中東 - みる会図書館


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1. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

SpeciaI Feature 2 急いだ。現在の大統領であ 6 る オスマン・ベルシャ・アラブ るエルドアン氏が首相に就 振 を 任した鴨年以降経済成長が 手 ? 戦国時代からク中東三国志へ 加速。イラン・イラク戦争、 衆帝 群皇 戦渦が絶えない中東世界は、超大国の思惑も絡み、さらなる混湾岸戦争を経て、そしてシ ン モ 迷期に突入することになる。今後の中東情勢をどう読み解けばリア内戦へと突入していっ ャ 式タ ダ いいのたろうか。鍵はこの地に栄えた帝国の歴史にありそうた。た他の中東諸国とは一線を 念ル 一三ロ 画した経済大国となった。 年う 周も 東は紀元前から文明が栄 だが、誤算もあった。 だが、中東での戦乱の系譜は、 3 は え、キリスト教とイス一フそう簡単に途絶えそうにない。在加盟交渉の停滞だ。年 の気 月 0 ム教、ユダヤ教の聖地をイラク大使館公使などを歴任した 以来続けてきた交渉は遅々 征領 抱える。さらに欧州とアジア、アキヤノングロ 1 バル戦略研究所のとして進まなかった。欧州 ブン フリカをつなぐ交通の要衝で、近宮家邦彦研究主幹は「混乱は収まからすると、トルコはやは 代においては幾つもの油田を持つることはなく、むしろ深まるだろりイスラム世界の国だった岫 イエ のだ。 エネルギ 1 の源でもある。中東は う」と読み解く。 まさに地政学的に重要な要素が濃ではが駆逐された後、中東そして近年、欧州に認め 縮されている地域で、故に覇権をではどんな「世界史」が刻まれるられないトルコは急速に方向転換をそろえ、中東への関与を強めて いる。 1 世紀前に失った中東の領 めぐって争いが絶えず、多くの血のかかってのオスマン帝国とべしている。エルドアン大統領は世 か流されてきた。 ルシャ帝国、そしてアラブの盟主俗主義から離れ、権限強化のため土を取り返し、オスマン帝国 の憲法改正を進めるなど、強権姿を期すかのような勢いだ。 この数年、中東での戦乱の中心 が地域覇権を争うク中東一一一国志ク は過激派組織「イスラム国」 ( — 時代に突入する、というのがこの勢を強めている。かってのオスマ n) だった。だが、 2016 年夏 問いに対する答えだ。 ン帝国のように、イスラム的価値焦るサウジ ごろから急速に弱体化支配地域 オスマン帝国は全盛期には中東を重視する国家運営にかじを切 0 ト一フ、ノ。フ政権は から北アフリカ、東欧一帯で栄えたのだ。 からの敗走が伝えられている 救世主か ついにが駆逐され、中東にた帝国だ。第 1 次世界大戦で連合 こうしたトルコの変節を、元外 もつ一つの帝国がイラン。かっ 平和が訪れるーーー。米国では打倒国に降伏し、サイクス・ピコ墮疋務審議官で日本総合研究所国際戦 を中東政策の第一に掲げるト等によって領土は分割。 1923 略研究所の田中均理事長は「トルてのベルシャ帝国だ。紀元前に興 り、高度な文明を持った巨大帝国 ランプ大統領が誕生し、さらに国年、そのオスマン帝国を基礎に、 コはに加盟することを諦めた の力は今でも残っていると、イラ 務長官に指名されたレックス・・現在のトルコが誕生した。 のではないか」とみる。すでにエ トルコは、イスラム教と政治が ルドアン大統領の視線は、西の欧ンの底力の強さを評する中東専門 テイラ 1 ソン氏は、中東で存在感 欧米の経済制裁を耐え を強めているロシアと関係が深い 体となっている他の中東諸国と 州ではなく、東のイスラム諸国へ家は多い。 こうした事情を知ればなおさら、異なり、「世俗主義」を掲げて中東向いているというわけだ。 抜き、核開発に執着し続けてきた 中東の将来を楽観視してしまう。 よりむしろ欧州を向いて近代化を実際、トルコはロシアと足並みことを考えればうなずける。

2. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

特集新地政学 中東の三大国の動き シリア情勢 で協力 狙うは中東の覇権 ! フスタン ウズベキスタン EU 加盟は諦めた。 イスラムで生きて いく。そのためには ロシアの力を利用 して、オスマン帝国 復活だ・・・ ! シリア情勢 で協力 中東各地に散るシーア派 を支援して地盤を固めよう。 その先にあるのはベルシャ 帝国の復活だ・・・ ! 核合意破棄なら イラン核開発加速 ! トルコ関係改善 ? アサド 政権 レバノン バレスチナ イスラエル 爆 援 アフガニスタン イラク国内の シーア派民兵 ヒスポラ / 、マス 援 支 垓合意 シリア反政府組織 ヨル ハキスタン 破棄して 経済制裁 強化 ? サウジアラビア 国 米 関係を 改善しようとの戦いに より協力するなら・ 米国とイスラエルとの関係 を改善して、イランを封じ込 めたい ! そうすれば、アラブ の盟主の地位を保てる・・・ ! 工リトリア イエメン 派カ 勢シ 一装一 ン武 援 支 撃 イランは今、イスラム教シ 1 アコ、東からはイランとい、つク一一大 派の盟主として、中東各地で影響帝国クが勢力を広げてくる悪夢の ような地図が見えているはすだ。 力を強めようと暗躍している。シ 1 ア派に近いアラウィ 1 派が大勢そんなサウジは、米国が宿敵で を占めるシリアやイラクでとあるシ 1 ア派国家のイランに付い たため、最近はロシアに接近して 戦うシーア派勢力、レバノンのイ いた。イスラム教の一一大聖地を国 スラム教シ 1 ア派武装組織「ヒズ ボラ」など、中東各地の同胞を、 内に持ち、中東のク首都クとして 陰になり日なたになり支援してい の立場を守ろ、つと必死の外交攻勢 るといわれる を見せていた。 しかし今年 1 月、イランに強硬 そして、衝撃的だったのは米国 のオバマ前大統領の歴史的決断だ。姿勢を取るトランプ政権が誕生し たことで、サウジを取り巻く環境 イランの復権に向けた国力増強に は再度、逆転することになりそう 大きく影響している 長年、米国はサウジアラピアをだ。サウジのサルマン国王は早速、 中心としたアラブ勢力とイスラエ「米国との関係は歴史的かっ強固 なものである」とコメントし、関 ルに付き、強大な軍劣を盾にイ ラン等の他の中東勢力を抑えて、係改善へ向けた秋波を送っている それによってアラブ諸国からの原 ただ、これまで中東の安定に寄 油の供給という実利を得てきた。与してきた米国が、オバマ時代に ところがオバマ前大統領は長年増してこの地から手を引くのは確 対立してきたイランと急接近。 実。米国という「安定装置」を喪 年 7 月、核開発問題に関して合意失した中で、それぞれに苦悩を抱 したのだ。 える中東の三大国が覇をつ、中 この合意は、ウラン濃縮活動を東三国志時代が幕を開ける。 8 一定以下に抑えるというものだが、宮家研究主幹は「オスマン帝国 2 事実上の核開発容認といわれる。 の領土の崩壊が、今再び始まろ、つ 0 7 経済制裁も解除され、イランの復としている。シリアのように、サ 0 2 ウジやヨルダンも混乱で国土を失 活に一気に弾みがついた格好だ。 ン モ このイランの動きに神経を尖らう可能性がある」と話す。 ャ せているのが、スンニ派の盟主で、中東は今なお、紀元前から続くダ アラブ諸国のリ 1 ダーであるサウ帝国の栄枯盛袞の延長線上にある週 3 とい、つこ A 」だ。 ジだ。サウジには」からはトル 6

3. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

特集新地政学 マクマホンと、聖 列強の利害のみで決められた協定交官へンリ 1 ・ だと批判されることが多い。その地メッカの太守フサイン・イプン 現在のイランの地に、紀元前か 一方で、オスマン帝国崩壊後の混アリーとの間で交わされた協定。 ら栄えた国家、王朝の総称。主に , 。、 乱を避け、中東に新たな国家を樹英国は、オスマン帝国との戦争へ 紀元前 5505 紀元前 330 年の 立するための善後策だったとの評協力することを条件に、アラブ人 アケメネス朝、 2245651 年 価もある。 国家独立とパレスチナへの居住を のササン朝を指す。 オスマン帝国末期の 1916 年 現在の国境線はサイクス・ピコ約東した。 アケメネス朝ベルシャ帝国はか 5 月、英国人政治家で中東専門家墮疋で引かれた線を踏襲している 第 1 次世界大戦を戦い兵力が落 んがい用の地下運河整備、硬貨発のマーク・サイクスと、フランスものが多い。「イスラム国」は中東ちていた英国には、オスマン帝国 行、法と税の整備など、アレクサ人外交官フランソワ・ジョルジュ地域が長年にわたり列強が決めた傘下のアラブ勢力を味方に付け、 ンドロス大王に敗れるまで、強大 ・ピコによって交わされた。英国秩序の下にあることに反発する意必要最低限の兵力でオスマン帝国 な帝国として栄えた。」最後の王朝とフランス、ロシアの列強 3 国が、味で、国境施設などを爆破し、「サを崩壊させるという思惑があった。 は 1979 年にイラン美叩によっオスマン帝国の領土だった現在のイクス・ピコ協定の終焉 , を主張 シリアやイラク、ヨルダンにわた「した。 て終焉したパフレヴィ 1 朝だ。 イランでは昨今、ベルシャ帝国る沃な三日月地帯」とアナト 1917 年Ⅱ月、英国外務大臣 の復活を願う「ベルシャナショナ リア高原を、オスマン帝国崩壊後 ア 1 サ 1 ・バルフォアによって、 リズム」が湧き上がっている。 にどう分割統治するかを秘密裏に サイクス・ピコ協定が結ばれる パレスチナにユダヤ人国家建設を 決めた協定。パレスチナを国際管前年の 1915 年川月、英国人外承認することが示された。シオニ 理することも決め ズム ( パレスチナにユダヤ人国家 サウジアラビアを中心とするア一られた。 を建設しよ、つという思想 ) 運動の ロシアは 191 ラブ人主体の国を指す。 代表只ウォルタ 1 ・ロスチャイ た オスマン帝国やベルシャ帝国と ルドに送った書簡で宣言された。 7 年のロシア美叩にれ しかし、パレスチナをめぐって 違い、中東で力を持った歴史は浅で帝国が崩壊。新」さ割 いきっかけとなったのは 193 たに誕生した政権 ) 先分 は、フサイン・マクマホン協定で、 によって、帝国主優よ 8 年にサウジで油田が見つかった アラブ人国家独立とパレスチナへ の居住を認め、サイクス・ピコ協 ことだった。欧米をはじめ世界各義的外交の歪ョ性 ( カ 合協 国がアラブ諸国の原汕を輸入するを示すものとして、 定では国際管理にすることを決め ようになって、一気に中東におけ協定の存在が暴露 ている。バルフォア宣言を含め、 る発一言権を強め、中東経済の中心された。 英国が交わした三つの協定はそれ イ となっていった。 決められた境界 ぞれ矛盾しており、いわばク三枚 ~ トルコやイランが帝国主義的な線は、現地の民族 舌外交 % この英国の矛盾が、現 在まで続くパレスチナ問題の元凶一週 拡張をしていることに危機感を募、 , や文化を無視した」英 だといわれている。 らせている。 直線的なもので、 6 ベルシャ帝国 アラブ諸国勢力 イ勝強 ク手に 協る 刃しアセル メニアバイジャン メニスタン トルコ ・アレッポ マスカス バグダッド シリア ー / ! サウジアラビア 0 ロシア統治領 ロフランス統治領 英国統治領 第 1 次世界大戦 前のオスマン帝 国領 工ルサレム イス ラエル 列強の利害に よって一方的 に分割された バルフォア宣言

4. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

政学的 特集新地政学 トランプ米大統領が 見る新世界 PROLOGUE 中東一 二国志時代 も欧州ミ メルケル 独首相ワク 欧州の分断工作 支配を強化 プーチン 大統領 立 対 トルコ 0 イラン 0 0 習近平 国家主席 ロ 米中権戦争の 発ク 三大国首脳 ラ サア 0 晋相 倍首 安 2 次世界大戦が勃発した。 同じ悲劇にたどり着くのだろ、つ か唯我独尊のトランプ劇場は世 界中で、さまざまな地政学的な ク玉突き現象クを引き起こすこと が予想される。それをリスクシナ リオとしてまとめたのが上図だ。 トランプ前と トランプ後で 世界は一変する 詳細は後述するが、権謀術策が めぐらされた国際政治において、 / メジャ 1 リ 1 ガ 1 / は米中ロの 3 カ国しかない。 トランプ大統領はまず、中ロの 独裁者 2 人に正反対の対応を取る とみられる。米国に代わる覇権国 の座を狙う中国の習近平国家主席 にはこわもてで臨み、反 ( イ スラム国 ) で共闘するとみられる ロシアのプ 1 チン大統領とは握手 を交わす、といった具合だ。 メジャ 1 リ 1 グ内の構造変化は、 ( 欧州連合 ) や日本、中東の 地域大国などが所属するマイナ 1 丿 1 グにも伝播し、各国を翻弄す る。トランプ前とトランプ後で世 ン モ 界は一変するのだ。 ャ ダ 本特集では歴史に学びながら、 地政学的な観点から劇変世界を解週 9 き明かしていく。 2

5. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

SpeciaI Feature イスラム教の宗派で、全体の約 9 割を占める多数派。スンニ派の 代表国はサウジアラビアだ。また 過激派組織「イスラム国」もスン ニ派である。 派 イスラム教は、アッラ 1 の一言葉 を伝える預言者、ムハンマド ( 5 705632 年 ) によって開かれ〉ス各 た。そのムハンマドの死後、ムス」る東 リムを結東させるリーダ 1 として」一める カリフ ( 神の使徒の代理人 ) が誕一占靦 を派 生し、カリフ制が敷かれる。 派宗 ところが、 4 代目カリフのアリ 数 ( 在位 6565661 年 ) が暗 多 殺されると、 5 代目カリフに就い たムア 1 ウィャ ( ウマイヤ朝 ) の 正統性を認めるか、認めないかで い スのの ノ違根 流い源 大国に翻弄され続けた過去 東い混迷の根源は宗派と国境 混沌を極める中東情勢は、専門家でさえも状況把握は難しい そこで、現状をざっくりつかむために必要な八つの知識を紹介 しよう。頭に入れておけば、今後の流れも見通しやすいはすた。 対立が起こってしまう。 の正統性を認めない宗派で、全体 スンニ派は 4 代目までのカリフ ) の約 1 割。アリーの血統のみを正 と、んア 1 ウィャ以降のカリフを統だとしている。 あ正統だと認める宗派のことを指す。代表的なシ 1 ア派の国はイラン だ。また、シリアはアラウィ 1 派 で、シーア派との親和性が高いと いわれている。 シ 1 ア派は 5 代目以降のカリフ 宗派の違いは常に混乱ー、 の原因となっている。 2 016 年 1 月、サウジが シ 1 ア派宗教指導者一一ム ル師を含む町人の死刑を 執行。イランをはじめ、 中東各地でシーア派勢力 が猛反発。イランとサウ ジは国交を断絶するに至 った。 カリフ制は 1517 年 に廃止されたが、 201 4 年、「イスラム国」指導 Ⅱ世紀から第 1 次世界大戦で敗 者のアプバクル・バクダ ディが復活を宣言し、カ戦するまで存在したイスラム教ス リフを名乗った 0 ンニ派の帝国。現トルコのイスタ ンプ 1 ルを首都として、世紀の 最盛期には東ョ 1 ロッパ「西アジ ア、北アフリカにまたがる広大な 領地を有した。 トルコのエルドアン大統領は国 家運営にイスラム的価値観を取り 入れ始めており、オスマン帝国へ 先祖返りしているといわれている。 こうしたトルコの変化は「ネオ・ オスマニズム」と表現される。 シーア派 ( 1 割 ) スンニ派 ( 9 割 ) シーア派 立 サウジアラビア イラン イエメン 1 エジプトクウェートシリア イラク トルコ ( アラウィー派 ) ラブ首長国連邦 ( UAE ) ヨルダンレバノン 中東に栄えた 帝国の歴史 オスマン帝国 シーア派指導者ニムル師の処刑に抗議する人々 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28 60

6. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

特集新地政学 こった年の朝鮮戦争だった。冷成長した。中国では、中東やアフ汕が埋蔵されている可能性が指摘るという戦略だ。ただし、アジア 戦期の自衛隊は、日丕女全保障条 リカから輸入される石油への依存されて以降、中国は尖閣諸島の領では米軍の前方展開を維持、強化 約に従って在日米軍の日本防衛機が強まるが、輸送には米国が制海有権を主張した。加えて地政学的する方向だろう」と予測する 能を補完する役割を担い、旧ソ連権を持っマラッカ海峡を通る必要に見ても、年代に第一列島線を「中国は第一列島線で自らの首を の侵攻を念頭に北へ防衛力を集中がある。仮に海峡が封鎖されれば設定する上で重要地点となった。絞める」と予見するのは、元陸将 影響は計り知れない。そこで目を した。それが南へ向いたのは、 こうした背景から、 2000 年の山口昇氏。「米国か高い防衛能力 年に冷戦が終結したからだ。 付けたのが、日本の尖閣諸島だ。 代に中国の海洋進出が顕著になつで中国を翻弄し、日本もしつかり その傍らで、中国が急速に経済 年、尖閣諸島周辺に莫大な石た。中国はロシアとの国境問題が南西諸島を守れば、それが中国に 解決し、ランドパワ 1 として安定とって日本の / となり、 したため、シ 1 パワ 1 に転換し、 中国の行動を制約できる , ( 山口 て機転視 くす監 がのソ明 アジアから米軍を退ける戦略を立氏 ) という。 領約一表 し 0 移監 移用察 属 2 こ 統条ラと てられるようになったのだ。 尖閣諸島については、日米同盟 岸也 所約剽 大障テる 沿土隊 てでる 米保、す に 5 縄 こそが生命線だ。年にオバマ前 立ロ 劜海対あくまで専守防衛の米大統領が「日米安全保障条約の 副機を国島レ ヾ米及を 古丿る増西にを 城闘隊 を南国上れ日言識 自衛隊か守るべきは適用範囲」と初めて言及。新しく こはと認 艦を中向 国務長官に指名されたテイラ 1 ソ 第二防衛線 ン氏も今月、その認識を継承する 福いか 沖隊地攤保のる視映 米国は、米中の軍事衝突の可能と表明した。つまり、中国が武力 性をはらむ中国の戦略を、接近阻行使で尖閣諸島を奪取すれば、日 止・領域拒否を意味する「 Anti- 米安保が発動するのだ。 Access / Area Denial 」、通称これについて、兀海将の香田洋 「」と名付けた。そん二氏は百衛隊は敵地攻撃を許さ な軍事状況について、 3 人の自衛れない。島が奪われても奪回作戦 隊元将官に見解を聞いた。 しかできないが、米軍は中国本土 これまでの米国の戦略観は、軍をたたける。それを中国も分かっ 8 隊を外国に派遣し「世界の警察」ているから武力行使せず、ここぞ 2 的な動きをする「オンショアバラというときに与那国島や石垣島を 0 ンシング」だった。どが、 オ元空将足場にして第一列島線を越えるこ 0 2 の小野田治氏は「トランプ政権のとを重視する。日本からすればそ 戦略観はミアシャイマ 1 氏が説くこが第一ク防衛ク線で、中国は簡→ ダ 『オフショアバランシング』と重単には越えられない」と語る なる。基本的に中東やその他地域米中戦争の命運を握るのは、実週 には米軍を派遣せず、現地に任せは日本なのである。 日本の防衛は北から南へシフト 自衛隊の戦力配置の推移 ロシア 自衛隊はもともと冷戦 時代、旧ソ連の侵攻を 念頭に、北に重点的に 戦力を配置 冷戦終結に加え、 2000 年代以降の中国の海洋 進出で、自衛隊は北から 南へ重点をシフト 空自 陸自 海自 中国 9 3

7. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

特集新地政学 ノを脅かし始めた。日本とし平洋同盟で対抗すべしとの考えで は当然 ) これを容認するわけにある。 い力ない。 これまで重要な役割を果たしてアジアとの関係を きたのは、・・米国との島国同盟であ再構築することで る米同盟」だ。た。米国を島米国にくさびを打っ 国と ~ いうと違和感があるかもしれ ないが、、地政学では米国を巨大な もちろん、紀元前の漢の時代か 、島国と見立てる。 ら付き合いのある隣国との関係を、 この世界一の島国の海軍に守ら完全に断絶することはできない。 れていることで、日本は中東から 元外務審議官で日本総研国際戦 石汕を運ぶための安全な輸送路を略研究所の田中均理事長は、「中国 確保することができたのだ。 の覇権を日本が認めることはあり ところが、同盟国の政権交代で得ない」としつつも、「最近の日本 れが揺らいでいる 外交は市国をけん制するため』 世界の多くの国が米国との関係という観点ばかりが強調されるが、 《を軸に自国の安全保障や自国の繁それはマイナスでしかない」と指 栄を考えてきたが、トランプ政権摘する。 その上で、田中理事長は「米国 . 應義塾大の (-•-AA-«離脱で諸国は 中国に比重を移す可能性が高い ' ただ、」米国との関係だけを強化中国を含むアジア諸国と密接な関 ・一 " ルてれば他国との関係も付いて係を再構築することは、米国を建 きて、中国の力による勢力拡大を設的な軌道に乗せるてことなる。 抑止できた時代が終わりを告げた貿易や環境政策などで協力分野を R1fB. 。、、は間違いない。今後は複層的な拡大していくことが必要。と説く 戦略が求められることになる。 オフショアからアジア太平洋地 そこで、、元外交官でキヤノング域を俯瞰し、各国に対して能動的 ロ↑バル戦略研究所の宮家邦彦研に協力関係を築くことで、最大の ・究主幹が提案するのが、世界屈指同盟国である米国の孤立主義にく 玉 ~ オ 1 ストラリアとの同盟 ~ さびを打つ。実現すれば日本の国ダ ご。 ' ジ太平洋の制海権をめぐ昞益のみならず、トランプ後の世界週 冲台頭に対して、アジア太一の安定にも資する大仕事だ。、サ 、一 4 第い

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特集新地政学 世界経済の大動第 8 大シレン地図 イタリア」 一世界各地の海交通の要衝と第 各国の年間原油・ LNG 輸入量 LNG 3 610 億ⅲ ドーバー海峡 米国 , 原油① 3 億 4400 万トン ジプラルタル海峡第 バナマ運河 80 万バレル / 日 世界に点在する海上航路の要衝、 チョークポイントのうち、その安 全性が世界経済全体に大きな影響 を及ほす代表的なものは八つ。世 界の原油の海上交通量の約 7 割に 達する。そのため、ひとたび航路 の安全が脅かされれば、世界経済 は大打撃を受ける。 要衝 1 日当たりの原油の通行量 年間原油輸入量 年間 LNG 輸入量 日に通過する原油の量に加え、各 国の原油と液化天然ガス (=Z e) の年間輸入量を示した。原油 においてはこの八つだけで、世界 0 一で運ばれる量の約 7 割に達する 世界経済の生死を左右するといっ ても過言ではない。 世界最重要のチョ 1 クポイント は、何といってもホルムズ海峡だ。 イランとオマ 1 ンに挟まれた海峡 で、狭いところではわずかキロ麕 前後の幅しかなく、まさにクチョ 1 ククされやすい地形だ。アラブ 一三国からアジアへ輸出される原油 の航路であり、中東産の原油に依 存している日本や韓国、中国にと っては、特に重要度が高い 1 日 に約 1700 万レの原油が通る ホルムズ海峡は、狭さと重要度 の高さから、幾度となく紛争の舞 台になってきた。実際、イラン・ イラク戦争では、イラク軍によっ て海峡が封鎖され、世界経済は大 混乱に陥った。 0 0 米国などの超大国は、各チョ 1 旧クポイントは地政学的リスクが高 量く紛争が起きやすいため、常に近 位 の 一一隣に軍を配備し、警戒している。 日本にとってはマラッカ海峡、 輸「シシ油油 ン モ 判由また大型タンカ 1 の航路であるロ ャ 数一乕衝国 要各ンボク海峡も重要だ。中国が海洋ダ み 囲 進出を強めており、これらの地政週 出 丸 学リスクは急速に高まっている ドレーク海峡 5 4

9. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

年のクリスマス直前、北 で - 泉 京からおよそ 2000 キロ 麕離れた広東省を訪れた。 積都槲 同省は ( 地域総生産 ) 国内 集東い 1 位、中国のの 1 割を占め る経済大省である。の 1 割 ス広熱 とい、つと小さいよ、つに成じられる ビるが 力、 2015 年のは 1 兆 1 一け家 589 億トルと、日本の 4 分の 1 世界位のスペインに匹敵する 監 サ続業 広東省は、歴史的に中国。「玄ク長・赴 一口 国の輸出の 4 割が同省からであっ テ成の た。現在その比率は 3 割まで低下有 最イ高外 したが、 同省の工業生産の 4 割が 外資企業によるものであり、外国鈴 0 ー中内 に扉を開くことで成長する同省の 在り方は大きく変わっていない。 ただし、産業・企業レベルで見 ると、新たな構造転換が進んでい る。改革開放後では 3 度目の転換 である。 1 度目は年代の電気・ 電子産業の輸出拠点化、 2 度目は 2000 年代に入ってからの自動 車産業の国内生産拠点化、そして 3 度目は現在のハイテク・サ 1 ビ スの拠点化・製造業の質的な高度 現在の広東省の主要製品は、携 中国 8 帯電話 ( 年、 8 ・ 4 億台、全国 7 ・ 3 % 、片年は + 7 ・ 057 ・ 比 % ) 、テレビ ( 同 6200 万 5 % と予想されている。同省の胡 台、 % ) 、エアコン ( 同 560 春華書記は、今年秋の中国共産党 0 万台、 % ) 、自動車 ( 同 24 第四回全国代表大会 ( 十九大 ) で 2 万台、川 % ) である。また、エ政治局常第員になるといわれて 業生産額上位川社のうち 3 社が外おり、昨年末の省エ作会議では中 ダ 資だ ( 表参照 ) 。これらを見ると、高成長維持の意向を示している。 外資企業の大量生産による貢献が隣接する香港が行政長官選挙を控週 大きいよ、つに思える。しかし、今 えていることもあり、目標達成に 糶電話を支えているのは、華為、強く動く可能性が高い 、であり、また、 最後に、日本企業の相対的に慎 電気自動車・自動運転車を広めて重な動きである。年のジェトロ のアンケ 1 トによると、同年の日 いるのは、、格カ、テンセ ントなど、いずれも有名中国企業系企業の中国での営業利益は、全 である。 ・ 8 % の企業が赤字だっ 国では ・ 8 % に A 」ど こうした中、足元では三つの点たが、広東省では まった。 が注目される。第一 に、深訓市を中心と 年は、筆者の現地日系企業に 国国国 国国国湾国本国 中中中 中中中台中日韓 した起業プ 1 ムであ対するヒアリングでは、自動車と る。年の世界の特小売りを中心に改善が見込まれて 器器器器学 機カ電機機車機機カ 0 いる。一方、同アンケ 1 トでは、 信電 ( 豕一信 = = 0 動言一信電・由 許発明出願件数ベス 通 通通自通通石 位 年に同省での業務の縮小・移転 トに、華為 ( 1 上 産 位 ) 、 ( 3 位 ) 、をエ疋する企業が・ 7 % と、全 額 ン旧 イ公 産 一口 テンセント ( 位 ) 国での川・ 5 % を大きく上回り、 公ウ分 業のン車一名 と同省企業が名を連足元も中小企業を中心に縮小・移 オ ) 用 ) ア茂 ウ ワ旺乗星ワ司司ねている。そして、 転の声が聞かれた。 司に産仼司公公 東一 - ア司公司日司公任限 ここを目がけて内外 国内や欧米の起豕は、技 公限公風公限責有 から起業家が集結し 術者の集積や、深訓市場・べンチ の 司司限陏限限有限伀 公公有圸有有 ) 有股 年 てきている。 ャ 1 ファンドなどの資金調達環境、 5 有有股股 イ鑑第一一に、堅調な経稠密なサプライチェ 1 ンなどを評 0 術網団工詢車星端方油年 2 技電集華通汽三終南石済成長である。同省価し、投資を加速させている。日 為東的泰興州為国国 華広美富中東恵華中中の年 159 月の実本企業もこの世界的な動きから目 所 出 が離せなくなるだろう。 順位

10. 週刊ダイヤモンド 2017年1/28号

0 地政学 Contents 特集 煢タイヤモンド 2017 1 / 28 る新地政学 変 界 政 解 Diamond Weekly ドタイヤモント 地政学的「玉突き現象」マップーーーー . 地政学の古典で養う劇変世界の読み解き方 H istoric Map Works LLC/gettyimages halbergman/gettyimages 地政学で学ぶ トランプ側近からのメール米中戦争突入の戦怖シナリオ 米国 0 視点米中戦争が起きる確率は「非常に高い」時限爆弾は四つある 中国①視点尖閣諸島は眼中なし中国共産党にとって最大の問題は台湾た 16 回中 12 回で覇権戦争勃発米中衝突は歴史的必然か 高まる米中衝突の勃発確率日本の自衛隊はどう動く ? Firefly Productions/gettyimages 界覇権の 易、資源、金融のゲームチ - ェ -- ・ンジーーーーー・一 -- - ー 米ロ協調で新時代に突入石油の OPEC 支配は終焉 ? 高い地政学リスク海上輸送の生死握るチョークホイント 米国がルールメーカー辞任″通商覇権の空白埋めるは中国 トランプ sFRB の火種も米金融覇権の復活は狭き門″ 経済困窮でも軍事超大国化背景に◆暴君″を許す国民性 最年少ロシアウォッチャーが徹底解説 本邦初 ! 米政権人事より重要 ! ◆皇帝″プーチンを支える派閥別最重要人脈 仏歴史人口学者がひもとく「ドイツ帝国」と化した EU 米政権交代がもたらす悪夢暴君カイ士掛ける欧州分断工作 目指すは次のトランプ米欧で共鳴 ! ◆暴君″の政権奪取レース 大国に翻弄され続けた過去混迷の根源は宗派と国境 オスマン・ベルシャ・アラブ戦国時代から奪中東三国志″へ nicoolay/gettyimages 軍人が地図を観察 している。戦争の みならず、国際情 勢を読み解く上で 国家の地理的条件 の研究は不可欠だ。 それを追究した学 問が地政学であり、 特集では地政学を 駆使して、トラン プ政権誕生後の劇 変世界を徹底予測 0 OVictoria and Albe Museum, London /amanaimages ◎ YO ℃印 SHIMIZU/ 123RF.COM 28 30 ロ A 訂 1 2 4 5 6 8 3 3 3 3 3 エネルギー ロ A 訂 2 De A OStini Picture Libra / e ima es PART 3 5 5 5 5 5 6 6 ・劇変世界一 ◎ダイヤモンド社 2017 本誌掲載の記事、写真、イラスト等の無断複写 ( コピー ) ・複製 ( 転載 ) を禁じます ゴ E 円 [ 0G 5 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28