岡本颯子 - みる会図書館


検索対象: かぎばあさんのミステリー館
81件見つかりました。

1. かぎばあさんのミステリー館

して六つの世界を生きかわり、死にかわりをしていることを『輪 めぐ まわ 廻』っていうの。『輪のように廻る・廻る』って書くんだねー にんてんによはなし 「かぎばあさん、三人の天女の話はどうしたの ? 」 りんねはなし えり 、ました。輪廻の話なんかより、かぎ 絵里が、催促するようにいし ばあさんの紙しばいをまちかねているのです。 えり 「ほんとね、絵里ちゃん : : : 」 と、かぎばあさんは、手さげから。フリントをとりだしました。 しいでも、 「地獄がどんなところか知りたい人は、これを読むと、 せいいち ひと 知りたくない人は、読まなくてもいいんだよ。どう ? 晴一くん、 読んでみる ? じごく さいそく かみ せかい ひと りん 115

2. かぎばあさんのミステリー館

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3. かぎばあさんのミステリー館

もんだい もんだい いっしよう 「神さまの問題や、魂があるかないかの問題は、一生かかって考え もんだい つづける大事な問題だから、 しいあうのはやめて、またこんど話し あいましよう」 ふたり 二人はこっくりと、うなずきました。 おも 朗が、思いきったようにいいました。 きようりゅう そうしよく ずかん 「ぼく恐竜がすきなの。とくに草食のステゴサウルスがすき。図鑑 なん も何さつかもってるし、モデルもいつばいあつめてるんだ。それで、 あきらぜんせ きよ、つり・ゅう お母さんにいわれちゃったの。『朗の前世は、大むかしの恐竜だっ ぜんせ たのかもしれない』って。ぼくの前世は、ステゴサウルスだったの ? 」 かぎばあさんは、楽しそうにこたえました。 あきら かあ かみ たましい たの おお かんが 112

4. かぎばあさんのミステリー館

広場の木かげで 「三人の天女の物語って、と 0 てもきれいなお話みたいだけど くろ かぎばあさんは、黒い手さげから大きな紙しばいをとりだして、 にこにこしながら、みんなを見まわしました。 あきらえりせいいち みんなとは、朗、絵里、晴一、由美たち、四んの三年生です。 じ′」くお 「でも、この紙しばいは、こわいお話なの。地獄に落ちた『カンく あくにん はなし ラ』という悪人のお話なんだから」 せいいち 晴一が、うたがわしそうな白い目をしていいました。 ひろば にんてんによ かみ ものがたり しろ はなし おお かみ はなし 106

5. かぎばあさんのミステリー館

にんてんによものがたり 三人の天女の物語 ふう かぎばあさんの風がわりな紙しばい かみ

6. かぎばあさんのミステリー館

テーブルのうえの即席のコーンスー。フが、ゆげを立てていました。 ちゃ でも、いままでならんでいたごちそう かぎばあさんの茶きん ずしも、カツオのたたきも、おそうにも、なんにもありません。そして、 はるか つばいでした。 春香のおなかは、もうなんにも食べられないほど、 チーンと、トースターがなりました。 じゅりあん 「ごめんなさい、樹里安。おなかすいてたのね ? はるか はるか 春香は、あやまりました。春香には、わかったのです。 り・、つり・ 春香がおなかがし 、つばいでも、いままで料理をつくってくれていた と。 かぎばあさんもまた、一さつの本だったのかもしれないんだ はるか をししました。 春香よ、 はるか そくせき 101

7. かぎばあさんのミステリー館

春香がよぶと、かぎばあさんはくるりとふりかえ 0 て、わらいな がら手をあげました。 「いかないで ! かぎばあさん ! 」

8. かぎばあさんのミステリー館

ゆき のはら はるかじゅりあん しんしんと雪のふる野原が、春香と樹里安のまえにひろがってい囲 ゆき ました。どこからともなく、かぎばあさんの『こな雪の歌』が、し ずかにひびいてきます。 じゅりあん 「樹里安、ここはどこ ? 」 はるか じゅりあん 春香がきいても、樹里安はなにも答えてくれません。 じゅりあん うた せかい 「樹里安、ここは、かぎばあさんの歌のなかの世界なの ? 」 じゅりあん 樹里安は、野のむこうをじ 0 と見つめています。 はるか くろ そちらを春香が見ると、ビンクのかさをさし、黒いオー ある たかぎばあさんの、ゆっくり歩いていくすがたが見えました。 「かぎばあさん ! 」 は こた うた ーをき

9. かぎばあさんのミステリー館

) タニツイタネナアナママノホーベン はるかじゅりあん おなかし 、つばいになった春香と樹里安は、うっとりと、かぎばあ ゆき さんの歌に耳をかたむけました。こな雪がちらちらとふってくるよ うすが、目に見えるようです。 だあれも知らない、めずらしいカリフォ がくふ ルニア・インディアンの歌ですから、楽譜 をつけておきましよう。 ー・インディアン』と、春香がき かぜうた いた『くるくるまわる風の歌』も、いっしょ にです。 うたみみ うた はるか こな雪の歌 アメリカ・インディアンの歌 ツイナアナママ / ホ ナアナ D. C. ママノホ アナママ / ホーベン

10. かぎばあさんのミステリー館

うすやきたまごでくるんだ、きいろいチ = ーリツ。フの花のような ちゃ 茶きんずし。小ェビがのっていて、ほんとうにおいしそうです。 食べきれないほど山もりの、カツオのたたき。おもちとサトイモ の、みそそうに。 ヒジキと油あげの、につけ。ホウレンソウの、ごまあえ。ごまみ そをかけた、ふろふきだいこん。ごま、きなこ、あんこのおはぎま はるか であって、春香は、ゴクンとつばをのみこみました。 ざ一いりよう ちょうみりよ、つ どの材料も、すしおけも、おなべも、調味料のびんも、ぜんぶ、 くろ あの黒い手さげからでてきたのです。 「おいしそうだなあ ! 」 あぶら こ やま はな