ネネフ - みる会図書館


検索対象: ふたごの魔法つかいの花ことば
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1. ふたごの魔法つかいの花ことば

ネネプは、しんけんな顔で、しっと、うごかない 「キュルレレレル。キュルルレレレ き こえ き アリの声が、こんどは、木のすぐそばできこえ、ガリガリと、木をひっかく おと 音が、ひびきわたった。そして、アリの顔が、てんじようのあなから、みえた ときだ。 「ネネフ、ネネフ、ネミシガンー 小さくなれ、ネミシガン ! 」 まほう ネネプが、はやくちで、魔法をかけた。すると、アリのすがたか、し んにして、きえたのだった。 いりぐち あやこ ネネプは、入口のドアをあけて、あたりをうかかうと、彩子とエリカを、せ かせた 「さあ、いまのうちに、ラトマロナのタネをぬすんでいったアリの足あとを、 かお ちい かお あし ) っしゅ

2. ふたごの魔法つかいの花ことば

「な・ん・と・で・も・ 「ネネプ、ネネフ・ : 」 まほ、つ 、 ) ) かけたときだった。 ネネプが、魔法のじゅもんを 「ぐ・ふ・ふ・ふーっ " オニモカプラの口から、とっぜん、ねばねばする液体が、ネネプにむかって、 ゆき はきだされた。あわてたネネプは、雪をけって、とびあがって、よけた。でも、 つつき、あっというまに、オニモカプラのロに、 ネネプのマントに、液体が、く ひきすりこまれたのだ。 「キャーツー こえ あやこ 彩子は、エリカに、しがみついた。その声をききつけて、オニモカプラが、 ふたりのほ、フに、ふりかえった。 くち えきたい えきたい

3. ふたごの魔法つかいの花ことば

あや 「彩ちゃん ! 」 「エリカさん ! 」 ふたりは、ふるえながら、しつかりと、だきあった。 あやこ はるか下をみると、さっきまで彩子がのっていたネジカプトが、ユキジゴク ゆきなか たちに、雪の中に、ひきすりこまれていくところだった。 「あ、ありかとう : あやこ 彩子は、それだけいうのか、せいいつばいだっこ。 そのあいだにも、ネネプは、おそってくるユキジゴクたちに、魔法を、かけ つづけていた。 「ネネプ、ネネフ、ネミシガンー 小さくなれ、ネミシガン ! 」 ネネプは、ネジカプトにのりなから、とびまわっていた。 した ちい まほう

4. ふたごの魔法つかいの花ことば

っていた。 いきおいよくのびてい 一本のつるのさきに、ネネプのすがたがあった。 あやこ ネネプは、つるにのったまま、彩子とエリカのまえに、やってきた。 あやこ 「彩子、エリカ、よくやった , よ、ありがとうー こんどは、わしが、葉をしげ らせるばんじゃー なが ネネプは、こしのふくろの中から、すすらんの花をつかみだすと、長いっえ を、つるにあてた。 「ネネプ、ネネフ、ネミシガン葉よしげれ、ラトマロナ、ネミシガンリ」 ゆき ネネプは、すすらんの花をにぎりしめて、しゅもんをかけた。すると、雪の うえ 上いつばいに、のびつづけていた、つるのあちこちから、 いっせいに、葉がひ ろがりはじめた。 ぽん はな 101

5. ふたごの魔法つかいの花ことば

「ちょっと、まってください」 あやこ 彩子は、ポシェットから、いそいで、ポールペンと小さなノートをとりだし 士 6 一は、つ て、魔法のじゅもんを、かきとった。 め ついでに、芽をださせ、葉をしげらせるじゅも 「それなら、まちがいはない。 んも、かいておいてくれないかね。さいきん、ネネプねえさんは、ものわすれ まほ、つ が、ひどくてね。魔法のじゅもんを、わすれちまうのさ」 あやこ つ」 0 しネ / デデブは、彩子のノートを、のぞきこみながら、 め 「『ネネフ、ネネフ、ネミシガン。芽をだせ、ラトマロナ、ネミシガン ! 』た ししかえれよい ) 葉をしげらせるときは、『葉よしげれ』と、 あやこ 彩子は、まちかえないように、デデフのいうとおりに、 力しオ

6. ふたごの魔法つかいの花ことば

ネジカプトか、みえた。 あや 「彩ちゃん ! 」 おおごえ エリカは、うれしくて、大声をだした。 あや あや 「ネネプ ! 彩ちゃんよ、彩ちゃんがきたよ ! ひとりで、かえったりしなか エリカが、はしゃいで、手をふったときだ。 「ネジカプトたち、はやく、とぶんじゃー おおごえ きゅうに、ネネフが、大声で、さけんだ。 そら 空に、とぶんじゃっ " 「はやノー この。 こ、はいってきた、巨大なアリ じめん をねらって、地面のわれ目に、なにかが、かくれておるんじゃー ネネプは、さけびつづけた。 きょだい

7. ふたごの魔法つかいの花ことば

「ど、どうして、そんなことを ? 」 じぶん 「それは、わからん。オニモカプラか、この世界を自分のものにしたくて、そ あい うするのか、それとも、なにか、愛をにくむ、ねじれた気もちがあるのかもし しカんそ」 エリカ。どっちにしても、のんびりしているわけには、 ) 、 れん : ・ じめん あか ネネプの目が、うっすらと、赤くひかっていた。ネネプは、長いっえを地面 まほ、つ あたまゆび につきたてると、ネジカプトの頭に指をあてて、魔法のじゅもんをつぶやいた 「、不ネプ、ネネフ、ネミシガン ! 大きくなれ、ネジカプト、ネミシガン ! 」 ちい ネネプが魔法をかけたとたん、てのひらにのるほどの小さな虫が、きゅうに、 あやこ ぐんぐんと、大きくなりはじめた。彩子もエリカも、ふしぎな魔法に、目をみ キまっこ。 ネネプは、のこりの二ひきにも、つぎつぎに、魔法をかけた。 士 6 ほ , っ おお せかい 亠まほ、つ なが むし まほ、フ

8. ふたごの魔法つかいの花ことば

て あやこ あやこ ネネプが、彩子の手のひらに、白いつぶをのせようとすると、彩子は、ネネ 6 て プの手をはらいのけて、また、なきだした。 「かえりたいよ : はやく、かえしてよ : : : 」 あやこ 彩子は、まるで、おさない子どものようだった。 「こまったことに、なったもんしゃ・ しかたなく、ネネプは、エリカのてのひらに、星のかたちをした白いつぶを、 のせた。エリカは、くすりのような白いつぶを、ロにいれオ すぐに、あまい味か、ロの中いつばいに、ひろがった。なにか、くだものの あじ ような味だ。ネネフがいったように、ふたつぶたべただけで、すぐに、おなか よ、 ) つよ ) こよっこ。 あや 「おいしいよ、彩ちゃん」 あじ くちなか こ しろ しろ くち しろ

9. ふたごの魔法つかいの花ことば

あやこ 彩子は、エリカの気もちが、わかっていた。わかっていたけれど、どうしょ 6 うもないのだった。 あやこ 「彩子、おまえのこわさは、おまえのこわさ。だれにも、たすけられんのじゃ。 じぶんじぶん こればかりは、自分で自分を、のりこえるしかないんじゃ」 ネネフは、きつばりい、フと、ネジカフトにのった。 ネネプをのせたネジカプトは、アリの足あとをおって、ナイフのように、す こおりやま るどくそびえている、氷の山にむかって、あるきだした。 あや 「がんばって、彩ちゃん ! ぜったいに、きてよ ! 」 エリカは、そういいのこして、ネネプのあとを、おいかけていった。 あやこ おきざりにされた彩子は、どうしていいか、わからなかった。これから、お こりそ、フなことを、かんかえると、おそろしい。なにしろ、おそろしくて、た あし

10. ふたごの魔法つかいの花ことば

そらうえ 「さあ、ふたりとも、ネジカプトにのるんじゃ。空の上から、デデブのかわり まほ、つ に、花をさかせる魔法をかけてくれ」 こえ あやこ ネネプの声に、さいごにのこったネジカプトが、彩子とエリカのまえに、や こえ ちい みみ し子 / ってきた。ネネフは、ネジカプトに、 小さな声で、耳うちをしてから、 あやこ 「彩子。ラトマロナの花ことばを『かわらない愛』とするのは、どうしゃ ? 」 あやこ 彩子は、うれしくて、しぜんに、えがおになった。 「ふたりとも、ラトマロナの花ことばを、わすれぬようにな」 あやこ ネネプは、つるのさきに、のったまま、彩子とエリカに、手をふった。 そら ネジカプトは、すぐに、ふたりをのせて、空たかく、とびたった。 そら しろゆきうえ 空からみると、まっ白い雪の上を、みどり色の葉が、しみわたるように、ひ 102