最後の身分差別ー 子会社族寺の叫び SpeciaI Feature 0 3 ン モ ャ ダ 世の中にはさまざまな働き方があり、時にそのことから生じる弊害が問題視されてきた。しか週 し、これまで一切スポットライトが当てられてこなかった人たちがいる : 子会社族だ。 果ては心理的な領域に至るまで、 ぶ立場を任され、これは一見、出 あらゆる面で子会社は親会社の下世の早道でク名誉なことにも映 に位置付けられる存在ーー・ー。そんるが、給料は一切上がらない。 な実態が半ばク常識として、日子会社幹部は親会社からの出向 者で占められ「ガラスの天井」が 親会社に意思決定機関を支配されている子会社。ここに内在す本社会ではまかり通ってきた。 る禁断の格差問題に、誰も向き合おうとしてこなかった。そん冒頭の男性の会社は、約川年前見えている。一方で責任とそれに な闇を生きてきた子会社族のリアルな姿を白日の下に晒す。 に現在の親会社に買収、子会社化伴う業務負担が増えても、待遇に された。択と集中」の名の下、 は全く反映されない。この子会社 りかいの搾取クだ のは事のやりがい」という殺取引額の大きい法人顧客のクお得では構造的に、出世するメリット 新卒で大手損害保険会社し文句だ。「子会社は現場の最前線意様クを次々に親会社に奪われてが見いだせない。だから入社後 3 の「実社に入社した代を担う重要な存在」とうそぶき、 いき、今や「親玉に上流の金山を年で半数の人が辞めていく。 男性はそう理を叫ぶ。 士気を保とうとする。だが、待遇献上して、下流で砂金集めをやら現場の靄を尋ねれば、子会社 同じグル 1 プ企業で働くも月給が改善されることはない。 されているような状態」という。族の多くはせきを切ったように、 は親会社の約 7 割、賞与は半分以 いろいろな働き方がある中、今親会社からのク天下り役員はこうした↑な実態を口にする 下。親会社から出向中の社員と机日では非正規労働者の格差問題に「実ム社を見下し、本社側の方法論 周囲と数年いで就職氷河期に を並べてほとんど同じ仕事をして世間の目が向いている。だが、前を押し付けがち。一方でお上の親直面し、早慶レベルでも大企業に いるが、出向者は親会社の給与体述のような歴然とした待遇格差が会社の意向を、つかがうばかり、と内定できずに、子会社行きを余儀 いう「ヒラメ出向者」で溢れる。 なくされた学生も珍しくない。 系に基づく高待遇を享受する。子あり、不遇をかこちながら全く日 会社の社員 ( プロバ 1 ) か報われの目を見てこなかった人々がいる ある大手航空会社の「実ム社に勤そんな一群を生み出す子会社の ることはない。 その一群こそが「子会社族」だ めていた代女性は「ステップア基本的な定義は左ペ 1 ジ図の通り そんなとき、親会社の人々が待毎月の給料だけではない。年金ップの無理強いがあった」と訴えだ。ある会社 ( 親会社 ) が議決権 遇格差の隠れみのとして持ち出すから退職金、福利厚生や社内教育、る。若くして「現場責任者」と呼のある他社の株式の過半数 ( % ク 見過ごされてきた格差問題 闇を生きた子会社族の憂鬱 yuoak/gettyimages Part
子会社「族」のリアル 集 特 山積する問題 悪循環の仕組みと改善ポイント例 コーポレート部門 人員削減 コーポレートスタッフの脆弱化 どの程度されるべきなのか。これ拓が得意だからこの子会社」と決なっている」。佐野氏はこう警鐘上がっているという。 らを整理し直す必要がある 中期経営計画一つを取っても、 めるとは限らない。親会社で大きを鳴らす。 プロバ 1 社員の靄が著しくた な実績を残した人から、安定性や 国内の市場が縮小し、簡単に成「途中経過は見せてください , 荷 まっているとすれば、そもそも採収益性のより高い子会社に順繰り長できなくなってからというもの、かあったら相談してください」と 用時から、こうした「実社の意義に送られることが否めないとい、つ企業は少しでも収益を上げるため、親会社側に言われるが、実際に相 に対する「入社する側と採用することだ。 飽くなきコスト削減をしてきた。談してみると、「それはそちらが決 出向・転籍者の人選ミスをなく 経営企画や人事といったコ 1 ポめることでしよう」と突っぱねら 側の認識ギャップが大きい」 ( 山田 氏 ) 可能性もある。 すには、子会社の意義をはっきりレ 1 ト部門のスタッフも例に漏れれたりするというのだ。 ない。コストセンタ 1 として認識 これが、窓口となっている親会 親会社の社員の出向・転籍先のさせることで、個人の適性に沿っ 選定に関しても、足元では「親会た人事に努めるより他にない。 され、可能な限り人が減らされた。社の経営企画部員の個人的な忙し 社への貢献度の高さで決められる また、子会社のガバナンス体制結果、コ 1 ポレ 1 トスタッフはさから出た言葉なのか、親会社全 いろいろな業務を兼務するように体のスタンスとして表明された言 ことが少なくない」 ( 佐野暢彦・みを強化することも重要だ。「コ 1 ポ ずほ総合研究所経営コンサルティレ 1 トスタッフの脆弱性がもとで、なり、多忙を極めるようになった。葉なのか子会社側には分からず、 グルーブガバナンスが、それに関 そんな状況を前に、子会社から頭を抱えることとなっている ング部主席コンサルタント ) 。 つまり、「あの人はインタ 1 ネッわる人のパ 1 ソナリティ 1 や能力は、「親会社に何をどこまで期待し何事も規則化すればいいという ト分野に詳しいし、新規顧客の開などの属人的な要素に頼りがちにていいか分からない」とい、ユ尸がわけではないが、子会社のガバナ ンスの在り方がその時々の経営企 画の担当者などに一任されるのも 困りものだ。 買収して子会社化した企業にし ても、買収した直後は人の面でも 金の面でも当たり前にサポ 1 トす る。ただ 3 年後、 5 年後にどうす るのかは、事前には決められてお らず、あいまいなことが多い 「実社の存在意義は、定期的に 見直され、親会社と子会社の社員 で共有されてこそ意味がある。グ ル 1 プの総合力を生かしてグロ 1 バル竸争を勝ち抜くためには、子 会社に関わる親会社の各部署が連ダ 携しながら、グル 1 ブガバナンス週 を利かせる仕組みづくりが必要だ。 6 ・親会社 子会社ガバナンスに 関わる部門 親会社 営画 経企 部査 内監 各部署が 携し切れていないという 問題も・・・ 個人の 適性を考慮した 出向・転籍者 の人選 字会社へ 親会社の意向、 グルプにおける 方針の 子会社の役割、 ・第透徹を - 立ち位置の ぐ明確化》 正な 子会社数 子会社への 適切な 権限委譲 親会社への 不満、不信 子会社 業務の 成長 チャンスの 取りこほし プロバー 社員の 無気力化 非効率化 深まる 子会社の闇 使えない 親会社社員の 掃きため化
SpeciaI Feature も突然、子会社族の一員となる日会社を増やすことで組織 った」と悔やんでも後の祭り。結 局、 2000 年ごろにクラブ運営 か来てもおかしくないのだ。 ごとの力を弱め、親会社 5 群た 会社は他社に譲渡されてしまった。 大手スポ 1 ツ用品メ 1 カ 1 に勤から仕事をもらって働く ク親子ク同士の待遇格差は、気心 の追 める代男性は数年前、新卒採用子会社の人の立場を厳し を いものにしている」と指 で親会社から内定を得た。当然、 ↑ィー 会実 知れた " 夫婦の間でも繊細な話 題となり得る産業機械などを手 その中でキャリアを積むつもりだ摘する 子の たら ったが、 今年 1 月から子会社に半ここまで若手プロバ 掛ける大企業で、親会社と子会社 に夫と妻かそれぞれ勤務していた、 ば強制的に転籍させられたという。の子会社族から噴出する のき 広島旧雀住のある夫婦。夫は親会 「実社は親会社の国内事業を分靄に耳を傾けてきたが、 とて これ 社に長年勤務していたが、ある年 子会社という器において 社化して数年前に設立。プロバ , 一 = ( 見圧 から妻のいる子会社に出向した。 社員らと「グル 1 プが一枚岩で進は、親会社からク天下 - 、 を抑 会社のル 1 ルに従い浦歳を迎え む」ことを名目に、親会社からのりッする出向者にも苦悩 の々 日人て転籍し、親会社で定年を迎える は尽きない。否を持っ 出向者の多くが転籍を迫られた。 での 場合より退職金が減ることになっ 待遇は変わらないと説明を受けプロバ 1 社員と親会社と れ会 た。妻は「夫婦の間で、ク親子ッ関 こ親 たが、正社員といえども雇用面での板挟みとなる存在でも 係はデリケ 1 トな話題。夫に 歪女は拭えない。親会社側は子会あるからだ。 に敷かれていたという ク子みに移って悲しい ? とは聞け 社設立前に国内事業で早期退職を : 」との心境を明かす。 プロジェクトの決裁でも子会社 実施し、半数弱の人員が削減され出向者たちの苦悩 そんな子会社族たちの悲哀に満 社長の裁量は何かと限られる。さ たことがあ。た。その際、会社側限られる裁量 まざまな調整を進めた揚げ句、最ちた姿を見てきたが、今や経営面 が目を付けた人には何度も何度も口を出したがるク親 後に本社から抽象的な理由で案件で見ても、「実ム社の扱いを一歩間 ク面談し、退職を強く迫った。 そんな過去があるだけに、市場大手鉄鋼社の代男性は約をひっくり返されたときなどは違えれば、企業グル 1 プはとんで もないダメ 1 ジを被り得る。激震 が頭打ちの日本に業務範囲を限定 5 年前まで、子会社で社長を務め「子会社の悲哀を感じた」という。 に揺れる東芝が巨額減損を出した された子会社では、また人員削減ていた際、日々の業務の中で「親他にも、バブル直後に開業した、 が行われてもおかしくない。実際、会社からの変なガバナンスが横行グル 1 プの会員制高級スポのも、火兀は買収で手にした原子 1 ックラブに親会社から出向経験力の「子会社」だった。 国内事業は既に赤字となっている。しているのでは」と感じていた。 企業再編が国内でも活発になっ のある代男性。入会金が 100 例えば、本社側からは事前。 2002 年に『子会社は叫ぶ ( 筑摩書房 ) を著したノンフィク「子会社で賞与を何カ月分出す万円にも上るクラブの運営に際し、ている中、ある日突然、籍を置く か」と報告を求められた。親会社男性が難しさを感じたのは「親会会社が買収されないとも限らない。 ションライタ 1 の島本慈子氏は、 子会社の格差問題について「企業ではそもそも賞与の前提となる月社の役員がスポ 1 ックラブの経営そういう意味では、潜在的には全 は労働費を下げるため、子会社を給が高いが、さらに、「子会社は賞経験など全くないのに、いろいろてのサラリ 1 マンが「子会社族」 と口を出したがる」ことだった。 予備軍だ。あなたも決して、その つくって ( 親会社より ) 賃金の低与額の月数で親会社を上回らな い労働者を増やしている。また子い」という不文律がグル 1 プ企業「振り回されず信念を持てばよか例外ではない。
痴噴出 ! 子会社若手の覆面座談会 子会社で勤務経験のある加代の社会人 4 人に、その実態や本音を聞いた座談会。日本のビジネス界を 担っていく彼ら若手層からは、現場に渦巻く字会社あるある」のような不満や愚痴が次々噴出した。 ーー字会社」で勤務経験のある一当時は慶應大生でも大企業から内一つていて、入り方 皆さんですが、実際に働いてみて定を得られず、かといってべンチ一が大事になってい 感じたことを聞かせてくたさい ャ 1 企業は危険な香りがする。結一るじゃないですか まず給料を上げてほしい 0 て果的に大手消費財メ 1 カーの子会一子会社社長は常 ことですね。 社に入社しました。 に親会社からの出 < 早速始まったよー すると ( 親会社から子会社に ) 向者です。上から上 それはともかく、僕は周りの出向してきてる人が多くて、ど一 2 番手、 3 番手な献 社員と比べても、がんがん仕事をれだけ頑張っても追い付けない壁ら子会社採用のプ していきたいタイプだと思ってい がある現実に突き当たりました。 ロバー社員でもな 金 ました。ただ、就職氷河期の中で日本企業は採用が入り口戦略になれる可能性はあり納 ますが、行けても上 親 そこまでですね。 当然、本社側の親 人事方針などもあ るのだと思います が、そういう会社 人事の在り方に個 人的には不満を感 じています。転職 活動も視野に入れていましたが、子会社で ) 交流は特になかったな。 ひとます希望していた国際部。 リこ月 1 回、役員が親会社の人につる 行けたので、 1 年間は頑張ってみし上げられるぐらい ( 笑 ) 。 よ、つと思っています。 そこはだいぶ違いますね。、つ < 私がいた会社は、 ( 親会社とちの会社の場合、親子間の折衝も 子会社からの利益吸い上げシステム 営業利益で子会社をランキング化 従業員数に応じ、子会社から「グループ 運営費」という名の“上納金″を徴収。 子会社にとっては販管費の重荷となる ライバル関係 子会社 A 子会社 B 子会社 C 子会社 D 上納金がなければ・・ 1 週刊ダイヤモンド 2017 / 02 / 1 1 36
子会社「族」のリアル < 全然、出てない。経営会議に 襲のリソースを活用しうふ、つになりますが、やつばり上海外駐在すれば赴任手当も出る 呼ばれるのは私がいた子会社だけようとする中で : 天下りも同 ( 親会社 ) がいると、ばんばんスので、給与差を努力で埋められる で孫会社は対象外。取締役以上が 時に起きたということですね。 ピ 1 ドを上げて、という形でプロ部分もありますが、やつばり所属 ローテ 1 ションで出るけれど、業 O それが現場では弊害となってダクトは生み出しにくいですね。 は変わらない。いずれは必す差を 績が悪いときなどは指名される。 いたよ、つです。僕が子会社を辞め 親会社側には「グループ会社だっけられるので、そのときに転職 一番数字を分かっているから「今オ彳 ( こ麦よ、あるときから役員が一斉からシナジー ( 相乗効果 ) を図っしようと考えています。 回は常務が来い」といった形で。 に親会社の人に様変わりしました。ていこう」という文化がある。親 合コンとか含めて、対外的には O 人事的な話で電っと、被害を < それで思い出したのは、前職会社が出しているサービスに沿っ親会社のプランドを名乗るわけで 直接受けてはいないのですが、営の入社時には従業員の約半数が親た広告では、対象者が限られて逆一すよ。でも細かく見ていくといろ 業部隊に昨春、親会社の部長クラ 会社の出向者だったけど、「コミ捨に効果が薄くなってしま、つのが実 いろ違、つ。悔しくて、「このままじ スの人が子会社に下ってきて、失て場」のようになっていたことね。態なのですが、大方針も老してや終われない」とは思っています。 敗を現場になすり付けるという不私は親会社が広告系の案件をユ 1 ザーにメリットの少ない親会 o 逆に僕は ( 災叩なので ( 「実ム社 満を内部から聞きました。親会社 代理店に通す前、一度今の子会社 が持っている広告分野を強めよう に入ってくる、という場所で仕事得ない。それは親会社が上にいる観視するタイプでした。スキルを からこその大変さだと思います。 伸ばせるならいいかなって。 がたくさん入ってきたそうです。 親会社を訪ね、提案しに行くので ただ、こちらで作った提案書な 、・ 0 、 , 」。 0 0 一属は変わ、りす一 0 」、、」 0 0 0 」、 る感じがあります。 努力で埋まらぬ差納得いかない点ではありました。 < あれは本当にむかっくよね。 もともとべンチャ 1 にいたので ( しすれは転職も すが、そのときの平均年齢は非常 O 例えば親会社の大手広告代理 に低かった。一方、今の親会社は O メ 1 カ 1 勤務のさんは、こ店と一緒に進める案件があり、僕 年齢層が高く、堅い社風もあってういう話を聞いてどう思います ? らが提日を作る。すると親会社 帰宅時間が早い。こっちは働いてとても動きが速いですよね。 の人だけがわれわれの作った提案 いて、しかも大事な案件なのに担 ( 同じ子会社というくくりでも、ネ書を取引先にプレゼンしに行き、 ョ畆第がも、つ帰っている、とい、つよ ットビジネスのべンチャー系企業同席はできません。理由の一つに 、つなことが結構あります ( 苦笑 ) 。一と、メーカ 1 系の保守的な人が多子会社だから、というのがあった さんの会社はべンチャーと いところでは全然違うなって。 ようです。向こう ( 親会社 ) の手 して創業して数年後、今の親会社 ~ 僕の会社では皆、本社側に気を柄にしたいのでしよ、つね。 に買収されていますよね。 使っている感じがすごくあります。 < それで案件を落としたら営業 そ、ついう意味では、スピ 1 ド 子会社社員の給与は親会社の大体力ではなく、私たちの提案書のせ 感も親会社に左右されているとこ 9 割。だいぶ差が縮まる流れには いにするやつもいる。なんか愚痴 ろがあります。べンチャ 1 だったありますが、べースが下がると年というかク子会社の闇 % って感じ。 らすぐあれもこれもやろう、とい 金などの格差も出てきます。 話しだすと止まらないね。 っ 39 週刊ダイヤモンド 2017 / 02 / 1 1
SpeciaI Feature 待遇格差の是非 親会社社員が子会社出向 時、親会社の給与体系が 適用され、同じ仕事をしていて も、待遇で子会社のプロバー社 員を上回るケースがほとんどで す。この待遇格差についてどの ように考えますか ? 今な 同じ仕事をしているのなら待遇も 子会社の社員の方が仕事 にに 同じなのが当然。子会社の社員の もよくできるのにおかしい 見く、 モチベーションが下がる原因た て 同一労働同一賃金に反 するあしき習慣 化学 40 代・男性・非管理職 化学 50 代・男性・管理職 不満・疑問噴出 待遇格差はおかしい派 下手をするど、親方風″を吹かすだけ で、現場の能力を熟知しないい意思 疎通″のできない人材育成につながる 鉄道 30 代・男性・非管理職 仕事ができない人が移籍 せず、親会社の待遇で楽な 子会社で働くのはおかしい 実際、プロバー社員 の方が仕事をして いるのにおかしい 定年退職 60 歳以上・男性 40 代・男性・管理職 40 代・男性・管理職 = VS ヾ , 人脈、業務の習得スビードに差 がある場合がほとんどだから 待遇格差は当然派 ( 待遇差があるのを ) 分かってい て子会社に入社するのが悪い 仕事は同じでも、 能力が違う コンサル 20 代・男性・非管理職 納得だ 親会社の社員は、転勤が あったり地域を限定しな いなど働き方が異なる 0 化学 40 代・男性・管理職 果たすべき役割 ( 義務 ) と報酬はそれそれ異なる 60 歳以上・男性・管理職 * 54 ページと同じアンケートでの回答 納得はできないが仕方ない。出向たか らと突然給料を下げられては、出向者 のモチベーションをキープできない 不動産 50 代・男性・管理職 メディア 30 代・女性・非管理職 子会社のプロバー社員とは 経験、責務に雲泥の差がある 60 歳以上・男性・その他 工ンジニアリング 50 代・男性・管理職 なんともいえない ( 子会社は ) 親会社からの おこほれで仕事をしている 待遇格差歩み寄り派 ( 雇用されている ) 親会社のノウハウの提供、 親会社との関係を円滑にす 会社が別であれば るというような出向の立場 格差が生じても仕方 で子会社に貢献している ないのではないか メディア 40 代・男性・管理職 コスト低減のために子会社 をつくることは結構ある 60 歳以上・男性・役員、経営者 出向の理由による 60 歳以上・男性・非正規社員 社団 50 歳以上・男性・管理職 60 歳以上・男性・その他 週刊ダイヤモンド 2017 / 02 / 1 1 56 に聞く !
SpeciaI Feature 4 企者レ しないのと同様に、子会社といえ 6 外任ナ員 内責本会 ども別企業。親会社のカルチャ 1 国の日会 / 発。学は全く通用しないと心得るべし。 し開職ト ろ材現ン そして、具体的なコミュニケ 1 シ ひ人、メ ョン法として山口氏は、「部下の 子会社では、成果を出したい親会社上司と、それを疎ましく思 ン ち事任ネ モ 宅チベ 1 ションファクタ 1 』、 ぐ人歴マ うプロバーたちの対立が、しばしば勃発するという。親会社上 ャ までをジ 司がプロバーたちともめないためには、どうしたらよいのか。 わば、やる気を出すクツボツを的 や業等ッ 確に把握し、それに合わせた対応週 代を目前にして、キャリ ひ心得ておきたいところ。しかし会社上司」と山口氏。子会社でもをすることですーとアドバイスす アも終盤、 A 」い、つ A 」き」に、 ながら、なぜ親会社上司はプロバ 自分の手腕を発揮して成果を挙げる ( 左ペ 1 ジ上図参照 ) 。モチベ 1 から疎まれてしま、つのか 1 ションファクタ 1 は大き / 、分け・ 突然「子会社に行け」と ようとする。一見、毎日暇をつぶ 言われたら : ・ ます . は、ク 親会社の人間クとい すことだけを考えているような親て六つ。例えば部下が「目標達成 中局年世代が子会社に行く場合う立場そのものが、すでに反感を会社上司よりもはるかにまともな型」なら、レベルが高い仕事にチ は、往々にして部長以上の重要ポ買っていることを自覚すべきだ。気がするが、このタイプは「これャレンジさせるといった具合だ。 ストが用意されているケ 1 スが多 ハ 1 ト 1 では、主にプロバ 1 たちで俺は成功してきたんだ」とい、つ逆に、ライフ・ワ 1 ク・バランス いのだが、 会社から来た上司、 の靄や愚痴を紹介したが、彼ら自負が強過ぎるのが問題だという。 に一番重きを置く「公私調和型」 ク親会社上司が、プロバ 1 部下が親会社に対して、いかに敵対心「部下とのコミュニケ 1 ションも に同じ対応をすると、「定時に帰れ ともめるエピソ 1 ドは枚挙にいとを募らせているかがお分かりいた『俺の言うことを聞いていれば間 ない」などといった靄が出る可 まがない」と話すのは、人事・人だけたのではないか。特に、高学違いない』と言わんばかりのトッ能性かある 材開発に詳しいリプ・コンサルテ歴かっ氷河期就職組などで「俺はプダウン型になりがちで、プロハ 荷で若いやつの機嫌を取らなき イング組織開発コンサルティング本来、子会社にいるよ、つな人間じ 1 からは霈そうにするな ! 』と ゃいけないんだ」とい、ユ尸も聞こ 事業部長の山口博氏。「子会社でプやない」というような、強烈な反感を買ってしまうケ 1 スが多えてきそうだが、最近では子会社 ロバ 1 とトラブルを起こし、簡題「親会社コンプレックス」の持ち い」 ( 山口氏 ) 。定年後の地域の活で成果を出し、親会社の経営陣に 動で、偉そうに踏ん反り返って、返り咲く事例も少なくない。当然 児』のレッテルを貼られる親会社主には要注意である 上司もいます。そんな人たちは、 女性たちに疎まれる元管理職のシのことながら、プロバ 1 たちとト ラブルを起こせば、成果を出すど 子会社をたらい回しにされた揚げ 子会社といえどもニア男性のケ 1 スとそ。くりだ。 句、改善の余地が見えなければ閑 子会社で成果を出したい親会社 ころの話ではなく、今度こそク掃 親会社の価値観は 職に追いやられ、暗に自主退職を 上司が、プロバ 1 部下たちとうまきだめク行きかもしれない。蜷土 一切通用しない くやっていくにはどうしたらいい 重来を期するにしても、サラリ 1 促される悲惨なケ 1 スも」 ( 山口 原因はもちろん親会社上司の方のだろうか。「まず、プロバ 1 にとマン人生の最後にひと花咲かせる 氏 ) というから、親会社上司にと にもある。最もトラブルを起こしって自分はよそ者だということをにしても、ここは年長者の余裕を って「実ム社での振る舞いは、残り の会社員人生の幸福度を決める重やすいのが、「親会社でバリバリ や自覚すべき」と山口氏。定年後の見せて、プロバ 1 とうまくやる方 要なファクタ 1 であることを、ぜってきた、いわばクやり手クの親社会で会社員時代の価値観は通用法を模索するのが賢明といえよう。 親会社から来た上司必読 ! 「プロバー部下のトリセッ」
特集子会社「族」のリアル 十ラッ 親会社からすれば使わなけれ ばならない、生かさなければな らない。子会社からすれば言う ことを聞かなければならない、 やりたいことができない。双方 に常に制約が付きまとい、合 理的な競争原理が働かない 不要論 小規模な会社は経営が厳し く、どこかの傘下に入って生 き延びようとすることが多い ので、子会社は必要不必要以 前に存在してしまうもの 緊張感に欠け、自主独 立性がない会社になる 職 理 性 男 代 0 3 食品 50 代・男性・管理職 ッ VS 自動車 50 代・男性・管理職 仕事はそこそこでよいと いう人たちにとっての受 け皿としては必要 エキスパート集団としてつく った子会社なら賛成。退職者 や肩たたきされた人の雇用の ためにつくる会社は要らない 親会社が仕事を子会社 に丸投げしていること が多いように見える 40 代・男性・非管理職 30 代・男性・管理職 定年退職 60 歳以上・男性 、必要論 親会社のポスト競争 に敗れたが優秀な人 会社の事業領域の最前線に 立って、市場や取引先の実態 材の受け皿、または敗 に機動的、柔軟に対応し得る 者復活のチャンスを のは小回りの利く子会社 与える場として必要 経験者 子会社の存在意義と 日本企業や日本経済が成 長していく上で、子会社の 存在は必要たと思いますか ? インフラ 40 代・男性・管理職 保険 40 代・男性・管理職 0 親会社と同じべクトルを ( 大企業の傘下にない ) 持ちながらも、より専門 中小企業よりは安定して 性が高く、小回りの利く いるような気がする 所帯として、必要な存在 親会社からの出向経験者 子会社プロバー経験者 財団 50 代・女性・その他 30 代・女性・非管理職 親会社ではできない、リスキーな 仕事を柔軟に行うためには必要 表面的な改善を図るより も、現状の納得感を高め る方が建設的 親会社からの出向 者に責任の重い仕 事をさせるべき 公務員 60 歳以上・男性・非正規職員 30 代・男性・管理職 金融 40 代・男性・役員、経営者 そのアロジェクト 進めましよう " ・ 待遇格差の 本当に同じ仕事、同じパフォーマ ンスであるなら、当面の目標を定 め、少しずつ改善していくべき 解決策を進言 ! 親会社からの出向者が人格面も含めた 仕事力の向上を不断に図り、同じ仕事 をしても賃金に見合った成果を出して いると周囲から認められることが必要 コンサル 50 代・男性・管理職 一見、同一労働に思えても、厳密には 異なる場合がある。仕事内容が本当 に同一なのかをはっきりさせるべき 化学 60 歳以上・男性・非管理職 電機 50 代・男性・管理職 lllustration by Yuuki Nara 57 週刊ダイヤモンド 2017 / 02 / 1 1
そこで、私がいた子会社の幹部させたがっていた。月末まで在籍 が親会社側に問い詰めると「実はしていると、その人がいないのに その通りです」と認めた。最終的 --: 納金を翌四半期も払わないとい に、親会社側は「他のグループ会一けなくなるから。 社には内緒にしてほしい」とした O 闇は深いですね ( 笑 ) 。 上で、私の会社の上納金もドげる ~ < 本当にむかっくよね。新卒の ことにした。でも上納金の仕組み ( 合斗は、親会社より 2 万円ほど少 自体、一般社員は知らない。 なかったけど、•-: 納金がなければ O 明かしましよ、つ , 子会社の方が数万円多い、という 社内でも主納金」と呼ぶの一ことになるわけで。 ですか ? 現場社員がこの実情を知らす < グル 1 プ運営費、という名前 ( しているとは : も、つ一言っ になっていたね。またグループ内たら暴動が起きかねないですよー で営業利益順に子会社がランキン ~ < ちなみに子会社は営業赤字。 グ化されていた。グループ運営費それでもグル 1 プ運営費を払わさ は販管費として営業利益から差しれていた。一方、孫会社は黒字で、 正社員 1 人当たり、月 7 万円ほど 引かれるので、上納金が を親会社に献上しなきゃいけない、 多いほど業績の重荷にな そんな決まりがあった。 る。親会社から収益状況 ただ、それは交渉によって若干、について突っ込まれたと 下げることも可能だった。とい、つ きに「グル 1 プ運営費が のも、ゲ 1 ム開発の別の「実バ社が なければ、こんな順位で グループ内では収益的に重要な存 はなかったのに ! 」とい あるだろ、つし、社長が親会社から在で、その会社があるとき親会社 、つ歪は、子会社の層 来るのは理解できます。ただそう に「上納金が多過ぎる」と文句を部の中にはかなりあった。 なると、今の会社にいる限り出世言って献上額を下げてもらった。 O それだと人数が多い に限界が見えていて、この先どう うちの会社も、それまで上納金ほど、負担がかかること していくか迷いもあります。 は絶対に下がらないと聞いていた になりますね。 < 大きな人事交流こそなかったのに、»-* ( 新規上場 ) を目指 < そう。四半期末の従 けれど、親会社と子会社の社長同している中でやりとりのあった関業員数によって、翌四半 士は大猿の仲だったな。親会社に係者から「あのゲーム開発子会社期の上納金が決まってい もつけを献上するク上納金みみた は上納金を下げてもらったみた たから、例えばに月末で いな仕組みがあってね。基本的に はなノ、、ー孑 い」という情報が後で入ってきた。 の退職に A / 元ネット広告大手の子 会社勤務・ 20 代女性 B / 大手携帯キャリアの子 会社勤務・ 20 代男性 C / 元大手広告会社の傘下 企業勤務・ 20 代男性 D / 大手消費財メーカー子 会社勤務・ 20 代男性 37 週刊ダイヤモンド 2017 / 02 / 1 1
特集子会社「族」のリアル 懶第学 ' 簽第観 7 割以上が子会社は「必要」との認識 Q5. ◎ 123RF 経営層ほど子会社が「必要」 % 乃 日本企業や日本経済が成長していく上で、 子会社の存在は必要だと思うか 必要だと思わない 分からない・ その他 74.2 % 68.4 % 13.3 % 65 会社内の立場別では・・・ 15.5 % 60.4 % 59. 。 60 71.2 % 55 必要たと思う 役員・正社員正社員非正規その他 経営者 ( 管理職 ) ( 非管理職 ) 社員 「おかしい」が半歩リードもほほ拮抗 子会社社員は待遇格差に不満 【 0 。 0 親会社社員が子会社出向時、同じ仕事の場合でも 待遇でプロバー社員を上回るケースがほとんどたが、 プロバー社員との待遇格差が生じることをどう思うか 分からない・ その他 Q6. 52.2 % 45.5 % 13.6 % 勤務経験別では・・・ 35 33.7 % 44.5 % 待遇格差が 生じるのは 当然た 30 待遇格差が 生じるのは おかしい こ 41.9 % 子会社・関連会社親会社から親会社から プロバー社員転籍した 出向中の 子会社社員子会社社員 アンケートの概要 【調査手法・期間】 【回答者の基本属性】 アンケート作成ツールのサーベイモンキーにより、 2017 年 1 月 1 2 ~ 1 6 日の回答者の年齢構成は、 20 代以下が 3.5 % 、 30 代が 1 1 .7 % 、 40 代が 24.9 % 、 50 代が 33.9 % 、 60 代以上が 26.0 % 。また会社での立場の構成は、正 5 日間でインターネットによるアンケート調査を実施。 社員 ( 管理職 ) が 33.5 % 、正社員 ( 非管理職 ) が 28.6 % 、役員・経営者が 【調査対象】 22.4 % 、その他 ( パート・アルバイト等 ) が 1 1 .4 % 、非正規社員が 4.1 % 。 本誌の読者とダイヤモンド社のポータルサイトであるダイヤモンド・オンライ ンの会員を対象に実施。合計 1 160 人から回答を得た。 在」と回答。親会社の手足となっ てこそ「安定」が担保される、と いうことなのかと勘繰りたくなる。 そのほか、「親会社より給与など の待遇で劣りそう」 ( ・ 2 % ) 、 「親会社の出世レ 1 スから外れた 社員の受け皿」 ( 料 ・ 1 % ) 、「仕事 の不出来な社員の出向・転籍先」 ・ 2 % ) と続き、全般的に態 い」イメ 1 ジが強いことか分かる。 円グラフで一小した残り 4 問は、 結果の出方が 2 タイプに分かれた。 雇用形態への価値観を聞いた「ど の境遇が幸せだと思うか」 ( ) では親会社採用の正社員が・ 0 % と他を圧倒。「子会社の存在は必 要か」 ( ) との問いでも「必 要」との回答が 7 割を超えた。 一方、企社員を解雇しやすくす べきか」 ( ) 、「フロバ 1 社員と の待遇格差が生じることをど、つ思 うか」 (CC) では意見が割れた。 では「解雇しやすくすべき だと思う」 ( れ・ 3 % ) が 5 超 「思わない」を、では「待遇 格差が生じるのはおかしい」石・ 2 5 % ) が 2 ・ 6 「当然だ」を上 0 回ったものの、いずれも差は大き 0 2 くない。 ン モ 子会社は安定しているが親会社 ャ の言いなりで、待遇が悪いものの 日本経済には必要。これが日本人週 に共通した子会社観といえそうだ。