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検索対象: ふしぎの国のアリス
51件見つかりました。

1. ふしぎの国のアリス

さそおもしろかったでしように。もしーーもし、あたしがそんなことのできるぐらい大きか わす ったらば ! あら、まあ ! もう一ど大きくならなくてはならないことを、すっかり忘れる と ところだったわ ! さあ、どうしたらいいのでしよう。何かたべるか、飲むかすればいし 思うのだけど。でも、『何を』ということが大問題なのだわ。」 「何を」ということが、たしかに、大問題でした。アリスはあたりを見まわして、花や草 の葉をながめましたが、この場合にたべたり飲んたりしたらよさそうなものは見つかりませ んでした。そばに、アリスと同じくらいの高さの大きなキノコが一本生えていました。アリ かさ りようがわ スは、その下のほうやら両側やら、うしろ側やらを見てから、ついでに笠の上に何があるか 見てみようと思いっきました。 つまさきだ アリスは爪先立ちで背のびをして、キノコのふちからそっと上をのそきました。するとそ かさ のとたん、アリスの目は大きな青いイモムシの目と合いました。ィモムシは笠の上にすわっ しず て、腕ぐみをしながら、長い水ぎせるを静かにすっていましたが、アリスのことにもほかの っさいおかまいなしといったふうでした。 ことに , も、 がわ

2. ふしぎの国のアリス

おまえさんが中にいるとする。そして戸をたたいたなら、わたしはおまえさんを外へ出して めしつか やれるというものだ。」召使いは話をしている間じゅう、じっと空ばかり見ているので、ア ふさほラ リスは、ほんとに無作法な人だと思いました。 「でも、たぶん仕方がないんでしようよ。この人の目ときたら、頭のてつべん近くについ ているんだもの。でも、それにしたって、人がたずねることに返事ぐらいしてもよさそうな ものたわ。」アリスは、こうひとりごとを言って、「ーー・・・どうすれば中へはいれるのでしょ う ? 」と声を大きくして、もう一ど言いました。 「わたしは、あしたまでここにすわっている。」と召使いは言いました。 さらめしつか ちょうどそのときです。ドアがあいて、大きなお皿が召使いの頭めがけて、うなりを立て みじん てとんで来たかと思うと、あやうく鼻先をかすって、うしろの木にあたって、こな微塵にわ れました。 めしつか ことによると、あさってまで。」召使いは、何ごともなかったかのように、けろり としておなじ調子で言いつづけました。 「どうすれば中へはいれるのでしよう ? 」アリスは一段と声を大きくして、またたずねま めしつか いちだん

3. ふしぎの国のアリス

スのほうへかけよりました。 けれどもアリスは一生けんめい逃げのびて、まもなく、こんもりしげつたあんぜんな森に 出ました。 アリスは森の中をプラブラ歩きまわりながら、「なによりもまずさきにしなければならな いことは、あたしの体をもとどおりの大きさにすること。そのつぎは、あの美しいお庭へ出 られるようにすること。それが一ばんいいと思うわ。」 もちろん、それはすばらしい計画で、なかなかかんたんに手ぎわよくたてられたものでし こま た。ただひとっ困ったことは、どうやってこの計画に手をつけたらいい力が、さつばりわか らないことでした。アリスが木の間をすかして、気をもみながら、あちこちながめています と、頭のま上で、小さくするどい吠え声がしたので、思わずあわてて見上げました。すると、 とほうもなく大きな子犬が、まんまるい目をして、アリスを見おろしているのです。片ほう の前足をそっとのばして、アリスにさわろうとしているところでした。「おお、よしよし ! 」 くちふえふ とアリスはきげんをとるように言いました。そして、一生けんめい口笛を吹こうとしました。 でも、その子犬がおなかをへらしているのではないかと思って、びくびくものでした。もし に

4. ふしぎの国のアリス

がある間は、そこにいることにしました。 「そんなに、ぐいぐい押さないでもらいたいね。」と、アリスのとなりにすわっていた眠 りネズミが言いました。「息がつまりそうだよ。」 「でも、仕方がないのよ。」とアリスは、ごくおだやかに言いました。「大きくなっていく んだもの。」 けんり 「ここで大きくなる権利なんか、おまえさんにはないよ。」 だいたん 「ばかなこと言わないでちょうたい。」とアリスは大胆に言いました。「おまえだって、だ んだん大きくなるじゃないの。」 「それはそうさ。けど、わたしの大きくなるのは、ぼっ・ほっとだよ。おまえさんのように むちゃに大きくなるのとは、わけがちがうさ。」 ねむ そう言って、眠りネズミはぶっちょうづらをして立ちあがると、法廷のむこう側へいって しまいました。 ねむ うしゃ この間、女王さまは相変わらず帽子屋をにらみつけていました。ちょうど眠りネズミが法 廷を横切っていったとき、女王さまは、ひとりの役人にむかって、「この間の音楽会に出た あいか ほうてい がわ ねむ 187

5. ふしぎの国のアリス

ほんとうにその通りになりました。しかも思ったより早く、効果てきめんでした。また半 てんじよう 分も飲まないうちに、アリスの頭は天井にギューギューっかえて、くびが折れないようにす るには、体をかがめなければなりませんでした。アリスはいそいでびんを置いて、「これで こんなじゃ、ドアから出られ たくさんだわーー・・、・これ以上大きくならないといいんだけど ないわーーーあんなに飲まなきやよかった ! 」と、ひとりごとを言いました。 でも、悲しいことに、もうあとの祭りです。アリスはぐんぐん大きくなって、またたくま ゆか に床にひざをついていなければならなくなりました。やがて、それもきゅうくつになって、 かたうで カた こんどは、片ひじをドアにあて、片腕を頭に巻いて、ねころがってみました。それでも、ま まど かたて すますアリスは大きくなる一。ほうです。とうとうアリスは片手を窓から出し、片足を煙突へ ふみ入れてしまいました。そして、こうひとりごとを言いました。「どうにもこうにも、こ いじよう れ以上なんともできないわ。あたしはいったいどういうことになるのでしよう。」 まほう この時ようやく、魔法の小さなびんのききめはっきて、アリスの大き しあわせなことに、 くなるのは止まりました。けれども、やつばりたいへんきゅうくつで、二どと部屋を出られ る見込みはまったくなかったのですから、アリスが悲しくなったのもむりはありません。 いじよう かたあしえんとっ

6. ふしぎの国のアリス

「文句がちがう。」とイモムシは言いました。 「少しちがっているようですわ。」と、アリスは、おずおずと言いました。「あちこち、こ とばが変わっていて。」 「なあに、最初からおしまいまでまちがいだらけだよ。」と、イモムシがあまりはっきり 言ったので、しばらくの間ふたりともだまっていました。 すると、イモムシのほうからロをききました。 「どのくらいの大きさになりたいのかね ? 」 え、どのくらいたって、べつにかまわないのですけど。」と、アリスはいそいで答 えました。「ただねえ、こんなに何ども大きさが変わるのはいやだってこと、おわかりでし もんく しい気になるな、たわごとを 一日きいてるおれじゃない とっとと、うせろ、さもなけりや この二階からけおとすそ』」 さいしょ

7. ふしぎの国のアリス

一 ) ~ 」物骨杣咄寧 3. たわ。」と、かわいそうなアリスは思いました。 「しよっちゅう大きくなったり小さくなったり ~ することなんかなか 0 たし、それに、ネズミや ウサギに用をいいつけられることなんかもなか あな ったし。ウサギの穴へはいらなければよかった こんな目にあう と思うわーーーでもーーーでも のも、かわってていいわ ! あたしは、どうし たのかしら ! まえに、おとぎばなしを読んで いた頃はそんなこと起こりつこないと思ったけ れど、それがどうでしよう。今あたしは、おと ぎばなしの中にはいっているのたわ ! あたし のことを書いた本ができてもいいはすだわ、ほ んとうにそうよ ! あたし、大きくなったら書 「おうちにいた時のほうがずっとたのしかっ ころ

8. ふしぎの国のアリス

くわ くけどーーー・でも、今だってもう大きくなってるわね。」と悲しそうに、つけ加えました。「少 なくとも、もうここでは、これ以上大きくなれないわ。」 「でも、それじゃ、」とアリスは考えました。「あたしは、もうこれ以上年をとらないのか いつま しら。まず一安心だわーーおばあさんになりつこないからーーーけど、そうすると でも勉強しなければならないわね ! まあ、いやなこと ! 」 「まあ、アリスはおばかさんね ! と、アリスはじぶんで答えました。「ここでは勉強な んかできないじゃないの。ほんとに、おまえのからだだけでもう一ばいだのに、教科書を入 れる場所などぜんぜんないわ ! 」 こうしてアリスは、話し手になったり、きき手になったりして、ふたり分の会話をつづけ てゆきました。ところが数分もすると、外で声がきこえたので、話をやめて耳をすましまし 「メアリー アンや ! メアリーアンや ! 」とその声はよんでいます。「すぐに、わしの手 ぶくろを持ってきておくれ ! 」それから、トントンと階段をあがってくる軽い足音が近づい てきました。アリスは、ウサギがじぶんをさがしにやってきたのだと知りました。そして、 こ 0 いよう 力い 4 」ん 、じよう

9. ふしぎの国のアリス

まど した。というのは、たちまち小石の雨がバラバラと窓からとびこんできたのです。少しはア リスの顔にもあたりました。「こんなこと、すぐやめさせてみせるわ。」と、アリスはひとり ごとを言って、それから大声でさけびました。「二どとこんなことするんしゃないよ ! 」す しず ると、またすっかり静かになりました。 ゆか ふと気がつくと、小石は床にちらば 0 たまま、みるみるうちにみな小さなお菓子に第わ 0 めいあんう てゆくではありませんか。アリスはおどろきましたが、ふと名案が浮かびました。「このお 菓子をひとったべたら、」とアリスは考えたのです。「きっと、あたしの大きさが少しは変わ るでしようよ。お菓子をたべたって、これ以上大きくなりつこないから、きっと小さくなる と思うわ。」 そこで、アリスはそのお菓子をひとっ飲みこみました。すると、うれしいことに、すぐに 小さくなりはじめました。ドアを通れるだけに小さくなるとすぐ、アリスはその家から走り 出ました。外には、小さなけものや小鳥たちが、うじゃうじゃと集まっていました。かわい そうに、ちびのトカゲのビルはそのまん中で、二ひきのモルモットに助け起こされて、何か びんにはいったものを飲まされているところでした。アリスが姿をあらわすと、一同はアリ いじよう すがた

10. ふしぎの国のアリス

しあん 一、二分の間、アリスはその家を眺めながら、さてこれからどうしようかと思案して立っ せいふく 制服を着てい ていますと、きゅうに森の中から制服を着た召使いがかけ出して来ました めしつか たので、召使いだとわかりましたが、顔だけ見れば、それは魚でしたーー召使いは、こぶし めしつか をかためて音たかだかとドアをたたきました。すると、べつの召使いがドアをあけましたが、 まるがお せいふく 見れば、やはり制服を着て、丸顔で、カエルのように大きい目玉をしていました。ふたりと まげ も頭いちめん巻き毛で、その上に白い粉をふりかけていました。どんなことになるのかしら と思って、アリスは、そっと森を少し出て、耳をすませました。 うおおとこ 魚男はまず、小わきにかかえていたじぶんとおなじくらいの大きさの手紙を取り出して、 ごしようたいじよう こうしやくふじん 「公爵夫人へ。女王さまより、クロケー遊びの御招待状。」と、おごそかに言いながら、差 こうしやくふじん し出しました。カエル男も、おなじくおごそかに、「女王さまより。公爵夫人へ、クロケー 6 ブタとコショウ なが こな めしつか めしつか さ