン議割合である。これは、簡単にいうと ため、マクロ経済政策上のトランポトランポノミクスが本格始動する前工 長は、依然として利上げ路線の継続働くことができる人のうち、どの程 ノミクスはムフ年終盤からとなる。 になるべく、政鑒利を引き上げよ に積極的であるし、そもそもトラン度の割合の人が働く意思を持ってい また、来年 2 月に、イエレンうと考えてもおかしくはない。 ポノミクスによる財政拡張路線に警るかを示している。 議長の任期が切れる。は政が 9 月までに複数回の利上げを強 戒的なスタンスを取っている。 米国の「労働参茄率」は、リ 1 マ府から独立しているが、議長引に断行しようとすれば、それなり このことは、の執行部とト ン・ショック直前までは約 % 超のの任命については大統領は影響力をにマネタリ 1 べ 1 スは減少するし、 かいらい ランプ政権の間で、現在の米国経済水準であったが、 リ 1 マン・ショッ行使できる。トランプ大統領の傀儡政鑒利上昇が長期金利に波及する の状況に対する認識が大きく異なっ クをきっかけに急低下し、直近 ( 2 的な人物が議長職に就くのを阻止すことも考慮する必要があるので、為 016 年 1 月時点 ) では、・ 9 % るためには、ある程度は妥協せざる替、株価、長期金利のボラティリテ スている可能性を示唆している。 トランプ政権は、任期中に 250 となっている。この差 ( 人数にすれを得ず、どんなに遅くとも来年には、 イ 1 ( 変動率 ) が上昇するかもしれ ク 0 万人の雇用増を目指すと公約してば 900 万人弱になる ) が、 丿 1 マは、トランポノミクスに同調ない。ただ、議長任期が迫ってくれ いるように、現在の米国経済は完全ン・ショックをきっかけに働きたく的な金融政策を実施せざるを得なく ば、利上げ姿勢を転換するのでマ 1 ノ ナ雇用には程遠く、雇用をさらに拡大ても職を得られず、やがて働く気をなるだろう。この場合、が現ケットにと 0 てのトランポノミクス ノする余地は大きいと考えているよう喪失してしま 0 た無業者 ( 失業者で状の利上げ路線をい 0 たんは放棄すのリスクは、長期というよりも数カ すらない ) であるならば、このようる可能性が高まるが、この「積極財月単位の短期ではなかろうか。 ト トランプ大統領は FRB 議長人事にどこまで介入するか 2017.3.14

7. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

一 0 門 Economist Report ー ノーーネ 000 、鑿融大手のゴ係者が揺れてしるトレ 1 ダわに 「 2 1 ルドマン・サックスニュわってトレーディング ( 売買 ) 部門 1 ョ 1 ク本社に 600 人いた株式トを支えるのは、 200 人のコンピュ レ 1 ダ 1 が、今やたった 2 人に」 1 タ 1 ・エンジニアたちだ。 米国の金融業界では今、コンピュ テクノロジ 1 レビュ 1 が明 1 タ 1 化が急速に進み、トレ 1 ダ 1 かした衝撃の事実に、世界の金融関に代わってコンピュ 1 タ 1 ・エンジ 。な / ー WALL 11-21 ニアが急増している。株式、外国為 替などのトレ 1 ディング部門ではコ ンピュ 1 タ 1 によるシステム ( プロ グラミング ) 取引が主流となりつつ てう あるのだ。 ゴ 1 ルドマン・サックスのライバ ル大手で冗買取引の自動化の動き 一だ田 は急である。「金融業界の聖地ウォ 1 ピ以公 ン来窄ル街からトレ 1 ダ 1 がいなくなる ら消 ◆を従 日」は、そう遠くないだろう。日本 の金融業界にとっても、人ごとでは 。かか黯 新規採用の 4 割が理系 ト能 ゴ 1 ルドマン・サックスのホ 1 ム ペ 1 ジによると、エンジニアリング 部門を投資銀行や証券、投融資、投コ てし 資マネジメント、調査部門と同列に 扱っており、他の金融機関には見ら に人 れない状況にある。これは、ゴ 1 ル 動め 自高 ドマン・サックスがエンジニアリン むを グ部門を他部門を支援する間接的な 進力 部門としてではなく、それ自体を戦 急や 略的な部門として扱っていることの 同社では、トレーディング業務の みならず全社的に金融取引の自動化 米マ が進められており、それは社員構成 の変化の形に明確に表れている。 投資家向け説明会資料によれば、 現在の社員の 3 分の 1 に相当する 9 000 人がコンピュ 1 タ 1 ・エンジ 300m 「 0 日 工コノミスト リボート Economist Report

8. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

国内の産業別就業者数の動向 ( 2004 ~ 1 6 年 ) 就業者数が増加 0 だを ・一 2004 年から 2016 年までの増減率 ( 右目盛り ) 2016 年 1 2 月末就業者数佐目盛り ) 0 0 との融合 ) 、—o 金融・保険業における年肥月末能性は低いと見ている 2 4 ( 物のインタ 1 ネ時点の国内就業者数は 156 万人 金融機関勤務の個人でも、コミュ比 ・農業・林業 ット ) などの技術革で、国内就業者全体の 2 ・ 5 % を占ニケ 1 ションカを磨く一方で、この ・建設 新が予想以上に進展める。また、金融・保険業の近年のような芸術的なセンスを磨くことが し、数年後に到来す就業者動向を見ると、肥年前から約自身の価値を高め、コンピュータ 1 ・製造 るかもしれないた 3 % の減少にとどまっている。製造との差別化を図ることにつなかる ・複合サービス だし、前述したよう業と比較すると、コンピュ 1 タ 1 化学校教育で理系、すなわち 生活関連サービス・ にゴ 1 ルドマン・サによる効率化の影響はこれまでのと科目が重要であることに疑いはな 娯楽 ックスのよ、つに一部 ころ限定的と一一一口えそ、つだ。逆にそれ いか、さらに社会人として成功する 金融・保険 の米金融機関では株だけ今後、コンピュータ 1 化によるためには、コミュニケ】ションカの 宿泊・ 飲食サービス 式トレ 1 ダーカ ゞ、ほ業務の自動化の余地があるとも一一口え基礎となる国語力と芸術的なセンス 卸売り ばいなくなってしまる。 を磨く努力がますます必要となって 学術研究・専門 うよ、つな状況がすで 今後、金融機関でも多くの職種でいる。 技術サービス に起きている。 コンピュ 1 タ 1 化が進む 3 公務 と予想される。個人が生 自動化余地 運輸・郵便 き残るために必要なスキ 成大きい金融 その他 ルは、何だろ、つか サービス業者 それは、人間がコンピ では、日本はど、つ よ 教育・ 学習支援 査 か。業種別就業者の ュ 1 タ 1 よりもまだ優位 調 不動産・ 物品賃貸勁状況を見てみよう。性を保っている領域であ 労 総務省統計局によるろう。つまり、高いコミ 情報通信 局 「労働力調査」による ュニケ 1 ションカと創造 医療・福祉 最近 ( 過去肥年間、性が要求される分野であ 所 5 年 ) の日本国る。 万 2 , 0 8 6 4 2 内における産業別の 前述の英オックスフォ タ 1 情報リテラシ 1 ) を身につける就業者数の動向では、少子局齢化の 1 ド大学の研究論文で か、コンピュ 1 ターによる作業か円進展を反映し、医療・福祉業の就業も、メ 1 キャップア 1 テ ~ イスト、ファッションデ 滑に進むように、その下処理に甘ん者数が 7 割も増加している。それと じ所得の低下を受け入れるかであは対照的に、海外への生産拠点の移ザイナ 1 、アニメ 1 タ 1 る。 転と生産現場における自動化の進展作家など高い創造性が要島が このような状況となるのは、今後する製造業と、後継者問題を抱える求される芸術ア 1 ト分野 川年から年ほど先になるかもしれ農業では、就業者数が 2 割前後減少の職種では、コンピュ 1 ないし、昨今のフィンテック ( 金融している タ 1 により代替される可 " はは〔冲〔〕汁片Ⅱ第 金融業に高い交渉力や創造力が求められる 80 40 20 0 389 1 56 一 Z 0 みすほ銀行、 ④三菱東京 DL.LO 銀年 リそな銀行 一第 RESONA 工コノミスト BIoomberg 8

9. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

CONTENTS 2017 314 工コノミスト・リボート デザイン一浅野康弘 83 ウォール街から トレーダーが消える日 ー「直葬」からジャズ & ワインの超豪華葬まで 民主派が揺さぶる香港行政長官選 トランプ政権で大打撃忍び寄る悪性インフレの危機 米 FRB が狙う年内利上げスケジュール 東証 R 日 T 指数 1700 割れは個人投資家に投資妙味 ー開放から閉鎖へ翻弄される労働供給の「緩衝材」 World Watch 移民のいない米国 ? 都市機能維持は困難・堂ノ脇伸 ワシントンロ C 金融政策にバブル抑制色「虚業向け」の防止へー細川美穂子 中国視窓 N . / シリコンバレー / 英国 韓国 / インド / シンガポール 台湾 / ロシア / UAE 次期議長候補が金融政策ルール提唱 FRB の独立性に最大の危機■岩田太郎 論壇・論調 Viewpoint 3 闘論席ー佐藤優 1 9 グローバルマネー FRB のもうーっの「金融引き締め」に注意 42 アディオスジャパン⑩■真山仁 44 名門高校の校風と人脈 @ 小松高校 ( 石川県 ) ■猪熊建夫 50 学者に聞け ! 視点争点外部不経済の解消で環境問題解決を・佐藤真行 52 言言語語 66 海外企業を買う⑩エヌビディア・永井知美 68 東奔政走疑念深まる森友学園、自衛隊日報問題・・・審議の中身伴わない国会の不可思議■前田浩智 86 商社の深層⑩米国産 LNG 転売で東芝を救済 ? 商社天下りの経産官僚が動くとき・編集部 94 景気観測雇用の正規化進み、賃金上昇へ好循環にはミスマッチ解消が不可欠■南武志 96 ネットメディアの視点どちらがウソ情報 ? トランプとメディアのガチンコ勝負■山田厚史 100 アートな時間映画 [ ラビング愛という名前のふたり ] 101 美術 [ オルセーのナビ派展美の預言者たち一ささやきとざわめき ] 102 ウォール・ストリート・ジャーナルで学ぶ経済英語 “ write-down Market 書評 88 向こう 2 週間の材料 / 今週のポイント 54 『集積の経済学』 89 東京市場・隅谷俊夫 / NY 市場■笠原善彦 / 週間マーケット 『国際特許管理の日本的展開』 90 欧州株 / 為替 / 原油 / 長期金利 56 話題の本 / 週間ランキング 91 マーケット指標 57 読書日記・ミムラ 92 経済データ 58 歴史書の棚 / 海外出版事情アメリカ 87 定期購読・デジタルサービスのご案内 53 次号予告 / 編集後記 本誌に掲載している記事は、原則として執筆者個人の見解であり、それぞれが所属する組織の見解ではありません 工コノミスト ・松田 遼 0 2 4 6 8 0 7 7 7 7 7 8 香港 メキシコ J— R E ー T ■小谷 みどり ■倉田 ■西浜 ー安達 誠司 ・関大介 ■中岡望 0 1 2 3 4 5 6 6 6 6 6 6 2017.3.14

10. 週刊エコノミスト 2017年3月14日号

相 シャや国際通貨基金 「ドイツ・マルク」に一言及。 首 (—*) と、それに ュ 1 ロ参加国が旧通貨名を ケ 応じないとの間 口にすることすらタブ 1 で、冫一な 論州 で亀裂が深まってい あ 0 た、ギリシャ債務危機イ - 用 及る。ギリシャ支援の が表面化した 2010 年当 議欧 議論の行方によって 時とは状況が一変した。 ク ルは、フランス大統領 オランダ下院はまた、ユ 説合 選 ( 455 月 ) やド 1 ロ離脱の是非を議論する イ 離統 ごロ卩 ィッ下院選 ( 9 月 ) ための調査を国の最高略 めの結果にも大きな影 機関である枢密院に委ね 燃が - っ 響を及ばしかねな た。右派キリスト教民主勢 ダ失 。ュンケル欧州委員長は メルケル首相はペンス米 カ ( ) のオムトジフト 柿移な 下院議員は「ユ 1 口からの副大統領との会談後、記者今年に入り、各国がバ ンカ 観静 離脱か可能なのか、可能で会見に臨み、ドイツの対米ラバラになれば、米中など ロラ心 あればどのよ、つに離脱する貿易黒字が問題視される中と有利な貿易交渉を進める 携 5 ト ス ことはできない、とい、つ趣 ~ オ求 で「我々はユ 1 ロの価値に のかを調査する」と述べた 世界最大の携帯電話見本 ついて問題を抱えている」 旨の発言をして結東を訴え と言及。の金融緩和るが、そこまで言わなけれ・市「モバイル・ワ 1 ルド・ 欧州で共通通貨ュ 1 ロへ ドイツ首相も不満 工 ばならないのは、それほど コングレス」か 2 月日か によってユ 1 口が安すぎる の懐疑的な見方が広がって ら 3 月 2 日の 4 日間、スペ いる。オランダ下院は 2 月 オランダでは急増する移・水準にあると、ドイツ・マまでに追い詰められている ことの裏返しでもある。 イン・バルセロナで開かれ、 ルクを引き合いに出してま 幻日、下院選 ( 3 月日 ) ~ 民問題などを受け、イスラ 市場はユーロの先行きを各国の糶電話会社 ( キャ で述べた。また、「の 後に結果いかんにかかわら ム教徒排斥や欧州連合 (æ リア ) や携帯端末メーカ 1 >) 離脱を掲げる極右・自金融政策はドイツではな・危惧したのか、ユ 1 ロ建て す、ユ 1 ロ離脱の是非につ く、ポルトガルやスロべ一一金価格は年初から 9 % 超上基地局べンダ 1 ( 提供会社 ) 由党が支持を伸ばしてい いて議論することを全会一 ア、スロパキアに合わせる昇している。北大西洋条約などの関係者が一堂に会し 致で決めた。また、 2 月四 る。債務危機に陥ったギリ 日にはドイツのメルケル首シャ支援や欧州中央銀行ように運営されている」と機構 (Z<+O) と同様、た。次世代の第 5 世代移動 相が記者会見で、共通通貨 (æo;q) の低金利政策など靄を表明しながら、金融冷戦の産物として政治的に ~ 通信システム「」に関 心が集まったが、移行の時 の問題点を認めたうえで への国民の不満も根強く、政策はの専攣項で作り上げられやユ 1 ロ 「今でもドイツ ( の旧通貨 ) 離脱を決めた昨年の英あるとして、「ドイツ首相とだが、その政治的 * 心力を・期や対応に必要な投資負担 などを巡って各国・地域の マルクが流通していれば、 国民投票結果やトランプ米してはどうすることもでき失えば持続不可能になる ト西丹・エイジェム・キ ~ 温度差も浮き彫りになっ 間違いなく今のユ 1 ロとは大統領の誕生がの結東ない」と自己防衛に回った。 ャピタル・グル 1 プ・ダイ ギリシャをめぐっては現 異なる価値を有しているだ力を大きく削いだことも影 見本市には日本からも Z レクタ 1 ) 在、債務減免を求めるギリ ろう」と、公の場で初めて響した。 BIoomberg