、 ) 三、ニを うけました。 さとうがし つぎに砂糖菓子をたべるこ とになりましたが、これが なかなかどうして一さわぎな のです。大きな鳥は、味も何 もわからないといって不平を ならすし、小さい鳥はお菓子 をのどにつまらせて、背中を たたいてもらわなければなら ないという騒ぎです。けれど も、やっとそれもおさまりま した。そして一同は輪になっ て、ネズミにもっとお話をし てくれるようにと頼みました。 さわ たの せなか
「リンゴ掘りだなんて、人をばかにするな い ! 」とウサギは怒りました。「おー 来て、おれをここからひつばり出してくれ ! 」 ( またガラスのわれる音。 ) まど 「ところでパ。 トや、窓から出ているのは、ありや何だね ? 」 うんで 「どう見ても、腕でがすよ、だんなさま ! 」 ( その男は「うんで」となまって言いました。 ) まど 「腕たって ! あほうめが ! あんなに大きな腕をだれが見たことあるかい。見ろ、窓い つばいになっているじゃないか ! 」 「ほんに、その通りでがすよ、だんなさま。けんど、やつばり腕に変わりはねえでがすよ。」 ! ・にい 3 を阜 どこにいるんだ ? 」すると、アリスのまたき いたことのない声がしました。 「ちゃんと、ここにおりますだよー なさま、リンゴ掘りをしとるところで、ヘ
リノ こうしやくふじん なか 公爵夫人が部屋の真ん中で三本あしのい あかぼう すに腰をかけて、赤ん坊をあやしていま りようりおんな した。料理女は、いろりの上に前かがみ になって、スーフがし 、つばいはいってい るらしい大きななべをかきまわしていま 「たしかにあのスープは、コショウが はいりすぎているわ。」アリスは、くし やみをしながら、やっとこれたけ言いま あたりの空気はたしかにコショウがき こうしやくふじん きすぎていました。公爵夫人でさえ、と あかぼう きどきくしやみをしていました。赤ん坊 は、すこしも休む間なくくしやみをした こし
ギが、「ああたいへんだー これでは、まにあわないそ ! 」と、ひとり ごとを言ったときだって、まだアリスはべ つにとてもかわったことたとも思わなかっ たのです。 ( あとから考えてみれば、これ はおかしいと考えるのがあたりまえなのに、 そのときは、ごくなんでもないことのよう に思えたのです。 ) けれど、ウサギがチョ かいちゅうどけい、、、、、、 ノキのポケットから、懐中時計をとり出して、時間を見て、また、とっとといそいでゆくの を見たときには、アリスも、思わすとび起きました。なぜって、ポケットのついたチョッキ を着ていたり、そのポケットから時計をとり出したりするウサギなんて、また見たことがな いということに、気がついたからです。そこで、アリスは、めずらしくてたまらなくなり、 ウサギを追いかけて、原つばをかけだしてゆきました。そして、やっとのことで、そのウサ あな ギが生け垣の下の、大きなウサギ穴にひょいと、とびこむところを見とどけました。 ! 切山い たいへんたー
0 ェビの踊り にせ海ガメは大きなため息をついて、片ほうのひれの背で目をこすりました。アリスのほ うをみて話しかけようとしましたが、泣きじゃくっているので、一、二分は声が出ませんで ほね 「まるで、のどに骨がささったみたいだな。」と言ってグリフォンは、にせ海ガメをゆす ぶったり、背中をげんこでたたいたりしました。やっと、声が出るようになって、にせ海ガ なみだ メは、涙でほおをぬらしながら、また話をつづけました。 「おまえさんは、海のずっと深いところに住んだことはあるまいねーー・・・・」 ( 「ないわ。」とア しようかい リスは言いました。 ) 「エビに紹介されたこともないだろうーーー」 ( アリスは、「いっかたべたこ とがーー - ー」と言いかけましたが、はっと口をつぐんで、「ええ、ないわ。」と言いました。 ) おど 「では、エビの踊りがどんなに愉快なものだか、知らないだろうね。」 せなか おど かた 160
「何を悲しんでいるのでしよう ? 」とグリフォンにたずねると、グリフォンは、さっきと ′、よノ - て第ノ おなしように答えました。「みんな、ありもしない空想さ、あれは。悲しがることなんかな いんだよ。さあ、ついておいで。」 なみだ それで、ふたりはにせ海ガメのそばまで来ました。にせ海ガメは、涙をいつばいためた大 きな目でふたりを見ましたが、何も言いませんでした。 じよ ) 「ここなお嬢さんがな、おまえの身の上ばなしをききたいとさ。」と、グリフォンが言い ました。 「おきかせしましよう。」と、にせ海ガメは陰気な声で、しんみりと言いました。「おふた たの りともおすわりになってください。話が終わるまでロを出さないように頼みますよ。」 そこで、ふたりはすわりました。しばらくの間はだれも口をききませんでした。アリスは 心の中で、「お話をはじめなくては、いつまでたっても終わらないけど、どうする気かしら。」 と思いましたが、しんぼう強く待っていました。 いぜん やがて、大きなため息をひとつついて、とうとうにせ海ガメが口を切りました。「以前は、 わたしも本物の海ガメでした。」 いんき 152
きようぎじよう 8 女王さまのクロケー競技場 庭の入口には、大きな・ハラの木が生えていました。その木には白い花が咲いていましたが、 えんてい 園丁が三人がかりで、せっせと赤く塗っていました。おかしなことをするものだと思って、 アリスは、もっとよく見ようと、そばへよってゆきました。ちょうど、園丁たちの近くまで やろう 来たとき、ひとりが、「五の野郎、気をつけろ。そんなにペンキをはねかけるなよ ! 」と言 うのがきこえました。 「しようがないよ。」五はふきげんそうに言いました。「七のやつがおれのひじを突いたん だもの。」 やろう これをきくと、七は顔をあげて、「へん、またか、五の野郎。いつもひとに罪をなすりつ けやがって ! 」 すると五が、「だまったほうが身のためだぜ ! ほんのきのうのことだ。女王さまがおま えんてい つみ っ 124
めました。 ざんねん ネズミのうしろ姿が見えなくなるとすぐに、「いってしまうとは、じつに残念だ ! 」と、 オウムがため息をついて言いました。またおかあさんカニは、このときとばかり、じぶんの むすめに言ってきかせました。「ねえ、おまえや ! これでわかったろう、けっして腹を立 てるんじゃないよ ! 」 「よけいなこと言わないで、かあさん ! 」と、子ガニは少しぶんぶんして言いました。 「そんなことを言うと、カキのような忍耐づよいものでも怒るわよ ! 」 「うちのダイナがここにいてくれるといいんたけどー・ーっくづく、そう思うわ。」とアリ っ スはだれに言うともなく、大きな声で言いました。「ダイナだったら、ネズミぐらいすぐ連 れもどしてくれるのに。」 「ダイナというのはたれのことでしようか ? 」と、オウムが言いました。 ねっしん アリスはいつも、かわいいダイナの話をしたくてたまらないものですから、熱心に答えま 「ダイナというのは、うちのネコなの。そしてね、ネズミをとることにかけては、それは 1 しこ 0 すがた にんたい
「おまえのロべたをあわれんでやる。」と王さまが申されました。 はくしゅ このとき、一びきのモルモットが拍手しましたが、ただちに役人に制止されてしまいまし せつめい た。 ( これは少しむずかしいことばですから、どういうふうにされたのか、説明しておきま ふくろ しよう。役人は、ロのところをひもでゆわえた大きなズックの袋を持ってきていましたが、 その中へモルモットを、さかさまに押し込んで、その上へ、どっかとすわったのです。 ) 「あのやり方を見ておいてよかった。」とアリスは思いました。「新聞でよく読んたことが さいばん あるわ、『裁判の終わりに拍手かっさいする者があったが、所員がただちに制止した』って。 今まで、どんなことをするんだかわからなかったわ。」 ぞん 「おまえの存じておるのがそれだけならば、さがってよろしい。」と王さまが申されまし 「もうこれ以上、下へさがれません。」と帽子屋が言いました。「ごらんの通り、床へおり ていますので。」 「では、すわったらよかろう。」 このとき、またべつのモルモットが拍手して、制止されました。 こ 0 はくしゅ はくしゅ こ ・ほうしゃ 190
「そもそもおまえさんは、はいろうという気があるのかね ? それが先決問題だからな。」 めしつか と召使いは言いました。 なるほどその通りです。でもアリスはそんなふうに言われるのは、きらいでした。 「いやだ、いやだ。動物って、どうしてみんなこう理くつつぼいんでしようね。ほんとに 気が変になっちゃうわ。」とアリスは、ぶつぶつひとりごとを言いました。 めしつか これをきいて召使いは、さっきのことばをくりかえすのは今だと思ったらしく、少し言い 方を変えて、「わたしはここにいるんだ。いく日もいく日もすわっているのさ。」と言いまし 「でも、あたしはどうすればいいの ? 」 くちぶえふ めしつか 「好きなようになさるがいい。」召使いはこう言って、ロ笛を吹きはじめました。 アリスは愛想をつかして、「あ 1 あ、いくら話しかけたってむだだわ。この人、ほんとに どうかしているわ。」と言って、ドアをあけて中へはいってゆきました。 けむり 戸口につづいて大きな台所があって、部屋じゅう、もうもうと煙がたちこめていました。 こ 0 へん