エリカ - みる会図書館


検索対象: ふたごの魔法つかいの花ことば
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1. ふたごの魔法つかいの花ことば

「エリカ、いそぐんじゃ」 あやこ た きくうなすいたエリカの足に、彩子か、しかみついた 「エリカさん、あたしを、ひとりにしないでよ : : : 」 っ一」 0 し / エリカは、つらそうに、ため息をつくと、さとすように、 あや て 「彩ちゃんが、ネネプといっしょにいけないなら、あたしが手つだうしか、な いでしよ」 「でも : あや 「彩ちゃん、ダメよ。いつまでも、あたしに、たよってばかりじゃ : エリカは、そういうと、一びきのネジカプトの足にのった。ネジカプトは、 じぶんあたまうえ ゆっくりと、足をのばして、かるかると、エリカを、自分の頭の上にはこんだ。 あし あし あし

2. ふたごの魔法つかいの花ことば

エリカが、あわててきいた。でも、おばあさんは、あたりをけいかいするよ こえ 、つに、声をおしころした。 しろゆきせかい あやこ 目をあけて、彩子は、びつくりした。あたりいちめん、まっ白な雪の世界だ った。すぐそばに、エリカとおばあさんか、しりもちをついていた。 「エ、エリカさん ! ここ、どこなの」 あやこ 彩子が、エリカの手をとって、さけんだ。まわりのようすでは、ぜったいに、 ハッピーランドではない。 「さあ、いそぐんじゃよ」 あやこ おばあさんは、なんでもないようにいって、彩子とエリカを、せかせた しそぐって、どこにいくんですかだいいち、ここは、どこなんです

3. ふたごの魔法つかいの花ことば

あやこ あやこ エリカは、彩子に、わらいかけた。でも、彩子は、白いつぶを、うけとろう とは、しなかった。 ふしぎなたべものを、たべても、すぐに体や足のつかれが、とれるわけでは なかった。エリカが、足をなげだして、ぐったりと、岩によりかかったときだ 岩のわれめに、三びきの虫がかくれているのを、みつけた。 エリカは、そっと、手をのばして、虫をつかまえた。その虫は、カプトムシ あたま に、にていたが、頭には、二本のみしかい角と、ネジのような長い一本の角が ついていた。 あや 「彩ちゃん、みて、みて」 あやこ エリカは、彩子のきげんをとるように、 先を、ちらっとみただけだった。 さき あし むし ほん むし からだあし つの ゅび あやこ いった。でも、彩子は、エリカの指 しろ むし なが ぼんつの

4. ふたごの魔法つかいの花ことば

もなかったのだ。 あやこ ふあん 彩子か、不安そうに、はなしかけた。 「ねえ、エリカさん。ちょっと、きくけど : ラトマロナの花って、知って る ? 」 あやこ 彩子は、そういって、エリカをみつめた。すると、エリカの顔が、きゅうに、 かかゃいた 「ああ、よかった : やつばり、夢じゃなかったんだ : なが エリカは、そういうと、長いため息をついた 「ラトマロナの花ことばは ? 「『かわらない愛』だよ ! 」 ふたりは、ことばをかわしあ、フと、よ、フやく、ほっとして、かたをだきあっ ゅめ かお 112

5. ふたごの魔法つかいの花ことば

まつだあやこ 、いっしようけんめいに、ふいている 松田彩子は、いつものリコーダーを えんそう あやこ 彩子にとって、これが、エリカとの、さいごの演奏になることは、わかって そうなれば、 いた。あと一週間もすれば、エリカは小学校を、業していく。 き エリカとま、 ) しままでのように、気らくに、あえなくなる あやこ でも、彩子は、まえのように、さびしくは、なかった。 こ」ろ おもで あやこ 彩子の心には、エリカといっしょの、すてきな思い出が、はっきりと、のこ っていたからだ。 カっそう それに、たったいま、こうして、いっしょに合奏していることを、もうひと こころ おもで つの、すてきな思い出にしようと、心にきめていたからだった。 0 0 117

6. ふたごの魔法つかいの花ことば

たき たき そのころ、ネネプとエリカは、こおりついた大きな滝を、みあげていた。滝 のたかさは、二十メートルいじよう、ありそうだった。はばも、はじがみえな いほどの、たきなたきな氷のかべだ 0 た。 「どうするの、ネネプ」 こえ ふあん エリカは、不安になった。でも、ネネプは、エリカの声が、きこえなかった ゆきうえ ままで、おいかけてきた、 かのように、じっと、雪の上を、みつめていた。い あし たきした アリの足あとが、滝の下で、きゅうに、きえているのだった。 「おかしい・ ネネプが、つぶやいたときだ。二ひきのネジカプトたちが、さわがしく、な あやこ きだした。エリカか、うしろをふりかえると、はるかとおくに、彩子がのった おお

7. ふたごの魔法つかいの花ことば

おおごえ びつくりしたエリカは、大声でさけんだ。 こえ あやこ 彩子は、おどろきすぎて、声もでなかった。 「きようだいでは、なさそうじゃが、仲がいいんだねえ」 こえ かお おばあさんは、へいきな顔で、ふたりに声をかけてきた。 「そんなことより、はやくすわってリ」 からだ エリカは手をのばして、ひっしで、おばあさんの体をつかまえた。病気で、 あやこ おも すっかりポケている。彩子もエリカも、そう思った。このままだったら、おば あさんは、コースターから、ふりおとされてしまう。 「おねがい " すわってちょうだいー こえ もうエリカは、ありったけの声で、さけんでいた。 そのとき、コースターは、スロープのてつべんをすぎ、じよじょに、スピー なか びようき

8. ふたごの魔法つかいの花ことば

あや 「まいったなあ。彩ちゃん、タレントさんみたい」 あやこ エリカは、そんな彩子を、まぶしそうにみていった。 「エリカさんとの、とくべつの日だもの、おしゃれしてきちゃったんだ」 あやこ 彩子は、電車のざせきからたちあがると、エリカのまえで、くるりとまわっ てみせた。 あや 「かわいいよ、彩ちゃん。でも、そんなかっこ、フで、『ジャイアント・トルネー ド』にのったら、さむいかもよ」 あやこ エリカは、にこにこして、彩子にいっこ。 「、、こ ) ト ) よ、フふー・」 あやこ 彩子も、わらってこたえた。 にちょうび ソピーランドの日曜日は、とおくからくるお客さんで、すごくこむのが、 でんしゃ きやく

9. ふたごの魔法つかいの花ことば

ろがりつつけている。 まほう 「エリカさん、魔法をかけるよ ! 」 こえ あやこ 彩子は、どきどきしながら、となりのエリカに声をかけた。 「あ、あたしも、かけられるかな ! 」 あやこ 目をかがやかせたエリカに、彩子は、すすらんの花を、ひとっかみ、手わた こえ こえ ちから した。ふたりは、ノートをのぞきこんで、声をそろえて、力いつばい、声をは りあげた。 「デデブ、デデブ、デブラドン " 花よさけ、ラトマロナ、デブラドンい」 こえ まほう ふたりは、なんどもなんども、声をそろえて、魔法をかけた。 あや 「す、すごい " 彩ちゃん、花がさきだしたよⅡラトマロナの花がリ」 ちじよう ゅび エリカが、地上を、指さしていった。 はな 103

10. ふたごの魔法つかいの花ことば

あやこ あやこ 彩子は、むちゅうで、さけんだ。彩子ののったネジカプトは、とびあがった あやこ ものの、ふらふらとしていた。彩子は、気づいていなかったが、ネジカプトの 膓は、ユキジゴクのキバで、たきく、きりさかれていたのだ。 あや 「彩ちゃん ! こっちに、のりうつるのよⅡ」 あやこ エリカが、すぐそばに、とんできていた。エリカは、彩子に、手をのばした。 あや はやく、あたしに、つかま 「彩ちゃん ! そのネジカプトは、も、フダメよー るのよリ」 あやこ あやこ エリカが、さけんだ。彩子も、ひっしで、手をのばした。でも、彩子ののつ おも た、不ジカフトは、きゅ、つに、 たかくとひあかったかと思、つと、すぐに、おちそ あやこ うになってしまう。彩子とエリカが手をのばしても、なかなか、おたがいの手 をつかめない。なんどやっても、もうすこしのところで、手が、はなれてしま