特集新地政学 ノを脅かし始めた。日本とし平洋同盟で対抗すべしとの考えで は当然 ) これを容認するわけにある。 い力ない。 これまで重要な役割を果たしてアジアとの関係を きたのは、・・米国との島国同盟であ再構築することで る米同盟」だ。た。米国を島米国にくさびを打っ 国と ~ いうと違和感があるかもしれ ないが、、地政学では米国を巨大な もちろん、紀元前の漢の時代か 、島国と見立てる。 ら付き合いのある隣国との関係を、 この世界一の島国の海軍に守ら完全に断絶することはできない。 れていることで、日本は中東から 元外務審議官で日本総研国際戦 石汕を運ぶための安全な輸送路を略研究所の田中均理事長は、「中国 確保することができたのだ。 の覇権を日本が認めることはあり ところが、同盟国の政権交代で得ない」としつつも、「最近の日本 れが揺らいでいる 外交は市国をけん制するため』 世界の多くの国が米国との関係という観点ばかりが強調されるが、 《を軸に自国の安全保障や自国の繁それはマイナスでしかない」と指 栄を考えてきたが、トランプ政権摘する。 その上で、田中理事長は「米国 . 應義塾大の (-•-AA-«離脱で諸国は 中国に比重を移す可能性が高い ' ただ、」米国との関係だけを強化中国を含むアジア諸国と密接な関 ・一 " ルてれば他国との関係も付いて係を再構築することは、米国を建 きて、中国の力による勢力拡大を設的な軌道に乗せるてことなる。 抑止できた時代が終わりを告げた貿易や環境政策などで協力分野を R1fB. 。、、は間違いない。今後は複層的な拡大していくことが必要。と説く 戦略が求められることになる。 オフショアからアジア太平洋地 そこで、、元外交官でキヤノング域を俯瞰し、各国に対して能動的 ロ↑バル戦略研究所の宮家邦彦研に協力関係を築くことで、最大の ・究主幹が提案するのが、世界屈指同盟国である米国の孤立主義にく 玉 ~ オ 1 ストラリアとの同盟 ~ さびを打つ。実現すれば日本の国ダ ご。 ' ジ太平洋の制海権をめぐ昞益のみならず、トランプ後の世界週 冲台頭に対して、アジア太一の安定にも資する大仕事だ。、サ 、一 4 第い
日皿 、冫 SpeciaI Feature 地政学の古典で養う 劇変世界の読み解き方 地政学的な思考の重要性が増している。米国の政権交代で世界は混迷 の度を深め、異なる国家、民族、宗教が衝突しやすい時代が到来する。 そんな時代の羅針となるのが、世界を俯瞰して観察する地政学だ。 也理的条件が国家の趨勢決める 学とは、国土の土里的な位置 ちなみに地政学では米国も巨大な島 や形や甲家の政治、経済、軍事、社 国と考える。後者はロシアや中国な 会的な。に与える影響をマクロに ど陸続きの国境がある大陸国家を指 分析する問だ。 す。陸軍重視で閉鎖的な傾向にある。 最初に えるべき用語はシーパ 帝国主義全盛期に発展した学問で あり、伶頁土偏重」のきらいはあるが、 ワーとラン、、パワーだろう。前者は 海上貿易でえる英国や日本など島 その工ッセンスは国青勢を読み解 , 。国の海洋国家海軍主体で開放的。 く上で今なお有用だ。 讐ト朝心 は工の、本 ー英国はハートランド論で対露戦略 ランドバーの概念を打ち出した 考えた。マッキンダーは一方で、海 のが英国里学者マッキンダーだ。 洋国家の英国が、凍結した北極海に 彼はハランド論を提唱、難攻不 守られた堅牢なハートランドを攻略 露なラシア大陸の最奥部 ( ハー することはできないと結論づけた。 ド ) の重要性に目を付け、 結果、英国はロシアが領土拡大を狙 配する国が世界を支配すると って海に進出してこないよう、内陸 に封じ込める作戦に出た。 これが 1 9 世紀の英露のグ レートゲームにつながる。 近年、温暖化で北極海 の氷が解けて航路が開通 したため、ハートランド 論の前提は崩壊。「裏庭の 北極海に中国軍が進出し てきたのをロシアは嫌が っている」と自衛隊幹部 は明かす。 イを 3 ' 気、 難攻不落の心臓部 マッキンダーのハートランド論 凍結した 北極海 ( 最奥部 ) Historic Map Works LLC/gettyimages リムランド ( 外縁部 ) 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28 30
0 地政学 Contents 特集 煢タイヤモンド 2017 1 / 28 る新地政学 変 界 政 解 Diamond Weekly ドタイヤモント 地政学的「玉突き現象」マップーーーー . 地政学の古典で養う劇変世界の読み解き方 H istoric Map Works LLC/gettyimages halbergman/gettyimages 地政学で学ぶ トランプ側近からのメール米中戦争突入の戦怖シナリオ 米国 0 視点米中戦争が起きる確率は「非常に高い」時限爆弾は四つある 中国①視点尖閣諸島は眼中なし中国共産党にとって最大の問題は台湾た 16 回中 12 回で覇権戦争勃発米中衝突は歴史的必然か 高まる米中衝突の勃発確率日本の自衛隊はどう動く ? Firefly Productions/gettyimages 界覇権の 易、資源、金融のゲームチ - ェ -- ・ンジーーーーー・一 -- - ー 米ロ協調で新時代に突入石油の OPEC 支配は終焉 ? 高い地政学リスク海上輸送の生死握るチョークホイント 米国がルールメーカー辞任″通商覇権の空白埋めるは中国 トランプ sFRB の火種も米金融覇権の復活は狭き門″ 経済困窮でも軍事超大国化背景に◆暴君″を許す国民性 最年少ロシアウォッチャーが徹底解説 本邦初 ! 米政権人事より重要 ! ◆皇帝″プーチンを支える派閥別最重要人脈 仏歴史人口学者がひもとく「ドイツ帝国」と化した EU 米政権交代がもたらす悪夢暴君カイ士掛ける欧州分断工作 目指すは次のトランプ米欧で共鳴 ! ◆暴君″の政権奪取レース 大国に翻弄され続けた過去混迷の根源は宗派と国境 オスマン・ベルシャ・アラブ戦国時代から奪中東三国志″へ nicoolay/gettyimages 軍人が地図を観察 している。戦争の みならず、国際情 勢を読み解く上で 国家の地理的条件 の研究は不可欠だ。 それを追究した学 問が地政学であり、 特集では地政学を 駆使して、トラン プ政権誕生後の劇 変世界を徹底予測 0 OVictoria and Albe Museum, London /amanaimages ◎ YO ℃印 SHIMIZU/ 123RF.COM 28 30 ロ A 訂 1 2 4 5 6 8 3 3 3 3 3 エネルギー ロ A 訂 2 De A OStini Picture Libra / e ima es PART 3 5 5 5 5 5 6 6 ・劇変世界一 ◎ダイヤモンド社 2017 本誌掲載の記事、写真、イラスト等の無断複写 ( コピー ) ・複製 ( 転載 ) を禁じます ゴ E 円 [ 0G 5 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28
特集 2 コンビニ ATM 戦争 iPhone を使って支払いがで きるアップルペイ。 2016 年 1 0 月から日本でもサービス がスタートした か圧倒的に高い。 ただ、日本でも 電子マネ 1 などの 利用比率が年々高 米アップルのモバイル決済サービスが上陸し、現金大国の日本まり、現金決済は でも、現金を使わない決済が増え始めている。キャッシュレス少しずつ減り始め ている 時代の到来は、コンビニの存在意義を揺るがしている。 実際、気になる れわれは現金をク殺す月日には、クック OQO が自らデ 1 タがある。セ つもりだ。現金を持ち歩来日してアップルペイを使ってプン銀行の くことは誰も好きではな山手線に乗車。その様子を、自 1 日 1 台当たりの いからだ」 身のツィッター上で公開し、アッ平均利用件数は、 2016 年川月、米アップルのプルペイの便利さをアピ 1 ルした。年度の 114 ・ 4 回をピ 1 クに減 テイム・クック ( 最高経営 責任者 ) は、米シリコンバレ 1 でセブン銀の少に転じ、新年度 は・ 8 回まで低 開催されたイベントで、現地メデ利用件数は減少傾向 ィアに向かってこ、 2 旦言した。 現金ニーズは残るか下したのだ。 アップルが推し進めるのは、モ セプン銀は莉 バイル決済サーピス「アップルペ 0@0 が来日してまで日本での用の多いコンビニ イ」である。を使い、アップルペイ普及に力を入れるのには 2 台置くなど、を増やる」と一定の現金ニ 1 ズは残ると 買い物や電車運賃の支払いなどが みる。 は、。の利用比率か高したことが主な要因」とするが、 できる いこともあるか、日本はまだまだ現金を引き出すニ 1 ズか減少傾向また、ファミリ 1 マ 1 トは最後 日本でのサービス開始直前の同現金大国で、市場を開拓できる余にあることは否めない。 まで現金を使うのは高齢のゆうち 地が大きいとみてい 経済産業省は年の来只五輪に よ銀行ュ 1 ザ 1 だとみており、集 るからだ。 向けて、キャッシュレス決済普及客装置としてのの利用価値 クレジットカ 1 ドの旗を振っており、消費者にそのは当面あると踏んでいる。 2 や電子マネ 1 など、便利さが広まれば一気に浸透する 坪という小空間で効率を追求 7 現金を使わないキャ可能性も秘めている してきたコンビニは、売れない商 0 2 ロッシュレス決済の比 キャッシュレス時代が到来すれ品を徹底的に売り場から排除し、 ア 率は片 % 程度。カ 1 ば、無用の長物になりかねないコ成長を続けてきた。もしも、現金ぞ ダ 1 ド決済比率が 4 割をンビニだが、あるセプンか使われない時代が到来すれば、 超える米国などと比銀幹部は「日本で現金は信用と同もまた売り場から消えるの週 5 べ、現金の利用頻度じで、消費者は現金を見て安心すかもしれない。 9 キャッシュレス時代到来で 問われる <}-äの存在意義 ニへ行く必要ありません V2 , 000 あなたのクレジットカードやプリへ 各国のキャッシュレス決済の比率 クレジットカード 0 デビットカード■電子マネー 0 現金など 日本 1 ・ 4 % 82.7 % 韓国 米国 2.3 % 英国ⅱ .4 % 39.9 % フランス .4 % 24.9 % 0.0 % インドー 6 % 31.6 % 0.3 % シンガポール 31.6 % 22.3 % 1.8 % 44.3 % 18 20 60 * 2014 年の民間最終消費支出に対する割合。米国、英国は電子マネーのデータなし。日本 クレジット協会の資料を基に本誌編集部作成 現金主義の日本 0 15.3 % 、 .0 % 69.6 % 74.7 % 65.5 %
SpeciaI Feature ところが、国家 の存亡をも懸けて 奪い合ってきた通 イ商におけるル 1 ル 米国がルールメーカーク辞任 , メーカ 1 の座が今、 史上まれに見るか 通商覇権の空白埋めるは中国 たちで次の国に渡 時の覇権国家は、あらゆる国際ルールを自国に有利な条件に変 えてきた。その最たる例が通商交渉た。ところが、通商史上まろうとしている 近年、中国が米国 れに見る劇的なルールメーカーの交代が今、起きつつある の通商覇権に挑ん キ 1 ジャンプ日本代表が った産業美叩によって高い工業力できたが、約 1 世 1998 年の長野冬季五を誇り、貿易で発展してきた英国。紀にわたって特権 輪で金メダルを獲得してその敵対国だったフランスの皇帝ともいえる地位を 以降、不振に陥ったのはル 1 ル変ナポレオン 1 世は 1806 年、英占めてきた米国が、 更の影響が大きいとされる 国経済に打撃を与えようと、大陸自らその座を明け 長野五輪の後、スキ 1 板の長さ諸国に英国との貿易を禁じる「大渡そうとしている のだ。わずか 1 年 に関するル 1 ルが何度も変更。そ陸封鎖令」を出した。 のたびに小柄な体形の日本人選手ところが、封鎖令で経済打撃を前には思いも寄ら には不利に働いたとされ、欧米の受けたのは大陸諸国も同じだった。 なかった意外な幕 陰謀説までまことしやかにささやその結果、ロシアが封鎖令を無視切れが訪れようと かれる。真偽のほどは確かめるべして英国との貿易を再開するなど、している。 くもないか、いずれにせよル 1 ルプロック圏にク穴クかあき出す。 その経緯の発端 一一 = 言は競技の勝敗を左右するほどさらに、大陸諸国が英国と同盟をは、第 2 次世界大 の影響力を持っことが分かる 結んでフランスと対峙したことで、戦直後の 1947 話のスケ 1 ルはまったく異なるナポレオン戦争の勝敗は決する 年に作成された、 が、国家間の通商交渉でも同じこ 自由貿易と保護貿易のイデオロ関税貿易一般協定 とがいえる。下図のように、通商ギ 1 代理戦争でもあった戦いに勝 (Q5<ee) にま で繁栄した国家と当時の覇権国家利した英国はその後、覇権を確かでさかのばる。経 は表裏一体の関係にある。通商ル なものにしていき、英国による平済のプロック化に 1 ルは国益を左右する重大事だ 和な時代、「パックス・プリタ一一よる保護貿易主義 そのが、英国とフランスの力」が訪れた。このように、覇権政策が戦争の原因 対立を軸とした四世紀初頭のナポ国家の変遷は通商ルールをめぐるになったという反 レオン戦争だ。絽世紀後半に始ま主導権争いの歴史と重なるのだ。省から、 c5<--qe 貿易 通商政策で世界が揺れ動いてきた 通商繁栄国家の変遣 21 世紀 20 世紀 1 8 世紀 反グローバリグローバリプロック経済自由貿易主義 セ、一ション ? セ、一ション 15 世紀 16 世紀 大航海時代 1 7 世紀 19 世紀 重商主義 0 オランダ 国 米 ポルトガル 英国 スペイン マプロック経済によるマ産業革命によって得 マ欧米での反グローバ マ世界初の株式会社とマ欧州各国が大西洋に リゼーション機運の高過度な保護貿易主義がた高い工業力を背景に される東インド会社を航路を求め、喜望峰ル まりや、米国が保護貿世界大戦を招いたとの自由貿易主義を展開。 設立するなど、世界規 ートのインド航路を開 易主義化する懸念によ反省から、自由貿易主大陸封鎖令などの保護模の貿易に取り組んだ拓したホルトガル、アメ って、中国が最大の通義が再興。その恩恵を貿易政策を取ったフラ ことで飛躍。ホルトガル リカ大陸を、、発見″して 商繁栄国となる可能性受けて、欧州から覇権ンスとのナポレオン戦から香料貿易の利権も植民地化したスペイン が急浮上 争にも勝利 が貿易で繁栄 を奪った米国が繁栄 奪った 国 中 6 4 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28
これに対して、「それがエコノミ繰り広げられている。経済が主と根強い の領土的な野心と地政学的な権益 ストの限界」との見方を示すのは、 いう見方では本質が見えなくな 昨年Ⅱ月、米外交誌に発は膨らみ続けている。 外務省日米安全保障条約課長などる」と警告する。 表された論文はこうした楽観論を 昨年末には、中国初の空母 を歴任したキヤノングロ 1 バル戦 一方で、そもそも米軍縮小を公吹き飛ばす。ナヴァロ氏らトラン寧」を軸にした艦隊が初めて、第 略研究所の宮家邦彦研究主幹。「現言していたトランプ大統領には、 プ側近が中国の周辺国への圧力に 一列島線上にある古海峡」を 在は四世紀末の帝国主義時代と酷中国と安全保障面で対立してまで対抗するため、軍を背景にし越えて西太平洋に進出、米軍およ 似しており、弱肉強食のゲ 1 ムが覇権を争っ意思はないとの見方もたレーガン政権ばりの方によるびその同盟国を挑発した。 平和」を追求すべし トランプ政権の誕生で、米中関 と提唱したのだ。経係は「疑心暗鬼」 ( 安井明彦・みず リのす 著示済のみならず、安全ほ総研欧米調査部長 ) の新ステ 1 自を 悩解保障でも米国側が強ジに突入する。 蛎気の対中政策を取る新ステ 1 ジで何より厄介なのが 艦 可能性は決して低く中国側の一大イベントだ。今年、 とウ高 の 中国は人事の季節を迎える。秋の 硬一常 強タ非 「中国は将来強大に共産党大会でエ疋される中国指導 中一が 対ピ性 空 なっても覇権を求め部の交代は、今後川年にわたる中 るの能 の す授可 国 ない」。経済成長を国の方向性を決めるとされる り教の 中 集 学争重視していた鄧小平権力基盤をより盤石にするため、 特 域 ウ大戦 → 、ア中氏は 1974 年に国習主席は弱腰外交を見せるわけに 也張 2 ニ米 退沙 る事島隊」 膨受ム はいかず、対外的にはいつも以上 ワで連でそう演説した。 ナ縮撤南せ ホフ中 の拠の「 支てす・人た、冫 る しかし、習近平国家に強硬姿勢で臨まざるを得ない。 速効立垣のし古 こ宮 主席は今、「中華民族「そこで米中関係が急激に悪化す 支洋ナ南支連を米配を実め 0 備 ト拠一彳域 ~ カ加 の偉大な復興」を掲る可能性が高い」。国際政治学者 な動たをを」出 し効フ進一模行し で窈ン砧全 ~ いお げ、覇権国への挑戦のイアン・プレマ 1 氏が率いる政 領分 ~ 島 半米諸一し島 ~ 留ン 」中 治リスク調査会社、ユーラシアグ = ' 一 = 一 0 「譖ポしわま。 2 、」。り 」 ( の少留諸駐ピ 第太 の島ら西駐グ ~ にリる南 上表の通り、中国ル 1 プはそう読む。米中衝突の発 , ( ンイあのの島毎島防空「西 ス沙ムりム「ピフこ海海諸諸、のてて はかねて米軍撤退な火点は台湾、尖閣諸島、北朝鮮、 0 ナーナナ少手に初めえ ン西ナ破ナけ丿し」 武 ラ「トをト受引受島シ、、着て国初越 ど「カの空白」がでそして通商問題だという。 「フけべ軍べをフを諸南 】南 ( 「に ~ 「全中がを 0 2 きれば、容赦なく支「 2017 年、世界は地政学的後 代代 代 代 年 ~ ~ 年年 年年 配地域を強権的に広退期に入る。第 2 次大戦後で最も→ 34 " 0 77 8 半 9 ダ げてきた。習体制で変動の激しい節目の年」 ( 同社 ) 。 その傾向はより顕著日本人も当事者としてこの戦争リ週 3 となっており、中国スクを認識しておく必要がある。 3 新華社 / アフロ 中国が「南沙諸島」のファイアリー・クロス礁に 建設した滑走路 REUTERS/ アフロ 2012 年 2014 年 習近平体制で勢力拡大が加速 2016 年 高まる 米中衝突 リスク 1 BIoomberg/gettyimages
、、 ART$Æ CON 、 TENTS トランプ米大統領が見る新世界一 地政学的「玉突き現象」マップ ) 2017 年 1 月加日、世界は混沌の劇変時代に突入した。の日、 落日の覇権国のトップに立ったドナルド・トランプ米大統領自 を最優先する彼力指揮する外交先に待つのは、弱肉強食のパワー ゲームたろう。歴史に学びながら、冷徹な現実主義に基づく地政学 , 的視点からトランプ後の世界を読み解いた。 本誌・片田江康男、鈴木崇久、原英次郎、山口圭介 / 本委嘱記者・大根田康塗」 ~ 一、、 ~ PROLOGUE P23 一地政学で学ぶ 日本人が知らない戦争リスク ・ P40 AR ー一世界覇権の鍵 , ~ 貿易源論融のゲームチェンシ こ玉突き現象続々 世界史の大転換が始まる 地政学的文脈で読む 日本が劇変世界と付き合う術 EPILOGUE P ち 4 27 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28
SpeciaI Feature 最年少ロシアウォッチャーが徹底解説 新華社 / アフロ * 未来工学研究所客員研究員の小泉悠氏への取材および同氏著の「プーチンの国家戦略」 ( 東京堂出版 ) を基に本誌編集部作成 実務家グループ アントン・ワイノ セルゲイ・キリエンコ セルゲイ・ラヴロフ セルゲイ・ショイグ アントン・シルアノフ マクシム・オレシキン アレクサンドル・ガルシカ 工リヴィラ・ナビウリナ サンクトへテルブルク人脈 ( サンクト派 ) 大学の同窓・市庁時代の同僚 ドミートリー・メドヴェージェア 大学の同窓・市庁時代の同僚 アレクセイ・クドリン 大学で博士号取得 ヴャチェスラフ・ヴォロージン 別荘村の隣人 ウラジーミル・ヤクーニン 柔道仲間 ロッテンベルク兄弟 ( 兄アルカディ、弟ポリス ) 今なお強い旧 KGB 系 皇帝を陰で支える軍・諜報機関 ・大統領府長官 外務省出身で日本語堪能。大統領府や首相府の儀典担当でプーチン氏に仕えナ ロシア連邦軍 ・大統領府第 1 副長官 旧ソ連崩壊後の 1992 年、ソ連軍の主力を継 元首相で原子力企業ロスアトム総裁。粛清されたネムツオフ氏に近くサプライズとも 承して成立。外的脅威への対抗機関 ・大統領補佐官 国家親衛軍庁 (FSVNG) プチン政権のイデオロー クライナ情勢なとで全体的なシナリオを描く、通称「灰色の枢機卿」 昨年 4 月、プーチン氏が武力機関の再編に関する ・外相 大統領令に署名し設立。内的脅威への対抗機関 対米強硬派。昨年 12 月、北方領土問題は経済協力や平和条約優先との姿勢を示す 対外諜報庁 (SVR) ・国防相 対外インテリジェンス機関 ( 旧 KGB 第 1 総局 ) 。 トウバというシベリアのアジア系少数民族出身。国防問題のキーマン 工作員は他国で積極的にスハイ活動を展開 ・財務相 連邦保安庁 (FSB) 工コノミストでロシア連邦政府付属財政大学財政・経済学部長も兼ねる 国内監視、テロ対策など ( 旧 KGB 第 2 総局、 ・経済発展相 国境警備隊など有力部局を集約 ) 財務省で長く働いた、高い技能資格のあるマクロ経済の専門家とされる 連邦警護庁 (FSO) 上 = ・極東発展相 極東振興が目的の極東発展省の第 2 代大臣。日ロ経済協力プランのキーマンの一人 大統領等要人の警護や秘密通信システムの運 用が主任務 ( 旧 KGB 第 9 総局 ) ・ロシア連邦中央銀行総裁 元大統領補佐官、初代経済開発相。 G8 諸国 ( 当時 ) では初の女性中央銀行総裁に 大統領特別プログラム総局 (GUSP) ロシア連邦政府の動員準備機関 ( 旧 KGB 第 1 5 総局 ) AP / アフロ ・首相 前大統領。プーチン氏とのニ人三脚で最も有力な政治家の一人として台頭 ・前副首相兼財務相 メドヴェーンエフ氏と対立し辞任するも、今年プーチン氏が経済アドバイサーに戻す 2016 年秋の下院選挙で与党が大勝。同氏の選挙対策によるものとされる ・元ロシア国鉄総裁 プーチン氏の最側近の一人だったが、経営手腕に難ありとされ事実上失脚 ・ SMP 銀行共同設立者 ユダヤ人の家系で、政権寄りの新興財閥を形成し、パイプライン利権を牛耳る をツーチン氏が地元のレニングラード州都サンクトペテルブルクで副市長など を務めていたとき、またはサンクトペテルカレク大学関係者で形成された人脈 しニングラード州の高級別荘村で、産業界の大物が 1996 年に別荘組合を設 。後に KGB 人脈と共にプーチン氏を支えるサンクト派の一大派閥に どうなる対ロ関係 ? 日米の対ロ関係キーバーソン テイラーソン氏は、経済政策上の理由からロシアを 敵に回すより味方に引き込もうという思想。ロシアと しては非常に歓迎。フリン氏も親ロ的といわれる 日本、ⅸ 国家安全保障会議 ( 議長は安倍首相 ) の事務局であ る国家安全保障局の谷内正太郎局長が、バトルシェ フ氏のカウンターバートとして対ロ交渉 2 大統領選挙以降、世間の 5 8 目はトランプ政権の人事 2 構想に向けられた。実は その陰で、大国ロシアでもク皇 0 帝。プ 1 チン大統領が大掛かりな ン モ 最高幹部人事のてこ入れをしてい ャ る事実を見逃してはならない。今 後の米ロ、日ロ関係に直接、大き週 な影響を与えるからだ。 今回、ロシア情勢に詳しい未来 工学研究所客員研究員の小泉悠氏 の協力を得て、本邦初となるプ 1 チン大統領を支える派閥別最重要 人脈図を作成した ( 上図 ) 。大別 すると、人脈、サンクトペ テルプルク人脈 ( サンクト派 ) 、 実務家グル 1 プの三大勢力になる。 このうち最も権力を持つのが 人脈だ。中でも、パトルシェ フ、ポルトニコフ、イワノフの 3 氏は「インナ 1 サ 1 クル中のイン ナ 1 サ 1 クル」 ( 小泉氏 ) 。クリミ アへの武力介入はプーチン大統領 と彼らだけで決めたといわれる。 系の諜報機関出身者や、 内務省・検察等の司法・治安機関、 軍など軍事・安全保障関連の省庁 の関係者や有力は「シロヴィ キ」と呼ばれる。方」を意味する 「シーラ」が語源で、プ 1 チン政 権誕生後、ロシアのマスコミで多 用されている言葉だ。 そんなシロヴィキ内に昨年 4 月、 7 / 01 /
む力や、困難を乗り越える強靱な 意志でつくり上げていく過程は、 選・評 感動的だ。生い立ちゃ、史咼時代、 高濱正伸 留学時代のエピソ 1 ドも、丹念に 花まる学習会代表 聞き出していて面白い。国の宝と はこ、つい、つ人材であろ、つ 育改革を語る人は多い。 そこに見えるのは、善意と熱意る』も熱い本である。それは全精 『そきる」を育む家づくり』は、 誰もが、自分が授業を受で良いことを始めてみても、いろ力を一冊に惜しげもなく注ぎ込む「脳と住環境 , を研究し、住まい けた経験や、わが子を預 いろな壁に押し戻される現実や、 著者の魂が感じられるからだが、 がど、つあるべきかを提案する書。 けている経験で、何事かは一一一口える パフォ 1 マンスや話題性で首長が取材対象である小林りんの情熱が 脳科学の知見などを基に、良い教 からだ。しかし、体を張り生活を改革をぶち上げても、継続性等の 読み手にも伝わってくるからでも育環境とは何かという視点で、住 懸けて改革に取り組む人は少数だ。 1 ドルの前に、やがて袞退してある。日本で初めての全寮制イン 宅の構造を見直している。独創的 はんとうの教育をとりもどす』 いく現実の厳しさである。根は真タ 1 ナショナルスク 1 ルである— であり、こだわりと研究精神に満 は、日本各地で話題になった幾つ面目で決まったことはちゃんとやを、一人の若い女性が全くちた市井の研究者とも呼ぶべき人 ・ 1 かの公教育改革を、何年にもわた ろうとする教師たちを、主役としのゼロから、出会いの縁を引き込物によるカ作である。 り、足と目を使って丹念に取材していかにやる気にさせるかが、改 O たカ作。ジャ 1 ナリストってこう革の要であると分かる。教育関係 いうものだよなと思わせられる情者必読の書であろう。 『茶色のシマウマ、世界を変え 熱にあふれている。 ブックレビュー と教は りん も育と ) 『ほんとうの教育をとりもどす を 0 生きる力をはぐくむ 授業への挑戦』 前屋毅著 ( 共栄書房 1500 円 ) 前屋毅 \ 体を張った公教育改革の現場 / 日本初の学校設立の感動物語 の冪 際色のシマウマ、世界を変える 日本初の全寮制 インターナショナル高校 AK をつくった 小林りんの物語』 石川拓治著 ( ダイヤモンド社 1600 円 ) 日本初の全寮制インターナショナル高校 AK をつくった小林リんの物語 石川拓治・ 子育て・教育 住空間と脳第田学 : ・ で、 ) v 」る一を 『きる」を育む家づくり』 脇田幸三著 ( 工作舎 1400 円 ) 入社 1 年目の 教科書 若手だけが 読むのはもったいない ! 部下育成 後輩指導の 必読書 ! 岩瀬大補 1 年目の 26 万人が読んだ新人もべテランも 仕事の教科書。 今日から変わる こん宿方にも第まれて、噌す . 、物宿下新・を行う方 ・・をんから子きんへのフレセントにも 一生使える 50 の指針 「仕事に取り組む姿勢」と 「実際にどう動けばいいのか」を 教えてくれる本 新人も べテランも 50 の指計 ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長兼 C00 岩瀬大輔著 定価 : 本体 1429 円 ( + 税 ) 978-4-478-01542-1 ◆ 50 点で構わないから早く出せ ◆会議では新人でも必ず発言せよ ◆敬語は外国語のつもリで覚えよ ◆苦手な人には「愡れ力」を発揮など 0 タイヤモンド社 81 週刊ダイヤモンド 2017 / 01 / 28
特集新地政学 中東の三大国の動き シリア情勢 で協力 狙うは中東の覇権 ! フスタン ウズベキスタン EU 加盟は諦めた。 イスラムで生きて いく。そのためには ロシアの力を利用 して、オスマン帝国 復活だ・・・ ! シリア情勢 で協力 中東各地に散るシーア派 を支援して地盤を固めよう。 その先にあるのはベルシャ 帝国の復活だ・・・ ! 核合意破棄なら イラン核開発加速 ! トルコ関係改善 ? アサド 政権 レバノン バレスチナ イスラエル 爆 援 アフガニスタン イラク国内の シーア派民兵 ヒスポラ / 、マス 援 支 垓合意 シリア反政府組織 ヨル ハキスタン 破棄して 経済制裁 強化 ? サウジアラビア 国 米 関係を 改善しようとの戦いに より協力するなら・ 米国とイスラエルとの関係 を改善して、イランを封じ込 めたい ! そうすれば、アラブ の盟主の地位を保てる・・・ ! 工リトリア イエメン 派カ 勢シ 一装一 ン武 援 支 撃 イランは今、イスラム教シ 1 アコ、東からはイランとい、つク一一大 派の盟主として、中東各地で影響帝国クが勢力を広げてくる悪夢の ような地図が見えているはすだ。 力を強めようと暗躍している。シ 1 ア派に近いアラウィ 1 派が大勢そんなサウジは、米国が宿敵で を占めるシリアやイラクでとあるシ 1 ア派国家のイランに付い たため、最近はロシアに接近して 戦うシーア派勢力、レバノンのイ いた。イスラム教の一一大聖地を国 スラム教シ 1 ア派武装組織「ヒズ ボラ」など、中東各地の同胞を、 内に持ち、中東のク首都クとして 陰になり日なたになり支援してい の立場を守ろ、つと必死の外交攻勢 るといわれる を見せていた。 しかし今年 1 月、イランに強硬 そして、衝撃的だったのは米国 のオバマ前大統領の歴史的決断だ。姿勢を取るトランプ政権が誕生し たことで、サウジを取り巻く環境 イランの復権に向けた国力増強に は再度、逆転することになりそう 大きく影響している 長年、米国はサウジアラピアをだ。サウジのサルマン国王は早速、 中心としたアラブ勢力とイスラエ「米国との関係は歴史的かっ強固 なものである」とコメントし、関 ルに付き、強大な軍劣を盾にイ ラン等の他の中東勢力を抑えて、係改善へ向けた秋波を送っている それによってアラブ諸国からの原 ただ、これまで中東の安定に寄 油の供給という実利を得てきた。与してきた米国が、オバマ時代に ところがオバマ前大統領は長年増してこの地から手を引くのは確 対立してきたイランと急接近。 実。米国という「安定装置」を喪 年 7 月、核開発問題に関して合意失した中で、それぞれに苦悩を抱 したのだ。 える中東の三大国が覇をつ、中 この合意は、ウラン濃縮活動を東三国志時代が幕を開ける。 8 一定以下に抑えるというものだが、宮家研究主幹は「オスマン帝国 2 事実上の核開発容認といわれる。 の領土の崩壊が、今再び始まろ、つ 0 7 経済制裁も解除され、イランの復としている。シリアのように、サ 0 2 ウジやヨルダンも混乱で国土を失 活に一気に弾みがついた格好だ。 ン モ このイランの動きに神経を尖らう可能性がある」と話す。 ャ せているのが、スンニ派の盟主で、中東は今なお、紀元前から続くダ アラブ諸国のリ 1 ダーであるサウ帝国の栄枯盛袞の延長線上にある週 3 とい、つこ A 」だ。 ジだ。サウジには」からはトル 6