トランプ氏 - みる会図書館


検索対象: 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7
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1. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

世界政治・経済 2017 米ロ接近で変わる勢力図 混沌へと向かう未来 2017 年の焦点 1 ガン政権時代のキ 4 ャッチフレ 1 ズで、 レ 1 ガン流外交を想済 経 起させるキ 1 ワ 1 ド 東 だ。トランプ氏の外 刊 週 交顧問であるピ 1 タ ・ナヴァロ氏らも 外交専門誌に寄稿 5 2016 年肥月日には、国務長かではない。 し、レ 1 ガン政権時代の「カによる 後まで難航した国務長官人事 がよ、つやく固まり、トランプ官に石汕メジャー、エクソンモ 1 ピ みずほ総合研究所の安井明彦・欧平和」路線に回帰すべきだと説いて いる ルのレックス・テイラーソン米調査部長は「国防長官に就くマテ 次期政権の新閣僚の顔ぶれが出そろ った。 もつ一つが、ニクソン大統領時代 イス氏は日本では『狂大マティス』 ( 最高経営責任者 ) を起用するとト ランプ氏が発表した。政治・外交経と報道されてイメ 1 ジが悪いが、能の国家安全保障担当補佐官だったへ 新しい財務長官にはゴールドマ / リ .1 ・ キッシンジャ 1 流の現実主 ン・サックス出身のスティ 1 プン・ 験のないビジネスマンが世界最大最力のある軍出身者を登用していて安 心感がある。むしろ、トランプ氏本義外交の流れ。トランプ氏は、ニク ムニュ 1 チン氏が、国家経済会議強の国の外交を預かる。 地方の白人男性労働者らの熱狂的人がどちらに向いているのか、読みソン時代に極秘訪中と米中和解を成 ( ZQO ) 委員長には、同じゴ 1 ルド にくいことが一番の問題」と話す。 し遂げたキッシンジャ 1 氏に何度か マンのゲイリ 1 ・コ 1 ン 000 ( 最な支持を得て当選したトランプ氏だ が、閣僚候補の顔ぶれを見るかぎ トランプ新政権の外交・安全保障面会している。現実主義外交はレ 1 高勢打責任者 ) が選ばれる見通しだ。 ガン政権が登場するまでの、 0 0 り、むしろ富裕層を重視しそうだ。政策を読み解くうえでの手掛かりが 一方、外交・安全保障分野では、 いくつか存在する トランプ氏自身が営むビジネスとの 年代の米外交を特徴づけた。 国家安全保障担当の大統領補佐官に 白鴎大学経営学部の高畑昭男教授 利益相反の疑いも浮上する。インフ 「米国の外交政策の中心につねに 前国防情報局長のマイケル・フリン は「米保守政治においてこの二つの くるべき一一一つの非常に重要な言葉が 氏、国防長官に元中央軍司令官のジ ラ投資や大規模減税で当座の景気は 上向くかもしれないが、長い目で見ある。それは Pea 工 1 ムズ・マティス氏が選ばれた。 ると、トランプ氏支持の有権者らが ce Through Str 求めた雇用の回復につながらない可 ength ( 力による トランプ外交の特徴は 平和 ) だ」 能性がある ロシアに融和的な点 年 9 月にフィ 米ロ接近時代の到来 ラデルフィアで行 レーガン流外交が理想 テロとの戦いを優先 われた外交演説の だが、現実主義路線か 主要閣僚人事が明らかになった冒頭、トランプ氏 が、トランプ新政権が具体的にどんはこんな一言で話 外交とピジネスを混同 な理念と戦略を掲げて外交・安全保を始めた。これは 日本に危険な事態も 1980 年代のレ 障政策を行っていくのか、いまだ定 大予測 米国・政治 = 一一一 トランフ氏は台湾の蔡総統と 電話会談。いきなり「 1 つの 中国」原則にこたわらない姿 勢を見せた

2. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

特集 / 2017 年大予測 1 ドとしてます挙げられる。半生をも誇示している。選挙戦の最中に行 しかしその後、次期副大統領マイ った。それは、経済のグロ 1 バル化 彩る言動の数々から、トランプがナった外交政策演説でトランプは「米ク・ペンスに舞台上から直訴した黒で敗者となり、凋落した地方の白人 ルシシストの典型であるとする言説国はもっと予測不能にならなければ人俳優に対し、「次期副大統領がハ層の怒りであり、自分たちがまもな は米国の心理学者の間で一般的だ。 ならない」「敵に手の内を見せては くマイノリティグループに転落し、 ラスメントを受けた。謝れ」とツィ トランプのナルシシズムは、そのならない」と叫んだ。 ッタ 1 で恫喝するなど、トランプは国の形が激変するという近未来への 極度の「自己露出」に表れている。 人格の外観において目まぐるしい変白人層の歪女である。 じっとしている トランプは若い頃から芸能誌の寵児 経済的にも心理的にも余裕をなく 化を見せ続けた。演技者トランプは ことのない「発電機 であり、自分のゴシップを自分で売 さまざまな顔を併せ持っている した白人層の目には、ポリティカル り込んだこともあったらしい テレビのリアリティ番組で一世を コレクトネスはマイノリティばかり トランプが本気とも出まかせとも しつ ) ) く トランプは、自著の中で自らを「劇風靡した。エンタ 1 ティナ 1 としてつかない数々の公約を打するのかを大切にするための桎梏と映り、 の本質を有しており、予測のできな 画の造物主」と位置づけたように、 どうか、不透明な部分が多く、政策「私はポリティカルコレクトネスを 「トランプワ 1 ルド」の主役であり 筋書きのないドラマを演じてい 体系はなお内部構造の見えないプラ 拒否する」と宣言して人種差別と反 続け、その役回りによって世界を巻るという感覚があるとみられる。 ックポックスと化している。ただ、 イスラム、反移民、女性蔑視の毒舌 き込もっとする。自らの建造物や商 それに、予測不能性はナルシシズ 「トランピズム」とは予測不能なを繰り広げたトランプの姿にカタル 品にことごとく自分の名を冠するの ムの一端でもある。 シスを覚えた。 「トランプ中心主義」であり、そこ は、商標の絡むビジネスの一環であ ナルシシストは豹変する。それ に政治イデオロギーはほとんど意味 ナポレオン・ホナバルトのように る一方、神のように世界に遍在する は、理性的というよりも情緒的な満を成さないという点は押さえておく 連日 354 時間の短い睡眠でも平気 自己を演出する試みでもある 足感を求めているからで、そのため必要があるだろう。 で動き回り、未明の時間帯に重要な ナルシシストは、自己をこよなく なら、苦痛を覚えることなく、立場 トランプの大衆扇動の能力は瞠目 知らせをツィッターに投じる。およ 愛するだけでなく、他者に対してもをがらりと変えることもある。 すべきものだった。 そじっとしていることのない多動的 自分への愛と惜しみない賛辞を要求 もともと父親とともに民主党に属 トランプの勝因は、大衆の怒りと かっ熱狂的な人物で、「発電機」と する。もし称賛を得られなければ、 していたトランプは、共和党支持者歪女を徹底的にかき立てたことにあもあだ名される超人的な男である 今度は執拗に周囲を揺り動かそうと となり、その後、第 3 の政党の大統 怪人トランプは、強い米国を求め する。「無視されるよりも悪評の立領予備選に加わったかと思うとすぐ る大衆運動の波に乗り、オルトライ 5 何よりも「ピジネスファ つほうかよい」というのは有名な に撤退した過去がある。 トと呼ばれる白人至上主義の極右勢 1 スト」で臨む 「トランプの定理」で、トランプは 大統領選に勝利した際の未明の演 力も引き連れてホワイトハウスに乗 無視されることを極度に嫌う。した説では、暴言王の面影をかき消し、 り込む。米国は新たな「熱病の時 0 。極度の「自己露出」に がって、世界を驚かせ、さらに賛辞威厳のある国父のような面持ちで、 代」を迎えた。 済 ナルシシズムが表れる 経 を受けるために、トランプは意表を醜悪な泥仕合を演じてきた相手であ 洋 東 突いた行動に出る。その結果、リスるヒラリ 1 ・クリントンの健闘をた ドランプ中心主義に政 さとう・のぶゆき・ 1960 年生まれ。時 事通信社のハンブルク支局、ベルリン支局、週 クが増大しても構わない。 たえ、彼女をねぎらい、国民。治イデオロギ 1 はない ワシントン支局などで活躍。年から現職 トランプは自らの「予測不能性」 に亀裂の克服と結東を呼びかけた。 著書に「ドナルド・トランプ』など。 3 4 健康とおカネ 日本政冶・経斉 ( 一 NONO 年の日本 ) 一ー k- ・テクノロジー 世界政治・経済 ビ ) ンネス

3. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

~ 最大のリスクは = まボビュリズム大統領の時代 ~ 大統領 政治経験ゼロ、不動産王の富豪が 世界を動かすことに。脇を固める 政権チームの顔ぶれにも注目 またも円安株高の神風 ; 首相 連邦準備制度理事会 ( FRB ) 議長 シャネッ・イエレン トランプ相場による円安・株高い 17 年は利上げ局面に突入。 。で息を吹き返す。ただ最大の成に 政治介入の懸念もある 長戦略 =TPP は頓挫の危機に 規制緩和を軸にしたトランプノミク 016 年最大のサプライズはト フンプ米次期大統領の誕生だ スの行方が注目される。世界最大の ったが、 1 7 年はそのトランプ氏が 経済大国ゆえ世界経済への波及効果 どんな言動を巻き起こすかに一喜一 が大きく、景気浮揚の効果や保護主 義政策による負の効果次第で、世界 憂する年となりそうだ。 経済の浮沈が決まってくる。 トランプ外交が始動 もう 1 つの注目地域は欧州だ。 3 ? 月のオランダ総選挙を皮切りに、春 米国は中国の貿易政策や海洋進出 を牽制するため、中国が「核心的利 のフランス大統領選挙、秋のドイツ 益」とする台湾問題で揺さぶりをか 連邦議会選挙と重要選挙が目白押 けるなど、トランプ流の外交戦略が し。反移民・反 EU ( 欧州連合 ) の すでに始まっている。またロシアと 極右政党の動静がポイントだ。イタ リアの銀行不安を起点に、再び金融 どんな関係を結ぶかなどによっては 世界政治の枠組みすら変わりうる。 の不安定イヒが世界を襲う可能性もく 経済面では大型減税や財政政策、 すぶっている。 混沌へと向かう未来 世界激動のキーバーソン リ 0 米国 世界政治・経済 2017 米国 米国 ドナルド・トランプ ついにトランプ政権が動き だす。犯罪歴を持つ不法移 民の 200 万人規模の強制 送還、 TPP ( 環太平洋経済 連携協定 ) 離脱、中国の為 替操作国認定など当面、目 が離せそうにない。 日本 安倍晋ー ポピュリズムの怪人トラ ンプ氏が世界の枠組みを 一変させるのか。そして その先にある未来とは。 2016.12.31-201 /. 17 週刊東洋経済 40

4. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

怪人トランプが 蔓延させる熱病 世界政治・経済 2017 混沌へと向かう未来 追手門学院大学教授・佐藤伸行 蔡総統との電話会談は、衝動的な行 2 、ランプの政治・外交を占、 2 っ動でも外交的知識の欠如による失態 米国 0 次期大統領ドナ 0 」・ト でもなく、政権移行チ 1 ムの孰慮の済 えで、優れて示唆に富む出まの一 つに、台湾の蔡英文総統との電撃的末の一手だったとする見方も出てい洋 東 るか、いずれにしても、それはすこ な電話会談がある。 刊 週 1979 年の米中国交正常化以ぶる「トランプ的」であった。 降、米国の大統領ないし次期大統領 リスクの高い決断に 0 が台湾総統と直接接触したのは初め 尻込みしない てで、これが外交戦略上の激震をも トランプはあえてリスクの高い決 たらしている。が、それとは別に、 6 0 断を下す傾向があるということだ。 この件からはトランプの政治的。、 トランプが公約どおり、中国への ソナリティの何たるかを読み取るこ 強硬姿勢を示したこと自体は評価さ とができると思われる トランプは長い年月、大統領や外れていいが、政権発足前から米中関 交政策担当者によって守られてきた係の第というリスクを拙速に背負 い込んだことははたして賢明だった タブ 1 をいとも簡単に破り、自身に とってタブ 1 や聖域は存在しないとのか、問われることになるだろう。 厳しい対中戦略を打ち出すにして いわんばかりの行動を見せつけた。 電話会談に対する批判への反論も も、相手を必要以上に刺激しないよ 、つにじっ / 、り A 」煮めてい , ・ . 、方法も これまでの常識とは異なっていた。 「米国は台湾に何十億ドルもの軍事あったはずだ。だがトランプは、台 機器を買ってもらっているというの湾という、中国が最も妥協を許さな いテ 1 マを選び、中国を最大限に刺 、 ( 蔡総統からの ) 電話を取るべ きではないというのは実に興味深い 激し挑発するやり方を採用した。 電話会談は、これまでは暴言によ ことだ」 トランプはそうツィッタ 1 に投稿って世界を驚かせてきたトランプが した。ここに表れているのは「不動具体的な行動によって世界に衝撃波 産王」のビジネス感覚であり、トラを送った記念碑的事例となった。 リスクの高い決定に物おじしない ンプは「ビジネスファ 1 スト」の発 想を、歴代政権が積み重ねてきた対トランプの行動原理は、その人物像 中台関係戦略の上位にあっさりと置から説明できるかもしれない いてみせたともいえる トランプの心理を分析するに当た ワシントン・ポスト紙によれば、 っては、「ナルシシズム」がキーワ

5. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

特集 / 2017 年大予測 欧州 トランプと蜜月か ? 大統領 EU の財政統合はまだまだ先 ? 首相 与党党首に再選。 17 年秋の連 邦議会選挙は勝利が確実視さ れているが、反移民ムードも ドイツ ーアンゲラ・メルケル 欧州中央銀行 ( ECB ) 総裁 マリオ・ドラギ 17 年 4 月からの量的緩和 縮小・延長を決定 世界政治・経斉 ロシア イタリアの不良債権処理が 大詰めを迎えており、一歩 処理を間違えると金融シス テム不安につながる。仏独 の重要選挙、 ECB ( 欧州中 央銀行 ) の量的緩和策の行 方も世界経済や金融市場を 揺さぶりそうだ。 日 本 政 ぐム イ EU 離脱は強硬か穏健か。 対応次第で経済に影響 2 0 2 0 年 の 日 本 T ク ノ ロ ン 苦慮する対トランプ戦略 国家主席 当初はクリントン氏落選を喜 んだが、トランプ氏の予測不 能な言動に今や右往左往 習近平 フランス 極右政党・国民戦線党首 マ 大統領に当選すれば反移民、 反 EU が勢いづく フランソワ・ラン、、 支持率低迷で早くも大統 領選不出馬を決定 フランス 大統領 レジェップ・タイイップ・エルドアン クルド問題、シリア内戦で トランプ氏に接近 トルコ 元首相 マッテオ・レンツイ 国民投票否決で辞任。 政局混乱で銀行不安も 第 朝鮮労働党委員長 正恩 核・ミサイルの脅威が一 段と拡大中 北朝鮮 ☆ イタリア バッシャール・刃・アサド トランプ氏の対シリア政 策変更が好機に シリア アジア ビジネス 大統領 朴槿恵 大統領の弾劾可決でさ らに混沌 アレクシス・チプラス くすぶる債権団との隔 たり、 17 年に危機再燃も ギリシャ 大統領 ロドリゴ・ドウテルテ 米国につくのか中国に つくのか、それが問題 フィリピン 健康とおカネ 2 大大国構想を持ちつつ、米国に は遠慮がちな中国。トランプ流外 交・安全保障戦略にどんな反応を 見せ始めるのか。北朝鮮の核問題、 韓国政局、南シナ海問題など 17 年は激動の予感。 41 週刊東洋経済 2016.12.31-201 /. 17 図版 : 中井涼

6. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

特集 / 2017 年大予測 次期国防長官のジェームズ・マティス氏 ( 右 ) と 次期国家安呆障担当首席補佐官のマイケル・ フリン氏 ( 下 ) 流れは水と油だが、トランプ外交あることは、 9 月のトランプ氏の外とを意味する 欧州でも米ロ接 は、装いはレーガン風だが、中身は交演説から読み取れる キッシンジャ 1 流の現実主義になる 「大統領就任後日以内に、軍幹近への警戒感が浮 部たちに対し、 ( 「イスラム国」 ) 上する。チェコや ことを予感させる」と話す。トラン ポ 1 ランド、ハン プ氏自身に自由や民主主義といった壊滅に向けた計画を第疋させる」 前任のオバマ大統領とは対照的ガリ 1 、 西欧流の価値を重んじる目標や理念 に、対ロシアで融和的な姿勢が目立国など欧州の は存在せず、適宜強い国と手を結ぶ ことはいとわない。 つのもトランプ外交だ。たとえば、 e 0 ( 北大西洋条 外交・安全保障戦略上の優先順位補佐官候補のフリン氏は「『イスラ約機構 ) 同盟国は は何か。それが「テロとの戦い」でム国』潰しのためにロシアと組んだ「ウクライナやグ ほ、つ力しし 、」と発言している。今後ルジア ( ジョ 1 ジ も、蔡総統との電話会談は、キッシ 「米ロ接近」が予想される ア ) の二の舞いを演じるのではない トランプ外交の試金石となるのか」とロシアの領土拡張主義的な姿ンジャ 1 氏が訪中していた最中のこ とだった。 が、 4 年にわたって戦闘が行われ、勢への警戒感が強い 前出の安井氏は「これまで神聖と 「クリミア併合を機に、から 月日に最大の都市アレッポを政 府軍が掌握したシリア情勢への対応ロシア抜きのとなった首脳会合されてきた外交上の理念をいきなり だ。長引く内戦によって数多くの犠について、今後ロシアの扱いをどう突いてくる。外交上の優先順位がわ からす、中国も彼の発言をどこまで 牲者と難民を生み出し、シリア国内するのか」 ( 高畑教授 ) 。片年 5 月開 ではアサド政府軍と反政府軍、「イ催「主疋のシチリアサミットにおける真剣に受け止めるべきか、戸惑って いるのではないか」と見る トランプ氏の対応が注目される。 スラム国」に加え、海外勢 トランプ氏の発言から、つかがえる も入り交じって渾沌とした 外交上の優先順位は不明 のは、対中国で貿易不公正を是正す 戦いを繰り広げてきた。 7 中国には戸惑いも るためなら、「一つの中国」という オバマ政権はロシアのシ 外交原則にこだわる必要はないとい 6 大統領に正式に就任する前だとい リア介入を非難したが、ト う現実路線だ。しかし、それは日本 うのに、これまでの米外交上重視さ ランプ氏がロシア融和的な 姿勢に転じれば、シリア情れてきた理念や原則をあっさり修正にとって「対中貿易を是正するため なら尖閣諸島はいらない」と言われ 5 勢の構図は一変する可能性するのもトランプ流だ。 がある。それは同時に、化 月 2 日には、台湾の蔡英文総統かねないリスクを意味する。貿易と斉 経 学兵器の使用、反政府軍やと電話会談を行ったうえ、中国の抗安全保障を一緒に扱い、取引のカ 1 洋 民間人への残虐な報復な議に反発して「一つの中国にこだわドに使うトランプ外交は、日本にと煉 週 る必要はない」と歴代政権が踏み込っては歪女の種になりかねない。 ど、人権を無視したアサド ( 本誌【山田徹也 ) 政権の強圧政治を認めるこめなかった発言もしている。しか 5 4 ビジネス 健康とおカネ 日本政冶・経斉一 NONO 年の日本ー }-- ・テクノロジー AP; アフ匚 世界政治・経済 1 コ . ー 10 駅働 、 AP / アフこ AP/' アフロ

7. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

世界政治・経済 2017 ノミクス 混沌へと向かう未来 大予測 6 のが、大型減税と交通・イ 016 年月日、 どり 4 廃 ンフラ投資である。 よいシナリオは財政政・。 ( 米国連邦公開市場委員会 ) り 済 トランプ次期大統領が掲 は 1 年ぶり 2 度目の利上げを決定し「】策などによる景気拡大 規 止 < 取 経 廃阿民 法 < 移 - 。、視 げる減税の規模は、レ 1 ガ た。声明文には従来同様、「金融政 洋 悪いシナリオはドル高ー ン大統領やブッシュ ( 息 日億 ン止 " 厳成煉 策は経済指標次第」だが、「現時点駅 初 0 額ラ廃初る大尊の による保護主義傾斜 週 任団増ファ一任あ拡の事 子 ) 大統領の減税よりも大 では、ゆっくりと利上げを行う環境 税就 5 の減・ケ就のの人判究 きく、国民所得比で 2 % を約「領で費削ド領歴肢軍研レ が続く」との見方が示された。 1 年の利上げは 2 回。 公大大国規オ大犯選最 超える ( 左ハー図 ) 。たとえ ず 2 の しかし片年の米金融政策は、経済、 = 政権運営次第で変動も み 護 ば公約どおり、法人税の税野、 指標次第というよりもトランプ新政 保 の 基 率が % に引き下げられた 2 権の動向次第といったほ、つが的確で 強 の革 、。 ~ 革権 照 5 あろう。トランプ新政権の姿勢いか権の保護主義が頭をもたげるシナリ 場合、ハイテク産業が集中の 改の 給ラ障改革 領自フ保ス改革ー度上文 んで金融市場が大きく動き、マクロオである。われわれはレ 1 ガノミクするカリフォルニア州で 一ン全ビア ~ 改制法本 - 革ギイ安革一ヶ革度 ~ 人憲 経済に影響を及ばし、はそス、双子の赤字、ドル高からドル安は、州・地方税を合わせた大」改ル 改サス改制軍国電 、制ネ通防制融ル商民育役衆約 への変動、そして通商摩擦と世界経法人実効税率が中国よりも れに追随せざるをえないからだ。 次〈 ~ 税工交国規金へ通移教退合公 一 ~ プ トランプ新政権下の米国経済には済が大きく揺れ動いた 1980 年代低くなる。トランプ氏は、プ ン ス ラ ナ 一一つの大きく異なるシナリオが併存の再現を目にすることになるかもし同州に本社を持っ米企ラ 立 イ 中硎 業大手の 0 0 ( 最高経営 する。一つは市場の期待どおり、財れない。 マ 出 責任者 ) との電話で、「中 政政策と規制緩和というトランプノ トランプノミクスに 国やベトナムに行かないで、米国内能性が高い。財政調整法という手段 ミクスが景気を押し上げるというも 高まる期待 君のためを使えば、共和党は上院での議事妨 に工場を建設してほしい。 のだ。好循環が起きれば、潜在成長 下表のようにトランプ氏は、分にインセンテイプを用意する」と話害 ( フィリバスタ 1 ) を回避し、減 率も高まりつる。もつ一つは、新政 税を単純過半数で成立させることが 野にわたる公約を掲げている。税制したそ、つだ。 交通・インフラ投資の規模は、川できる。また歳出面でも、インフラ 改革からへルスケア改革に至る 7 分 野の政策は減税、歳出増、規制緩和年間で 5500 億トルとも 1 兆ドルとも投資では民主党の協力が期待できる いわれている。連邦政府債務が巨額だろう。政策決定に障害があるとす のいずれかの手段を通じ、米国経済 になる中、新たな税額控除制度によれば、財政赤字の拡大を嫌う一部の にプラスの影響をもたらしそうだ ( ヘルスケア改革は景気にマイナスる民間資金調達や、インフラ投資銀共和党議員の反発である。 みずほ総合研究所では、片年半ば 行の創設などか提案されている。も の面もある ) 。大統領選挙後に続い っとも、トランプ氏自身はインフラ には減税とインフラ投資、さらにこ ている株高、ドル高、長期金利上昇と いう市場の動きも、トランプ新政権投資への関心が低く、雇用創出効果れまで抑制されてきた国防費の増額 には懐疑的ですらある。 が決まり、内需を押し上げていくと が企業寄り ( プロビジネス ) になると 共和党が上下両院を制したことに予測している。また、トランプ氏が の期待を反映したものであろう。 分野の公約で特に注目を集める よって、大型減税は早期実現する可掲げる環境・エネルギーなど幅広い 景気への影響 プラス

8. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆、 ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ 特集 / 017 年大予測 - ☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ これから 4 年、トランプ氏はそのス ーハ 1 ハワーを意のままに操れるこ とになる。 アタリ氏のも、つ一つの予一一「ロは、世 界規模でのポピュリズムの蔓延だ。 プレグジットと呼ばれる英国の ( 欧州連合 ) 離脱、トランプ氏の大 統領選当選の裏にあるのは、マグマ のよ、つに蓄積された市民の怒りや不 安たった。そこに巧みに付け込んだ のか、トランプ氏をはじめとしたポ ピュリズムの使い手たちたった。 もちろん、日本も無縁ではない 「ポピュリズム ? もうだいぶ前か ら起きてるんじゃないの。小泉 ( 純 郎 ) 政権のときかそうたったし、 大阪の橋下徹さんが世を風靡して いたときもそ、つでしよ。そんな波は この国にもつねにあった」。衆議院 議員の野田聖子氏はそう話す。その 波はいっか食い止められないほど大 きなものに変わるかもしれない 2017 年、世界と日本か踏み入 れるのは、もはや後戻りできない 「道なき道」だ。当たり前に存在し ていたものが瞬のうちに破壊され ては、強い力によって作り直されて いく。おそらくそれか私たちの目に 映る景色なのだろう。世界最高峰の 踏破に欠かせないのか、シェルバと 呼ばれるガイド役た。予測困難な時 代を読むためのシェルバを目指した のか、この特集である 31 週刊東洋経済 2016.12.31-201 /. 17 AFP= 時事

9. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

十す、 , ←・ + , ~ 」 + は・世界政台・斉 さ特集 / 2017 年大予測 皿 3 譴 心 界中から優秀な人材を集め、日々 に座り、良好な関係を印象づけた。 新しいイノベーションを生み出し 富の偏在に警鐘を鳴らす 続けている米国シリコンバレーに、冷水 を浴びせるような事態が起こった。ドナ ペイバルの創業者でありフェイスブッ ルド・トランプ大統領の誕生だ。 クの社外取締役でもあるティール氏は、 トランプ氏は 1 2 月 1 4 日、ニューヨー 民主党支持者が多いシリコンバレーの中 クでアップルのテイム・クック CEO やでは異例の共和党支持者だ。なぜトラン グーグルの親会社アルファベットのラリプ支持派に回ったのか。その答えは 2016 ・ペイジ CEO などシリコンバレー企年 7 月に共和党全国大会でトランプ氏の 業のトップらと会談。これまでシリコン・応援演説をした際に述べた言葉にある。 バレーの企業に対し批判的なトーン : 「シリコンバレーにいると、米国がう だったが、この日は「あなた方を応援し まくいっていないことがわからない」。 たい」などと述べた。 ティール氏は会場の観衆にそう訴えた。 仲介役としてこの会談を実現させたの シリコンバレーから生み出された多くの が、著名投資家のピーター・ティール氏イノベーションは人々の生活にインパク だ ( 写真 ) 。ティール氏は大統領選挙期トを与えている。しかし、その結果とし 間中からトランプ氏支持を表明し、同氏てもたらされている富は数 % の成功者 に偏在しており、米国全体で見ると格差 の選挙活動に 125 万ドルの寄付を行ってい た。会談でティール氏はトランフ。氏の隣は広がっている。こうした現実にティー ル氏は違和感を持ち、トランプ氏を支持 したというわけだ。 トランプ氏はかってアマゾンのジェ フ・べゾス CEO に対し「 ( べゾス氏が 買収した ) ワシントン・ポスト紙はアマゾ ンの税逃れのために運営されている」と 発言するなど、本心ではシリコンバレー の企業をよく思っていないとみられる。 ビジネスでは向かうところ敵なしのシリ コンバレーの企業だが、トランプ氏の存 在は現地の空気を憂鬱にさせている。 毎月片億人を超える人々のコミュ マホとして見据えていることが想像ネットビジネスは費用があまりか げたいという狙いか彼らにはある ニケ 1 ションがフェイスブックでな からないため、売り上げのほとんど スマホではすでにそれが実現していできる が利益になる。これは「収穫逓増」され、年間 2 兆回を超える検索がグ るが、家庭空間は手つかずだった。 米国の大手企業が 1 グルで行われている。アマゾンで グーグルは 0 0 —Ⅱ 0 型のビジネスといわれている。ここ べンチャーを買収 について「 0 Ø 0 1 0 まで触れてきたフェイスブック、グは日々億人を超える人々が買い物 1 グル、アマゾンは、ユ 1 ザ 1 かサをしている。この 3 社にあまりにも 現時点で「アマゾン・エコ 1 」も 力が集中しているため、米国シリコ 1 ビスを使えばつほどたまるデ 1 o ( 家庭用の個人向けグ 1 ググ 1 グル・ホ 1 ムも日本で発売され ンバレ 1 では「起業しても意味がな タを核にした、収穫逓増のサイクル ル ) 」という表現を使っており、スていないが、遠くない将来上陸する に突入している。 い」というあきらめの声すら上がっ マ 1 トホ 1 ムをと並ぶポストスだろう。 ているほどだ。 しかし、これらの企業とてコ ミュニケ 1 ションやインタ 1 フェ 1 スの進化についていけなければ、未 来は盤石ではない。すでにアップル に退潮の傾向が見られるように、そ 米 れほどの潮流の変化は速い。 国では、年に生活用品大手のユ一一 ハや自動車大手のゼネラル・モ 1 タ 1 ズなどが初めてべンチャ 1 企 業の買収に乗り出した。現地ではこ れは大手企業への対抗意識の表 れという見方もある。 日本企業も年は一一一越伊勢丹ホ 1 ルディングスや三井不動産でべンチ 5 ~ ャ 1 投資を立ち上げる動きがあっ た。ポストスマホという変革期に勝 ち抜くため、日本企業にとっても、 片年は節目の年になる。 みやた・たくや・早稲田大学大学院理工 学研究科修了。 2009 年ミクシイのアラ週 ィアンス担当役員に就任。年スクラム べンチャーズ創業し日米で起業を経験。 健康とおカネ 世 日本政治・経斉年の日本 ー F-- ・テクノロジー 自らゲイだと公言し自由主義者かっ移民でもある など、本来は共和党の綱領に反する立場にある ビ ) ン、不ス

10. 週刊東洋経済 2017.12.31-1.7

世界政治・経済 2017 混沌へと向かう未来 B ・ライヾ nterview 8 4 済 経 洋 に、政治に大量のおカネが流れ込ん 「資本主義は信頼のうえに成 政府は誰のためにあるべきな刊 り立っており、そのゲームが茶番だのでしようか ? 、プ次期大統領の誕生は、米国でいることを知っているし、共和党 米国」おけドナド・ト一 7 大多数の人々のためだ。米国の政 国民の経済格差への不満を浮き彫りのドナルド・トランプ氏と ( 貧困対と信じている人は早ロでいい加減な 0 にした。中間層の消滅に警鐘を鳴ら策などを主張した ) 民主党のバ 1 一一考えの政治家にとっていいカモにな治はこれまであまりにも長い間、 「自由主義」か「政府」かという議 ・サンダ 1 ス氏の議論が茶番だとる」と辛辣な表現もあります。 し続けてきた経済学者、ロバ 1 ト・ この本を書き終えたのはトランプ論を続けてきた。しかしこれは見せ い、つことも知っている ・ライシュ氏は現状をど、つ見てい かけでしかない。政府は本来、市場 5 次期大統領がまだ誕生する前だった るのか 考えるべきは大きい政府か小さい が、すでに私の著書を読んでいた人を設計、構築し、機能させる役割を担 政府かというサイズの問題ではな はこの言葉の意味を理解するのに苦っている。だからこの一一つについて 。政府はいったい誰のためにある ーー近著『最後の資本主義』で伝 の選択が重要なのではなく、人々が えたかったことは ? のかということであり、市場形成に労しなかったはずだ。トランプ氏に 富と政治の関係や経済格差が拡大与える影響力を圧倒的多数の人々のは原理やイデオロギ 1 がない。自分幅広く繁栄を分かち合うように設計 された市場なのか、ほばすべての利 していることについて、もっ触れる手中に取り戻すべきだ、ということのエゴのためであれば、何でもする 益が頂点にいる限られた人々に集中 病的なナルシシストだ。 つもりはなかった。われわれはすでを著書の中で訴えたかった。 するように設計された市場なのか、 その選択こそが重要なのだ。 公 トランプ氏が今後どのような政策 を打ち出すかは読みにくいが、私は れクめ ま一務 生バ。を 彼が権力を維持するため富裕層へな ア大長 びくことを危惧している。現に彼は レルで ウォ 1 ル街出身の人物を閣僚に据え 、刀オ権 ンフ政 ている。「公平な分配がなされてい カト る」と大多数の米国国民が受け止め 米はン られるル 1 ルを設計するのは、難し 氛現ク 4 てル いかもしれない。 1 経ビ を 米国国民が知らない 。「事前配分」の存在 大策 ビル・クリントン政権時の労 働長官として、あなたは Z<LLP< 大予測ー 教 ク ッヾ、 大 ア レ フ ー米国の良心が語る絶望と希望 不ノ