金融 - みる会図書館


検索対象: 週刊東洋経済 2017.3.25
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1. 週刊東洋経済 2017.3.25

の胸の内 べンチマー 金融庁が作った 「金融仲介機能のべンチマーク」に どんな意味があるのか。 集計が大変で負担が重い 地銀・部長 ( 50 代 ) お上の影響で事業性評価の大号令。 作成資料が膨大。最短 1 週間だった 長いときは 4 カ月もかかる 融資決裁が 信用金庫・営業担当 ( 30 代 ) 企業の事業性評価の徹底など 金融庁の方針はおっしやるとおりだが、 その実践を性急に求めすきている 地銀・役員 ( 50 代 ) 正論に評価と批判が入り交じる。 しつかり事業性評価を やれと言われても、 経済が成熟している地方には、 そもそも資金需要がない 地銀・営業担当 ( 30 代 ) 投資家保護と金融庁は言うが、 保護が過保護になっていて、 投資信託など銀行員の説明負担が 増している気がしてならない 大手銀行・行員 ( 30 代 ) われわれが必死に説得しても、貸出金利が低い という理由でメインバンクを替える企業は少なくない 企業の将来性をきちんと見ることも重要だが、 まず起業家がもっと増えてくることが大事ではないか 地銀・行員 ( 30 代 ) 金融庁に ん 、並びで単純な量的拡大竸争 に集中するよ、つな銀行のビ ジネスモデルは限界に近づいてい済 る」。金融庁の森信親長官はそう警鐘洋 東 を鳴らし、銀行に変革を迫る。昨年 の金融行政方針には「顧客とともに週 成長する新しいビジネスモデルを確 7 立していく必要性が高まっている」 と記載するなど、「頭を使え」と言わ んばかりにハッパをかけている。 銀行マン自身はどう考えているの か。そこで本誌は、特集取材で集ま った声を、「金融庁に厳しい声」「金 融庁を評価する声」としてまとめて みた ( 上図 ) 。 受け止め方はさまざまだ。ある地 方銀行の経営企画部長は「金融庁の 理屈はわかるし、行政方針の言葉は 美しい」と認める一方、「その実現 は弗常に難しい」とため息交じりに 話す。「現場にいたとき、今のビジ ネスモデルを考え直すよ、つな発想は なかった。この 1 、 2 年は、生き残 りの方向づけを試されるとても重要 な時期になる」と打ち明けるのは、 支店長から執役員になったばかり だという別の地銀幹部。多くの地銀 が金利低下による貸出収益の悪化に 頭を悩ませ、打開策を打ち出そうと 必死に知恵を絞っている 「うちは金融庁に言われる前から 取り組んできた。森さんが続投しょ うがしまいか経営には関係ない」と

2. 週刊東洋経済 2017.3.25

~ 業績影響度 自試 ' ' 金 ' 続 0 発ぅ効 利の低下で、償還を迎える国債の再 地銀は現状、貸出金や有価証券で貶 投資が難しい中、灸打は外国債券なおおむね 1 % 程度の利回りを取れれ どへの分散投資を増やしている。今ば経費が賄える。現在、平均利回り済 後、金融取引の担保に必要な程度ま は貸出金で 1 ・ 3 % 前後、有価証券洋 東 で 1 ・ 0 % 前後。しかし、最近の新 で国債残高を減らすと考えられる。 規住宅ロ 1 ンの金利や新たに購入す週 ただ、既存の国債残高は大きく、リ スク管理上すべてを外債などに振りる国債の金利を例に取るまでもな 向けるわナこよ、、 。。 ( し力ないこれらをく、貸出金や有価証券で永続的に経 0 勘案し、有価証券残高はやや減少す費を賄うのは難しくなっている。 もちろん金利環境が好転すれば結 ると仮定している。 今回は低金利環境の継続で、資金果はこの限りではない。ただ今回の 利益の減少による影響を考察するこ試算は、超低水準し J もいえる与信費 在の低金利環境が続くと地銀年度まで、現在の低金利環境が続い の収益はど、つなるか。 201 た場合、地銀の収益がどう変化するとに焦点を合わせた。そのため、投用が今後も増えず、有価証券の損失 現 資信託販売に伴う役務利益、経費、も生じないとい、 2 則提である。場合 7 年中に複数回の利上げが見込まれかを編集部で試算した。 によっては収益がさらに悪化する可 「低金利環境の継続」の前提とし与用、有価証券の売却益などは る米国とは対照的に、日本が低金利 環境から脱することを相疋するのはて、日銀が行っているイールドカー現状と変わらない前提とし、連結経能性も否定はできない。 そうなれば地銀に残る道は再編し 難しい。日本銀行の黒田墨総裁はプコントロ 1 ル ( 長短金利の操作 ) 常利益への影響行年 3 月期会社計 かないのか。仮に再編の波に乗って の多少の上方シフトは考えられる画からの変化幅 ) を試算した。 絽年 4 月に任期満了を迎える。次の 経営統合を選んでも、低金利環境下 が、マイナス金利の撤廃や、地銀の 総裁が誰であれ、現在の金融政策に 半数が利益半減 で資金利益の減少に歯止めがかかる 一定の理解を示す人物が安倍晋一二政収益に大きな影響を及ばす短期プラ さらなる収益悪化も わけでもなく、かといって経費の劇 権によって選任される可能性が高イムレート ( 多くの住宅ロ 1 ンや中 試算結果は少々残酷である。幻年的な減少も生じにくい。再編は万能 緩和的な金融環境が続くことは小企業向け貸し出しで基準となる金 3 月期は約半数の銀行で利益が半分薬ではない。そもそも、金融庁は、 ほば間違いないだろう。 利 ) の上昇は疋しにくいと考えた。 また残高面では、人口のピ 1 クア以下に、年 3 月期は約 3 分の 1 の地域での資金供給強化が主眼という それは一定の物価上昇が達成され ウトに比べて預金残高のピ 1 クアウ銀行が赤字、黒字であっても 4 割強方針であり、再編ありきという考え るまで続き、仮に物価目標を達成し トが遅れているため、預金残高の増の銀行で利益が半分以下になった。方は採っていない。 ても、大量の国債買い入れを徐々に 昨年のマイナス金利導入時、この 加はしばらく続くと仮定。貸出金残利益が大幅に減る要因は、現在のス 縮小するという次の関門がある。こ こを抜ければ、ようやく低金利から高の増減も現在の生産年齢人口の増トックの貸出金利回りに比べて新規政策は金融機関に一時的に超低金利 という痛みを強いても、貸し出しの 減に沿ってはおらず、金融庁が地銀の貸し出しの金利が大幅に低いこ の本格的な脱却が見えてくる。 金利上昇の時間軸を予測すること に積極的な貸し出しを促す中で残高と。さらに有価証券も保有するスト増加で日本経済全体を浮揚させるこ 増が続いていることから、貸出金残ックの利回りに比べて、新規に購入とが目的だという意見が多く聞かれ は容易ではないが、仮に①来只オリ た。日本経済が好転し、低金利 する分の利回りが大幅に低いことが 高増加もしばらく続くと仮定した。 ンピックが行われるまで、② から脱却できる日は訪れるのか 有価証券残高については、市場金挙げられる。 次期日銀総裁が任期満了を迎える ランキング

3. 週刊東洋経済 2017.3.25

金融機関 特集 / 銀行マンの運命 金融庁の言う顧客本意の運営は ごもっとも。貸し出しも預金も、 選ばれる銀行になれない 地銀・部長 ( 50 代 ) 銀行はかくあるべし。金融庁が発信する 大手銀行・支店長 ( 40 代 ) 銀行のフィンテック活用の後押しは ロだけじゃない。担当する総務企画局の 取り組みから本気度を感じる ネット銀行・社長 ( 50 代 ) 制度改正を推し進めるスヒトはとても 速いし、コミュニケーションが取りやすい 中堅銀行・役員 ( 50 代 ) 従来のような“お願い営業″では 森さんの言うことはおおむねまっとう。 10 年前の 金融庁の横暴さに比べるとかなりマシになった 金融庁を 評価する声 ーあらためて自分たちの ビジネスモデルのあり方を 考え直すきっかけになった よ 地銀・役員 ( 50 代 ) 銀行としてやるべきことが 金融庁の方針に記されている。 いいと思うものは 積極的に取り入れていく 地銀・首脳 ( 60 代 ) いう別の地銀役員の声もある。た だ、これは少数派だろう。一一一口うは易 く、っは難し。金利竸争で貸出量 を積み上げるやり方を捨て、今後の 収益につながる「答え」を出すのは 容易ではない。 金融庁との対峙に 求められる改革 銀行マンの中には、フィンテック 推進の本気度など当局の姿勢を評価 する声もある。一方、金融庁が強調 する「事業性評価の徹底」や「顧客 本位の運営」に対しては苦悩や の声が聞かれた。銀行の自己評価を 行うッ 1 ルとして金融庁が昨年 9 月 に公表した「金融仲介機能のべンチ マ】ク」 ( 55 ジ ↑ ) については理 解自体が十分でないようだ。 長 金融庁は 2015 年、「金融機関 親 一三ロ の取り組みの実態を把握するため」 庁 として、企業ヒアリングを実施して 融 る いる。昨年 5 月、その結果を「金融 席機関に対する厳しい声・評価する 、釗声」として公表した。厳しい声の中 換 交 には「銀行や担当者に変化があると 見 意 は思えない。金融機関は依然として 0 の 齔担保や保証に依存している印象があ済 経 融る」などがあった。 洋 多くの批判にさらされる立場の銀煉 れ わ 行 行。正論を突き付ける金融庁と対峙週 明するためには、旧弊にとらわれない 今改革が必要だ。 ( 本誌】井下健悟 ) 5

4. 週刊東洋経済 2017.3.25

銀行マン運命 畔東洋経済 灰物・・は 1 ・ッ 銀行ン 表紙から 金融業界を取り巻く環 境の変化は著しい。銀 行マンは自らの運命を切 り開く必要がある。 lkon-lmages/ アフロ 2017 引 25 CONTENTS 大再編、金融庁、フィンテック 【第 1 特集】 覆面座談会 36 【図解】 3 つの " 大波 " が銀行を襲っている 38 吹き荒れる大再編 三井住友 FG 傘下の地銀を統合火ぶたを切ったりそな 独自試算マイナス金利継続ならどうなる業績影響度ランキング 42 44 「メカ地銀誕生」に公取の難関長崎が大再編の試金石 粮秬 R Ⅵ E 柴戸隆成・ふくおか FG 社長「信用を失うことはしない」 47 金利競争と一線画す異色の信組広島市信用組合 48 一地銀の活路みちのく銀行 / 北国銀行 / 東邦銀行 / 北洋銀行 50 3 億円超えの銀行はどこだ ! 生涯給料ランキング 52 国迫り来る金融庁 見えてきた「 3 年目ル森長官の腹積もり 55 INTERVIEW 元銀行マンのファンドトップに聞く ・金融機関の胸の内 58 銀行が消費者ローン拡大を牽弓ル積極姿勢に問われる節度 金融庁がにらみを利かす三井住友信託のガバナンス問題 60 ー 3 メガ役員「再就職先」リスト三井住友 / みずほ / 三菱東京 UFJ 70 皿敵か味方かフィンテック 次々にべンチャーに食指自前主義からの説却 INTERVIEW 一円山法昭・住信 SB はツト銀行社長「 API の開放は絶対に必要」 73 ソフトバンクとニ人三脚みすほ銀行が仕掛ける個人向け融資 74 目でわかる一金融機関 x フィンテックベンチャー協業関係 76 中国の銀行業界が身構えるフィンテックの急成長 まさかの中抜きシナリオ INTERVIEW ー野口悠紀雄「プロックチェーンが金融業を破壊する」 ■貸し出し利ザヤは低下の一途 2.5 ( → P36 ) 信用金庫 2.0 地方銀行 大手銀行 2 年 05 06 07 08 09 10 1 1 12 13 14 15 36 全融庁の森信親 長官。正論を突き 付けて銀行に変革 を迫っている 顧客本位事業性評価べンチマーク ■年間 2 兆円超の資金が流入 ーグローバルでのフィンテック投資ー ( → P37 ) ■その他 20 ー■欧州 ■北米 15 ー■アジア・ バシフィック ( 10 億ドル ) 25 10 5 デジタル通貨 0 14 15 16 12 13 2010 年 11

5. 週刊東洋経済 2017.3.25

活路 行 金利競争は資源の無駄遣い 解決策を提案すると、こういうことがで きるのかと感心される。戦略ミーティン グでどこまでリスクを取れるか議論し、 月以降に公募増資などで 64 億円 やプロックごとで週 1 回開催する「法人 1 担保か不要であれは陬らないし、必要で の資金を調達した。増資の理由は 営業戦略ミーティング」において、出席 あればお願いする。しつかりした経営を リスクアセットの増加だ。中小企業向け 者全員で顧客の課題解決を議論する。そ されていれば、経営者の個人保証に依存 の貸し出しで、計画を上回る伸びが続い の分析結果をベースに顧客を訪問し提案 しない融資も当行から提案している。 ている。それに伴い、自己資本比率も想 する。 金利が正常な状態になれば、中小企業 定以上に低下した。今回の増資で自己資 ある取引先からは「みちのく銀行は本 支援が大きな成果として表れてくる。そ 本比率は 8 % 超を確保できる。 当に親身でフレンドリー。もう少し金利 うなれば、 2009 年に注入してもらった 地域経済が疲弊する中、マイナス金利 が低ければなあ ( 笑 ) 」と言われた。だ 公的資金 200 億円の返済も視野に入る。 政策で金融機関も収益状況が厳しい。低 が金利が他行より高くても、相談しやす 利の融資で肩代わりしようという他行の いので取引してもらえる。新規の引先 動きがある。金利競争に入らないよう、 を紹介してくれることもある。低金利競 高田邦洋 きちんと顧客を支援していきたい。 争は銀行の経営資源の無駄遣し、だ。 現在、「営業利益改善支援活動」と銘 たかだ・くにひろ・ 19 金利正常化なら公的資金返済も 57 年青森県生まれ。 81 打ち、顧客の収益改善を手伝う代わりに 年日本大学卒業、みち 金利をいただく法人営業を展開してい 他行をメインバンクにしている取引先 のく銀行入行。経営企 画部長など経て、 2013 る。月 1 回の顧客への訪問を全店で標準 の決算書を見ると、長短の返済がいびつ 年から現職。 なのに手をつけていないケースがある。 化した。そこで聞いた情報を基に、支店 、頭取 3 金融庁が銀行に徹底を求める「事業性評価」は、 地銀にとって最優先の課題だ。特徴ある取り 組みを進める地銀 4 行に聞いた。 W 北國銀行 計ソフトを提供する f 「 eee ( フリー ) と 融庁が事業性言面に基づく融資や コンサルティング機能の重要性を の業務提携が大きな成果を生んでいる。 指摘し始めたが、本来は言われてすぐに 他県や信金とも競合する できるものではない。当行は 2012 年ご ろからすでに事業性評価を始めた。本部 われわれがコンサルティング営業を行 にコンサルティングチームを置き、創業 っている地域では、べンチャーキャピタ ルもプライベート工クイティ・ファンド から事業再生まで、企業のライフステー も必要ない。創業支援では創業後 3 期目 ジに応じたニーズをくみ取ってきた。 17 年 4 月からはコンサルティング部に昇 の決算まで 3000 万円を融資できる商品 を提供しているし、事業再生支援では官 格し、 65 人が所属する。専属部隊とし て、地銀の中では随一の規模だろう。 民一体のファンドを通じた資本支援も行 っている。金融庁の言う「日本型金融排 具体的には経営戦略の策定や事業承継 除」 ( 担保や保証に依存する融資のこと ) の支援など、主に 15 個のコンサルティ ングメニューがある。中でも人気なのは とは正反対だ。 低金利の貸し出し競争に巻き込まれる げ関連のコンサルティングだ。グルー プウェアの導入やペーパーレス化の支援 つもりはいっさいない。コンサルティン グメニューが支持されているおかげで当 などが含まれるが、最近ではクラウド会 関連のコンサルが人気に 行の金利は平均 1 .2 % を維持しているが、 他行はどんどん金利を下げている。「う ちは北国さんより下げます」と言ってい るようだが、低金利以外の付加価値を生 み出さなければこの先厳しいだろう。 一方で垣根を越えた戦いは広がってい く。最近では本店がある石川県以外の富 山県や福井県のシェアがイ申びているほ か、信用金庫からシェアを取ることもあ る。顧客に色はないのだから、当然のこ とといえるだろう。 金 専務 杖村修司 つえむら・しゅうじ・ 慶応義塾大学商学部 卒業後、 1985 年北国 銀行入行。総合企画 部長などを経て 2013 年 から現職。 20 レ .3.25 週刊東洋経済 48 聞ぎ手・本誌・ニ階堂遼馬、猪澤顕明

6. 週刊東洋経済 2017.3.25

積極姿勢に問われる節度 08 年に子会社 アコい 多 , 打か消 費者ロ 1 ン拡大を牽引 勢で供給者側が若者のロ 1 ン需要を 創出。一部では厳しい取り立てで滞 納者が自殺に追い込まれたケ 1 スも済 あった。これを受けて、数次にわた洋 東 る貸金業法改正が行われ、最大の目 玉となったのが、年収の 3 分の 1 を週 超える貸し付けを禁止する総量規制 2 7 だ。以後、消費者金融業界の縮小と 淘汰が進んだ。 010 年に改正貸金業法が全はいらだちをあらわにする。「今の層も消費者金融が 5 歳代なのに 銀行カ 1 ドロ 1 ンはこの総量規制 面施行された後に進んだ消費銀行のやり方はすごく疑問だ」と。 対し、銀行カ 1 ドロ 1 ンは若者からの対象外だ。厳しい取り立てなどが 者金融会社の淘汰。それを尻目に シニアまで満遍なく浸透している」行われているわけではないが、昨年 銀行ブランド強し 年度から 2 ケタ成長したのが、無担 と解説する 9 月には日本弁護士連合会が意見書 幅広い顧客層 保で使い道が自由な銀行カ 1 ドロ 1 利便性の向上も大きい。融資の申を公表し、銀行カ 1 ドロ 1 ンで年収 ンだ。 2 年に全体の 3 割に満たなか 人気タレントを起用したテレビ 0 し込み・審査はすべてウエプだけでを超えるような過大な貸し付けが行 ったが今や過半を占める ( 下図 ) 。 でメガバンクのカ 1 ドロ 1 ンが目完結し、最短で即日。資金の引き出われている事例があることを明らか だが、こうした状況に金融庁幹部 立つ。そして、ここ数年は地銀のカ しゃ返済は銀行でできる。借にした。その中には、借り入れ当時 1 ドロ 1 ンこそが成長を牽引してい りやすさと銀行のプランドカが相ま は無収入だった人に 300 万円の貸 る。背景にあるのは、日本銀行の超って増えているともいえ 低金利政策を受けた銀行の資金運用る。 難だ。 貸倒率は安定しており、高 国債など有価証券の運用利息や企銀行の財務悪化を招くン 業向け貸し出しは年 1 % 前後と過去債権問題につながるよ、つな口 最低の利回り水準を余儀なくされ、懸念はない。ただ、大量の費 川 % 程度の金利を取れるカ 1 ドロー 宣伝広告と気軽に借りられ ンはまれに見る好採算商品の一つ。 る利便性をテコに急拡大す増左右 今では、相続税対策などで拡大する る状況は、新たな問題を生 高残 カ 一。賃貸用アパ 1 ト向け 0 ーンと並び、 み出しつつある。銀行の「節ン残融 行金 銀者 カ 1 ドロ 1 ンが地銀の数少ない成長度」に対する批判である。ロ 内費 国消 消費者金融は年代に大 ・ー」ド分野になっている。 ある地銀の担当者は「『サラ金』きな社会問題になった。女カ 行 円 のイメ 1 ジが残る消費者金融と違性ダンサ 1 やペットなどを 銀 丿 4 2 、銀行なら抵抗感が少ない。顧客使った怒濤のテレビ oä攻■ OMISE プロミス が 11 年に 子会社化 3 F ( 兆円 ) 7.0 8 6 4 2 0 2010 年 11 13 16 16 ( 3 月 ) ( 9 ) ( 注 ) 各 3 月期、 2016 年は 3 月と 9 月 ( 出所 ) 日本銀行、日本貸金業協会の資料を基に本誌作成

7. 週刊東洋経済 2017.3.25

、金を集め、貸し出しをして〉 ~ ) ~ 第 「ドゞま参 ) マ利ザヤを取る。 ) それだけで ~ 物 はもはや銀行業はり立たない」「一み、 今では当たり前 . のよ、つに銀行首脳カ →。、・・、、姦第「 3 》 . 、、簽毳一漏らす一一〔葉だ経済か怖する地方 ~ 第な だけではない。企業数や資金需要こャ第蕚、 、恵まれた首都圏 0 銀行にも同じ認識、 " ~ か広がっている。一いっか金融黻和が・ ( ・ゞを 収東し市場金利の反転とともに銀 , 行 0 収益持ち直す。そ〈な非現 ) 洋 的な期待をしても展望は開けない。 ~ 、ルま 昨年 1 月に日本銀行がイナス金「「炉一 利導入を決定すると、銀行業界の危一 ) ~ ~ 機感は「気に高ま 0 た。収益の中核・を、 ) を成す貸し出しの利益が「段と落ち疇杯第 従来のビジネスモデルばもはや通用レない。全国でこる再編、一変革を迫る金融庁、 →るのが目に見えたからだ。当時、 ( 金 3 第 フィンテックの大奔流「銀行マンの運命を左右する大波がし寄せている 、 ( 一融庁の幹部は地銀ト , プらの集ま「 - 受、一 鉢、井下健悟、ニ階堂遼馬 、、 ( 」 ) : 上た会合でこう述べていた。 ↑タ編集言久野貴地ー ( 、 . 一サイ ~ イ杉山記行管理】宮澤由美 第「われわれの監督方針は変わらな、こ ~ ) 4 。金利競争に陥ることなく、企業 ( メ第 の経営改善や成長につながる融資や「教等 支援に力を入れてほしい」 2015 年に森信親氏が金融庁長ヂ響 〉デ ) を ~ きざ・スみ ) ・官に就任すると、銀行を飛び越して・ 1 = 融資先への大規模なヒアリングが行イ斉 わルるなど、銀行はそ一挙手一投一 0 ~ 、ツ . 、、 . 「 ( 足に神経をとがらせている昨年川 ( 煉 月に出した行政方針で、森長官はさ週 らにハッパをかけた 0 5 ア 横並びで貸し出し競争をっ既存 ( 3 を』 ニ、享当心端に、ドい 特集 / 銀行マンの運命

8. 週刊東洋経済 2017.3.25

金融庁 限集横 界中並 にすび 近るで 引づ銀単 い行純 てのな る量 シ的 ネ拡 モ “大波 2016 2 月 4 月 3 月 ふくおかと 十八銀行が ・経営統合で基本合意 千葉銀行と 武蔵野銀行が 包括提携 - 横浜銀行と 東日本銀行の 経営統合で コンコルディア・ LLO か 発足 ! ルグルーフ 千第・武蔵野アライアンス 契約締結式 ; ・撮影 : 梅谷秀司 >P.38 事業性評価の徹底 顧客本位の運営 5 はきんム武野ト 携が続々実現 っている 2015 年、長官就任 した森信親氏。冫 手に注目が集ま : 仁 影間 撮風 取引先の事業内容や成長の 可能性をきちんと評価し、 融資や本業支援で地方創生を ! 3.0 は 0.5 2004 年 05 06 07 08 09 10 1 1 ( 注 ) 貸し出し利ザヤは貸出金利一資金調達費用 ( 出所 ) 日本銀行「金融システムレポート」 2.5 R52 2.0 地方銀行 質の高い金融商品・サービスで 顧客の資産形成を助け 安定した収益確保を ! 大手銀行 12 13 14 15 のビジネスモデルが限界に近づいて 3 いると繰り返し、「新しいビジネスモ デルを確立していく必要性が高まっ済 ている」と強調したのだ。担保や保洋 東 証にばかり頼らす、事業性をきちん と評価して融資をすべき、顧客本位週 の業務運営が重要ーーー。森長官は正 論を振りかざし、冷徹に変革を迫る。レ 森長官は今年 7 月で就任から 2 年 を迎えるが、続投が濃厚といわれる ( 5 ハー ) 。当面、各銀行の緊張が 解けることはないだろう。 限られる生き残り策 法改正の影響も甚大 この先、銀行にとっての選択肢は 限られている。独自のビジネスモデ ルで単独路線を貫ければいいが、場 合によっては、他行との提携や経営 統合にまで踏み込む必要がある。実 際にここ最近、全国各地で大型の再 編が相次いでいる ( 上年表 ) 。 再編の活発化について金融庁幹部 は「無理に統合を促すつもりはな しいいサ 1 ビスにつながるビジネ スモデルを単独で作れないなら、自 分たちの判断で提携や統合に動けば 、、 0 顧客にとってより質の高いサ 1 ビスを提供するための方策は、民 間が決めるべきものだ」と話す。 もっとも、ライバル銀行の出方を うかがっていれば済む状況ではな 。金融を取り巻くテクノロジ 1 の

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4 と再た 監社てと大一管金が 説明しても、どんな対話になるのか 局 5 新者 辟会し豫ての移、声 融際議 が見えていないのが現実だ。 も 令も蕉個証か比員こ推 昨年に発表された金融行政方針に 済 の夏。一る 総務企画局 経 証蔵う姿視金の設 再 法のうのれい 、 2 大行の監を今新 「日本型金融排除の実態把握」とい 置ころ△口さる を証初。矛。の 0 カ 9 、 東 検査局■ 、つショッキングな文言が盛り込まれ 設、だ統定あだの 1 に見、当る業る 刊 、いグれ局の融長 府めるの想うる % 機諡在 週 た。まだ借り入れの可能性がある企 閣たれ局もよなを・現してンら場庁 監督局・ 1 査こ 内うさ督と局のにし件査、大っリえ市融金 等会 新 業に対し、十分な担保や保証が取れ ば伴示監こ場補点扱事調が拡なタ考 金 引員 を れががとる市候焦の墺のたがとニもはだ 取委 ないことを理由に金融機関はその可 局 後 0 券視一部業務を と措方日ばりこ員市さ範糸なこ内よ 証監 場 移管か ? 能性を排除しているのではないかと 市 統予編なよあ視 6 しき般す■ いう金融庁の問題意識である これに対して金融界は反論する ごわこス くト監ますがのれの ある地銀の頭取は「金融庁は取引先 マ機シ切設でれれの大に ス、使 るのの融ンをに議らさ針も基姿きイにい居のしそ度 との間で認識に相違かあるとしてい 関を金リ明一哘知駄サめム洞る直な年 忻し政刃出ト るが、銀行はべンチマ 1 ク項目に挙 しで融もし「グ年識が監ュ告 営オな員合下 く職統糸のを 個 = 融ニ貸細金に示すン昨有討書とリ報討 がっている担保・保証の有無で画一 ト一多のをも官あ 。このタ しルの匁か受近則をタてンの報ア、オ っ 的な融資の判断をしているわけでは ンツ係等一原み = けリしに、りみ案 = 糸イ 3 か局官長 後フ併とに弋っ にルスナ工関金 0 な組モ受タ直末ニお込体モ ない」と語気を強める。また、信用 。以オ 。督的 グな一融ヾチ定預要りのをニ見月マて見具な さ一 る任。す監式、お ン細べ絵が査で主取」れモル 3 れる 金庫の全国組織である全国信用金庫 言レかて制産めけ 、なスこ融ア年されで新な就る有に形際て 。定さまらにのい共の屋は実っ実 タに丿のし体資占だは的一。金ュ今 協会は今年 2 月、金融庁の設定した 五ロ事 ニとレたと理け 0 = = ロ をル丁主べるたニ、だ想縮末か確官てを員部ら れマ 卩き主管わ 2 ア一。自 定が圧年度明長し報職じなだを成 べンチマ 1 クについて、「協同組織 るてはのりのユ金のルてさお予合に行年り森化情局同。然想既 モ よ変の督やる自構が すれれクと分ニ関プっ置てる統幅絽 金融機関である信用金庫の特性を踏 まえるべきであり、べンチマ 1 クが 画一的・硬直的な運用になるのでは 1 クが大きな負担となることも想定項目も気になる。それは、「貸出条機関から聞かれる。これは政府が掲 ないかといった会員金庫の声が寄せされる。企業の事業性を評価した結件の変更を行っている中小企業の経げる新陳代謝の促進と通じる られている」とし、「各信用金庫の果、廃業・清算が適切というケ 1 ス営改善計画の進捗状況」だ。進捗は 森長官続投のいかんにかかわら 自主性を重んじた適切な取り扱いが は当然出てくる。そのとき金融機関「好調先」「順調先」「不調先」の 3 ず、べンチマ 1 クの本格運用は進 行われるよう、金融庁組織内におい は債権放棄の決断を迫られるから段階に分かれる。金利の減免や返済む。金融庁がどんな対話を求めるの てあらためて趣旨を徹底していただ だ。政府の方針は「産業の新陳代謝期限の延長を行った取引先の再建をか。金融機関は当局との距離を測り きたい」との意見書を提出してい の促進」である。潰すべきときは潰促すと同時に選択を迫っている。金かねている。 る。まだ、対話促進のツ 1 ルが金融し、残すべきときは残すという方針融機関の体力に応じて進めていくほ 機関にすんなり受け入れられたとは は成長戦略にも明記されている かないが、「客観的な数値を公表さ いいかたい状況にある。 金融庁幹部がべンチマ 1 クを説明せることで ( 破綻処理を促す ) 無一一一口 今後、金融機関にとってべンチマする際によく引き合いに出してきたの圧力を感じる」といった声が金融 金融行政もう 1 つの焦点 次官級のボスト 2014 年に新設 くわばら・みのる・中央大学法学部卒業。 1976 年金融財政事情研究会入社。年 「週刊金融財政事情」編集長。調査研究部長 や事務局長、編集主幹を歴任。 焦点 3 「国際局」を 新設 ? 焦点②

10. 週刊東洋経済 2017.3.25

債務、さもなくば悪魔 ヘリコプターマネーは世界を救うか ? アデア・ターナー著 / 高遠裕子訳 日経 BP 社 288 円十税 / 470 ページ profile Adair Turner ショージ・ソロス氏が設立資金を提供し、ケネス・ロゴフ氏、ジョ セフ・スティグリツツ氏、マイケル・スペンス氏らが加わったシン クタンク、新経済思考研究所 (INET) の所長。 1955 年生まれ。英ケ ンブリッジ大学卒業。元英金融サービス機構 ( FSA ) 長官。 レビュ ヘリコフ。ターマネーは 世界を救う力、 ? アデア一十一を 債務、さもなくは し、ノ、 0 4 場債金信 は行励債 過激な提案の背後にある 2 が 市な / た で銀奨 な あ とグ 一 / の 融切てれ 憂慮を真摯に受け止めよ 金適っさ 機おな ッ カる約破択思 ンす契 不ま幅用動 危て率 を選な済 るバ正式 / は増信移 一の的 パリバ証券経済調査本部長く融せ効 経 すは修株のブク命 よ金任非貨に、な本の 河野龍太郎 正犯を張るかタス致洋 も かカ 融秘着風 " 想を謝すせ 0 リ 景気が悪化すると経済人は金さ イ悪陛 5 融緩和を求める。金利低下で銀 行融資が増え、企業の設備投資務魔予 , 大 0 険銀。融投資齔シ、 ' ' 剰構債 ' ば、 、ぎル 要第の危 が回復すると期待するからだ。 債悪に重 部部、多イ部と、部的フ債部夘さロ じ章 1 人 2 務が自サ 3 務 / ル 4 安い止債 5 ネ、ピ 現実はどうか。過去四半世紀、 は序第万第債務融用第債クバ第不な廃 / 第マ務工 先進国で顕著に拡大したのは不 動産関連融資や住宅ローンだ。 大規模な住宅バブルが膨らみ、由化は必ずしも経済厚生の向上の引き受けで、政府が財政赤字 20075 年には国際金融危にはつながらないとい、 2 場だをファイナンスするという薬 機が訪れた。その後、各国の中が、奎日ではにわかに同意し難だ。過去四半世紀で積み上がっ た民間と公的部門の過剰債務も 央銀行は積極的な金融緩和を進い過激な規制案も飛び交う。 めたが、 実体経済の回復は緩慢では民間信用の代替物は存在処理可能、中央銀行に責任を持 で株式や住宅など資産の価格ばするのか不動産に多くが向かたせれば管理可能というが、議 かりが大きく上昇している っているだけだから、抑制して会制民主主義の下では政治的に 奎日は、過度な信用膨張に頼も実体経済への悪影響は小さ抑制がきかなくなり、結局、高 らない安定的な経済成長を可能 いまた、必要な信用拡大は公率のインフレにつながるリスク にするための処を論じたも的部門で対応可能という。政府があるため、評者は反対だ。 のだ。現代の金融システムではが資本の配分に関わると縁故主政府の関与もうまく行かない 孑が、資本市場を自由化すれば万 過剰な信用や通貨が創造される義に陥ったり効率性が大きく員 が、設備投資には向かわず不動なわれたりするため、戦後は民事、つまく行くというのも幻想 産など既存資本の購入のための間を通じた配分が望ましいと信で、いずれも進歩主義の行き過 債務や金融取引ばかり膨らみ、じられてきた。しかし、民間中心ぎという本書の考えには同意す バブル醸成でマクロ経済がむしの金融システムではマクロ経済るが、評者は政府の失敗をより ろ歪女定化すると寔ロする を歪女定化させる弊害が大きい重視する立場である。ただ、著 対応策として金融機関の自己ため、」 作用を承知のうえで公者が 5 年に英国の金融サ 1 資本比率の 5 % への引き上的金融を選択すべきと論じる ビス機構 ( 日本の金融庁に相 げなど、信用膨張への厳しい規さらに、公的信用の創造手段当 ) の長官を務めていたことを 制を提案する。評者は、般のとして、政府の不換紙幣の発行、考えると、その過激な提案の背 財やサービスに関しては規制緩つまりへリコプターマネ 1 を提後にある憂慮を我々は真摯に受 和が望ましいものの、金融の自案する。霙銀行の無利子国債け止める必要があるのだろう。 評者